ポーランドのゲーム会社を徹底解剖!有名な会社から今後の展望まで紹介
2025年3月13日
日本ではポーランドという国自体になじみが薄いと感じる人も多いでしょう。しかし、実はポーランドにはゲーム会社が多数存在しますし、近年は世界的ヒットタイトルも生み出されています。
そこでこのコラムではポーランドのゲーム会社や注目タイトルを紹介したうえで、ポーランドのゲーム会社で働く魅力や、ポーランドゲーム業界の動向などをまとめます。
ポーランドに本社を置く有名ゲーム会社
ここではポーランドの有名ゲーム会社4社を紹介します。
CD Projekt Red(シーディープロジェクトレッド)
CD Projekt Red(シーディープロジェクトレッド)は2002年に設立されたゲーム会社です。本社はポーランドの首都ワルシャワにありますが、ポーランドのクラクフとヴロツワフのほか、カナダのバンクーバー、アメリカのボストンにも拠点を置くグローバル企業です。
2007年にリリースした「The Witcher」や2022年リリースの「サイバーパンク2077」はどちらも多数の賞を獲得、世界各地で熱狂的評価を得ており、CD Projekt Redはゲーム業界で高い地位を築いています。
CD Projekt Redの代表作としては、「The Witcher」シリーズ、「サイバーパンク2077」などがあります。
公式サイト:CD PROJEKT RED - Award-winning creators of story-driven role-playing games.
Techland(テックランド)
Techland(テックランド)は、ソフトウェア配信会社として1991年に設立されています。2000年にリリースした「Crime Cities」が評価されたことで本格的にゲーム開発に参入しており、その後はヒットタイトルの開発を続け、ゲーム業界で権威ある賞も獲得していきます。
現在はポーランド国内のヴロツワフ、ワルシャワに拠点をもち、世界に知られるゲーム会社への成長を果たしています。また、Techlandは2023年以降テンセントの資本提携を受けていますが、IPの所有権はそのまま保持しています。
Techlandの代表作としては、「Dead Island」シリーズ、「ダイイングライト」シリーズ、「Call of Juarez: Gunslinger」などがあります。
公式サイト:We create unforgettable experiences • Techland
11 bit studios(イレブンビットスタジオ)
11 bit studios(イレブンビットスタジオ)は2010年に設立された、ポーランドのワルシャワにオフィスを構えるゲーム会社です。ポーランドの有名ゲーム会社であるMetropolis Software とCD Projektに在籍していた開発者が立ち上げた会社で、高価値と高品質のゲーム開発に重点をおいています。
また、11 bit studiosは自社開発のタイトルをリリースするだけでなく、インディーズゲームのパブリッシングも行っています。
11 bit studiosの代表作としては、「This War of Mine」、「Indika」、「The Thaumaturge」などがあります。
公式サイト:Homepage - 11 bit studios
People Can Fly
People Can Flyは2002年にポーランドの首都ワルシャワで設立されています。People Can Flyは2017年にスクウェア・エニックスとのパートナーシップを結ぶなどして、拡大を続けていきます。
2025年2月現在、People Can Flyは複数の子会社をもち、600人を超える従業員が在籍、世界各地に7つの開発拠点を置く大手ゲーム会社に成長しています。
People Can Flyの代表作としては、「Painkiller」、「Bulletstorm」、「Outriders」シリーズなどがあります。
公式サイト:People Can Fly – The visual and technical creators of action video games
ポーランドゲーム会社が開発した注目タイトル
この項目では、ポーランドのゲーム会社が開発したゲームの中でも特に注目すべき3タイトルを紹介します。
1. The Witcherシリーズ(CD Projekt Red)
「The Witcher」シリーズは、CD Projekt Redが、ポーランドの作家アンドレイ・サプコフスキの小説を題材にゲーム化したアクションRPGです。2007年に1作目がリリースされた際はポーランド国内では好評を得たものの、ローカライズの粗さもあってポーランド以外の欧米諸国では大きなヒットに至りませんでした。
しかし、2作目、3作目とリリースが続く中で確実にファンを開拓していき、現在では世界各地で高い評価を得るシリーズとして知られています。
世界観としては剣と魔法で怪物を刈るダークファンタジーですが、人種差別や貧困、戦争や暴力の悲惨さを正面から描いており、重苦しい展開が続きます。しかし、その重さやリアルさがこのシリーズの核となっており、ゲーム内の主人公たちの苦い思いを追体験するゲーム性が人気の要因となっています。
参考:ウィッチャー3 ワイルドハント 公式サイト | スパイク・チュンソフト
2. Dying Lightシリーズ(Techland)
「Dying Light」シリーズはポーランドのTechlandが開発、ワーナーブラザーズがリリースしているアクションサバイバルゲームです。1作目は2015年にリリースされており、ゾンビがむらがる世界で生き残る緊張感と、パルクールを駆使する疾走感が同居するゲーム性で人気を獲得します。また、単なるアクションに終始せず、ストーリーがしっかりしている点も「Dying Light」シリーズの魅力です。
ゾンビパニックゲームは世界中に多数存在しますが、「Dying Light」シリーズはその中でも傑作と評されることが多いので、まだ触れたことがない人はぜひこの機会にチャレンジしてみてください。
公式サイト:Techland ゲーマー&グッディーズ ● Techland ゲーマー&グッディーズ
3. Frostpunk(11 bit studios)
「Frostpunk」は11 bit studiosが2018年にリリースしたサバイバルシミュレーションゲームです。寒波の襲来によって壊滅状態にある世界を舞台に、都市の構築や資源の収集、人員の配置などを差配し、生き残りを模索していきます。極寒の世界なので民衆の健康や燃料の確保などさまざまなことに気を配らなければ滅亡が待っています。
「Frostpunk」は1作目で高評価を得たことで2作目の開発が決定し、2024年に「Frostpunk2」がリリースされました。「Frostpunk2」はグラフィックの向上によって没入感が高まっているだけでなく、人間の本性をまざまざと描いている点などで多くのプレイヤーに評価されています。
公式サイト:Frostpunk - 11 bit studios
ポーランドゲーム業界の求人・キャリア情報
この項目では、ポーランドのゲーム業界における求人やキャリア関連の情報を記載します。
ポーランドのゲーム会社で働く魅力とは?
ポーランドは週の労働時間が法的に40時間を超えてはならないとされており、それ以上が残業扱いになる点は日本と似ています。ただし、年間の残業が150時間を超えてはならないため、月に平均すると12.5時間が上限で、超過残業が起こりにくい魅力があります。
ポーランドは日本より収入は低めですがその分物価が安いので、ゲーム開発者として平均的な給料を得られればポーランド内で暮らす分には困らないでしょう。ただし、海外で貯金を作って日本に帰ろう、といった出稼ぎ目的には向きません。
一方、ワークライフバランスを重視しながら、ポーランドの歴史や文化に触れたいと思う人にはおすすめです。
日本人がポーランドのゲーム会社で働くためのポイント
ポーランドで働くには就労可能なビザが必須であり、そのためにはまず就労許可を取得する必要があります。日本企業のポーランド支社への転勤であればビザは取りやすいですが、そうでない場合まず転職先を決めて雇用主にサポートしてもらうことが得策です。
近年ポーランドはヨーロッパの中でも経済成長の途上にあるため、社会としては人手不足が続いています。つまり、ポーランドのゲーム会社も外国人の採用に前向きな可能性は上がっていますから、自分に適した求人を探して応募してみてください。
求められるスキルとキャリアパス
ポーランドで仕事をするとなるとポーランド語の必要を考えると思います。もちろんポーランド語に堪能であればメリットも多いですが、ポーランド語は日常会話程度でも就業可能な企業は多数あります。ポーランドは英語の教育水準が高いため、多くの企業では英語だけでもコミュニケーションできるからです。
また、ポーランドはITエンジニアの教育も盛んな国なので、転職に向けてはゲーム開発スキルの高さも重要です。
ヨーロッパでは日本より転職に抵抗がない地域が多いですが、ポーランドもそうした傾向があります。そのため、転職しながらキャリアアップしていくスタイルがおすすめです。
ポーランドゲーム業界の今後の展望と課題
ここからは、ポーランドゲーム業界の動向や国としての成長戦略などを解説します。
市場拡大に向けた動向
ポーランドのゲーム産業は近年急速に発展しています。Polish Agency for Enterprise Developmen(ポーランド企業開発庁)が発行した「THE GAME INDUSTRY OF POLAND Report」によれば、ポーランドのゲーム会社があげた収益は2018年からの5年間で2.5倍にも上昇しています。
また、多数の産業のレポートを扱うRepotLinkerが出した「Forecast: Computer Games Publishing Turnover in Poland(予測: ポーランドにおけるコンピュータゲーム出版売上高)」によれば、ポーランドのゲーム産業は2024年から2028年まで年平均成長率4.67%で伸び続けるとされています。これらの報告から、ポーランドゲーム産業は現に成長途中にあり、今後も発展が続くと予想できます。
政府支援と業界の成長戦略
ポーランド政府は自国のゲーム産業の成長を重視しており、2007年にサイエンスやテクノロジー、イノベーションの成長をサポートする政府機関を設立、そこからの7年間で86億ユーロもの予算をつけています。
また、2016年にはゲームの研究開発に1,800万ユーロもの投資ファンドプログラムを設立しています。この取り組みはCD Projekt RedやTechland、11 bit studiosなどの国内ゲーム会社の後押しを念頭に置いたものです。
今現在ポーランドのゲーム産業が急激な成長を遂げている背景には、上記のような政府主導の支援があったことは間違いありません。
グローバル市場におけるポーランド発ゲームの可能性
当コラムの「市場拡大に向けた動向」で紹介したようにポーランドのゲーム産業は成長を続けていますし、「政府支援と業界の成長戦略」に記載したように、国としての支援は今後も期待できます。
そして何よりも、今現在ポーランド発のゲームはCD Projekt Redの「The Witcher」シリーズや「サーバーパンク2077」、Techland の「Dying Light」シリーズや11 bit studiosの「Frostpunk」シリーズのように、すでに世界で広く受け入れられ、高い評価を得ています。
これらの状況を踏まえれば、今後もポーランド発のゲームがグローバル市場に影響を与える可能性は非常に高いです。
まとめ
ポーランドのゲーム産業はここ数年で急激な成長を遂げており、今後もその勢いは続いていくことが複数のレポートで示されています。
今回紹介したゲーム会社やヒットタイトルはポーランドゲーム業界のほんの一部であり、ここに名をあげていないデベロッパーが、世界市場に影響を及ぼすようなヒットを飛ばす可能性もあります。ぜひこの機会にポーランドのゲーム業界に目を向け、今後の発展に期待していきましょう。