採用担当者に刺さる!ゲーム業界への志望動機作成ポイントと作成例をご紹介!


2022年11月29日

「志望動機」は企業の採用担当者が、スキルや職歴に次いで着目するポイントと言われています。そこでこのコラムでは、ゲーム業界で就職活動をする際の志望動機の書き方について解説します。

志望動機を書くときのポイントやNG表現も丁寧に解説しますし、シチュエーションごとの例文も記載しているので、ぜひ参考にしてください。

本記事を読めば、ゲーム業界への就職をかなえる為の志望動機作成ポイントが理解できるようになります。

 

まずゲーム業界について正しく理解しよう

採用担当者に刺さる「志望動機」を作るには、まず業界の基礎知識を頭に入れておくことが重要です。そこで、まずゲーム業界に就職する人に向けて、業界そのものの特徴を整理します。

 

基本情報

2022年8月に発表された『ファミ通ゲーム白書2022』によれば、2021年の世界ゲーム市場は約21.9兆円だったとされています。日本を含む東アジアは全市場の約42%に当たる8.8兆円、日本国内のゲーム市場は約2兆円でした。また、国内のゲーム人口(家庭用ゲーム、PCゲーム、アプリゲーム含む)は約5,500万人です。

 

ちなみに、国内最大の市場である卸売業界は100兆円以上ですし、同年のBtoCのEC市場(企業から個人向けのネット通販)は約20.7兆円、IT市場は19.2兆円、外食産業は約27.4兆円、です。これらを見れば、ゲーム業界そのものは大きな市場とは言えません。

 

業界としての市場は伸びる傾向にあるものの、新しい流行が起きやすいこともあって、安定性が高いとは言い難い業界でもあります。ただしこれは、小さな会社でもヒットタイトルを生み出せば大きな成長ができることの裏返しとも言えます。そのため、長期的に安定する仕事を求める人より、新しい取り組みを好む人に向く傾向があるでしょう。

 

ゲームクリエイターの平均年収は、2021年に厚生労働省が公表した賃金構造基本統計調査によると、584.4万円とされています。同年の日本のすべての業種の平均年収は489.3万円なので、収入は平均より高く、その分競争率も高い業界と認識されています。

 

ゲーム業界の平均勤続年数は4年とされており、日本全体の平均である12.4年に比較するとかなり短いことがわかります。とはいえ、変化が少ない業界に比べると短くなるのは無理もないことですし、クリエイター系の人が独立開業することがあるのも勤続年数が短い理由となっています。

 

また、勤続年数が短いという特徴は、業界の慢性的な人手不足を示しています。そのためスキルや熱意、将来性などが認められれば採用される可能性もあるわけですから、必ずしもネガティブな情報とは言えません。

 

ただし、前述したように平均年収は高く、「夢」や「野心」を持った人が目指す業界でもありますから、大手であるほど競争率は高く、決して「売り手市場」ではありません。これらの情報を分析すれば、スキルや個性などで差別化して就活に臨むことが非常に重要な業界であることが伺えます。

 

主に存在する職種

ゲーム業界での仕事は、「ソフトやハードを生み出す開発的な仕事」「開発を管理する仕事」「売上や利益を伸ばすための営業的な仕事」「総務や経理、法務などのバックオフィス的な仕事」の4種類に大別することができます。

 

上記の4つの分野はさらに細分化されます。例えばソフト開発に従事する人なら、デザイナーやシナリオライターのほか、プログラマーやサウンド系など非常に多くの職種があります。そのため、まず自分自身が望む職種やスキルを活かせる職種の募集を行っているかを知っておくことが重要です。

 

ホームページなどで募集職種の業務内容や必須スキルなどを挙げている会社も多いので、事前の情報収集をしっかりと行ってミスマッチが無いように注意しましょう。

 

ゲーム業界採用担当者に刺さりやすい志望動機のポイントを紹介!

この項目では、志望動機を書くにあたって、ゲーム業界の採用担当者に刺さるためのポイントを紹介していきましょう。

 

志望動機は、「なぜゲーム業界なのか」、「なぜその会社なのか」、「入社したらどんなことができるのか、何をしたいのか」の3点に分けることができますので、それぞれを分けて言及していきます。

 

ポイント①:業界自体に対する志望動機を考える

面接で「なぜゲーム業界に就職したいのか」と聞かれたときに、「ゲームが好きだから」という漠然とした答えは好ましくありません。「好き」は大事な要素ですが、漠然とした回答は採用担当者の心に刺さらないだけでなく、雑な回答としてマイナスになることすらあります。

 

そのため、より深い内容を用意しておくことが重要です。例えば、「自分自身がゲームに救われた経験があるので、自分自身もゲーム会社に入って、人の心に残るようなゲームを提供していきたい」というように、「好き」を支える背景があることが重要なのです。

 

ポイント②:個別企業に対する志望動機を考える

対面する企業に対しては、その企業がどのような実績を持っているかを踏まえておくことが重要です。例えばRPGが得意、乙女ゲームが多いなど、その企業の特徴を知ったうえでの答えでなければ、採用担当者は「他社に行けば良いのでは?」と思います。

 

また商品以外でも、その会社の理念に賛同している、そこに所属するクリエイターを尊敬しているので一緒に働きたいという動機も考えられます。ただし、「大手だから」、「給与待遇が良いから」といった理由は好ましくありません。

 

ポイントとしては、その会社の強みや特徴を踏まえたうえで、自分自身の動機と整合するように気を付けましょう。

 

ポイント③:自分の貢献できる点を考える

就職した後に何ができるかという点も大きなポイントです。この場合、デザインやシナリオが得意、というだけでは不十分です。

 

例えば、「貴社の〇〇の続編ができる時には、私は△△で貢献できます」といった提案型の動機や、「過去にインディーゲームを〇本、〇ヶ月で作りました」といったスキルを示すなど、具体性を持ってアピールすることをおすすめします。

 

これだけは避けたい!ゲーム業界への志望動機NG要素実例をご紹介

この項目では好ましくない志望動機を分析し、ポイントとNG例を記載します。

 

気を付けるべきポイント

まず、志望動機で気を付けるべきポイントを箇条書きします。

a)動機に具体性が無い

b)その企業でなければならない理由が無い

c)何をしたいかわからない

d)どんな貢献ができるのかわからない

e)好感が持てない(待遇にしか着目していない、あざとい感じがする など)

 

ちなみに、「志望動機の書き方」をレクチャーするサイトは多数存在し、その中には「志望動機を最初に簡潔に示す」ことを強調する意見もあります。

 

しかし、この点にこだわりすぎると、読み始めからテンプレート感が出ますし、結果的に多くの人と似たような文章になってしまい、差別化できません。また、採用担当者もプロですから、わずか200~300文字前後の文章なら順序に関係なく、応募者の主張をしっかり読み込みます。

 

そのため、冒頭で簡潔に動機を書くのも良いですが、そこにこだわりすぎることで全体の個性を失うのは悪手です。冒頭にインパクトのある文章を挿入できるならそれも良いですが、後半に向かって盛り上げる文章も採用者の心をつかみます。

 

第1文で結論を言い切らない場合は、その後を読ませる「フリ」である必要があります。避けるべきは、前半にも後半にも熱意や盛り上がり、説得力が感じられない文章なのです。

 

NG

NGな志望動機を3例紹介し、それぞれがなぜNGなのかを解説します。

 

【NG例1】

私は本当にゲームが好きで、子どものころからゲームをしていますし、今も毎日数時間プレイしています。このようにゲーム好きの私ですから、ゲーム開発を仕事にすれば楽しいゲームを作ることができると確信しています。貴社に入社出来ましたら、多くの人に楽しまれるゲームを開発していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

【NGな理由】

「気を付けるべきポイント」のa~dに当てはまります。「ゲームが好き」と言うこと以外、具体性も情報量も無く、その会社を選んだ理由も明確にされていません。NGの見本のような志望動機なので、採用担当者の心に刺さることはまずありません。このような書き方にならないように気を付けましょう。

 

【NG例2】

私は中学生のころからゲームのキャラクターを作るデザイナーになりたいと思っていました。そのため、〇〇専門学校に入学してデザインの勉強を続けてきた経緯があります。貴社に入社した際にはデザインの分野で貢献させていただきたいと思っています。

貴社を選んだのは、ホームページで福利厚生や従業員の待遇に深く配慮されていることを知ったからです。ゲーム業界はブラックな会社もあるように聞いていますが、貴社なら安心して働けると考えています。

 

【NGな理由】

具体的な努力ややりたいこと、出来ることが明確なので、一見良い志望動機に見えるかもしれませんが、「気を付けるべきポイント」のbとeに該当しています。福利厚生に着目するのは良いですが、業界に批判的な内容が前面に出ると好感度を失う可能性があります。また、着目した会社の特徴が「待遇」のみというのも失礼に当たります。事務職ならまだしも、クリエイター志望であれば応募する会社の商品や実績に絡めた動機を記入することが必須と考えましょう。

 

【すぐ使える!】ゲーム業界における志望動機好例をご紹介!

ここからは、ゲーム業界の採用担当者に刺さる志望動機のサンプルを、中途採用や新卒などのシチュエーション別に紹介します。それぞれに対する解説も記載しているので、合わせて参考にしてください。

 

中途入社(経験者)の志望動機例

【例1:同業種からの転職の場合】

私は現在、株式会社〇〇でゲーム開発に従事していますが、今回所属する部門が閉鎖されることになり、ゲーム開発から離れたくないという思いで転職を決意しました。貴社は人を穏やかにするゲームを多数生み出されており、私自身も以前から癒しをもらい続けてきました。そのため、転職に当たって私も人に喜びや温かさを提供する貴社のゲームの開発に参加したいと思った次第です。

 

私が蓄積してきたプログラミングスキルは、貴社でもそのまま利用できると考えております。また、プロジェクトの管理を行ってきた経験もありますので、与えられた業務をこなすだけでなく、日程や予算を踏まえて行動できると自負しています。

 

【例2:異業種からの転職の場合】

前職は広告会社で広報を務めていましたが、貴社が宣伝・広報の中途採用を応募されていると知り、エントリーしました。異業種への転職ではありますが、私は対象商品の特徴を踏まえた営業戦略を得意としていますので、貴社の売上や利益の向上に貢献できると考えております。

 

また、数あるゲーム会社の中で、貴社は〇〇というヒットタイトルがあるだけでなく、常に新たなチャレンジをされている点に強い魅力と将来性を感じています。さらに、私自身、貴社のゲームを多くプレイしていますので、特徴や楽しさを広報するための提案もできます。

 

【解説】

転職の場合、雇用する側としては即戦力であることを期待しますから、「何ができるのか」を明確に主張することが重要です。また、その一方で、何らかの理由で現職を辞めるわけですから「長続きせず何でもすぐに辞める人なのでは?」、「コミュニケーションが不得意な人なのでは?」という危惧もあるでしょう。そのため、スキルをアピールするだけでなく、人間として信頼される要素を盛り込むことが重要です。

 

また転職の場合、前職をあまり悪く言うと悪印象を与えることもあります。そのため、退職理由の書き方には注意が必要です。

 

中途入社(未経験者)の志望動機例

【例1】

私は現在営業職を務めていますが、ゲームデザイナーへの夢を捨てきれず、今回の募集にエントリーしました。デザイナーとしての実務経験はありませんが、専門学校でデザインを学びましたし、卒業後もインディーゲームを作るためのキャラクターデザインを続けています。

 

数あるゲーム会社の中で、貴社は〇〇というヒットタイトルがあるだけでなく、常に新たなチャレンジをされている点に強い魅力と将来性を感じています。また、私自身、貴社のゲームを多くプレイしていますので、貴社の作風にマッチするキャラクターデザインをできると考えています。

 

【例2】

私は現在営業職を務めていますが、以前からゲーム開発の仕事をしたいと考えて、在職しながらプログラミングスクールに通いました。数あるゲーム会社の中でも貴社を選んだのは、常にユーザーを驚かすチャレンジングな作風に感銘を受けているからです。貴社の〇〇シリーズは、全作リリース日に入手して楽しんでいますが、人気シリーズであるにも関わらず、毎回異なるゲーム性がある点に驚きを禁じ得ません。

 

私自身も「人生は常にチャレンジである」と考えて生きていますので、貴社の理念にマッチしていると自負しています。また実務経験が無いことをカバーするためにも、貴社への入社を目指して自作ゲームを作る取り組みも、日々欠かさず行っています。

 

【解説】

未経験の職種に中途でエントリーする場合、「新卒」や「経験者」などの看板がある人とは異なり、不利な条件が増えがちです。そのため、何らかの努力をしていることを提示してスキルの不利をカバーしたり、熱意を継続できる人というエピソードを入れたりすることをおすすめします。また、現職の経験で活かせる部分があれば積極的に提示しましょう。

 

新卒入社の志望動機例

【例1】

私は貴社のゲームである〇〇シリーズと共に成長してきましたので、プレイするだけでなく開発に携わりたいと高校在学中に考えました。そのため、貴社で〇〇シリーズのデザインに参加したいと思い、デザインを学べる学科を選択し、技術や知識の習得に励んできました。

 

貴社のゲームには常に驚きと感動がありますし、斬新なチャレンジにあふれています。私は今までユーザーとして貴社のゲームを楽しんできましたが、貴社に入ることができたら、多くのユーザーを楽しませることができるように、デザインの分野で頑張っていきます。

 

【例2】

私はゲーム開発によって、世の中に喜びと楽しさを提供したいと考えて貴社を志望しました。貴社には楽しくファミリーでプレイできるゲームが多く、私自身も貴社のゲームを家族で楽しみ、友情をはぐくんできました。

 

「好きなものを仕事にしたら楽しめなくなる」という人もいます。しかし私は、貴社であれば胸を張って人に勧められるゲーム作りを続けることができると信じて、シナリオ作成を学びました。〇〇シリーズのように、プレイする人をハッピーにできるようなシナリオを私も作っていきたいと考えていますし、具体的なアイデアもあります。ぜひ私にアイデアを披露する機会を与えていただけるようにお願いいたします。

 

【解説】

新卒入社の場合、実務経験はないことが一般的なので、何を学んできたかをアピールすることが重要です。その際、単純にどんな学科に在籍したかというだけでなく、動機と進路選択を絡めると志望動機としての説得力が増します。この方法が取れるのは新卒だけなので、ぜひ新卒の優位を活かせる志望動機を作成しましょう。

 

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