台湾のゲーム会社を徹底解剖!有名な会社から今後の展望まで紹介


2025年1月27日

台湾のゲーム産業は1980年代から始まっており、当時は海外製のゲームが輸入されて楽しまれていました。しかしその後は台湾内でもゲーム開発が盛んになり、近年はゲーム開発を行う企業も多数生まれています。とはいえ、日本にいると台湾のゲーム会社を知る機会はまだ多いとは言えません。

 

そこでこのコラムでは、台湾を代表するゲーム会社や有名タイトルを紹介し、台湾のゲーム市場の近況や今後の展望についても解説します。

 

台湾を代表するゲーム会社一覧

この項目では、台湾のゲームシーンをリードするゲーム会社5社を紹介し、その基本情報や代表作のほか、企業としての特長も解説します。

 

Kudos Productions(果多數位)

Kudos Productions(果多數位)は2016年に設立された会社です。拠点は士林区徳興西路37号台北市 111(台北の北側)のほかに、上海と蘇州にもスタジオがあります。

 

従業員数は約470名、代表作にカプコンの『ドラゴンズドグマ2』、ブリザードの『Diablo 4』、ゲリラゲームズの『Horizon』などがあります。

 

Kudos Productions(果多數位)は高品質の3Dモデリングを得意とする会社です。カプコンやコジマプロダクションなど日本の企業との仕事を行う一方、Guerrilla GamesやRiot Gamesなど欧米の企業が提供するゲームの開発にも参加しています。

 

XAC(樂美館)

XAC(樂美館)は2005年にDigital Radish Technologyという名称で設立され、2018年にXACに社名を変更しています。本社は台北の高雄市塩城区大永路106号5階に位置していますが、蘇州事務所、台北事務所、台中事務所などがあり、活動拠点は4ヶ所となっています。

 

代表作に『ファイナルファンタジー XV』、『グランブルーファンタジー Relink』などがあります。

 

ゲームのアートサービスを得意とする会社で、2Dアート、3Dアート、2D/3Dアニメーション、カジノゲーム用アートなどを多数手がけています。

 

Soft-World International(智冠科技)

Soft-World International(智冠科技)は1983年に設立された歴史ある企業で、登録住所は高雄市三民区民庄路61号2階です。

 

従業員数は約240名、代表作に『信長の野望Online』、『ROラグナロクオンライン』『純白和弦』などがあります。

 

Soft-World International(智冠科技)は多数のゲーム開発を行っているほか、繁体字圏で大きな知名度をもつゲーム決済サービス「MyCard」も提供しています。さらに、イベントの実施やプロモーションなど幅広い分野で事業を展開しています。

 

Aiming Taiwan(日商艾鳴網路遊戲)

Aimingは2011年に設立された日本の企業ですが、2012年に台湾スタジオ(台北市南港區市民大道七段8號11樓)、2022年に台中スタジオ(台中市東區公園東路130號5樓之2)が作られています。

 

台湾での従業員数は186名で、代表作に『剣と魔法のログレス いにしえの女神』、『陰の実力者になりたくて! マスターオブガーデン』『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか バトル・クロニクル』などがあります。

 

Aiming TaiwanはAimingが開発したタイトルのグローバル販売や運営のほか、Aiming以外のゲーム会社のタイトルの代理販売や運営を行っています。

 

Appier Group(沛星互動科技)

Appierは2012年に設立された会社です。拠点は臺北市信義區松仁路123號と公表されていますが、日本を含むジア圏や欧米の各地にオフィスを構えています。

 

Appierはネクソンとパートナーシップを組んでおり、AIソリューションを提供して『アラド戦記』などのゲームの販売促進やユーザー継続率の維持に貢献しています。

 

台湾ゲーム会社が開発した注目タイトル

この項目では、台湾のゲーム会社が開発した多数のゲームの中で特に注目すべきタイトルを紹介します。

 

軒轅剣 閻黒の業火

『軒轅剣 閻黒の業火』は台湾のゲーム会社SOFTSTAR(大宇資訊)とDOMO Studio(DOMO工作室)が開発し、Yooreka Studio(游力卡工作室)がリリースしているタイトルです。

 

『軒轅剣』シリーズは30年以上もユーザーを獲得し続けている人気シリーズで、2000年前の中国を舞台とする歴史・アクション・ファンタジーなど多数の要素をもつRPGです。

 

『軒轅剣 閻黒の業火』は2020年にリリースされ、リアルなグラフィックとテンポの良いアクションRPGとして話題になりました。

 

レルムクロニクル

『レルムクロニクル』は独立開発チームであるシーナ・ゲームが開発、Mobimonがパブリッシングしたタイトルです。ジャンルとしてはシミュレーションRPGであり、ストーリーの奥深さも楽しめる剣と魔法の正統派ファンタジーとして描かれています。

 

戦略性の高さやストーリーの細やかさ、キャラクターの多彩さや、やりこみ要素豊富な点などで高い人気を獲得しました。台湾ではNo.1SRPGの座に輝いたこともあるヒットタイトルです。

 

トリオ・ソナタ

前述の『レルムクロニクル』と同様に、シーナ・ゲームが開発し、MobimonがリリースしたアクションRPGです。3Dアバターを操作して音楽で戦うゲームシステムや、3人のプレイヤーが共闘できる点など、独自性の高さで話題を集めました。

 

また、スマートフォンに入っている音楽をゲーム内に取り込んだり、選ぶ音楽によってスキルが変わったりするなど、このタイトルならではの魅力が満載です。

 

台湾ゲーム業界の今後の展望

この項目では、台湾のゲーム市場の変転について具体例をあげて解説し、発展の理由や今後の展望についても言及します。

 

モバイルゲーム市場が拡大中

台湾は日本に比べてPCゲームのプレイ率が高いと言われてきましたが、近年モバイルゲーム市場も拡大しています。

 

2015年には台湾のモバイルゲーム市場は世界で15位でしたが、2022年にはアメリカ、日本、中国、韓国に次ぐ世界5位まで増加しています。(参照元:逆勢成長!台灣成全球第五大手遊市場 Google Play 三大策略帶動台灣遊戲業成長:https://www.inside.com.tw/article/30656-google-paly-2023-3-strategy-of-gaming

 

人口の多さランキングにおいて世界で50位台の台湾が、モバイルゲーム市場15位であるだけでも記述に値しますが、わずか7年で5位まで上昇したわけですから、急成長と言っても過言ではないでしょう。

 

また、台湾のゲームユーザーは課金率が高いことでも知られています。1人当たりの平均課金額は中国の3倍程度という調査もあり、台湾のゲーム市場は世界的に見て無視できない存在となっています。

 

政府による支援

台湾には台湾クリエイティブ・コンテンツ・エイジェンシーというコンテンツ産業を支援する組織があり、ゲーム支援も盛んにおこなわれています。この組織は独立行政法人の形を取っていますが、日本の文科省にあたる文化部が創設しているので、台湾政府がゲームをはじめとするコンテンツ産業を支援する意思が強いことは明白です。

 

また、台湾では教育部と呼ばれる政府機関にeスポーツに関連する部署を置き、eスポーツ産業の支援も進めています。

 

このように、政府関連機関による支援があることも台湾のゲーム市場拡大に寄与しています。前項で紹介した市場自体の拡大傾向や1人当たりの課金率の高さなどを踏まえると、台湾のゲーム業界が今後も発展を続けていくことは間違いないでしょう。

 

まとめ:台湾のゲーム会社でキャリアを築くメリット

台湾には多数の有力なゲーム会社がありますし、人気タイトルも次々と生み出されています。また、政府によるコンテンツ産業の支援が盛んなうえに、1人当たりの課金率が高いこともあって、世界的に無視できない市場へと成長を果たしています。実際に台湾のモバイルゲーム市場は2022年に世界5位まで拡大しており、今後も発展が続いていくことは容易に想像できます。

 

そのため、ゲーム会社への就職や転職を目指すのであれば、台湾でキャリアを築くことを考えてみてはいかがでしょうか。

G-JOBエージェントの求人は、約70%が非公開求人
  • サイト上に掲載されている求人は全体の約30%です。
  • 無料転職サポートにお申込みいただくと、非公開求人を含めてエージェントがあなたの希望に合った求人を探します。