ゲーム開発言語におけるSwiftとは?基本から学習方法までご紹介!
2023年6月26日
これからゲーム開発をしたい方、特にスマホアプリゲーム開発に興味がある方なら、Swiftを習得すべきかどうか気になっている場合も多いでしょう。SwiftはiOSやOS Xなどのアプリ開発ができるプログラミング言語です。iOSアプリのプログラミング言語と言えば「Objective-C」が使われていましたが、SwiftとObjective-Cは何が違うのでしょうか?
このコラムでは、Swiftとはどのような言語なのか、開発現場に採用するメリット、ゲーム開発でよく使われるSwiftのフレームワークや学習方法などについてご説明します。これからゲームアプリ開発をしたいがSwiftを習得すべきか検討しているという方は、ぜひ参考にしてみてください。
開発言語としてのSwiftとは?
Swiftとはどのような開発言語なのでしょうか。その特徴や、同じApple製品向けの開発言語Objective-Cとの違いについてご説明します。
特徴
SwiftはApple社が開発したオープンソースのプログラミング言語です。Apple社の製品を効率よく開発するために作られました。2014年に登場した比較的新しい言語で、オープンソースなので誰でも無料で使うことが可能です。
特に、iOSアプリ開発に強いため、スマホアプリ開発やスマホゲーム開発をしたいなら習得をおすすめする言語のひとつです。iOSアプリ開発はObjective-Cで行われていましたが、よりシンプルで処理速度が速いSwiftが登場しました。iOSアプリ開発をしたい場合、今から学ぶならSwiftの方がおすすめです。
ただし、Swiftで開発できるのはApple社の製品のみなので、Androidアプリなどを開発したいならJava、Kotlin、C#などを習得しなければなりません。
また、Swiftにはフレームワークが豊富に用意されており、効率よく開発できます。一般的なWeb系の開発用フレームワークだけでなく、ゲーム開発に特化したフレームワークもあります。そのため、iPhone向けのゲームアプリを開発したい場合は、Swiftだけでなくそれぞれの開発分野に特化したフレームワークも習得することをおすすめします。フレームワークを習得することで、品質の高いプログラムを効率よく開発できるようになるでしょう。
Objective-Cとの違いは何?
SwiftとObjective-Cとの違いについてご説明します。
Objective-Cはその名前のとおり、C言語をベースにして開発された言語です。歴史があるC言語をベースにしているのでライブラリが豊富、というメリットがあります。ただし、Objective-Cは古い言語のため、プログラムの記述がわかりにくいというデメリットもあります。
一方、Swiftは後から登場したモダンな言語なので、シンプルでわかりやすく初心者でも習得しやすいというメリットがあります。シンプルな記述ができることで、バグを生みにくいのも大きなメリットです。また、過去に作られたObjective-CのプログラムにSwiftで組み込むことも可能です。
これから新しいiOSの開発を行うなら、後から登場したより優秀な言語であるSwiftを習得する方がおすすめです。ただ、Objective-Cで作られた既存のプログラムを扱う場合には、Objective-Cも一緒に習得しておくと良いでしょう。
Swiftのメリットは?
Swiftにはどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、Swiftを開発に採用するメリットについてご説明します。
シンプルなコードである点
Swiftはシンプルでモダンなプログラミング言語です。C言語やObjective-Cなど、昔から使われてきたプログラミング言語は複雑な構造になっていることが多く、理解しづらいというデメリットがありました。そのデメリットを克服するために、Swiftはわかりやすくシンプルなコードを書けるように設計されました。
たとえば、データの型指定が不要、文末のセミコロンも不要など、コードの記述量が少なくわかりやすいです。そのため、初心者が学びやすく、シンプルなコードでミスやバグが混入しにくいなどのメリットがあります。
実行スピードが速い
Swiftにはプログラムの実行スピードが速いというメリットもあります。Objective-CやPythonなどよりも速く、大量のデータを扱うプログラムやネットワーク通信が多いプログラムなどでも、処理が重くなりにくいです。
処理速度が速いプログラムはそれだけで非常に価値が高いため、現場で採用される理由のひとつになっています。
リアルタイムでの動作確認ができる点
Swiftには、プログラムを開発しながら動作確認できるツールがあります。動作確認は、iOSアプリ開発に用いるXcodeのなかの「Playground」という機能で実行できます。
一般的なプログラミング言語では、プログラムが完成しないと実行できないため、エラーを発見するまでに時間がかかります。プログラムがやっと完成して実行してみたら、山ほどエラーが出てきてどこからなおせば良いのかわからない、などということもよくありますよね。しかし、SwiftならPlaygroundを使って、開発途中のプログラムを1行ずつ試しに実行しながら開発を行うことが可能です。そのため、効率よく開発を進められるでしょう。
PlaygroundはSwiftの初心者がSwiftを習得するために使うことが多いですが、上級者が開発効率を上げるために使う場合もあります。このような便利な機能をどんどん活用してみてください。
安定性が高い(不具合が起きづらい)
Swiftには不具合が起きづらくなるような仕組みが導入されています。たとえば、変数をカラにするとエラーになるなど、安全でないコードを排除する仕組みになっています。そのため、安全性が高く安定稼働が可能なプログラムを構築しやすいでしょう。
ゲーム開発でよく用いられるフレームワークをご紹介!
Swiftには、ゲーム開発を効率よく進められるフレームワークがいくつか存在します。フレームワークとは、開発を行う際の土台や枠組みとなるものです。フレームワークに沿って開発していくことで、高品質なプログラムを効率良く制作できるようになります。
フレームワークにはそれぞれ得意分野があり、ゲーム開発を行うならゲーム開発に向いているフレームワークを選ぶ必要があります。ここでは、ゲーム開発でよく用いられるSwiftのフレームワークについてご紹介します。これからSwiftでゲーム開発をするなら、知っておくと必ず役に立つでしょう。
SpriteKit
SpriteKitとは、ゲーム開発用のSwiftのフレームワークです。
画面を構成するクラス、画面タッチイベントなどの機能を利用して、ゲームを開発できます。他にも、重力や衝突などの物理法則を演算してゲーム内で使用できたり、3Dゲームを開発しやすい機能が盛り込まれていたりもします。
Swiftでゲーム開発をするなら、習得しておきたいフレームワークと言えるでしょう。
Perfect
PerfectはSwiftと同時期に登場したフレームワークです。Web開発に向いており、フロントエンド側の開発とバックエンド側の開発の両方に対応しています。
WebアプリなどのWeb系開発をしたいなら、おすすめのフレームワークです。
Swifton
Rubyの代表的なフレームワーク、Ruby on Railsの影響を受けたフレームワークです。Web開発に向いており、シンプルなコード設計で開発を進められるという特徴があります。
また、MySQLやPostgreSQLなどのデータベースもサポートしているので、データベースアクセスが発生するプログラム開発も得意です。
すでにRuby on Railsを習得している方は、Swiftonを習得しやすいでしょう。
kitura
IBM社が開発したフレームワークで、BluemixというIBM社が手掛けるクラウド環境で動作するWebアプリやWebサーバー開発が可能です。Bluemixを業務に使う場合などには、習得をおすすめします。
Express
Expressはとても軽量なフレームワークで、動作が速いというメリットがあります。拡張性が高く、シンプルなフレームワークで、開発作業をスムーズに行えるでしょう。テンプレートも用意されているので、開発がしやすいという特徴もあります。
Swiftでゲーム開発をしたい場合は、習得をおすすめします。
Swiftを用いたゲーム開発のおすすめ学習方法をご紹介
Swiftを用いてゲーム開発をするために、おすすめの学習方法についてご紹介します。学習方法には、以下のとおりいくつかの方法があります。
<Swiftの学習方法>
・書籍を読んで学習する
・学習用動画で学習する
・実際にプログラミングしながら実践的に学習する
・スクールに通って学習する
他にも方法があるかもしれませんが、代表的な学習方法は上記のとおりです。どの方法にもメリット・デメリットがあり、人によって好みも異なります。本を読むのは苦痛だが動画なら頭に入ってきやすい、という人もいれば、通勤時間に本で勉強したいという人もいるでしょう。そのため、自分に合った学習方法を選ぶことをおすすめします。
また、勉強法はひとつではなく、いくつか組み合わせるのも効果的です。一冊の本をベースにして勉強し必要に応じて動画を観る、本についているサンプルプログラムを動かしながら学ぶなどの方法もあります。
スクールは講師に直接質問ができ、短期間で集中的に学べる効率の良いカリキュラムがあるため、効率よく学びたい方におすすめです。ただし、費用が高いので、よく考えて自分に合ったところを選ぶ必要があるでしょう。
書籍
ここでは、Swiftを学ぶ際におすすめの書籍を2冊ご紹介します。必要な前提知識や読みやすさ、内容などを確認し、自分に合った書籍を選んでくださいね。
<h4>おすすめ書籍①:絶対に挫折しないiPhoneアプリ開発「超」入門第8版</h4>
「絶対に挫折しないiPhoneアプリ開発「超」入門第8版【Xcode11&iOS13】完全対応(Informatics&IDEA)」
著者:高橋京介
iOSプログラミングの基礎から学べる本格的な入門書です。プログラミング経験がゼロの方でも、これ一冊でiPhoneアプリ開発について学べます。
iPhoneアプリ開発の基礎知識から始まり、アプリ開発に必要な知識をひとつひとつ学ぶことが可能です。たとえば、「地図アプリで学ぶプロトコル」、「英単語カードアプリで学ぶオプショナル」など、具体的な例に沿って知識を得られます。また、「アプリ開発で収益を上げる方法」、「契約手続きとアプリのリリース」など、実際にアプリをリリースして収益を得るための方法まで学べるのもうれしいですね。
<h4>おすすめ書籍②:Swift実践入門:直感的な文法と安全性を兼ね備えた言語</h4>
「Swift実践入門──直感的な文法と安全性を兼ね備えた言語」
著者:石川洋資、西山勇世
Swiftの言語使用とともに、実践的な利用方法について学べる入門書です。第3版まで出ており、章も追加されています。長く読まれている入門書のため、とてもおすすめです。
この本を読めば、Swiftの標準機能を一通り理解できます。そしてさらに読み進めば、型の設計指針、非同期処理、エラー処理などの実装方法について、実践的な知識を得ることも可能です。Swiftの基本知識だけでなく、実装パターンや活用方法などの実践的な知識も学べるでしょう。
Swiftの求人例をご紹介
Swiftエンジニアの求人には、具体的のどのような求人があるのでしょうか?エンジニアの求人情報を探すと、多くのSwiftエンジニアの求人が出てきます。ここでは、具体的な求人の内容について、ご紹介しましょう。
・アプリエンジニア・プログラマー
iOSやAndroidのネイティブアプリ開発や運用を担当します。Swift、Objective-C、Kotlin、Android Java/NDKなどによる開発経験や、アプリ開発・運用の経験が求められます。
・ゲームプログラマー
AppStoreやGoogle Play向けのゲーム開発、運用業務を担当し、企画・仕様決めからゲームの運営まで一貫して行います。Objective-C、Java、Swiftなどによるスマートフォンアプリ開発経験やプロダクト開始からリリースまでを扱った経験がある人が求められています。
・ネイティブエンジニア(iOS)
動画配信アプリのiOS開発チームで、UI/UX改善や機能追加を担当します。求められる要件としては、Swiftに関する深い理解、そのほか必要なツール類の知識などです。動画サービス開発経験や大規模サービスの開発経験があると望ましいでしょう。
・サーバーサイドエンジニア(小売DX)
アプリ開発、EC開発部門でアプリ開発や運用を担当し、プロダクトの企画から設計、開発、実装までに携わります。GitHubを利用したプロジェクトでのチーム開発経験、Webアプリケーション開発経験が求められます。プログラミング言語を用いたWebアプリケーション開発経験も必要ですが、主体性やチーム開発スキルなども必要とされるでしょう。
他にもSwiftを使った様々な求人があるので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
今回は、Swiftとはどのような言語なのか、開発現場に採用するメリット、ゲーム開発でよく使われるSwiftのフレームワークや学習方法などについて解説しました。
SwiftはiOSアプリ開発ができるプログラミング言語です。昔はiOSアプリ開発をObjective-Cで行っていましたが、Objective-CはC言語をベースにしており複雑でわかりづらい言語でした。そのため、シンプルでわかりやすいSwiftが、Objective-Cの後継言語として誕生したのです。
Swiftはシンプルで分かりやすく、初心者も習得しやすい言語です。シンプルがゆえにバグが混入しにくく、効率よく開発できるというメリットもあります。さらに、ゲーム開発のためのフレームワークなども充実しているため、ゲームアプリ開発やスマホアプリ開発を行いたいなら、習得をおすすめします。