韓国ゲーム会社で人気の高いゲームタイトルは?市場傾向を解説


2024年5月21日

韓国はゲームプレイヤーが多く、eスポーツが盛んなことは知られていますが、市場としてどの程度の規模があるのか、どんなゲーム会社が売上や利益を上げているのかはあまり知られていないと思います。

 

そこでこのコラムでは、韓国のゲーム市場の規模感や人気タイトル、韓国の大手ゲーム会社などを紹介し、韓国のゲーム会社への転職に関する情報も記載します。ぜひ最後まで読んで、韓国のゲーム業界を知るきっかけとして下さい。

 

韓国ゲーム会社の市場傾向

この項目では、韓国のゲーム会社の市場動向の把握につながる情報を記載していきます。

 

韓国のモバイルゲーム市場の変化と海外パブリッシャー

モバイルアプリの調査を行っているセンサータワー社が出した「2023年韓国のモバイルゲーム市場インサイト」というレポートによれば、2023年の韓国におけるモバイルゲームのIAP収益(アプリ内購入収益)は、48億ドル(1ドル155円換算で約7,440億円)に迫ると見込まれています。この数値はコロナ禍であった2021年の59憶ドルには及びませんが、コロナ禍以前の2019年に近い数値です。

 

また、韓国のモバイルゲームの収益においては約4割が海外パブリッシャーの利益となっており、海外パブリッシャーは韓国を市場のひとつとして注目しています。

 

とはいえ、韓国のモバイルゲームのシェアは韓国が58%、中国が28%、アメリカが7%で、日本の単独シェアはこの報告で数値化されていません。

 

このレポートは韓国のゲーム会社が海外展開している点にも言及しており、NEXON Koreaの「ブルーアーカイブ」やNetmarbleの「Jackpot World」、「Cash Frenzy」、「Lotsa Slots」などは海外で高収益を上げています。

 

代表的な韓国ゲーム会社

韓国の代表的なゲーム会社と代表作を以下に紹介します。

 

・NEXON Korea…代表作に「ブルーアーカイブ」、「メイプルストーリー」、「アラド戦記」などがあります。NEXON Korea は2023年に韓国のゲーム会社で売上、営業利益、純利益のすべてで第1位であり、韓国のゲーム業界最大手の位置に君臨しています。

 

・Netmarble…代表作に「セブンナイツ ポケット」、「MARVEL CONTEST OF CHAMPIONS(MARVEL オールスターバトル)」などがあります。2023年の売上はNEXON Koreaに次いで第2位でしたが、利益としては黒字にはなりませんでした。

 

・KRAFTON…代表作に「PUBG:BATTLEGROUNDS」、「BATTLEGROUNDS MOBILE INDIA」、「Dark and Darker Mobile」などがあります。KRAFTONは売上に関しては第3位ですが、売上第2位のNetmarbleの収支が赤字だったこともあり、利益額はNEXON Koreaに次いで第2位となっています。

 

・NCsoft…代表作に「リネージュ」、「Project BSS」、「バトルクラッシュ」、「ブレイドアンドソウル2」などがあります。NCsoftは、2022年は韓国のゲーム会社で売上第3位の位置につけていましたが、2023年はモバイルゲームが減収し、KRAFTONに抜かれる形となりました。

 

・Kakao Games…代表作に「エバーソウル」、「ArcheAge WAR」、「オーディン:ヴァルハラ・ライジング」などがあります。2023年は3タイトルのリリースを行ったものの、売上、利益ともに前年より下がっています。2024年には10タイトルをリリース予定としているので、利益向上が期待されます。

 

・GRAVITY…代表作に「ラグナロク オンライン」、「東京サイコデミック~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~」、「神箱 KAMiBAKO - Mythology of Cube -」などがあります。

GRAVITYは韓国のゲーム業界において2023年の売上第7位ですが、8年連続で売上額を刷新しているので、堅調に伸びている会社と見ることができます。

 

・Wemade…代表作に「ミルの伝説2」や「NIGHT CROWS」などがあります。2023年は過去最高売上を記録したものの、収支としては赤字でした。2024年は独自仮想通貨「WEMIX」やブロックチェーンゲームプラットフォーム「WEMIX PLAY」などの技術を使ったゲームのリリースで黒字化に挑んでいます。

 

・NHN…代表作として「#コンパス ライブアリーナ」や「ウパルオデッセイ」などがあります。2023年は前年より売上を向上していますし、2024年も複数タイトルのリリースを予定するなど、さらなる業績の伸びが期待されます。

 

・Com2uS…Com2uS Holdingsのグループ企業で、代表作に「サマナーズウォー」があります。2023年は前年より売上を伸ばしていますし、2024年にも複数タイトルのリリースを予定しているので、今後の成長が期待されます。

 

IAP収益とモバイルRPG

センサータワー社の「2023年韓国のモバイルゲーム市場インサイト」では、2023年の韓国モバイルゲームのIAP収益(アプリ内購入収益)は、48億ドル(1ドル155円換算で約7,440億円)に迫ると報告されています。

 

センサータワー社の「2023年日本のモバイルゲーム市場インサイト」を見ると、同年の日本のモバイルゲームのIAP収益は約140億ドルと予想されているので、韓国のモバイルゲームIAP収益は日本の約34%に相当します。

 

現状、韓国のゲーム市場で日本初のゲームの売上は大きいとは言えない状態です。しかし、韓国は日本と同様にRPGの需要が約半数を占める特徴をもっています。この点に目を向けると、韓国のゲーム市場に日本のゲーム会社が食い込む機会がないわけではありません。

 

また、パズルやクイズ系のゲームが人気な点は世界的な傾向であり、韓国でも変わりはありません。しかし特筆すべき点は、韓国ではモバイルMMORPGのユーザーが多いことです。MMORPGのジャンルではオンラインコミュニティも多く、30~40代の働き盛りの層がMMORPGを好んでいることもあって、課金もこのジャンルで多く行われています。

 

韓国ゲーム会社発!ゲームの魅力

この項目では、韓国が発信している人気ゲームタイトルを紹介し、そのクオリティや特徴、ビジネス展開などを解説します。

 

韓国ゲーム会社の人気タイトル

・リネージュM…2019年にNCsoftからリリースされたMMORPGです。

 

・ストーンエイジ…NetmarbleのタイトルでMMORPGとして人気を集め、その後「ストーンエイジワールド」もリリースされました。

 

・二ノ国:Cross Worlds…「二ノ国」は日本のレベルファイブとスタジオジブリが共同開発したタイトルですが、「二ノ国:Cross Worlds」は韓国のNetmarbleと共同開発されています。

 

・メイプルストーリーM…NEXONの代表作である「メイプルストーリー」のモバイル版として、リリースされています。

 

・キングオブファイターズオールスターズ…「キングオブファイターズ」は日本のSNKがリリースしている人気格闘ゲームのシリーズですが、「キングオブファイターズオールスターズ」は韓国のNetmarbleが開発・運営を行っています。

 

・Night Crows…「Night Crows」 はMADNGINEが開発し、WemadeがリリースしているMMORPGです。

 

ゲームコンテンツのクオリティ

韓国のゲームの中にはグラフィックやキャラクターデザイン、イベントの質など、多方面でハイクオリティなタイトルが複数存在します。

 

たとえば、NEXONの「ブルーアーカイブ」やNCsoftの「ブレイドアンドソウル2」などは、それぞれ方向性は異なりますが、画像のクオリティが高い点で人気があります。

 

大規模なプロモーションと企業とのコラボ

韓国や中国のゲームは、大規模プロモーションやコラボ企画を意識的に行って認知度を上げることがあります。例えばNCsoft は2024年1月から3月にかけて、「リネージュW」と佐賀県の大規模コラボを行いました。

 

ゲーム内で佐賀県の魅力を発信するイベントを行うと同時に、空港や温泉旅館でリアルイベントを実施、佐賀県出身の人気声優も登用するなどの取り組みで、認知度を拡大しました。

 

公式ファンコミュニティの存在

韓国では以前からゲームファン同士のコミュニティが作られる傾向が強く見られましたが、近年は開発や運営を行っている企業が公式コミュニティを作ることが増えています。

 

公式コミュニティでは、開発・運営企業からのさまざまな情報発信がおこなわれるだけでなく、ファンが積極的にSNS等で発信を行いますし、ファン同士の交流も盛んです。

 

日本のコンテンツと韓国開発スタッフへの影響

現在韓国でゲーム開発や運営を行っている人たちの中には、幼少期から日本のゲームをプレイしながら育った人が多数含まれています。

 

つまり日本のゲームから影響を受けた人たちが開発しているゲームだからこそ、日本人にとって馴染みやすいタイトルが多いとも言えるでしょう。

 

韓国ゲーム会社が求める日本人採用のスキルは?

ここからは、韓国のゲーム会社に転職したいと思う人に向けて、採用されるための必要スキルを解説します。

 

日本語と韓国語の両方で読み書きができる

韓国の企業で働く以上、韓国語のスキルは欠かせません。どの程度のレベルを求められるかは企業や職種で異なるでしょうが、少なくとも日常会話の読み書きは必須です。できることならビジネス上の会話が支障なくできるように、中級程度の韓国語を習得しておくようおすすめします。

 

また、韓国語能力試験TOPIKを受けると韓国語の習得レベルが数値化できるので、転職活動にも便利です。

 

PCの基礎(Word、Excel、PowerPoint、デザインツール)ができる

ゲーム会社で働くのであれば、プランナー、クリエイター、エンジニアなど、どの職種であってもPCの基礎スキルは欠かせません。

 

たとえばWordやExcel、PowerPointなどは必須ですし、デザイン系であればPhotoshopやIllustratorなどの定番ツールは使えるようになっておきましょう。

 

また、韓国のゲーム業界で働くうえではSNSの管理スキルも重要です。そのためTikTokやInstagram、YouTubeやX(旧Twitter)などを韓国語で使う訓練もしておくことをおすすめします。

 

自主性と責任感

日本人は集団に溶け込んで目立たないことを好みがちですし、意図して無難な発言をする傾向がありますが、わざわざ日本人を雇用する以上、その企業が日本人の視点を求めている可能性が高いです。それを踏まえて、積極的な発言をすることを心掛けましょう。

 

また、韓国では、日本よりも仕事の完成度よりスピードを重視する傾向が強いため、時間をかけて完成度を高めるより、ある程度できた時点で確認してもらうなどの工夫が大切です。

 

とはいえ、求められるものは企業や立場によって異なりますから、自主性と責任感をもって行動しつつ、自分の動きに不満や不備がないかを、上司や同僚に時々確認すると良いでしょう。

 

社内外との円滑なコミュニケーションができる

海外企業に転職する場合、専門用語やビジネス用語の補強に重点を置く人が多いでしょうが、円滑なコミュニケーションが取れるように日常会話の習得にも力を入れましょう。

 

言語に自信がないと人との交流が消極的になるかもしれませんが、ぜひ社内外と積極的にコミュニケーションを取ることをおすすめします。最初はわからない言葉や習慣も多く、ときには恥ずかしい思いをするかもしれません。しかし、コミュニケーションを上達するには、その場の雰囲気やその集団特有の言葉に慣れることも重要です。

 

モバイルやオンラインゲームの経験者

ゲーム会社に転職する以上、ゲーム開発に役立つスキルも欠かせません。既存のスキルがあればそれをしっかりまとめてアピールすることを意識しましょう。

 

また転職を希望する会社が絞れているのであれば、その企業の求人情報を見て、スキル的に足りない部分がないかを確認し、不安があれば積極的に補強して合格の可能性を上げましょう。

 

韓国ゲーム会社の市場動向まとめ

韓国のゲーム市場は2021年にコロナ禍による過去最高売上を記録し、2023年はコロナ前の2019年と同水準の市場を維持しています。

 

韓国のゲーム市場は約4割が海外パブリッシャーの売上で構成されており、海外のゲーム会社から無視できない市場としても注目されています。

 

2023年、韓国の市場で売上をあげた国は、中国、アメリカの順で、日本は大きな実績は残せていません。とはいえ、韓国のゲーム市場では日本と同様にRPG人気が高いので、日本のゲーム会社が今後市場を獲得できるチャンスも無いわけではありません。

 

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