【今日からできる】ゲーム会社への魅力的なポートフォリオ作成のポイントを徹底解説!
2022年11月1日
近年、ゲーム業界での就活を行う際に「ポートフォリオ」が必須の存在となっています。クリエイターにとって、ポートフォリオは自分自身をアピールするための大切な武器です。
とはいえ、慣れない人にとっては「どうまとめたらいいかわからない」、「作ってみたけど自信がない」ということが少なくないでしょう。そこでこのコラムでは、ゲーム業界で働くことを目指すクリエイターに、ポートフォリオ作成のポイントを解説します。
そもそも「ポートフォリオ」とは何か?
言葉の定義
そもそも「ポートフォリオ」という言葉自体は、「紙ばさみ」、「札入れ」、「書類入れ」といった意味で使用されていました。英語ではportfolioと記載しますが、語源はラテン語の「porta:運ぶ」と「folium:紙」から来ていますから、まさに財布や書類かばんは語源と変わりない使い方と言えるでしょう。
これが転じて、近年は「一つの目的に向けた何らかのまとまり」という意味合いで使われるようになりました。そのうえで、業界によって少しずつ異なる使い方がされているのですが、この項目では、金融業界と教育業界、クリエイティブな業界の3分野で「ポートフォリオ」という言葉がどのように使われているかを解説しましょう。
金融業界で「ポートフォリオ」という言葉を使う場合は、株式や投資信託にお金を投じる場合の金融商品の組み合わせを指します。これは、過去に証券などが紙ばさみに挟んで保管されたことに由来しているようです。
教育業界で使う「ポートフォリオ」は、研究や学習の成果などをまとめたものとして広く使用されています。就活に利用される言葉でもありますが、小中学生でも学習成果をまとめたものをポートフォリオと呼びます。この場合、教員や保護者などが成果を見ることに利用されることもあるので、複数の立場の人が見るという特徴があります。
クリエイティブな業界で言う「ポートフォリオ」は、自身の作品をまとめたものと考えて良いでしょう。クリエイターの就職、転職の際にはいまや必須と言っても過言ではありません。
なお、当コラムでは、金融業界や教育業界の「ポートフォリオ」についてはこれ以上言及せず、クリエイティブな業界で用いるポートフォリオのみを詳しく解説していきます。
就職活動における自分の「武器」となるもの
ゲーム業界で働くことを目指すクリエイターが就職活動を行う際、ポートフォリオはまさに自らをアピールする「武器」となります。出身校や成績、職歴などの文字中心の情報だけを記載する履歴書とは異なり、ポートフォリオはクリエイターとしての実力やセンスをアピールする道具だからです。
ポートフォリオは単体の作品を一点ずつ見せる作品集ではなく、自己紹介や複数の作品を通じて、持っているスキルや経験を見る人に理解させるものでなければなりません。そのため単に書きたいものを書いて並べるのではなく、自分の強みが出ること、やりたい仕事につながるようなアピールができることが重要です。
例えば、キャラクターデザインをする人なら、絵を乗せるだけでなく、そのキャラクターの設定や特徴なども書いておくことをおすすめします。
作って終わりではなく、常に更新し続けるもの
ポートフォリオは1回作ってしまえばそれで終わり、というものではありません。クリエイターとして生きていくのであれば、常に新しい作品に挑むでしょうし、スキルもアップし、扱えるジャンルも増えていくことでしょう。そのため、ポートフォリオは常に最新の状態にしておくように心がけましょう。
また、就活に使うのであれば、短い場合で数ヶ月しか使わないかもしれませんが、クリエイターとして年数を重ねると、その間にトレンドは変化しますし、上手い見せ方、使用するツールなども確実に変わっていきます。特にゲーム業界は常に新たなツールやテクニックが生み出される場所ですから、それだけ作品が古くなるのも早いと言えます。
もちろん、過去の自信作がポートフォリオに入っていること自体は全く問題ありません。しかし、古いものばかりが並んでいると、「感性が一昔前の人」という印象を与える可能性があります。また、トレンドを取り入れるスキルが無い人、新しいことにアンテナを張っていない人と考えられることもあるかもしれません。
全てが「流行り物」である必要はありませんが、ぜひ世の中の流れを踏まえた作品を取り入れるように意識してください。
ゲーム会社への就職活動における、ポートフォリオのポイント
一目で技術力をアピールできる事
ポートフォリオは相手に技術力をアピールすることが重要です。そのために気を付けるポイントとして、得意とする分野をしっかりと見せることをまず意識してください。
採用担当者は最後まで真剣に作品を見てくれるとは思いますが、初見のインパクトは非常に重要です。そのため、「自分にとって最高の作品」をポートフォリオの後半に配置することは得策ではありません。どれだけ出来が良くても見てもらえなければ意味がありませんから、「出来の良い作品は前の方で目に付く場所に掲載して必ず見てもらう」ことを意識しましょう。
また、作品数が少ないのもアピール不足となりますが、多すぎるのも良いポートフォリオとは言えません。イラストであれば10~20枚程度で、自分が関わるジャンルを網羅しておくように心がけましょう。
この項目のチェックポイントを以下にまとめます。
✓得意とする分野が一目で分かる構成であること
✓最新かつ最も自信がある作品から配置する
✓求められるジャンルを網羅しつつ、作品数は少なすぎず、多すぎず、を意識する
制作スピードをアピールできる事
ポートフォリオが単なる作品集ではない、と言われる理由の一つとして、それぞれの作品にかけた時間もアピールできる点があります。ゲーム会社は常に営利を求めていますから、作品の良否だけでなく、その作品を生み出すためにどの程度の時間がかかったかにも着目します。製作時間は必ず聞かれると思って、最初から情報として盛り込んでおきましょう。
複数のクリエイターで作ったものであれば、自分自身が担当した部分と、かかった時間を書いておきましょう。また、製作日時や使用したツールも記載しておくと、よりわかりやすいでしょう。
この項目のチェックポイントを以下にまとめます。
✓作品には制作所要時間を記載する
✓チームで作った作品の場合、自分の担当範囲と製作所用時間を明確にする
✓製作日時や使用したツールも記載する
対応できるジャンルの幅広さをアピールできる事
自信があるジャンルをアピールすることは重要ですが、プロのクリエイターとしては幅広い分野で仕事ができることも大切です。そのため、複数のジャンルを網羅したポートフォリオを作ることをおすすめします。
例えばイラストレーターであれば、明るい絵や暗い絵、男性キャラや女性キャラ、ハードな雰囲気や柔らかい雰囲気など書き分けができることがアピールポイントになります。
ただし、幅を広げることばかり意識して、不得意な内容を無理に押し込むと評価が下がりますから、掲載内容のバランスを取ることは非常に重要です。また、相手のゲーム会社が得意とするジャンルを網羅しておくことも忘れてはいけません。個性的であることに着目してくれる会社もあるでしょうが、採用担当者は自社で活躍してくれる人材かどうかを見ています。
この項目のチェックポイントを以下にまとめます。
✓得意なジャンルだけでなく、幅を持たせる
✓自身が希望する職種に求められる内容を踏まえる
✓相手の会社が得意とするジャンルは網羅しておく
ポートフォリオへ掲載すべきマスト要素
この項目では、ポートフォリオに必ず掲載するべき要素を紹介し、それぞれのポイントを解説します。
◆表紙・裏表紙
相手がポートフォリオを手に取った時、表紙に個性や熱量、センスがあるかないかで印象は大きく変わります。とはいえ、単に手数が多くかかっていればよいというものでもありません。重要なのは作製した人がアピールしたい内容に沿ったうえで目を引くことです。
例えばジャンルとしては同じイラストレーターでも、柔らかいキャラクターや温かい画風をアピールしたい人と、リアルさやハード路線が得意な人とでは自然と表紙も変わってくるでしょう。
また、クリエイターでもサウンド系の人やシナリオ系の人なら、そもそも絵にこだわる必要はありません。その場合、色合いやデザインに工夫することになるでしょうが、いずれにしても全体の内容に合っていることが重要です。自分らしさをアピールしつつ、多くのポートフォリオに埋もれないセンスやインパクトがあるもの、という意識を持って表紙はしっかりと考えましょう。
「あまり凝ったものにせず、シンプルに行こう」と考えるのも一つの方向性ですが、シンプルと手抜き、妥協は全く違うものです。「まあ、こんなもんで良いだろう」と油断するのではなく、例えばフォントや文字の大きさなどまで考えて、「自分のポートフォリオの表紙はこれしかない!」と、自信をもって提出できるレベルまで高めましょう。また、裏表紙には表紙との統一性や関連性があることを忘れないようにしてください。
◆自己紹介
自己紹介は、名前や経歴、出身校や所持しているスキルに加えて、得意なジャンルなどを伝えるページです。また扱ってきたツールは採用担当者が気にする部分ですから、必ず書いておきましょう。さらに、ポートフォリオを見る人へのメッセージを書き込む人も少なくありません。読みにくくならない程度に、何らかのエピソードを入れるケースもあります。
テクニック的な点になりますが、柔らかさや温かさなどの「人となり」を知らせて好印象をアピールしたり、熱意などを表明したりする方法もあります。あえて「センスやスキルで勝負したい」と考える人なら、人柄的な内容はあまり書かないかもしれません。しかし、「この人とは一緒に仕事したくない」、と思わせるような不遜な演出や文面は絶対に避けましょう。
比較的文字情報が多い項目なので、文字の大きさやフォントなどにもしっかり配慮しましょう。履歴書と似た内容になりますが、決定的に異なるのは個人情報の乗せ方です。履歴書の場合、住所や電話番号も記載しますが、ポートフォリオは比較的多数の人が見る前提でまとめることをおすすめします。そのため自己紹介欄では、メールアドレスやSNSのIDは書いても、住所や電話番号は避けた方が無難でしょう。
◆目次
目次は必須ではないと考える人もいるようですが、就活用のポートフォリオであれば、見る人にとって情報を伝えやすくするために、目次をつけることをおすすめします。目次は「何がどこに掲載されているか」を知る手掛かりになるとともに、全体の物量を把握するためにも役立ちます。
もちろん、表紙や自己紹介と同様に、目次でもデザインやレイアウト、フォントや文字の大きさなどにはしっかりこだわりましょう。文字情報だけでなく、サムネイルがついていると親切度がアップします。
◆作品
作品はポートフォリオの主役ですから、自信がある作品をしっかり掲載しましょう。作品の内容や順序、量、などは前の項目でしっかり解説しているのでここでは細かく触れませんが、チェックポイントを記載しますので全体の流れを含めて確認してください。
✓得意とする分野が一目で分かる構成であること
✓最新の最も自信がある作品から配置する
✓求められるジャンルを網羅しつつ、作品数は少なすぎず、多すぎず、を意識する
✓作品には制作所要時間を記載する
✓チームで作った作品の場合、自分の担当範囲と製作所用時間を明確にする
✓製作日時や使用したツールも記載する
✓得意なジャンルだけでなく、幅を持たせる
✓自身が希望する職種に求められる内容を踏まえる
✓相手の会社が得意とするジャンルは網羅しておく
ポートフォリオ作成前に良質な作成例をインプットしよう!
おすすめサイトを紹介!
この項目では、優れたポートフォリオを掲載しているサイトを紹介します。自分自身のポートフォリオを作る前に見て、イメージを膨らませることにご利用ください。また、ポートフォリオをある程度作った段階でほかの人が作ったものを見ると、行き詰まりを打開するアイデアが得られることもあるでしょう。
◆ARTNOC.COM(アートノック)
ARTNOC.COM(アートノック)は、さまざまなジャンルのクリエイターのWebサイトを、ポートフォリオ形式で紹介しています。タグによるジャンル検索もできるのでぜひ興味があるタグを確認してみてください。
◆【ゲーム業界志望の方向け】ポートフォリオの基本的な作り方
このサイトは、ゲーム業界で働きたい人に向けて、ポートフォリオの意味や作り方を細かく紹介してくれています。
また、UIデザイナーや2DCGデザイナーなど職種別に記載すべき必須のポイントもまとめてくれているので、非常に参考になります。
◆Pinterest(ピンタレスト)
Pinterest(ピンタレスト)はアメリカ発の画像共有アプリで、日本にはピンタレスト・ジャパンが存在しています。「Webサイト上の画像をピン止めしてシェアする」という使い方が、運営会社が本来想定していたもののようです。しかし、マンガやイラストなどのクリエイターが、自身の作品紹介にも使っています。
関心があるジャンルをキーワード検索で見ることができますから、「ポートフォリオ ゲームデザイナー」などで検索すれば、ほかの人が作ったポートフォリオを参照することができます。ぜひ関心があるキーワードで検索してみてください。また、自分自身の作品を上げて、別のサイトに誘導することができる点も大きな魅力です。
まとめ
「ポートフォリオ」という言葉の語源や基本的な意味を解説したうえで、ゲーム業界で就職活動をする人が知っておくべきポートフォリオ作成のポイントをまとめました。
クリエイターにとって、ポートフォリオは自分自身のスキルやセンスを伝えるための大切な手段です。また、近年のゲーム業界では、ポートフォリオは就職活動をする際になくてはならない存在となっています。ポートフォリオの出来次第で就活が大きく左右されますから、その分プレッシャーもあるでしょう。
ポートフォリオの基本は、スキルや経験、スピードや対応できる幅をしっかりと伝えられる情報を盛り込むこと、相手にとって見やすいものであることなどです。これらの点を踏まえたうえで、自分自身の強みをしっかりとアピールするポートフォリオを完成させて、就職活動の成功に役立ててください。
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