ゲームプランナーの仕事内容・役割とは?求められるスキル・能力を紹介


2024年8月5日

このコラムでは、ゲーム業界の職種のひとつである「ゲームプランナー」について紹介します。まずゲームプランナーという職種の仕事内容や役割を解説したうえで、多くの人が気になるであろう年収についても調査し、日本の平均年収との比較も記載しています。

また、ゲームプランナーに必要とされるスキルや経験のほか、ゲームプランナーとして実際に働いている人の体験談やキャリアパスも解説しますので、ゲームプランナーを目指す人はぜひ最後まで読んで参考にしてください。

このコラムを読んでいただければ、ゲームプランナーという職種の認識に具体性が加わります。また、ゲーム開発において重要な役割をゲームプランナーのキャリア形成を考えるきっかけになるでしょう。

 

ゲームプランナーとは

「ゲームプランナー」とは、その名称が示す通り、ゲーム開発のプランを作成する職種です。

 

新規でゲームを作っていく際には、まず企画立案を行ってプロジェクトの立ち上げに関わります。また、開発プロジェクトがスタートしてからは、各工程の進行を管理して、クオリティを高めるように配慮し、問題点を解決するためのさまざまな調整も行います。さらに、無事リリースにこぎつけた後には、運営としてイベントの企画を行うなど、ゲーム開発や運営のあらゆる工程に関わります。

 

ゲームプランナーの仕事内容や役割については、次の項目で詳細に記載していきます。

 

ゲームプランナーの仕事内容・役割

この項目では、ゲームプランナーの代表的な仕事内容を詳細に記載していきます。

 

なお、ここに挙げる業務は一般的なもので、会社によっては異なる場合もあります。また、「ゲームプランナー」という言葉は、ゲームデザイナーやゲームディレクターなどの職種と同じ意味で使うこともありますし、それらの職種との境界を決めて分業しているケースも見られます。そのため以下に示す仕事内容や役割は、業界全体で固定されたものではないことをご了承ください。

 

企画立案

ゲームを新規に作る際に必要となる企画立案は、まさに「ゲームプランナー」としての大仕事です。

 

企画立案の工程では、まずテーマや世界観などのゲームの核となる着想を考える必要があります。さらに、市場調査の結果や顧客のニーズなどを分析して、そのゲームを作る意義や利益性なども企画書に落とし込んでいきます。

 

そのため、ゲームの企画立案という仕事は、ぼんやりした夢や思いつきを語るものではありません。企画が通れば、会社として予算や人材を投入するのですから、プロジェクトとして取り組むことが利益につながることを企画書で証明しなければならないのです。

 

企画段階でしっかりと検討がされていないと、開発中にゲームの方向性がずれてしまうことがあります。また、調査不足で世の中のニーズをつかめていないまま開発を急いだ場合、大金をかけて作ったゲームが予想したほど受け入れられないという事態に陥ることもあり得ます。そのため、初期の企画立案はプロジェクトの成否を左右する重要な工程なのです。

 

このような理由から、ゲームプランナーとして就職しても、経験が浅いうちはゼロからの企画を任されることはまずありません。経験値が不足している間は先輩社員の補佐をしながら、企画立案を学ぶ時間を増やしていくことが必要だからです。

 

なお、会社によっては、ゼロからの企画立案はゲームディレクターやゲームデザイナーが行う場合もあります。また、それらの職種と協力しながら企画を作っていくケースも見られます。そのため企画立案の部分を重視してゲームプランナーを目指す人は、対象企業が提示する業務内容をしっかりと確認してからエントリーすることをおすすめします。

 

仕様書作成

作製した企画が通ってゲームを開発することが決定したら、企画書よりさらに詳細な内容を記載した仕様書を作る必要があります。仕様書には、ゲームの世界観だけでなく、キャラクターやマップ、画面構成なども細かく盛り込んでいかなければなりません。

 

プロジェクトにアサインされたメンバーたちは仕様書を見ながら開発を進めていくので、仕様書はゲームの設計図と言っても良いでしょう。そのため、仕様書はゲームプランナーがひとりで作製できるものではなく、プログラマーやデザイナーなどの専門職の人たちとも相談しながら作りあげていくことが多いのが実情です。

 

プロジェクト進行

仕様書が完成して実際の開発が始まったら、ゲームプランナーはプロジェクトの進行を管理しなければなりません。

 

ゲーム開発には、キャラクターやアイテムのデザイン、音楽や効果音の制作、シナリオライティングやプログラミングなど無数の工程があります。そのため、ゲームプランナーは各工程が順調に進んでいるかをチームリーダーに確認し、問題がある場合は対策を講じなければなりません。

 

時にはゲーム性の食い違いを正したり、スケジュールを調整したりする必要もあります。また、トラブル対応役として部署間で起こる食い違いなどに対応するケースも発生します。このようにゲームプランナーは華やかな仕事ばかりでなく、地道な努力や調整が求められる局面もあるでしょう。

 

運用・分析

ゲームの開発を無事終えて、リリースした後にもゲームプランナーの仕事は続きます。ゲームを適正に運用したり、ユーザーから寄せられる評価や売上・利益などの数値的な分析を行ったりするのも、ゲームプランナーの重要な仕事なのです。

 

また、オンラインのソーシャルゲームなどで運用が続いていく場合には、継続的にイベントを企画したり、売上や利益を向上するためのプランを立て続けたりしなければなりません。

 

このような分析がしっかりとできていれば、その時関わっているゲームの運用で会社の利益に貢献することができます。また、知恵を絞って対策を行い、何らかの結果につなげれば、その経験は次に企画立案を行うときの布石になっていくでしょう。

 

改善

ゲームプランナーとしての改善の仕事は多数あります。まず開発中やリリース後にバグが発見された場合は、プログラマーと相談して動作が適切にできるように改善しなければなりません。また、業績が思わしくない場合にはユーザー数を増やすための改善策を立てなければならないこともあるでしょう。

 

このようにゲームプランナーの仕事は、ゲームが無い状態から始まり、そのゲームが終了するまで続いていくのです。

 

ゲームプランナーの年収

この項目では、ゲームプランナーの平均年収について、数値的根拠をもとに紹介し、日本の全職種の平均値と比較しながら詳しく解説していきます。

 

平均年収

厚生労働省や国税庁は日本国内のさまざまな職種につく人が得ている収入について統計を取り、平均年収を調査し、毎年発表しています。その職業分類の中には、ソフトウェア開発技術者やプログラマー、システム運用管理者といった職種はあるものの、まず「ゲーム」という分野だけに限定する統計はありません。また、ゲームプランナーやゲームプロデューサーなどの細かい職種について記載する項目もありません。

 

そのため、ここでは「求人ボックス 給料ナビ」が公開しているゲームプランナーの平均年収の統計を参照します。左記サイトが2024年6月25日時点で出している数値によれば、ゲームプランナーの平均年収は523万円と記載されています。

 

一方、国税庁が発表している「令和4年分 民間給与実態統計調査」によれば、日本の給与所得者の平均年収は458万円と報告されています。

 

つまりゲームプランナーの平均年収は、日本の給与所得者の平均年収である458万円に比べると、65万円も高いことがわかります。

 

また、前述の「求人ボックス 給料ナビ」には、ゲームプランナーの給与の幅は348万円~926万円と記載されています。これを見ると、比較的経験が浅いゲームプランナーの平均年収は決して高いとは言えないことがわかります。しかし、実績を積んでキャリアアップしていけば、日本の平均年収に比べて倍程度の収入を得ることができる職種でもあります。また、1,000万円を超える年収を得ているゲームプランナーも存在するので、これからゲームプランナーになる人は、ぜひ高収入を目指してください。

 

求人例

この項目では、ゲーム業界に特化した転職エージェント「G-JOBエージェント」が実際に掲載したゲームプランナーの求人例を、年収500万円以上、600万円以上、700万円以上の3つの幅ごとに紹介します。

 

ちなみにG-JOBエージェントのサイトには「求人情報検索」欄があり、キーワードや最低年収などを入力して求人を検索することができます。ゲームプランナー以外の多数の職種についても検索できますので、ゲーム業界への転職を検討している人は、ぜひご確認ください。

 

なお、以下で紹介するのは2024年7月1日時点にG-JOBエージェントのサイトに実際に記載されている求人であり、閲覧する時期によって内容が異なることはご了承ください。

 

・年収500万円以上×ゲームプランナーの求人例

2024年7月1日時点で、G-JOBエージェントの「求人情報検索」サイトで、年収の下限を選択する項目に500万円以上にチェックマークを付け、キーワード欄にゲームプランナーと入力して検索すると、年収500万円台の求人は存在せず、600万円以上の求人だけが表示されました。

 

ちなみにゲームプランナーについて年収300万円以上の条件でも検索してみましたが、2024年7月1日時点では400万円台の求人が1件あるのみでした。「求人ボックス 給料ナビ」の統計によれば、ゲームプランナーの平均年収は523万円ですから、世の中には400万円台、500万円台の求人が数多く存在しているのは明確です。

 

しかし、G-JOBエージェントの求人には500万円台の求人すら見当たりませんでした。これはG-JOBエージェントがゲーム業界に特化している転職エージェントであり、ゲーム業界内に太いパイプをもつことで高収入の求人を多数扱えていることがわかります。

 

これを踏まえて、ゲームプランナー以外の職種でも、ゲーム業界への転職を目指すのであれば、ぜひG-JOBエージェントをご利用ください。

 

・年収600万円以上×ゲームプランナーの求人例

2024年7月1日時点で、G-JOBエージェントの「求人情報検索」サイトで、年収下限の項目に600万円以上にチェックマークを付け、キーワード欄にゲームプランナーと入力して検索すると、年収600万円台の求人が4件ヒットしました。

 

その内訳を見ると、『にゃんこ大戦争』シリーズや『本当の幸せ』など、独特の作風で有名なポノス株式会社や、『探検ドリランド』や『釣り★スタ』などの長期的ヒットタイトルのリリース元として知られるグリー株式会社の求人が見られます。

 

上記の求人を見ると首都圏近郊だけでなく関西の求人もあり、G-JOBエージェントが日本全国の求人も扱っていることがわかります。

 

・年収700万円以上×ゲームプランナーの求人例

2024年7月1日時点で、G-JOBエージェントの「求人情報検索」サイトで、年収下限の項目に700万円以上にチェックマークを付け、キーワード欄にゲームプランナーと入力して検索するとグリー株式会社の求人がヒットします。

 

グリーの求人は600万円台の欄でも紹介しましたが、700万円台の求人はリーダー候補者を募集している点で異なります。どちらもグリーの代表作のひとつである『探検ドリランド』のゲームプランナー募集ですが、必須スキルの項目を見ると、600万円台の求人にはないマネジメント経験などが記載されています。

 

ゲームプランナーに求められるスキル

この項目では、ゲームプランナーという仕事を進めるうえで、一般的に求められるスキルや考え方を記載していきます。ここに挙げるスキルの有無を確認したうえで自信がある項目があった場合、ぜひ就職・転職活動を行う際のアピールポイントとしてもご利用ください。

 

論理的思考力

「ゲームの企画をゼロから考える」というと、「好きなように話を考えれば良い夢のような職業」と思う人もいるかもしれません。しかし、優秀なゲームプランナーはただ思いつくアイデアを挙げているのではなく、企画やゲームの進行を論理的に考える力も持っています。

 

単なる思い付きでゲームのシナリオが進行した場合、多くのユーザーは満足することができません。例えば、伏線を張る場合はそれなりに気づかせることや上手に回収することが重要で、回収されない伏線はストレスになります。また、テーマや世界観に一貫性がなければ、プロジェクトメンバーも迷いながら開発を進めることになるでしょう。

 

さらに、世の中のニーズをくみ取りながら収益につなげる発想を持つことにも論理的思考は必要となります。ほかにも、顧客満足と収益性のバランスなど、ゲームプランナーにとって論理的に考えるべきことは無限と言ってもいいほど存在しているのです。

 

コミュニケーション能力

ひとりで作るインディーゲームのような例を除けば、ゲーム開発には、多数の専門的技能を取りまとめる必要があります。そのため、多くの部署やメンバーとコミュニケーションを取り、話し合い、協力しながら進めていくことが一般的です。

 

また、企画を立ち上げるためにも複数の人に意見を聞いたりアドバイスを求めたりすることが多いですし、作った企画を通す際にも社内の人たちとコミュニケーションを取っていく必要があります。

 

さらに、企画を通して開発が始まった後にも、ゲームプランナーは各開発部署間の調整役としても機能しなければなりません。そのため、コミュニケーション能力はゲームプランナーにとって欠かすことができないスキルだと考えておきましょう。

 

発想力

ゲームプランナーの仕事の中には、ゼロからゲームを生み出していくことが含まれています。「全く新しい発想」というのはそう簡単に出るものではありませんが、「どこかで見たような要素を集めただけのゲーム」ではヒットは望めません。そのため、ゲームプランナーには柔軟な発想力が要求されます。

 

ゲームの世界観やキャラクター、進行や演出など、ゲームを構成する要素は豊富にありますから、それぞれの要素に分解しながら少しずつでも新しい発想を盛り込んでいくことで個性的な作品を作る方法もあるでしょう。

 

調査・分析スキル

例えば新しい発想ができたとしても、それが世の中に求められるものでなければユーザーの心は動かされません。そのためゲームプランナーは、常に市場のニーズにアンテナを張り、トレンドや新しい技術を調査・分析するスキルも持っている必要があります。

 

また、リリースした後にもプランナーの分析能力は重要な意味を持ちます。仮に予想を超える収益を上げたとしても、その要因を見誤った場合、ヒットは長く続きません。さらに予想した利益が上がっていない場合にも、原因を分析する力が必要です。

 

企画立案スキル

企画立案は、発想力や調査・分析スキル、論理的思考力などを総合して作っていく必要があります。また、企画書を作る際には、アイデアだけでなく予算や利益予想などの数字を把握する力も欠かせません。

 

さらに、頭の中で良い考えが浮かんだとしても、それを伝えるプレゼン能力がなければゲームの企画は通りません。そのため、「企画立案スキル」とは、面白くてニーズに合った企画を生み出す力、それを企画書に落とし込む力、企画を通すために適切なプレゼンを行う力など、さまざまなスキルを組み合わせたものと言うこともできるでしょう。

 

何よりもゲームが好きな事

「ゲームが好き」という要素はゲーム会社で働くうえで大きな力となります。それは、「好きだから苦労があっても続けられる」という精神的支柱となりますし、「以前に自分が楽しんだゲームを超えたい」という目標にもなります。また、周囲の人と好きなゲームを語ることでコミュニケーションを取りやすくなりますし、プロジェクト内で意識を共有する際に、比較対象として有名なゲームを引き合いに出すことは少なくありません。

 

そのため、「ゲームが好き」であることは、ある時は働く動機となりますし、暗闇に落ち込んだ時に行く先を照らしてくれる灯りにもなります。さらに、周囲のメンバーとの共通言語としても機能してくれるのです。

 

ゲームプランナーを目指す上であると良い資格

ゲームプランナーの求人では、必須のスキルはあっても資格取得を条件としているゲーム会社はほとんどありません。とはいえ、資格を持っていることや、資格取得のために努力したことは就職・転職活動のアピールポイントになります。そのためこの項目では、ゲームプランナーを目指す際に持っていると役に立つ資格を記載します。

 

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験はITやコンピューターに関連する仕事に携わる人におすすめの資格です。基本的なITの知識が身に付きますから、プログラマーやシステムエンジニア系の仕事をする人も多数受験します。とはいえ、広く浅い知識を求める試験なので、プログラマーとしての深い専門知識までは要求されません。

 

ITパスポート

この資格は、IT関連の基本的知識を身に着けていることを証明してくれます。国家資格のひとつなので、ゲーム業界以外でも、ITに関連する仕事をするときには役立つでしょう。

 

知識を必要とする試験があるのでしっかり勉強しなければなりませんが、極端に高い技能を要求する資格ではありません。そのため、体系的に学習をできることと、一定の努力を続けることを要求されます。

 

また、ITパスポートの試験では、コンピューターやプログラムに関連する技術的知識だけでなく、情報セキュリティやマネジメントに関連する知識も含まれています。

 

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

エクセルやワードなどを含む「マイクロソフトオフィス」を使いこなすスキルを証明する資格です。持っていることで就職・転職活動時のアピールに使用できます。さらに、ゲームプランナーは文章の打ち込みやエクセルなどを使った分析も要求されますから、晴れてゲームプランナーになったあとに、実際の仕事を効率化することに役立ちます。

 

今回紹介したほかのふたつの資格(基本情報技術者試験とITパスポート)は日本特有のものですが、マイクロソフトオフィススペシャリストは世界でも通用する資格です。そのため、グローバル化が急激に進行している現代社会で生き残っていくうえでも役に立つ選択肢と言うこともできるでしょう。

 

ゲームプランナーのキャリアパス例をご紹介

この項目では、ゲームプランナーとして活躍する人に多く見られるキャリアパスを解説します。

 

シニアプランナーへのキャリアパス

「シニア」と聞くと年齢が高い人を連想する方も少なくないと思いますが、Seniorという英単語にはもともと「上位の」という意味が含まれています。そのため、職種や役職にシニアとつく場合は、スキルや経験を豊富にもち、その分野のスペシャリストであることを意味します。つまり、シニアプランナーとは、ゲームプランナーとしてのスキルを高め、指導者としても有能な人のことです。

 

実際にシニアプランナーという名称を使うかどうかは会社によって異なりますが、プランナーとして社内の誰もが認める第一人者になれば、自然と年収や待遇も向上するでしょう。そのため、シニアプランナーは、ほかの職種へ転向するのではなく、ゲームプランナーであることにこだわりぬいた人だけが得られる称号と言っても良いでしょう。

 

ゲームディレクターへのキャリアパス

ゲームディレクターはゲーム開発プロジェクトの現場を統括し、クリエイターやエンジニアチームに指示を出し、ディレクションを行う役職です。また、開発スタッフの業務がスムーズになるように環境を整える役割もありますし、ゲーム開発中に発生するトラブルに対応することも少なくありません。そのため、技術的なスキルや経験に加えて、コミュニケーションスキルや臨機応変なトラブルシューティングスキルも要求されます。

 

ゲームディレクターはこのようにゲームの品質面で重責を担う立場ですが、それだけにやりがいも大きく、キャリアパスのひとつとして目指す人が多い仕事です。

 

ゲームプロデューサーへのキャリアパス

ゲームディレクターと並んで責任者的な役割を負いますが、ゲームディレクターが技術的な面を統括する立場であることに対して、ゲームプロデューサーはゼネラリスト的ポジションに立ちます。

 

ゲーム開発を始める初期段階から市場分析などを行って企画を立て、会社役員やスポンサーに対してプレゼンを行います。その後ゲームの企画が通ったら、予算の確保やプロジェクトスタッフのアサイン、スケジュール管理を統括しますし、プロモーション戦略の指揮など売り上げや利益の向上にも責任を負います。

 

ゲームプロデューサーはゲーム開発の総責任者的立場であり、企画職の頂点なので収入もプランナーより高く、平均年収は約600万円で、1,000万円を超える年収の人も少なからず存在します。

 

プロジェクトマネージャーへのキャリアパス

プロジェクトマネージャーは名称の通り、ゲーム開発のプロジェクトをマネジメントする役職です。前述のゲームディレクターやゲームプロデューサーと混同されやすいので、その違いを記述します。

 

ゲームディレクターが技術面でプロジェクトを統括することに対して、プロジェクトマネージャーは開発環境の管理やスケジュール管理などが仕事の中心です。

 

ゼネラリスト的立ち位置である点ではゲームプロデューサーと近い役割ですが、ゲームプロデューサーは開発の最高責任者であることに対して、プロジェクトマネージャーは開発現場寄りに立ちます。

 

明確な上下関係があるかは会社やプロジェクトによって異なる可能性が高いですが、ゲーム開発の流れとしては、プロジェクトマネージャーはゲームプロデューサーから指示を受けることが多いでしょう。

 

IT系も含めてプロジェクトマネージャーについて詳細に記述したコラムがありますので、ぜひ以下もあわせてお読みください。

「プロジェクトマネージャー年収ガイド!ゲーム業界での例まで説明」

 

また、ゲーム業界に特化した転職エージェントである「G-JOBエージェント」のサイトでは、ゲーム開発現場のさまざまな職種について、仕事内容や年収、役立つ資格を紹介するコラムも掲載しています。

「ゲーム業界の職種を徹底解説!仕事内容や年収、必要な資格も紹介」

 

未経験でもゲームプランナーになれるの?

ここからは、未経験の人がゲームプランナーになれるかどうかという問いに答えつつ、その方法を解説します。

 

結論を先に伝えると、未経験の人をゲームプランナーとして雇うかどうかは、会社ごとに異なります。また、同じ会社でも年度やタイミングによって異なることがあります。

 

「未経験者可」の募集にエントリーする場合、いきなりゼロから企画立案をする可能性はかなり低く、先輩社員に指導されながら、管理や運営上のアシスタントとして経験を積むことが予想されます。一方、ゲームプランナーとしての就業経験を必須とする募集の場合、即戦力として期待した募集だと考えるべきでしょう。

 

アシスタント・アルバイトで経験を積む

ゲームプランナーは多忙ですし、仕事が多岐にわたることを特徴としています。そのため、書類作成などを担当するアシスタントを雇うことがあります。仮にそれがアルバイトであっても、ゲームプランナーの仕事を直接見ていることには変わりありません。

 

そのため、「ゲームプランナーを目指しているが、なかなか内定を勝ち取ることができない」と感じている人は、このルートも検討してみることをおすすめします。

 

専門学校で知識をつける

専門学校に入れば、ゲーム開発を体系的に教えてもらうことができます。また、課題としてゲームの企画書を作ったり、ゲーム開発を実施したりすることもあるでしょう。そのため、ゲーム会社での経験ではなくても、ゲームプランナーに必要な知識を身につけることができます。

 

またゲーム関連の専門学校はゲーム会社とのパイプを持っていることも多いので、就職の面倒を見てくれることも少なくありません。業界内での就職率や近年の就職先などは多くの専門学校が開示していますから、学習内容だけでなく卒業後の進路にも着目して学校を選びましょう。

 

現職でのキャリアアップ

もし今ゲーム会社で働いていて、ゲームプランナーを目指したいのであれば、社内で職種を変更する方法もあります。そのタイミングで現状の職場に余力があるか、ゲームプランナーの分野が人を必要としているかなどの条件があるでしょうが、まずは上司に相談してみましょう。仮にすぐには移動が難しいとしても、希望を表明することで夢をかなえられる可能性は上がります。

 

転職してゲームプランナーを目指す

転職することによってゲームプランナーを目指す方法もあります。ゲーム業界では即戦力が不足しがちですから、ゲームプランナーとしての経験があれば、転職成功の可能性は大きく上がるでしょう。

 

一方、ゲームプランナーとしての経験が無い場合、ふたつのルートが考えられます。ひとつは未経験でもゲームプランナーの募集に応募するルート、もうひとつは今まで行ってきた仕事のスキルが活かせる職種で、まずは希望するゲーム会社に入るというルートです。どちらのルートが自分自身に向いているか、相手企業の採用情報と、持っている経験やスキルを総合的に考えて判断しましょう。

 

実際にゲームプランナーをしている人の体験談

この項目では、実際にゲームプランナーとして働いている人の体験談を確認していきます。ゲームプランナーを目指した動機や、ゲームプランナーの働きがいや魅力を記載していますのでぜひ参考にしてください。

 

・勤続年数15年、40代女性の例

「もともとクリエイティブな仕事に興味がありましたし、ゲームで遊ぶことが好きだったこともあって、ゲームプランナーの採用情報を見つけてエントリーしました。

 

ゲームプランナーとしてのやりがいは多数ありますが、多くの人が協力してプロジェクトを進めていくことに喜びや高揚感を持っています。また、苦労して企画したタイトルが完成したときには大きな満足感がありますし、ダウンロード数が伸びたときの嬉しさも、日々の仕事へのやる気を増幅してくれます。社内の複数の部署や社外の人とさまざまな調整をしていくことは大変ですが、好きな仕事なので今後も長く続けていきたいです。」

https://careergarden.jp/game-planner/review/0001/

 

・勤続年数5年、30代男性の例

「私はこどものころからさまざまな国産RPGをプレイしながら育ちましたし、何かを企画することが向いていると思ったので、ゲームプランナーの仕事に就きました。ゲームプランナーには要求されることが多いので、仕事をする中では大変なこともしばしばあります。

 

それでも、自分のアイデアが形になっていくことが、何よりも楽しいと感じています。また、自分が関わったプロジェクトが進行していく過程は何度見てもワクワクします。それに、作った作品が会社やゲーム史の中に残っていくと考えると、ゲームプランナーであることにプライドを感じています。」

https://www.toaru-gamedesigner.com/

 

・転職後の勤続年数1年(転職前の経験8年)、30代男性の例

「私はあるゲーム会社でプログラマーとして働いていましたが、少しずつプランナーへの転向を意識し始めました。そしてある時、意を決して社内での移動を申し出てみましたが、希望は叶いませんでした。

 

そのような経緯から転職を決意し、今の会社でゲームプランナーになりました。転職してまで職種を変えたのは、働いている中で自分が考えることをゲームに反映させたいと思うようになったからです。プログラマーの仕事は嫌いではありませんでしたが、今は自分自身が考えたことがゲームとして動いていくことに喜びを感じています。

 

プランナーとしての実績はなかったのでゼロからのスタートとなりましたが、プログラマーとして頑張ってきたことは十分に役に立っています。また、部分的な仕事をしているときより視野を広げることができたと実感しており、転職して良かったと実感しています。」

https://shigotodegozaru.com/post-10962/

 

・勤続年数8年、30代男性の例

「ゲームプランナーという仕事のやりがいは、ゲーム開発のコンセプト自体を提案できることにあると考えています。私自身はたくさんのゲームをプレイする中で、「自分ならこうするのに」と思うことが何度かありました。そんな思いを持っていたので、今、自分自身が企画書や仕様書を作っていることに大きなやりがいを感じています。

 

また、誰もが知るようなヒットタイトルを企画して、自分自身の名前を多くの人が見てくれるように頑張りたいという夢も持っています。就職して8年で、まだその野望は叶っていません。しかし、今後も企画立案に携わる以上は、毎回大きなヒットを狙って、市場調査や面白いアイデアを盛り込むことを続けていくつもりです。」

https://careergarden.jp/game-planner/yarigai/

 

まとめ

ゲームプランナーという職業について、業務内容や役割を解説したうえで、平均的な年収や必要とされるスキルなどを紹介しました。また、実際にゲームプランナーとして働いている人の体験談も記載しているので、これからゲームプランナーを目指す人にとってさまざまな点で役立つと思います。

 

ゲームプランナーは、ゲームの開発前にはゼロから企画を立ち上げ、開発が始まったらプロジェクトを管理し、リリース後も運営を続けていくなど、関わったゲームが順調に動いていくように配慮しなければならない職業です。そのため、幅広いスキルを要求される仕事でもあります。それでも、ゲームをゼロから生み出す喜びを味わうことができますし、プロジェクトを動かしていく興奮もあるでしょう。

 

ゲームプランナーを目指す人は、ぜひこのコラムを参考にして、就職・転職活動に役立ててください。

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