プログラミング言語のPHP言語とは?コードルール・習得するメリットやPHPを扱う仕事を紹介


2023年5月25日

PHPはWebアプリケーション開発の現場で採用されることが多いサーバサイドのプログラミング言語です。フレームワークや機能も豊富なので、Webエンジニアとして活躍したいなら習得をおすすめします。

 

今回はPHPとはどのような言語なのか、PHPによるコードの書き方の例、PHPを利用するメリットや対応できること、求人例などをご紹介します。これからPHPを勉強しようか悩んでいる場合、この記事を読めばPHPについて理解を深めることができるでしょう。

 

PHP言語とは

PHPはもともとWebページに動きを持たせるために開発された言語です。その後Web開発に特化した機能が追加され、WebサイトやWebアプリケーション開発などのWeb開発現場で幅広く活躍するようになりました。

 

また、スクリプト言語と呼ばれる比較的容易に記述できるわかりやすい言語なので、学習難易度は低いといわれています。そのため、初めてプログラミング言語を習得するという方にもおすすめです。

 

PHPはサーバサイドのプログラム開発に用いられることが多くなっています。一方、JavaScriptなどはクライアントサイドのWeb画面開発に用いられます。Web開発を行う際には、ユーザー側から見えるWeb画面部分の開発と、データベース連携や詳細な処理を行うサーバサイドのプログラム開発の両方が必要です。PHPはWeb開発におけるバックエンド側のサーバサイドの開発に使われる言語なので、画面開発を行うためにはJavaScriptなどの他の言語を習得する必要があります。

 

ここでは、PHPが持つ特徴についてご説明しましょう。

 

データベースとの連携が可能

PHPはサーバサイドのプログラム開発を行う言語ですが、データベース連携をする機能が備わっており開発しやすくなっています。

 

PHPにはMySQLやPostgreSQLなどのデータベースにアクセスする機能が搭載された拡張モジュール「PDO(PHP Data Objects)」が標準装備されています。そのため、データベース連携をともなうプログラムを容易に構築可能です。

 

たとえば、ECサイトを開発する場合、利用者の情報やID、パスワードなどをデータベースに格納してログイン機能やポイント管理機能などを実装できます。ほかにも、掲示板サイトや口コミサイト、企業サイトのお問い合わせフォームなど、ユーザーデータや履歴データなどを蓄積、管理する機能を開発可能です。

 

ほとんどのWebアプリケーションやWebサイトでデータベース連携が必要です。PHPはデータベース連携がしやすいため、Web開発者に人気が高くなっています。

 

柔軟なプログラミングが可能

PHPは「動的型付け言語」と呼ばれています。動的型付け言語とは、プログラミング時に定義する変数のデータの型をいちいち決める必要がなく、どのような種類のデータも格納できる言語のことです。そのため、柔軟にプログラミングができるという特徴があります。

 

一方、HTMLなどは「静的型付け言語」と呼ばれ、データの型を厳密に定義しなければなりません。

 

PHPと同じ動的型付け言語には、PythonやRubyなどがあります。

 

多数のフレームワークで開発が可能

PHPはWeb開発の現場で長く活躍してきた言語なので、多数のフレームワークが存在します。フレームワークを使えば、高品質なプログラムを効率よく開発できるという大きなメリットがあります。

 

フレームワークとは開発時の枠組みのことで、よく使われるコードや開発の仕組みなどを利用して開発を効率よく進められるものです。大規模なWeb開発を行う場合、一からプログラムを記述するのは効率が良いとは言えません。そこでフレームワークを利用すれば、すでに出来上がっているコードや仕組みを使って効率よく開発を進められます。また、経験が浅いプログラマーでもある程度の品質が保たれたコードを記述することも可能です。

 

PHPには次のようなフレームワークが存在します。これらのフレームワークを使いこなすことができれば、PHPプログラマーとして活躍できるでしょう。

 

・Laravel

PHPのフレームワークとして特に人気があり、PHP初心者でも優れたコードを記述できるといわれています。コードが書きやすく柔軟なプログラミングが可能で、機能が豊富です。

 

・CakePHP

Laravelと並んで人気の高いフレームワークです。ケーキを焼くように簡単にPHPで開発ができるフレームワークで、Webアプリ開発を素早く進められます。

 

・FuelPHP

必要な処理だけを読み込むためメモリ消費が少なく、高速処理が可能です。スピード重視の開発を行いたい場合におすすめです。

 

・Symfony

大規模開発に適したフレームワークで、安定性が高く、開発効率が良いです。

 

このようにPHPには多くのフレームワークが存在するので、用途に合ったフレームワークを選ぶことが可能です。

 

PHPのコードルールと書き方の実例

PHPのプログラミングのイメージがわきやすいように、コードのルールや書き方の実例についてご紹介します。

 

変数・定数

PHPで変数を定義する際には、「$変数名」と記述して「=」で値を代入します。具体的には以下のように記述します。

 

$usr_name = ‘Tanaka’;

echo $usr_name;

 

上記の処理を実行するとTanakaという文字列が表示されます。

 

代入した値が固定の定数は、次のように定義して使います。

 

define(‘MAIL_ADDRESS’ , ‘aaa@example.com’);

echo MAIL_ADDRESS;

 

上記の処理を実行するとaaa@example.comという文字列が表示されます。

 

演算子

四則計算や比較演算、論理演算などの計算を行う際に演算子を使用します。たとえば、次のような演算子が使われます。

 

$a==$b(aとbの値が等しい場合)

$a!=$b(aとbの値が等しくない場合)

++$a(aに1値を加算する)

$a>1 and $a<10(aの値が1より大きい、かつ、aの値が10より小さい)

 

条件分岐

もし、○○ならば△△を実行するなどの条件分岐の処理を行います。

 

if($a==$b){//もしaとbの値が等しいならば

 

//処理1

 

}else{//もしaとbの値が等しくないならば

 

//処理2

 

}

 

上記のコードの場合、aとbの値が等しい場合は処理1が行われ、aとbの値が等しくない場合は処理2が行われます。

 

PHPを習得するメリット

PHPにはどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、PHPを習得するメリットについてご説明します。

 

他言語との組み合わせが可能

PHPは他の言語のコードに埋め込んで利用でき、他言語と組み合わせて使えるという大きなメリットがあります。HTM/CSSやJavaScriptのコードにPHPのコードを埋め込んで、動的な画面の動きを実現するという使い方が多いです。

 

ここでは、他言語と組み合わせてどのようなことを実現できるのかをご紹介しましょう。

 

・HTML/CSSとの組み合わせ

HTML/CSSを使ってWebページを構築できますが、表示される情報が常に同じになる静的なWebページしか作れません。そこでPHPのソースコードを埋め込むことで、動的に情報が更新されるページを表示することが可能です。

 

よくあるのが、ホームページのトップに新着情報を表示する、サイト内検索機能を配置するなどです。

 

・JavaScriptとの組み合わせ

JavaScriptを使えば、ボタンクリックで色が変わるアニメーションをスクロールさせるなど、Webブラウザ上で動きのある画面を表示できます。このような機能はデザイン性の高いWebページを構築するために必要不可欠です。

 

ただ、あくまでフロントエンド上での制御であり、サーバー側での処理は反映されません。そこでPHPのコードをJavaScriptのコード内に記述すれば、Webサーバー側で制御した内容を画面上に反映できます。たとえば、ユーザーごとに違う内容の画像を表示させるなども可能です。

 

CMS構築が可能

CMS(Contents Management System)とは、Webサイトの構築や更新を管理できるソフトウェアのことです。ブログや企業サイトを構築、更新する際に、ソースコードを開発したり更新したりするのは面倒ですが、構築、更新用のソフトがあれば簡単にサイトの管理ができます。

 

代表的なCMSとしてWordPressがありますが、WordPressはPHPで開発されています。そのため、WordPressの機能を自分が使いやすいようにPHPを使ってカスタマイズすることが可能です。自分のサイトやブログに合わせたCMSの機能を追加することで、より使いやすくなるでしょう。

 

また、他のプログラミング言語も活用しながらPHPでオリジナルのCMSを構築することも可能です。

 

機能的なWebページが作成できる

WebページやWebアプリケーションに必要な機能はほとんど決まっており、PHPを使えばこれらの機能を開発しやすくなっています。そのため、機能的なWebページやWebアプリケーションを開発できます。

 

多くのWebページやWebアプリケーションが共通して持つ機能には以下のようなものがあります。どの機能も以下のとおりPHPで開発しやすくなっています。

 

・ログイン認証機能

会員限定ページやECサイトなどを利用する場合、必ずログイン認証が行われます。ログイン認証は以下のような流れで構築します。

 

1.IDとパスワードを入力する(PHPによる処理)

2.データベースでIDとパスワードを照合する(SQLによる処理)

3.一致していたらログインする、一致していなかったらエラー画面を表示する(PHPによる処理)

 

データベースとの連携処理の実装が容易なので、PHPでログイン認証処理を構築しやすくなっています。

 

・検索機能

PHPには検索機能を実現できる関数がすでに用意されており、容易に検索機能を実装できます。また、データベース連携処理がしやすく、検索対象のデータベースとのアクセス処理の実装も簡単です。

 

・データの取り込み、出力機能

CSV形式やAPI連携などによるデータの取り込みや出力機能もPHPで実現可能です。利用者のユーザーデータや商品データなどをまとめて取り込む機能があれば、データを一件ずつ入力する必要がありません。多くのデータを扱うWebサイトの開発を行う際には必須機能ですが、PHPを使えばそれらの機能を簡単に実現できます。

 

・問い合わせフォーム機能

Webサイトの管理者に問い合わせを行うなどの、入力フォームの実装も容易です。問い合わせフォームは企業サイトやブログ、ECサイトなどには必ず必要な機能です。PHPを使えば重要な問い合わせフォーム機能も容易に実現できます。

 

PHP言語の勉強方法

PHPはWeb開発を行う際に非常に役に立つ言語であることがわかっていただけたと思います。では、Webエンジニアとして活躍するためにPHPを習得する方法には、どのようなものがあるのでしょうか?

 

ここでは、PHPの勉強方法についてご紹介します。

 

初心者向けのPHP練習問題

PHPはWeb開発の分野でとてもメジャーな言語なので、書籍やWeb上の教材などが豊富です。これらの教材を用いてPHPの文法や関数などを勉強しながら、練習問題を解いていきましょう。

 

テキストを読んでPHPの文法や関数を理解したつもりでも、実際は深く理解してないということはよくあります。そこで練習問題を解くことで、理解していない部分がどこかわかり確実に知識をつけられるでしょう。

 

スキルチェック問題

PHPを習得するためには、自分がいまどこまで理解できているのか、どれくらいの知識が身についたのかを把握しておく必要があります。自分の実力を把握すれば次にどのような勉強をすればよいかがわかり、効率よく勉強を進められます。

 

自分の実力を把握するためには、定期的にスキルチェック問題を解くのが良いでしょう。どの関数まで理解しているのか、どの程度の機能を実装できるのかなどをスキルチェックしてください。

 

スキルチェック問題は、テキストやネット上の教材についています。勉強を進めながら定期的にチェックして自分の理解度を確認しましょう。

 

プログラミングゲームで学習

楽しみながらPHPを勉強したいなら、プログラミングゲームで学習することをおすすめします。

 

プログラミングゲームとはゲーム感覚でプログラミングを習得できるもので、ゲームで遊びながらPHPを学べます。テキストなどで真面目に勉強するのは苦手、すぐに飽きてしまうという場合はプログラミングゲームを活用してみてください。

 

プログラミングゲームには次のようなものがあります。自分に合ったサービスを選ぶとよいでしょう。

 

・CodinGame

https://www.codingame.com/start

CodinGameは自分で難易度を選択し、ゲーム感覚でプログラミング学習ができるサービスです。グラフィックや音楽は本格的で、ゲームを楽しみながらプログラミングを学べます。

 

PHPだけでなくJavaScriptやRubyなどの言語に対応しています。ただし、日本語対応はしていないのでご注意ください。

 

・コードガールこれくしょん

https://paiza.jp/cgc?type=180508_txt_5

プログラミング問題を解いてストーリーを進めていくことで、プログラミング学習を進められます。かわいい女の子のキャラクターとともに楽しみながら学習できるでしょう。ガチャ要素やコレクション要素などの学習意欲を落とさない工夫も満載です。

 

対応する言語はPHP以外にも、Python、Ruby、Java、C、C++などがあります。

 

PHPを扱う仕事とは

ここからは、PHPでどのような仕事ができるのかを見てみましょう。

 

ゲーム開発

PHPを使うとゲームのサーバーサイドプログラム開発ができます。具体的には、Webブラウザ上でプレイできるゲームやスマホゲームなどです。

 

ゲーム開発の需要は高く、今後も高い状態が続くと考えられます。PHPを習得しておけば、Web開発だけでなくゲーム開発もできるエンジニアになることも可能です。幅広い分野の開発案件に関われるため、PHPを習得することを強くおすすめします。

 

アプリケーション開発

すでにご説明したとおり、PHPはWeb系の開発にとても強いプログラミング言語です。Webアプリケーション開発も得意なので、アプリ開発者になりたいならPHPの習得をおすすめします。

 

PHPには優れたフレームワークがそろっており、アプリケーション開発を効率よく進めることが可能です。また、他の言語との組み合わせも可能なのでHTML/CSSやJavaScriptなどとも組み合わせながら、高機能なアプリケーションを開発できるでしょう。

 

PHPを使った求人はこちら

PHPエンジニアの求人情報について見てみましょう。

 

・ゲーム開発支援サービス開発求人

ゲーム開発を支援するシステムの設計・実装・環境整備をPHP、TypeScript、JavaScript、Pythonなどを使って行います。

 

必須スキルはPHPを使用したバックエンドの設計・開発経験、フロントエンドシステムの開発経験などです。ゲーム開発やゲーム開発支援ツールの開発経験、React、Vueなどを用いたモダンなフロントエンド開発経験などがあると望ましいです。

 

・オンラインゲームのサーバーエンジニア

オンラインゲームの開発・運用を行います。必須スキルは何らかのオンラインサービスのシステム設計・開発、Webサーバーソフトウェアのセットアップ経験、MySQLによるDB構築やPHP、C#による開発経験などです。Unityによる開発経験やゲーム開発経験があると望ましいです。

 

PHP言語の求人一覧はこちらからご確認ください。

https://game-matching.jp/g-job-agent/find_jobs/search?tg=PHP

 

まとめ

この記事ではPHPとはどのような言語なのか、PHPによるコードの書き方の例、PHPを利用するメリットや対応できること、求人例などをご紹介しました。

 

PHPはWeb系の開発が得意な言語なので、Web開発者として活躍したいなら習得することを強くおすすめします。柔軟なプログラミングが可能、他言語と組み合わせることで実現できることが多い、フレームワークが豊富で開発効率が良いなどメリットが豊富です。

 

また、PHPは利用者が多く人気が高い言語なので、テキストやネット上の教材なども豊富で勉強しやすいでしょう。Web系のエンジニアになりたい場合は、ぜひPHPを習得してください。

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