ベンチマークとは?PC性能の測り方やおすすめソフト、スコアの見方も解説
2026年5月25日

ゲームを最大限に楽しむためには、使用しているPCが、タイトルの要求スペックを満たしていることが欠かせません。しかし、「推奨スペックは満たしているのに、パフォーマンスが低い」といったケースはあり得ます。
そこでおすすめしたいのが、PCのスペックを数値的に把握するベンチマークテストです。当コラムは、「ベンチマーク」の基礎知識から、主要な測定ソフト、具体的な使い方などをわかりやすくまとめています。このコラムを読むことで、快適なゲーム環境を得やすくなるので、ぜひ最後まで読んでください。
ベンチマーク(ベンチマークソフト)とは
ベンチマークとは、PCの処理能力を計測し、そのパフォーマンスを数値やランクで可視化するためのテストを指します。ゲームをプレイする人にとっては、プレイしたいタイトルを十分に楽しめるか、あるいはハードウェアの限界値がどこにあるかを示す指標となります。
「Benchmark」という英単語には「基準」、「水準点」などの意味があり、もともとは地形測量の分野で使われていました。経営やマーケティングの分野でも、何らかの指標として使われますが、このコラムではPCのスペックを示す言葉としてのみ扱います。
PC向けのベンチマークテストは、CPU・GPU・メモリ・ストレージなど目的に応じて存在しており、詳細や違いは当コラムの「ベンチマークの主な種類」の項目で解説します。
ベンチマークの利用でわかること
ここでは、ベンチマークテストでわかることを、3つの側面から解説します。
ゲームが快適に動くか判断できる
PCゲームは、タイトルごとに必要とするスペックが異なります。そのため、ゲームをプレイしようと思ってソフトウェアを入手しても、PCスペックが低いと動作が遅かったり、画面がカクついたりして十分に楽しめない可能性があります。
一方、事前にベンチマークテストで確認すれば、目的のタイトルが自身のPCで問題なくプレイできるか確認できます。
ベンチマークを実行する最大の利点は、遊びたいゲームが自分のPCで「快適に動作するかどうか」の目安を事前に把握できる点です。多くのベンチマークソフトは、テスト終了後にスコアだけでなく「快適」「普通」「重い」などの判定をしてくれるので、適切な対策をする基準ができます。
FPSや画質設定の目安がわかる
「FPS(フレームレート)」とは、「frames per second」の略語で、1秒間に表示される画像の枚数を示す値です。数値が大きいほど画像が滑らかに表示されます。
ベンチマークテストでは、平均的なFPSだけでなく、画面が激しく動くシーンでの最低FPSも計測できます。
また、画質設定を高画質にした場合と低画質にした場合や、解像度設定ができる場合、ベンチマークのスコアも変わるので、目的に応じて測定することをおすすめします。
PCパーツの性能比較に使える
PCでゲームをプレイする場合、CPUとGPUの性能も大きく影響するため、ベンチマークスコアが有効です。
ベンチマークテストで十分なスコアがでれば安心して目的のゲームをプレイできますし、必要スペックに対して性能が不足しているようなら、パーツの交換やPCの買い替えを検討する人が多いでしょう。
そんなとき、CPUとGPUの性能値がわかっていれば、検討がしやすくなります。
ベンチマークの主な種類

ここでは、ベンチマークソフトの種類を解説します。
ゲーム公式ベンチマークソフト
ゲームによっては、ゲームメーカー公式のベンチマークソフトが存在します。たとえば「ファイナルファンタジーXIV」、「ファイナルファンタジーXV」、「モンスターハンター」シリーズなどが有名です。
それなりのスペックを要求するタイトルに関して、快適にプレイできるか事前に確認してもらうために、無料配布しているケースがあります。この種類のソフトは、特定のゲームをプレイする際の挙動を極めて正確にシミュレートできる点がメリットです。汎用的なソフトでは計測できない、そのゲーム特有の負荷への耐性がわかります。
GPU性能を測るベンチマークソフト
GPU(Graphics Processing Unit)はゲームの快適性を大きく左右するパーツなので、描画性能を測定するツールは複数存在します。その中でも特に有名なのが、「3DMark」です。このツールによるスコアは、世界中で標準的な指標として扱われています。
このソフトは、ハードウェアに最大限の負荷をかけることで、GPUのスペックを評価します。また、「3DMark」は安定性テストや、冷却性能の確認も可能です。
ゲームごとに最適化された公式ソフトとは違い、ハードウェアそのもののポテンシャルを追求することに適しています。
CPU・ストレージなどを測るベンチマークソフト
ゲームの動作には、グラフィック以外の要素も深く関与します。CPUの能力を測るツールとして知られる「Cinebench」は、ゲーム中の物理演算や、ゲーム配信と録画を並行して行う際の余力を確認するのに適しています。
また、ストレージ(SSD/HDD)の速度を測るツールとして「CrystalDiskMark」などがあります。近年のゲームは容量が増大する傾向が強いため、ストレージを最適な状態にしておくことで、ゲームのロード時間は大きく変わります。
おすすめのベンチマークソフト
ここでは、評価が高いベンチマークソフトを紹介します。
3DMark
「3DMark」はGPUの描画能力を評価するためのソフトで、世界標準的なベンチマークソフトとして利用されています。2013年に公開されて以来、新しい技術に対応しながらアップデートが繰り返されてきました。定番ソフトとして広く利用されているため、他のPCやパーツとの比較が容易です。
無料版と有料版があり、無料版は制限があるものの、DirectX 12を利用した「Time Spy」などのテストが可能です。
FINAL FANTASY XIV 黄金のレガシー
「FINAL FANTASY XIV 黄金のレガシー ベンチマーク」は、日本のゲームの公式ベンチマークの代表的な例です。
テスト結果は数値で表示されるだけでなく、「非常に快適」から「動作困難」の8段階で判定が表示されます。そのため、ベンチマークテストに関する知識が少ない人にも結果がわかりやすい点が魅力です。
また、実際のゲーム内で使用できるキャラクターメイク機能を搭載しているため、測定を実施しながら自分なりのキャラクター作成を楽しむことができます。
FINAL FANTASY XV
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」は、特定ソフト専用のベンチマークソフトですが、グラフィックの負荷が大きい状況でのスペックチェックにも有効です。4K解像度や高品質なテクスチャ設定での測定が可能なので、このテストで安定したスコアが出れば、多くのゲームを問題なく楽しめるでしょう。
「FINAL FANTASY XIV 黄金のレガシー ベンチマーク」と同様に、判定が「非常に快適」から「動作困難」の8段階でわかりやすく表示されます。
モンスターハンターワイルズ
「モンスターハンターワイルズ」は、広大なフィールドを表現することやリアルなクリーチャー描画などに強いこだわりを持って開発されたモンスターハンターシリーズの最新作(2026年5月時点)です。そのためグラフィックに関する負荷が大きく、PCの推奨環境が高めに設定されています。
アクションが重要な位置付けのゲームにおいて、一瞬でもフレーム落ちが発生すると勝敗を左右します。また、遅延やカクつきはプレイヤーにとって大きなストレスになるため、プレイ体験の大幅な低下も懸念されます。
そのため、FPSを平均値だけでなく、最小値まで把握して改善することが重要です。実数値を知って環境改善に臨むことで、開発側が想定した快適なプレイ環境を実現しやすくなるでしょう。
このタイトルのベンチマークソフトは、グラフィック設定を「最低」「低」「中」「高」「ウルトラ」の5段階から選択できますし、アップスケールモードを画質優先の「クオリティ」とフレームレート優先の「パフォーマンス」から選択可能です。
「どちらを優先すべきかわからない」と思う場合、「バランス」を選ぶことをおすすめします。
Cinebench 2026
「Cinebench 2026」は、CPUとGPUの性能測定に適したソフトとして、広く利用されています。このソフトは、Cinema 4Dというプロ用3DCGソフトのエンジンを利用しており、WindowsとmacOSの両方の環境でハードウェアテストの実施が可能です。
ゲーム中のフレームレートを直接測るソフトではありませんが、ゲーム配信、録画、動画編集などを行うPCの処理性能を把握する際に役立ちます。複数のアプリケーションをマルチタスクで動かす場合、CPUの性能がボトルネックになりがちです。Cinebenchはシングルコアとマルチコアの両方の性能を測定できるため、ゲーム以外のクリエイティブな用途でPCを使う人にも有益なテスト結果を提供します。
過去のバージョンより高負荷でのテストが可能となったため、ハイスペックなCPUの演算能力の確認にも便利です。
ベンチマークで測定する流れ

この項目では、ベンチマークソフトを使った一般的な測定の流れを、4つのステップに分けて解説します。実際に使用する際の参考にしてください。
STEP1:ベンチマークソフトを公式サイトからDLする
まずは使用したいベンチマークソフトを、必ず公式サイトからダウンロードしましょう。これはセキュリティの観点から極めて重要です。
有名なソフトウェアの場合、非公式サイトや掲示板などで「高速化パッチ済み」などと謳われた改変版が配布されていることがありますが、これらにはウイルスやマルウェアが混入しているリスクがあります。
また、バージョンが古いと最新のパーツを認識できないことがありますし、正しいスコアを出すことができない場合もあります。これらを踏まえて、必ず開発元の公式サイトから最新版を入手するよう注意してください。
STEP2:グラフィックドライバを最新にして不要なアプリを終了する
測定を始める前に、PCの状態を最適化します。まずはOSやグラフィックボードのドライバが最新であることを確認してください。OSやドライバが古いと、正しい測定ができない場合があるからです。
次に、バックグラウンドで動作している不要なアプリケーションをすべて終了させます。ブラウザ、動画配信ツール、チャットソフトなどはメモリやCPUに負荷をかけるため、スコアに影響するからです。
またWindows 11の場合、電源プランを「最高のパフォーマンス」、電源設定を「最適なパフォーマンス」にしてからテストを開始してください。デフォルトでは「バランス」に設定されていますが、そのままだと測定値に影響が出ます。
STEP3:ベンチマークソフトを起動し、解像度と画質設定を選んで実行する
ソフトを起動したら、測定条件を設定します。ここで最も重要なのが「解像度」と「画質プリセット」です。
解像度については、実際にゲームをプレイする設定を選択する必要があります。これはフルHD、WQHD、4Kなど解像度によって負荷が大きく変わるため、実際と異なる設定でテストしても意味がないからです。
一方画質については、「最高」「高」「標準」など、いくつかのパターンで試してみることをおすすめします。
設定が完了してテストを開始すると測定が始まりますが、測定終了まで数分から数十分かかることがあります。その際、測定中にPCで何らかの作業をすると正しい測定ができないので避けましょう。
これらを踏まえて、ベンチマークテストを行う際には、時間に余裕をもって、他の作業をしなければならないタイミングは避けるよう気を付けてください。
STEP4:スコアとFPSを確認し、評価を見る
テストが終了すると、最終的なスコアと詳細なレポートが表示されます。「合計スコア」は全体の評価として参照しつつ、平均FPSや、瞬間的に動作が重くなった際の最低FPSに注目しましょう。
たとえば平均が60FPSを超えていても、最低FPSが極端に低い場合はプレイ中にカクつきが生じるリスクが高いと考えるべきです。
また、一度の測定ではOSのバックグラウンド処理などの影響で数値がブレることがあるため、2〜3回繰り返して平均値をとるのが理想的です。
得られた結果を元にして、画質を下げる設定をするか、あるいはパーツの交換やPCの買い替えなどをするべきか、といった具体的なアクションに繋げていきましょう。
まとめ
ベンチマークテストは、自分のPCのスペックを正確に知ることに役立ちます。客観的な数値が把握できればパーツ交換などの検討がしやすくなりますし、PCを変える場合にも機種選定の参考になります。
近年はグラフィックへの要求が高まっているため、PCのスペックの要求水準も上がっており、それを満たしていない場合、ゲームを十分に楽しめない可能性があります。
これを踏まえて、定期的にベンチマークテストを行い、プレイ環境をアップデートしていくことが快適なゲーミングライフを維持する秘訣です。