【2025年版】ゲームイベント(ゲームショー)とは?世界の主要イベントとその魅力
2025年6月25日
東京ゲームショウやgamescomなどのゲームイベントは毎年各地で開催され、ゲーム業界やファンにさまざまな話題を提供しています。このコラムでは、主要なゲームイベントの概要や歴史を紹介し、イベントの魅力や楽しみ方を解説します。
ゲームイベントとは
「ゲームイベント」という言葉には、集団でゲームをプレイする大会(アナログ、デジタル問わず)や、特定のゲームに関してマーケティングの一環で開催されるイベントなども含まれます。
しかしここでは、デジタルゲームの関連団体や企業が行なうカンファレンスや「東京ゲームショウ」など、ゲームに関する情報発表のイベントについて解説します。
以下ではゲームイベントの全体像を掘り下げるための関連情報を記載します。
デジタルゲーム業界の展示会・カンファレンス
東京ゲームショウやgamescomなどのゲームイベントは、新作ゲームや最新技術の展示会として活用されています。また、カンファレンスとは会議や協議会を意味し、ゲームに関連する様々な議題について有識者やクリエイターが語り合う場としても機能しています。
ゲームイベントはなぜ注目されるのか?
ゲームイベントが注目される理由はさまざまなので、以下に列挙します。
・新作ゲームやハードウェア、テクノロジーなど新しいものが発表される
・新しいもの(ゲームやハードウェア)を体感・体験できる
・ビジネスマッチングの場である
・業界のトレンドを知ることができる
・権威ある賞が発表されることが多く、人気タイトルへの評価が注目される
・eスポーツ大会や音楽イベント、コスプレイベントなど楽しい催しが豊富
・グッズの販売の場としても人気
・著名人や有名クリエイターの話が聞ける
ゲームイベントとショーケースの違い
「ショーケース」という言葉には商品の陳列棚という意味があります。また、当コラムの「注目すべき独立系ゲームイベント・ショーケース」で任天堂やソニーが運営しているショーケースは、自社商品の情報公開の場として利用されることが多いです。
ゲームイベントでは新作ゲームを多数見ることができるので、ショーケースと類似した役割を担っている面もあります。しかし、多数のゲーム会社の新作開発秘話や、大手ゲーム会社の今後の方向性などが聞けるため、単一企業が運営するショーケースとは大きく異なります。
さらに、ゲームイベントはエンターテインメントとして楽しむ場でもあるので、最新情報公開の場と限られているわけでもありません。ほかにも、商談や業界の動向を語るセッションが行われることが多く、ゲームビジネス上も重要な役割を果たします。
世界を代表する主要ゲームイベント
ここでは、世界的に有名なゲームイベントを紹介します。
gamescom
「gamescom(ゲームズコム)」は世界最大級のゲームイベントで、2025年はドイツのケルンで開催されます。日程は8月20日から24日までですが、20日はビジネスデイと指定されており、一般客が入れるのは21日~24日の4日間です。
概要と歴史
「gamescom」の初開催は2009年なので、2025年現在で15年を超える歴史をもっています。
開催初期から企業やユーザーなど立場を問わず、ゲームコミュニティーの中心的位置づけを目指して開催されているイベントです。初回の入場者は22.8万人だったそうですが、最多で37万人が来場したこともあります。近年はイベントの質を高めるため、意識的に入場者数を抑えていますが、それでも2024年には33.5万人が来場したと報告されています。
内容としては、eスポーツ大会や音楽ライブ、コスプレイベントなどエンターテインメントな催しがあるほか、優れたゲームを選んで表彰するgamescomアワード、ゲームに関連して社会や経済などを議論するgamescom会議なども行われます。
またゲーム会社ごとの出展も多数あり、2025年は任天堂が参加することが大きく報じられ注目を集めています。
過去の注目発表とトレンド
過去には、「ストリートファイター6」や「モンスターハンターワイルズ」などが発表されたことがあります。近年のトレンドとして、gamescomはイベントブースを提供するだけでなく、トレイラーの公開やデモプレイの披露などを可能とするプラットフォームであることに力を入れており、その取り組みを評価した大手ゲーム会社が次々と参加を表明しています。
東京ゲームショウ
「東京ゲームショウ」は日本で例年開催されている世界的ゲームイベントで、2025年は9月25日~28日まで、幕張メッセで開かれます。25日と26日はビジネスデイ、一般公開日は27日と28日です。
概要と歴史
東京ゲームショウは1996年に初めて開催されており、すでに30年近い歴史をもっています。新作ゲームの発表や体験プレイの場として知られていますが、ハードウェアや周辺機器の展示など、最新テクノロジーに触れることも可能です。
企業としてはビジネスマッチングの場としても利用できますし、セミナーで業界の最新動向などを知ることもできます。
過去の注目発表とトレンド
初開催の1996年には「バイオハザード2」が発表されており、その後も「FINAL FANTASY」シリーズや「龍が如く」シリーズなど、多数の人気タイトルが発表されています。
2024年は過去最大の出展社数を記録、来場者数も歴代2位の27万人超、と非常に盛況を博しました。特にAIに関連する展示が目立ち、ゲーム業界にもAIが浸透しつつあると感じた人が多かったようです。
Summer Game Fest
「Summer Game Fest(サマーゲームフェスト)」は2020年から開催されているゲームイベントで、2025年はロサンゼルスで6月7日に開かれました。
概要と歴史
2020年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で歴史あるゲームイベントE3が不開催となった中、Summer Game Festはオンラインで初開催されました。コロナ禍が落ち着いた後もE3は開催されていませんし、E3の主要人物のひとりであったGeoff Keighley氏がSummer Game Festの開催者の一人であることなどから、Summer Game Festはアメリカを代表するゲームイベントの位置づけを獲得しています。
過去の注目発表とトレンド
Summer Game Fest2025では、「バイオハザード レクイエム(バイオ9)」などが発表されています。
Summer Game Festはオンライン開催から始まったこともあって配信に強い一方、リアルイベントとしても確立された存在となっています。
Game Developers Conference
「Game Developers Conference(ゲームデベロッパーズカンファレンス)」はゲーム開発者向けのイベントとしては世界最大級と言われています。2025年はアメリカのサンフランシスコで3月に開催されました。2026年も3月にサンフランシスコで開催されることがすでに告知されています。
概要と歴史
Game Developers Conferenceはゲームデザイナーであるクリスクロフォード氏が、1987年にプライベートで20名程度の人を集めて行った催しから始まっています。その後イベント化されて規模が拡大していき、近年は3万人程度の人が集まるようになっています。
Game Developers Conferenceは開発者がつながる場所であるとともに成長や学習の機会を得る場としても有名です。
過去の注目発表とトレンド
2025年のGame Developers Conferenceでは「FINAL FANTASY VII REBIRTH」の開発に関するエピソードが公開されるなど、クリエイターの興味をそそる内容が毎年見られます。
Game Developers Conferenceの運営元は、毎年アンケート調査の結果を公表しており、その年ごとのトピックが紹介されています。2024年の報告ではAI活用と倫理の関係が問題提起されましたが、2025年は参加クリエイターの8割がPCゲームの開発に関わっているという統計も話題を呼びました。
注目すべき独立系ゲームイベント・ショーケース
ここでは、多くの企業や団体が集うイベントではなく、独立系のゲームイベントやショーケースを紹介します。
ニンテンドーダイレクト(オンライン)
「ニンテンドーダイレクト」は任天堂が自社の最新情報を提供するインターネット上の映像コンテンツです。
始まったのは2011年で、企業としての公式発表がネット上で誤解を招く形で拡散される事態を避けるために、任天堂が公式に情報を発信する場として設けられています。その後、100万人規模の視聴が行われたり、YouTubeのトレンドランキングに掲載されたりして、任天堂としても情報提供、拡散手法のひとつとして積極運用しています。
プレイステーションショーケース(オンライン)
「プレイステーションショーケース」は、2019年から不定期で、SIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)が公開しているインターネット上のプレゼンテーションコンテンツです(初期にはPlayStation State of Playという名称でした)。
過去にはPlayStation5の発売や、「FINAL FANTASY」シリーズの新作情報などが公開されています。
カプコンショーケース(オンライン)
「カプコンショーケース」は2022年と2023年に開催されたデジタルイベントです。カプコンが提供するゲームの最新情報や追加情報が、世界同時配信で届けられました。
2023年以降は配信がなかったものの、2025年には「カプコンスポットライト+モンスターハンターワイルズ ショーケース」の配信が行われています。上記のコンテンツでは、「鬼武者」シリーズの新作や「カプコン ファイティング コレクション2」などの最新作や、「モンスターハンターワイルズ」の情報が届けられました。
インディーゲーム専用の展示会も増加中
近年はインディーズゲームへの注目度が高まっていることもあり、インディーズ専用のイベントも増えています。
代表的な例をあげると、2023年から開催されている「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT」や2022年初開催の「東京ゲームダンジョン」などがあります。
ゲームイベントの楽しみ方と活用方法
この項目では、ゲームイベントの楽しみ方を、一般参加者と開発者の視点に分けて解説します。
一般参加者が楽しめるコンテンツ
一般参加者が楽しめるゲームイベントのコンテンツには以下のようなものがあります。
試遊ブース
ゲームイベントと言えば、最新ゲームの情報収集だけでなく、無料で最新ゲームを試遊できる楽しみがあります。人気タイトルには長蛇の列ができることも多いですが、それでも「リリース前のタイトルをプレイしてみたい」と思う人にはたまらないイベントです。試遊するとグッズを配布する企業もあるので、イベント参加の思い出にもなります。
限定グッズ
ゲームイベントでは限定グッズの配布や販売も行われるので、好きなタイトルのグッズを目当てに参加する人もいます。たとえば東京ゲームショウであれば、物販コーナーだけでもある程度の広さがあるので、効率よく買い物を進めたい人は、目的のブースを事前にチェックしておくと良いでしょう。グッズの中にはそこでしか手に入らないものも多いので、ゲーム好きの知人へのお土産にもおすすめです。
コスプレなどのイベント
イベントによって内容は異なりますが、多くのゲームイベントでは、コスプレイベントやeスポーツ大会などのエンターテインメントな催しも行われます。見て楽しむ人や、参加して楽しむ人など、それぞれの楽しみ方があるのもビッグイベントならではの光景です。
開発者が得られるメリット
以下ではゲーム開発者が得られるメリットを紹介します。
業界内ネットワークの確立
ゲームイベントには業界人が多数来場しているので、ネットワークの拡大に適しています。個人的に同業者の知り合いを増やしたい人、ビジネスマッチングを望む人の双方にチャンスがあるので、積極的に参加してみてはいかがでしょうか。
業界トレンドの収集
ゲームイベントやカンファレンスでは、業界の最新技術やトレンドを収集できるので、新しい知見を入手したい人も集まります。業界としての課題などを話し合うセッションが開催されることもあるので、スケジュールをチェックしてから参加すると良いでしょう。
フィードバック獲得
企業として出店することで、ユーザーや業界人からのフィードバックを得ることもできます。ゲーム開発者はユーザーと顔を合わせることは少ないので、直接フィードバックをもらえるのは大きなチャンスです。
まとめ
ゲームイベントやカンファレンスは世界各地で行われており、新作ゲームや最新技術の情報収集に役立ちます。また、一般参加者とゲーム開発者の双方にとって、そこでしか得られないメリットも豊富です。近年はインディーズ専用のイベントも開催されるなど、イベントの幅も広がっているので、ぜひ積極的に情報収集してみてください。