RTA(リアルタイムアタック)とは?ゲームを愛する人が熱中するその理由


2025年12月23日


近年、RTA(リアルタイムアタック)というものがゲームの楽しみ方のひとつとして広がっています。


このコラムでは、RTAの意味や歴史を紹介したうえで、RTAの魅力や基礎知識などを解説していきます。「RTAに興味があり、これからやってみたい」という人だけでなく、すでにRTAを楽しんでいる人にも参考になる内容なので、ぜひ最後まで読んでください。


RTA(リアルタイムアタック)とは

ここではまずRTA(リアルタイムアタック)の意味を解説したうえで、その歴史をひもといていきます。


用語としての由来と歴史

RTAは「Real Time Attack(リアルタイムアタック)」の略であり、ゲームを「スタートからクリアまでにかかった現実時間」でクリアする速さを競うプレイスタイルを指します。ゲーム内のプレイ時間だけでなく、リセットやリロードなどのリアル空間の時間を含むのがこの挑戦の大きな特徴です。


RTAの源流は、ゲームをやり込む文化にあります。たとえばレースを題材とするゲームにはタイムアタック(英語圏ではSpeedrunと呼ぶ)があるのはごく自然です。しかし、本来は「速さ」を求めない恋愛シミュレーションゲームなどでタイムアタックを行うことが、「やり込み」の一手段として確立されたのです。


RTAが日本で始まったのは1990年代初頭です。当時は現在のように気軽に動画を残せる環境はなく、SNSなどもなかったため、ゲームの総プレイ時間表示で競うスタイルでした。その後、インターネット環境が普及するにつれて、ストップウォッチで時間を計ってネット上で自己申告する動きも出てきます。


2000年ごろには、ゲームやり込みサークル「極限攻略研究会」が登場し、「RTA」という造語が作られました。さらに同研究会によってルールの整備も進み、現在の呼称やプレイスタイルが確立されたのです。


RTAが確立し、一般化していく過程では上記以外の様々な要素が絡み合っているので、本コラムの「RTAが広まった背景」も合わせてご参照ください。


TAS(ツールアシステッドスピードラン)との違い

TASは「Tool-Assisted Speedrun(ツールアシステッドスピードラン)」の略語です。プレイ速度を競う点ではRTAと共通点がありますが、実際には大きな違いがあります。


RTAは速さを意識した通常プレイの総時間を競いますが、TASは最速ルートや最速のための入力を選択したうえで、プレイの巻き戻しや再試行などを何度でも行い、エミュレーターというソフトウェアを使って理論上の最速プレイを生み出します。


このため、リアルタイム性や再試行の有無、ソフトウェアが介在するかどうか、といった点で明確に異なります。


なお、TASの最後の「S」は、そもそもは「Speedrun」ですが、「Superplay(スーパープレイ)」の意味であるという人もいます。この解釈には、単に速さを求めるだけでなく、通常の人間のプレイではまず不可能な完璧さや華麗さを楽しむという意味合いが込められています。


人々がRTAに夢中になる理由


この項目では、多くの人がRTAに熱中する理由を解説します。


競技性・エンタメ性の高さ

RTAはゲームのクリア速度をリアルタイムで競うため、競技性・エンタメ性の高さが魅力となっています。この特性はeスポーツに似た側面があり、配信との相性も良好です。


プレイ中のミスやタイムロスが直接記録に影響するので、集中力の高さや精密操作性、戦略性が問われる点で、プレイヤーだけでなく視聴者もドキドキしながら観戦できます。


好記録達成時にはカタルシスも提供できますし、ハプニングも盛り上げ要素になるので、一般的なゲーム実況との差別化も可能です。


ジャンルを問わず楽しめる懐の広さ

RTAの強みの一つは、もともとスピードを問わないゲームでもRTAとして楽しめる点です。たとえばアクションやRPG、恋愛シミュレーションゲームなどジャンルを問わずチャレンジできます。


また、人気作だけでなく、あまり知られていないタイトルや古いゲームも対象になる点で、自分だけの記録を誰もが生み出せるのもRTAならではの魅力です。知名度が低いゲームの配信をしても見る人は少ないですが、そこにRTAを加えることで視聴される可能性が高まります。


このような自由度の高さが、RTAの敷居を下げており、裾野を広げる要因になっています。


遊び慣れたゲームの違う一面が見える奥深さ

RTAでは、そもそも時間制限に無縁なタイトルでタイムアタックを行うことが多いため、遊びなれたゲームの違う側面が見えるメリットがあります。


タイムアタックの要素がなければ取らない選択肢を選ぶことが多いですし、通常のプレイでは使わない裏技や近道、バグなどが注目されることもあり、新たな発見や驚きが生まれます。


自由度の高さと「研究」の面白さ

RTAの魅力は自由度の高さにもあります。RTAはゲームのスタートからクリアするまでを競うことが多いですが、ゲーム内の特定部分だけでRTAを行うこともあります。また、スタートやゴールを自由に決めてチャレンジする人もいるなど、楽しみ方が自由です。


さらに、ルートや操作方法などをどのように選択したら早くなるかを考え、それを実行する楽しみもあります。何度かチャレンジする中で、早くなるための工夫をすることや、自由な発想に基づいてプレイしてみることなど、研究的に楽しめるのもRTAが多くの人を魅了している理由のひとつです。


RTAが広まった背景

ここからは、RTAが日本で広まった背景を解説します。


動画投稿・生配信文化との親和性

RTAは1990年代初頭のゲーム雑誌に源流がありますが、近年広がっている背景にはインターネットや生配信、動画投稿サイトなどの発達が大きく関与しています。


ゲーム実況や動画配信などとRTAは相性が良いので、実際に配信者が扱うことも多く、それを見て楽しむ人が増えました。特にライブ配信では緊張感や試行錯誤が共有できますし、失敗しても成功しても盛り上がりにつながります。


また、見た人の中には「自分もやってみよう」と思う人もいますから、動画投稿や生配信はRTAの拡散に大きく貢献しています。


海外スピードラン文化からの影響

海外では1980年代からゲームのクリア速度を競う流れがあり、「Dragster」というゲームを題材としてSpeedrunが行われたことが起源とする説があります。


海外ではSpeedrunの記録を紹介するサイトやイベントが多数存在しています。たとえば「Global Speedrun Association(GSA)」という団体はSpeedrunのイベントの開催実績が豊富です。また、「Twin Galaxies」などのプラットフォームがタイトルごとのタイムアタックの記録を集計しているなど、ゲームのクリア速度を競う環境が充実しています。


日本でRTAの広まりに貢献している「RTA in Japan」は、アメリカの「Speed Demos Archive(SDA)」というサイトや「Games Done Quick」というタイムアタックイベントに影響を受けて立ち上げられています。


日本のRTAは技能レベルとしてアメリカに負けていないのに、イベントの規模がアメリカの方が圧倒的に大きい、という点に衝撃を受けたことがRTA in Japan開催のきっかけになっているので、日本のRTAは海外からの影響を大きく受けていると言えるでしょう。


コミュニティの拡大

日本でRTAの存在が大きくなったきっかけのひとつに、「RTA in Japan」という大規模イベントが定期開催されていることがあります。RTA in Japan開催のきっかけは当コラムの「海外スピードラン文化からの影響」に記載しているのでぜひご参照ください。


RTA in Japanは2016年に初めて開催されており、オンラインで実施されたこともありますがリアルイベントとしても開催されています。開催初年度以降は年2回以上のペースで実施され、多くのプレイヤーが速さを披露する場となっています。これにより、RTAを知らなかった人たちにもその魅力が伝わり、コミュニティが拡大しました。


RTAのルール・レギュレーションの基礎知識


ここではRTAのルールやレギュレーションの基礎的な知識を解説します。


RTAカテゴリーの種類

RTAでは、「速くクリアする」ことを前提としながら、どのような条件でクリアを目指すかを定めた「カテゴリー」という分類があります。以下はカテゴリーの中でも代表的なものです。


・Any%:回収アイテムややり込み要素は問わず、最速のクリアを目指す。

・100%:アイテム取得、サブ要素クリアなど、ゲーム内のすべての要素を満たしたうえでクリアを目指す。

・Glitchless:バグ技やバグ利用のショートカットを使わず、正規の仕様・手順でクリアを目指す。


タイトルによっては、チャプター制や特定のアイテム使用禁止など、細かいルールが存在することもあります。


このようにカテゴリーを分けることで、ひとつのゲームでも異なる価値観やプレイスタイルが生まれますし、多様な楽しみ方が可能になります。


RTA記録として認定されるための条件

RTAの記録を「正式なもの」として認定される条件として、以下のような取り決めがあります。


・ゲームプレイの映像(できれば画面キャプチャ+プレイヤー映像またはタイマー映像)を全編公開

・ゲーム内の時間ではなく、タイマーで現実のプレイ時間を計測すること

・環境やルールがカテゴリーと一致していること

・実機プレイが基本であり、エミュレーターを使うと参考記録となる


カテゴリーやルールを守ることはもちろんですが、記録を公正に証明するための証拠として動画や配信アーカイブなどの存在が重視されます。


RTAに必要な準備・環境・計測ツール

RTAを始めるにあたっては、以下のようなものが必要です。

・ゲーム機およびゲームソフト

・ゲームから独立したタイマー

・プレイ画面を記録する機器


本格的なゲーマーや配信者であれば、専用のキャプチャーボードや録画機器、配信機器などを用意するかと思います。しかし、直撮りが可能な家庭用ゲーム機とスマートフォンがあればRTAは始められます。このように参加のハードルが低いのも、RTAの魅力であり、近年広がっている理由でもあります。


コントローラー・実機・エミュレーターの扱い

RTAに参加する場合、「実機プレイ」が基本です(RTA in JapanではPC上のエミュレーターを禁止する条項があります)。エミュレーターはロード時間の短縮やフレームスキップなどがあるため、実機プレイと条件を揃えることができないからです。


ただし、RTA in Japanは大会のひとつであり、それ以外のすべての場面でエミュレーターが禁止されているかは不明です。これを踏まえて、公式記録として扱いたい場合は参加する大会や発表の場のルールを個別に確認してください。


また、コントローラー自体は禁止されていませんが、連射機能があるコントローラーの使用は禁じられていることがあるので、この点もルールをしっかり確認してください。


RTAレースに参加するための流れ

RTAイベントは複数あるので参加の流れもひとつではありませんが、以下にひとつの目安としての流れを紹介します。


1.興味のあるゲームを選ぶ。

2.そのゲームにおけるカテゴリーを確認し、Any%や100%などの中から挑戦するカテゴリーを選択する。

3.実機、ゲームソフト、タイマー、録画環境などを準備する(直撮り可能な家庭用ゲーム機とスマートフォンでも挑戦可能)。

4.ストップウォッチ等でリアルタイムに計測できる状態を準備する。

5.プレイ映像(画面+タイマー)が記録されていることを確認し、記録を提出または公開。

6.タイムが認められれば、コミュニティのサイトや記録一覧に登録される。


RTA in Japanなどのイベントに参加する場合、既定の日時までに応募し、参加が認められれば大会で実戦参加ができます。


応募方法は大会ごとに異なるので、まずはしっかりと応募要項などを確認してください。


また、上記は参加のための流れですが、好成績を残すためにはルールやプレイの検討、事前の練習などが欠かせません。目指す目標を達成できるよう、しっかり準備や練習に取り組みましょう。


まとめ

RTA(リアルタイムアタック)は、ゲームを現実時間でどれだけ速くクリアできるかを競う取り組みです。世界的には1980年代から存在しており、日本でも海外に引けを取らない挑戦が繰り広げられてきました。


初期には雑誌の投稿欄が成果発表の場でしたが、インターネット、動画配信の普及とともに挑戦者が増え、今では誰もが気軽に取り組める状態になっています。


このような広がりを見せているのは、自由度の高さや、競技性とエンタメ性が強いこと、配信との相性の良さなどの魅力があるからです。

ジャンルを問わず楽しめることもあり、今後の発展も期待できるので、この機会にRTAにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

G-JOBエージェントの求人は、約70%が非公開求人
  • サイト上に掲載されている求人は全体の約30%です。
  • 無料転職サポートにお申込みいただくと、非公開求人を含めてエージェントがあなたの希望に合った求人を探します。