【2025年最新】位置情報ゲームの魅力とは?人気アプリと開発の際のポイントを徹底解説!


2025年6月25日

位置情報ゲームは、「ポケモン GO」や「ドラゴンクエストウォーク」などのヒットもあって、近年ひとつのゲームジャンルとして定着しています。

 

このコラムでは、その位置情報ゲームにフォーカスし、ジャンルの成り立ちや魅力、代表的なタイトルなどを紹介します。また、ゲーム開発者の目線でも役立つ情報を記載しているので、位置情報ゲームへの理解を深めたい方はぜひご参照ください。

 

位置情報ゲームとは

位置情報ゲームとは、GPSなどの位置情報機能を活用し、現実の移動に基づいて遊べるゲームジャンルです。

 

たとえばスタンプラリーのようなものや、特定の駅に行くとゲーム内のキャラクターを獲得できる仕組みなどがあり、プレイヤーがリアルに移動することが特徴です。プレイヤーとしては観光を兼ねて出かけたり、健康づくりを兼ねて歩いたりすることで、ゲームを楽しみながら副次的な喜びが得られます。また、地方自治体や企業が、特定の場所に足を運んでもらう仕組みづくりとして用いられることもあります。

 

以下で、位置情報ゲームの歴史や成長の背景を解説します。

 

位置情報ゲームの歴史

日本で初の位置情報ゲームとされているのは、2000年に登場した「誰でもスパイ気分」、「クリックトリップ」です。2005年には、のちにコロプラの代表取締役社長となる宮本貴志氏が「コロニーな生活」をリリースするなど、位置情報ゲームはじわじわと成長を続けていきました。

 

2008年にはユーザー数が100万人を超えるほどのジャンルに発展していますし、アメリカのナイアンティック社が2012年にリリースした「Ingress」は世界中で1000万人以上にプレイされたヒットタイトルとなるなど、商業的にも大きな存在となります。

 

さらに、2016年の「ポケモン GO」、2019年の「ドラゴンクエストウォーク」、2021年の「ピクミン ブルーム」など、既存の超有名IPが参入して以降は、位置情報ゲームはゲームに関心がない人でも存在を知るジャンルとなって広く世の中に定着しています。

 

人気ゲームジャンルとして成長した背景

このジャンルは位置情報取得機能を搭載したモバイル端末の存在を前提としているため、成長の背景には携帯電話やスマートフォンの普及、GPS技術の進歩や通信環境の整備などがあります。

 

1998年から2008年はフィーチャーフォンの全盛期であり、位置情報ゲームの黎明期とも重なっていました。その後、モバイル端末のトレンドは2008年以降、携帯電話からスマートフォンに移行していきますが、位置情報ゲームがジャンルとして定着したのもまさにこの時期です。

 

Sensor Tower社(モバイルアプリやデジタル広告のデータを調査・報告する企業)の報告によれば、位置情報ゲームに関して2023年時点の調査によると、日本は世界最大の市場とされています。これは、日本が海外と比較して、電車や徒歩での交通が多いことや、「ポケモン」「ドラゴンクエスト」「信長の野望」など、日本発のビッグタイトルが多数参入していることなどが関係していると分析されています。

 

位置情報ゲームの魅力

この項目では、位置情報ゲームの魅力を4つの視点から解説します。

 

現実世界がゲームの舞台になる感覚

位置情報ゲームでは、自分たちの周囲に広がる現実世界がゲームの舞台となる感覚を味わうことができます。例えば日常何気なく使っている駅でキャラクターをゲットしたり、普段は通過するだけの公園にゲームのキャラクターが現れたりするのは位置情報ゲームならではの特徴です。

 

運動不足の解消や健康へのメリット

位置情報ゲームをプレイすると自然と屋外に出ますし、特定の場所を目指して移動するようになります。そのため日ごろの運動不足を解消できますし、歩くことや出かけることによる心身への健康効果も期待できます。

 

たとえば「ドラゴンクエストウォーク」には、体重計や血圧計など健康をサポートする商品を多数扱っているタニタ社が監修した消費カロリー計算機能など、健康に役立つ仕組みが実装された実例があります。

 

リアルでの仲間との協力や競争

近年はオンラインゲームが主流なので、ゲームプレイを通じて多くの人とつながることは珍しくありません。しかし位置情報ゲームでは、リアルで直接仲間と会って協力したり、競争したりする楽しみがあります。

 

地域との新たなつながりの誕生

位置情報ゲームは人の移動を促すため、観光地や地域施設と連動した仕組みを実装しやすい特徴があります。たとえば観光収入を増やしたい地方自治体が、位置情報ゲームに地域の特産品や魅力を絡めて集客する動きは非常に盛んです。

 

【2025年現在】人気の位置情報ゲーム

ここからは、2025年6月現在で人気がある位置情報ゲームのタイトル名や特長を紹介します。

 

ポケモン GO

「ポケモン GO」は、ナイアンティック社が2016年にリリースした位置情報ゲームです。現実の空間をモバイル端末の画面越しに見ることで、ユーザーが、実際にポケモンが存在するかのような感覚を味わえます。モンスターボールでポケモンをゲットできますし、捕獲したポケモンを育成してバトルを楽しむこともできます。

 

世界総ダウンロード数は10億回を超えており、リリースから9年経過した2024年でも年間1,000億円の売上を記録したヒットタイトルで、位置情報ゲームの代表作と言って良いでしょう。

 

ドラゴンクエストウォーク

「ドラゴンクエストウォーク」は、2019年にスクウェア・エニックスがリリースした位置情報RPGです。世界的人気RPGシリーズである「ドラゴンクエスト」の世界観を生かしつつ、プレイヤーが実際に外に出て目的地を目指す点が、従来のRPGとは異なる特徴です。

 

2024年3月時点で、「ドラゴンクエストウォーク」の累計収益は約20億ドル(1ドル150円換算で3,000億円)だったと報告されており、2025年6月現在も多くの人がプレイしています。

 

Monster Hunter Now

「Monster Hunter Now」は、カプコンとナイアンティック社が共同開発、2023年9月にリリースされています。カプコンの人気シリーズである「モンスターハンター」シリーズ特有の狩りの楽しみを有しつつ、現実社会に出現するかのようなモンスターとのバトルを楽しむことができます。

 

「Monster Hunter Now」は、リリースから1ヶ月で1,000万ダウンロードという順調な滑り出しを達成、約7ヶ月で1,500万ダウンロードを超えるなど、多くの人に楽しまれています。

 

ピクミン ブルーム

「ピクミン ブルーム」は、任天堂とナイアンティック社が共同開発した位置情報ゲームで、2021年11月にリリースされています。「ピクミン ブルーム」は「ポケモン GO」と同様に屋外でピクミンを見つけることもできますが、通った道に花を植えることができる点を特徴としています。このゲーム性を生かして、2024年には世界中のプレイヤーが総数100億本の花を植えるグローバルチャレンジを行っています。また、リリースから2年間でプレイヤーが歩いた総歩数を発表するなど、独自性の高さが魅力です。

 

駅メモ! ステーションメモリーズ!

「駅メモ! ステーションメモリーズ!」は、2014年にリリースされており、「駅メモ!」の略称で10年以上親しまれています。開発と運営はモバイルファクトリー、アプリ版はジーワンダッシュが販売しています。

 

「駅メモ! ステーションメモリーズ!」は交通手段の変化によって消滅寸前となった駅や鉄道の思い出を集める、という世界観で作られています。「でんこ」と呼ばれる女性キャラクターの育成や陣取りゲームなどを、鉄道の旅とともに楽しめるのも魅力です。

 

また、9100以上の鉄道駅を対象としており、「一生遊べる鉄道ゲーム」という表現も公式に用いられています。

 

位置情報ゲームを開発する上でのポイント

ここでは、位置情報ゲームを開発する際に、知っておくと役立つポイントを解説します。

 

開発に必要な技術と環境

位置情報を扱うゲームやアプリでは、まずユーザーがいる場所をリアルタイムで取得する必要があります。

 

位置情報の取得手段はGPSやWi-Fiのほかにも複数存在します。GPSは非常に高精度である一方、屋内での情報取得はWi-Fiに劣ります。ゲームをストレスなくプレイできるレベルにするには、精度管理が重要なので適切な選択が必須です。

 

また、開発にはAndroid/iOS対応のネイティブアプリか、またはUnityなどのゲームエンジンの存在も欠かせません。

 

位置情報を使ったゲームロジックへの理解

ゲームロジックとは、ゲームの仕組みや構造を意味する言葉です。位置情報を利用するゲームは、ほかのジャンルとは異なるロジックがあるので注意が必要です。

 

まず、Google Maps API、OpenStreetMapなどの座標情報と、地図データの扱い方を知っておく必要があります。また、ゲーム内で発生するイベントなどを管理するために、プレイヤーが移動した距離や特定のエリアに入ったことを判定する仕組みも重要です。

 

さらにARCoreやARKitなど、スマートフォンのAR機能を活用することで、高度な専門知識がなくても比較的開発しやすくなる点は重要です。

 

ユーザー体験を大切にしたUX/UI設計

UXとはUser Experience(ユーザーの体験)の略です。ゲームのUXとは、ゲームプレイの体験だけでなく、入手検討時やプレイ後に得られる感想や感情なども含めて、ユーザーの体験をデザインしていく考え方です。

 

一方UIは、メニュー画面や操作ボタンなどユーザーがゲームをプレイするための表示や音などを示す言葉で、ゲームの快適性を大きく左右します。

 

近年はUX/UIを一貫して設計することが、ユーザーの満足感とゲーム会社の収益を上げるために欠かせないと考えられるようになっています。

 

収益化モデルの選択

ユーザーがどれほど面白いと思っても、収益を上げられなければゲーム会社は存続できません。そのため、開発するゲームの収益化モデルも慎重に選択する必要があります。

 

ゲームの収益化モデルの中で一般的なものには、基本無料でプレイできるもののアイテムに対する課金などで収益を上げるF2P(Free to Play)モデルか、動画視聴報酬などによる広告収入などがあります。

 

ただし、位置情報ゲームは人の移動が期待できるので、地域との連携によるプロモーション案件として収益を上げる方法も考えられます。

 

位置情報ゲーム開発の参考資料・ツール一覧

ここでは、位置情報ゲームを開発する際に役立つ参考資料やツールの概要を一覧で紹介します。

 

主要API・SDK

・Google Maps Platform

開発者用プラットフォームの一種で、開発するアプリにGoogle Mapsの機能を組み込むためのSDKやAPIを提供してくれます。また、iOSやAndroid、Webブラウザからの利用ができますし、位置データや地理的情報の活用、特定ポイントの検索などを実装可能です。

 

・Mapbox

Mapboxはベクター地図の編集や新たな地図の構築を可能とする開発者用プラットフォームです。地図精度の高さやカスタマイズのしやすさなどを特徴としており、利用可能なAPIも多彩です。

 

・Niantic Lightship

Niantic(ナイアンティック)社が提供する開発キットで、AR開発に役立つ機能をもつプラットフォームです。2021年にリリース、以前は「Niantic Real World Platform」という名称でした。世界的ヒットタイトル「ポケモン GO」にも使用されており、リアルタイムマッピングや複数のユーザーが同時にAR体験をできる環境をサポートします。

 

開発事例から学ぶ

「ポケモン GO」はGPSを利用してAR体験を提供しており、2016年のリリース時には用いられていなかった最新技術を次々と導入しています。たとえばオクルージョンという技術は、ポケモンが地面に立っていたり、障害物の陰に隠れていたりするように見える処理に役立っています。また、AR+という機能の追加によって、画面上のポケモンのすぐそばまで近づけるようになり、臨場感が大きく上がっています。

 

「Ingress」を開発したスタッフの一人であるナイアンティックのジョン・ハンケ氏は、「最新技術の活用方法よりもゲームデザインを重視した」という趣旨の発言をしています。また、「位置情報ゲームは低コストで地域とのコミュニティ形成を実現できる」といった発言もしており、位置情報ゲームでは特にゲームロジックがポイントとなることがわかります。

 

「ドラゴンクエストウォーク」はスクウェア・エニックスとコロプラが共同で開発しています。コロプラは位置情報ゲームで多数の実績をもっており、GCP(Google Cloud Platform)に含まれるCloud Spanner(リレーショナルデータベース)や仮想マシン(VM)などの扱いに習熟しています。「ドラゴンクエストウォーク」のヒットが、上記をはじめとする様々な技術に支えられていることは疑いありません。

 

位置情報ゲームの未来と最新トレンド

ここでは、位置情報ゲームの将来性や最新トレンドなどを解説します。

 

AR(拡張現実)技術との融合

AR(拡張現実)は、位置情報ゲームを語る際に高い確率で登場する概念です。「ポケモン GO」や「ドラゴンクエストウォーク」などで、すでに現実空間にモンスターが存在するかのようなAR体験は提供されています。しかしその一方で、ARは映画や旅行などのゲーム以外の分野でも多数活用されており、今後の発展が期待されます。

 

また位置情報ゲーム開発の技術も日進月歩で発展していますから、位置情報ゲームとARの融合もさらに進んでいくでしょう。

 

地域連携型イベントの活性化

従来ゲームは自宅やゲームセンターなど決まった場所でプレイされることが一般的でしたが、位置情報ゲームの普及によって、移動自体もゲームのプレイ過程に組み込まれるようになりました。このため、位置情報ゲームが特定地域と連携してイベントを行うケースも増えています。

 

自宅でも遊べる位置情報ゲームの進化

位置情報ゲームは現実社会で屋外に出かける仕組みを特徴としますが、暑さ寒さが激しい日や悪天候の日、感染症が蔓延しているときなど、移動がはばかられるタイミングにはプレイされにくいという課題があります。

 

そんな中で、近年は自宅でもプレイできる位置情報ゲームが登場しています。たとえば「テクテクライフ」は訪れた地域を塗り絵のように塗りつぶしていくゲームですが、塗り終わった地域の周辺なら訪問しなくても塗りつぶせるシステムを採用しています。

 

このように、出かけなくてもプレイできる機能を実装することで、新たなユーザーの獲得やユーザーの離脱防止が期待できます。

 

まとめ

位置情報ゲームは2000年に登場して以来多様な発展を遂げ、今ではゲームの1ジャンルとして定着しています。そのため、プレイヤーであれば楽しむ機会もありますし、ゲーム開発者なら業務として携わることもあるでしょう。

 

当コラムは位置情報ゲームについて幅広い情報を記載していますので、プレイヤー、開発者の隔てなく、位置情報ゲームの理解を深めたいときにぜひご利用ください。

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