【2025年最新版】国内・世界のゲーム市場規模は?将来性なども含め解説


2025年8月28日

このコラムでは、2025年現在の国内と世界のゲーム市場規模を確認し、将来性についても解説します。ゲーム業界への就職・転職活動時に、市場動向を把握しておくと面接などで役立ちます。またキャリアプランを立てるうえでも、これから身を投じる業界の数値を知っておくのは非常に重要です。

 

これらの点を踏まえて、ぜひこのコラムをご一読ください。

 

【2025年時点】国内のゲーム市場規模と今後の傾向

この項目では、2025年時点の国内ゲーム市場規模と、その傾向を解説します。

 

国内ゲーム市場規模の見通し

角川アスキー総合研究所が、国内外のゲーム業界のデータをまとめた年鑑『ファミ通ゲーム白書2025』(2025年8月7日発売)によれば、2024年の国内ゲームコンテンツ市場は、前年比3.4%増の2兆3961億円となりました。

 

この内訳としては、モバイル機器(スマートフォンやタブレット)でプレイするゲームが1兆7482億円、PC向けゲームが2653億円、家庭用オンラインゲームが2707億円、家庭用パッケージゲームが1119億円と報告されています。

 

上記の成長は、家庭用ゲーム機本体や周辺機器、サブスクリプション、アイテム課金など、市場全体における価格上昇が主な要因だと分析されています。また、前年度比で増加しているだけでなく、2015年からの増加傾向は続いているので、右肩上がりの構図が約10年間維持できています。

 

このように、国内ゲーム市場は、インフレ環境下にあっても堅調な推移を見せています。これらの結果は、半導体製造業や物流、小売業などが伸び悩む中で、ゲーム産業の底力が見える結果とも言えるでしょう。

 

国内ユーザーのニーズや傾向

前述の『ファミ通ゲーム白書2025』によると、国内のゲーム人口は2024年に5475.3万人と、わずかに減少しました。一方で、PCゲームと家庭用ゲームの両方をプレイする「かけもち」ユーザーが顕著に増加しており、2つ以上のデバイスでゲームを楽しむユーザーは全体の半数近くを占める2478.2万人となっています。

 

この状況から、ユーザーは特定のプラットフォームに縛られず、自身のライフスタイルや好みに合わせて複数のデバイスを使い分ける傾向が強まっていることがわかります。

 

また、株式会社ADKマーケティング・ソリューションズが2025年1月15日に出した『ゲーム総合調査レポート2024』によれば、30歳未満の比較的若い層は複数タイトルを並行して楽しむマルチプレイの傾向が強いと報告されています。一方30歳以上では、特定の1タイトルを長く楽しむ傾向が見られます。

 

また、前述の報告では、比較的若い層ではリズムゲームを好む傾向が強いですが、年齢が上がるとストーリーRPGやパズル・クイズ・脳トレを好む傾向があることも報告されています。

 

【2025年時点】世界のゲーム市場規模と今後の傾向

多数の市場情報を扱うインドの企業Mordor Intelligenceの『Gaming Market Size and Share Research with Trends and Analysis (Segments, Regions)』という報告によれば、2025年現在の世界のゲーム市場は2,690.6億米ドルであるとされています。また、今後年平均成長率10.37%で成長を続け、2030年には4,354億4,000万米ドルに達するとの予想です。

 

以下では今後発展すると思われる国や企業に着目しつつ、世界のゲームユーザーの傾向も解説します。

 

ゲーム市場において隆盛が激しい国・会社

角川アスキー総合研究所の『ファミ通ゲーム白書2025』によれば、2024年のエリア別の市場規模は、東アジアが全体の44.1%を占めており、北米が28.1%、欧州が17.2%、それ以外の地域が10.6%と報告されています。この数値を念頭に置いて、今後影響力を強めそうな地域や、これから台頭しそうな地域を解説しましょう。

 

デジタルおよびモバイル分野で多くの実績をもつASO World が2025年2月15日に公開した『2025年のグローバルゲームのトレンド:注目すべきトップ3市場』という報告によれば、2025年のゲーム市場では、アメリカ、中国、インドが市場に対して大きな影響力をもつとされています。

 

アメリカは以前から大きなシェアを持っていますが、近年衰退していた家庭用ゲーム機でのゲームが、任天堂、ソニー、Microsoftから新たなハードウェアが出ることで再燃し、市場を盛り上げるという予想です。

 

中国の市場は2021~2022年に規制上の問題で伸び悩んでいましたが近年勢いが復活し、2025年にゲームユーザーが6億人に達すると考えられています。

 

インドもそもそも人口が多い国であり、スマートフォンの普及率向上と通信環境の改善によって、さらに大きな市場に成長しそうです。

 

また、貿易や投資促進、開発途上国研究を行っているジェトロ(日本貿易振興機構) が2025年8月7日に公開した『パラダイスゲームに聞くeスポーツ事情(1) アフリカゲーム市場が拡大』によれば、アフリカのゲーム市場が急拡大していることが報告されています。アフリカのゲーム市場は2024年に前年比12.4%の成長を遂げており、この数値は世界平均の2.1%を大きく超えています。またアフリカでは人口の7割が30歳未満と若い層が多いこともあり、この成長率が続けば、近い将来に世界的に大きな市場に成長することは確実です。

 

さらに、今後成長が期待されるゲーム関連会社にも着目しましょう。現在注目すべきゲーム会社としては、メタバースとソーシャルゲーム分野に注力しているロブロックス・コーポレーションや、世界的人気シリーズである『グランド・セフト・オートVI』のリリースを控えるテイクツー・インタラクティブなどがあげられます。

 

一方日本国内では、新たな家庭用ゲーム機である「Nintendo Switch 2」を2025年6月にリリースした任天堂に注目が集まっています。さらに、『モンスターハンター』シリーズをリリースしたカプコン、「さらなる成長に向けた再起動の3年間」を掲げて2年目を迎えるスクウェア・エニックスにも注目です。

 

全世界のゲームユーザーの傾向

国内外の市場調査サービスを行う日本企業 株式会社マーケットリサーチセンター が2025年2月3日に公開した『世界のゲーム市場(2025年~2033年):デバイス別(コンソール、モバイル、コンピュータ)、他』によれば、世界のゲーム市場は、高価なハードウェアが不要なクラウドベースのゲームへと大きく変化しています。この傾向により、多くの人々がゲームを手軽に楽しめるようになりました。

 

また、同報告では世界では可処分所得が増えている国が多数あり、ゲームに関連する支出を増やしていることも報告されています。

 

国内ゲーム市場における今後のトレンド予想

ここでは、日本国内のゲーム市場で今後のトレンドになり得る要素を、個別に解説します。

 

AIのゲーム開発・システムへの組み込み

AI技術は、今後のゲーム開発において重要な役割を担うと考えられています。

 

AIは、ゲーム内のNPC(ノンプレイヤーキャラクター)に多様で人間らしい行動パターンを与えることで、プレイヤーにさらに深い没入感を提供することができます。

 

さらに、AIを開発プロセスに組み込むことで、ゲーム内のアセット作成やデバッグ作業の効率化にも貢献し、開発期間の短縮やコスト削減につながる可能性を秘めています。

 

VR・AR技術進化と多様性

VRやARは、これまでニッチな市場でしたが、技術進化によって、近年成長が進んでいます。「VR元年」という言葉は以前からささやかれていましたが、2024年には前年比約30%の成長を遂げているので、今後も成長が続くことが期待されます。

 

この成長の背景には、PlayStation VR2やMeta Quest 3などの最新デバイスの登場があります。また、日本ではVRChatなどVRコンテンツに関連する市場拡大も注目要素です。

 

一方のARはスマートフォンのカメラ機能と連携し、現実世界とデジタルコンテンツを融合させることで、これまでにない体験を生み出します。この技術は、ゲームだけでなく、教育やビジネスなど様々な分野での応用が期待され、新たな市場を開拓していくでしょう。

 

クラウド・5Gなどの最新技術によるゲーム体験の向上

クラウドゲーミングは、ハイスペックなハードウェアがなくても、インターネットを通じて高品質なゲームをプレイできるサービスです。これにより、ユーザーは場所やデバイスを選ばずにゲームを楽しめるようになります。

 

また、5G通信技術の普及により、高速・大容量のデータ通信が可能となり、遅延問題が解消されるため、より快適なプレイ環境が提供されることになります。

 

eスポーツの台頭

eスポーツは、プロのプレイヤーがゲームを競技として戦うもので、国内外で急速に市場が拡大しています。日本はこの分野で遅れていると言われてきましたが、近年プロチームやプロリーグが多数設立されており、大きな盛り上がりを見せています。

 

ソーシャルワイヤー株式会社が運営する情報メディア「NEWSCAST」が2025年6月16日に公開した『日本のeスポーツ市場規模、シェア、業界動向、展望2025~2033年』によれば、日本のeスポーツ市場規模は2024年の1億3,990万米ドルから、年平均成長率12.1%で伸び続け、2033年には3億9,110万米ドルに達すると考えられています。

 

この動きは、ゲームを単なる娯楽としてではなく、スポーツとして認識させることにつながっています。さらに、eスポーツの人気は、ゲーム配信や大会の観戦といった新たなエンターテイメントの形も生み出しています。

 

国内ゲーム市場におけるリスク・課題

ここでは、日本国内のゲーム市場で見られるリスクや課題について、3つの視点から解説します。

 

ゲーム開発にかかるコストの増大

ゲーム開発の高度化に伴い、開発にかかるコストは年々増大しています。特に、グラフィックの向上やオープンワールドのような広大なフィールドの実現には、膨大な時間と開発人員が必要となります。

 

これにより、ゲーム開発は大手企業が中心となり、中堅・小規模な開発会社はAAAタイトルなどの大型プロジェクトに参入することが困難になりつつあります。

 

また、開発期間が長期化するため、プロジェクトの途中で市場トレンドが変化するリスクも高まり、開発資金の回収が難しくなるという課題も抱えています。

 

法規制強化に伴う収益モデルへの悪影響

ゲーム市場、特にモバイルゲームにおける課金システムへの法規制が、収益モデルに影響を与えています。具体的には、ガチャ(ルートボックス)に対する規制が各国で強化されており、消費者保護の観点から透明性の確保が求められているのです。

 

例えばアメリカではHoYoverseが運営している『原神』のガチャシステムがわかりにくく、キャラクターの入手確率が不透明であるとして訴訟が起き、16歳未満はガチャに親の同意が必要と取り決められる事態も起こっています。

 

このような流れを受けて、ゲーム会社は従来の収益モデルの見直しを迫られ、安定した収益を確保するための新たなビジネスモデルを模索する必要が出てきました。また、未成年者の利用に関する規制も厳格化しており、課金上限額の設定や利用時間の制限など、倫理的な側面からの対応も求められています。

 

エンターテイメントの多様化に伴う競合コンテンツの増加

現代のエンターテイメント市場は、YouTubeやTikTokなどの動画配信サービス、SNS、ストリーミングサービスなど、ゲーム以外の多様なコンテンツが台頭しています。これにより、ユーザーの「可処分時間」を巡る競争が激化しており、ゲーム業界は他のエンタメ業界との厳しい競争に直面しています。

 

特に、短時間で手軽に楽しめる動画コンテンツは、ゲームをプレイする時間を奪う大きな要因となっています。この状況を打破するため、ゲーム業界ではゲームと他コンテンツの融合を図ったり、ユーザーのコミュニティ形成を重視したりするなど、独自の価値を提供するための戦略が重要となっています。

 

まとめ

国内外のゲーム市場の動向や今後の傾向について、2025年現在の最新情報をまとめました。世界的にゲーム市場は拡大を続けており、2030年まで年平均成長率10%を超える大きな成長が予想されています。一方日本国内では世界市場ほど大きな成長は見られませんが、堅調に右肩上がりの成長を続けています。

 

さらなる成長の要素として、AIやVR、ARやクラウド、5Gやeスポーツなど期待できるものが多数ありますから、ゲーム業界にいる人やこれから入る人は新たなトレンドに乗れるよう、情報収集やスキルアップに励みましょう。

 

またその一方で、ゲーム業界には開発費の増大や法規制対策、競合コンテンツ対策など懸念事項もあります。個人の範囲ではない問題ばかりですが、業界の問題として注目しておくことが重要です。

 

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