ゲーム業界のプラットフォームとは?種類や特徴と人気タイトル等をご紹介!


2024年7月5日

ゲーム関連で「プラットフォーム」という言葉を使う際、対象がOSであることや、ゲーム機の名称(デバイス)であること、またはゲームを販売・ダウンロードするサービスであることなどから「わかりにくい」と感じている人が多いのではないでしょうか。

 

そこでこのコラムでは、ゲーム業界の「プラットフォーム」という言葉の意味や、プラットフォームの全体像、種類や動向のほか、今後注目すべきポイントなどを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 

ゲーム業界のプラットフォームってなに?

この項目では、まずゲーム業界のプラットフォームがどんなもので、なぜ必要なのか、どんな種類があるのかを解説します。

 

ゲーム業界のプラットフォーム

IT業界で「プラットフォーム」という言葉を使う場合、OS(システムを動かすための仕組み)を指すことが多いです。WindowsやMacOS、iOSやAndroidなどがこの分類の対象です。

 

ゲーム業界でも上に記載したように、OSを指す意味でプラットフォームという言葉を使うことがありますが、多くの場合ゲームをプレイするためのデバイスを指すことが一般的です。例えばソニーのPlayStationシリーズ、任天堂のNintendo Switch、MicrosoftのXboxシリーズなどの家庭用ゲーム機がこれに該当します。また、スマートフォンやPCもここに位置づけられます。

 

さらに、プラットフォームという言葉は、ゲームを購入・ダウンロードしたり、プレイヤー同士がオンラインプレイを楽しんだりするためのサービスを指すこともあります。Steam(スチーム)やOrigin(オリジン)、Battle.net(バトルドットネット)などがこれに当たります。

 

この意味のプラットフォームは、PCゲームプラットフォーム、またはオンラインゲームプラットフォームと称することもあり、この呼び方であればOSや家庭用ゲーム機を指すことはありません。

 

プラットフォームが必要な理由

ゲーム会社がソフトやアプリを開発する際には、プラットフォームに起因する市場規模や対象のハードウェアによるゲーム表現のしやすさ、開発のしやすさなどを考慮してプラットフォームを選びます。

 

しかし近年は、販売上の都合とゲーム開発エンジンが工夫されたことによって、同一タイトルを複数のプラットフォーム向けに作るクロスプラットフォーム対応が増えています。

 

この場合、ゲーム会社はプラットフォームに縛られず広くユーザーを獲得できるメリットがあります。しかしその一方で、開発や検証にかかるコストが上がるので、必要な開発費と見込める対価のバランスを考えて、クロスプラットフォームに対応するかどうかを決定する必要があります。

 

プラットフォームの種類

プラットフォームをデバイスと限定する場合、大きくは家庭用ゲーム機(コンシューマー)とスマートフォンを代表するモバイル機器、PCの3種類に分類されます。

 

2023年8月に発表された「ファミ通ゲーム白書2023」によれば、2022年の日本国内ゲーム人口は5,400万人で、アプリゲームユーザーが3,959万人、家庭用ゲームユーザーが2,856万人、PCゲームユーザーが1,406万人(2項目、3項目に被るユーザーが存在するのでゲーム人口と各項目の総数は一致せず)と報告されています。

 

この数値構成はスマートフォンの普及率が上がったことが関係していることは間違いないでしょう。

 

ゲーム業界から見たプラットフォームとは

日本のゲーム業界で「プラットフォーム」という場合、OSやPCゲームプラットフォームを指す場合よりも、デバイスを指すことが多いです。

 

2024年現在、日本の家庭用ゲーム機の主流は任天堂のNintendo Switch、ソニーのPlayStation4または5です。

 

ゲーム売上定点観測の「2011~2024ハード売上データ」(2024年5月25日現在)によれば、Nintendo Switchが約3,290万台で全体の44.9%、PlayStation4が約950万台で13%、PlayStation5が約562万台で7.7%、Xboxシリーズが約59万台で0.8%と発表されています。

 

世界で見るゲーム人口の予測

市場分析や統計データを提供しているStatistaが発表した「2017年から2027年までの世界ビデオゲームユーザー数」によれば、2027年まで世界のゲーム人口は右肩上りで増え続けると予想されています。

 

また、数値的には2023年に32億人存在するゲーム人口は、2027年には38憶人にも達する見込みです。これは世界の人口の半数近い数値なので、今現在でもゲームが世界中の人に楽しまれており、今後もさらに増えていくことがわかります。

 

注目されるゲームのプラットフォームとは

この項目では、2024年現在注目されているゲームのプラットフォームについて解説します。

 

オンラインゲーム

2023年8月に発表された「ファミ通ゲーム白書2023」の国内 家庭用/オンラインプラットフォーム ゲーム市場規模推移」によれば、オンラインプラットフォームの売上は家庭用ソフトと家庭用ハードの合計の倍以上にも達しており、今後もこの傾向は続くと考えられます。

 

その一方で、2024年3月にアメリカのサンフランシスコで開催されたゲーム開発者のカンファレンス「GDC2024」の主催者の発表によれば、ゲーム開発者の多くがPC向けのゲーム開発に取り組んでいることが明かされています。

この流れには、近年『Apex Legends』や『Among Us』などの人気タイトルがクロスプラットフォームに対応していることも関係していると思われます。

クロスプラットフォームについては次の項目以降で詳しく解説します。

 

クロスプラットフォームゲームが注目される理由

そもそもクロスプラットフォームとは、ゲーム業界に限定せずIT系でも使用される言葉で、異なるプラットフォームでも同一の動作ができるアプリを指します。

 

かつてのゲーム業界では、AAAタイトルがどのプラットフォームに対応するかが大きな注目を集めていました。しかし2015年以降、AAAタイトルをリリースする大手ゲーム会社が、細分化されたプラットフォームの攻略を目指してクロスプラットフォーム対応を始めます。

 

2010年頃からオンライン環境が世界中の家庭に浸透したことによってオンラインプレイが日常化したため、ゲームパブリッシャーとしてはクロスプラットフォーム対応することで市場の拡大が見込みやすくなったからです。

 

クロスプラットフォームゲームがなぜ人気なのか

オンラインプレイを前提としたタイトルであっても、ユーザー数が少なければ対戦相手やチームのマッチングに待ち時間が生じて、プレイヤーにとっては退屈な時間ができてしまいます。

 

一方、クロスプラットフォーム化されたタイトルであれば、ハードウェアや地域の垣根を超えてユーザーが増えますから、オンラインゲームのマッチングがしやすくなります。この特徴はユーザーとゲーム会社双方のメリットとなり得ます。

 

クロスプラットフォームゲーム対応の人気タイトル

この項目では、クロスプラットフォーム対応している人気タイトルを紹介します。ただし、近年はクロスプラットフォーム対応しているゲームが非常に多いので、ここで紹介するのはごく一部の代表的タイトルであることをご理解ください。

 

・『Apex Legends』…FPSのジャンルで世界的人気を誇るタイトルです。eスポーツの種目としても多くの参加者を集めています。

 

・『フォートナイト』…最大100人中で最後の1人になることを目指すバトルロイヤルモードで高い人気を得ており、eスポーツの種目としても広く楽しまれています。また、バトルとは無縁にクラフトを楽しむクリエイティブモードも人気です。

 

・『Among Us』…宇宙船内のクルー内に存在する裏切者を探すゲームで、いわゆる人狼ゲーム系です。

 

ゲームの流れを変えたプラットフォーム:PCゲーム

以前のゲームソフトは、パッケージを店頭やECサイトなどで購入してプレイすることが一般的でした。しかし近年はダウンロードしてプレイすることが増えており、特にPCでプレイするタイトルでこの動きが顕著です。

 

このような動きが加速したのは、2004年からサービスを開始したPCゲームプラットフォーム:Steam(スチーム)の存在と、それ以降に世界の各地でオンラインプレイができる環境が整ったことにあると思われます。

 

また、eスポーツ需要の盛り上がりによる影響も無視できませんし、2019年から数年続いた新型コロナウイルス感染拡大も大きな影響を与えています。ロックダウンによる巣ごもり状態が続いたことで、ダウンロードして楽しめるゲームのニーズが上がったからです。

 

そこでこの項目では、近年のゲーム開発やパブリッシングの流れを変えたPCゲームプラットフォームを紹介します。

 

Steam(スチーム)

アメリカのValve社が運営するゲームプラットフォームです。10億件以上の登録アカウントと14万以上のタイトルを扱う点で、世界最大のゲームプラットフォームと呼ばれています。

 

セールがしばしば行われているのでゲームを安く入手できますし、入手したゲームの一元管理ができるメリットもあります。

 

Steamの主なゲームタイトル

・『Dota2』…Steamを運営するValve社が開発・リリースしているゲームで、MOVAの代表的タイトルとしても知られています。

 

・『Counter Strike2』…Valve社の代表的FPSタイトルのシリーズ作品です。前作よりマップ全体が見やすくなっていますし、ビジュアルの高解像度化も果たしています。

 

Origin(オリジン)

ゲーム業界大手であるエレクトロニック・アーツ社が運営しているゲームプラットフォームです。各タイトル単体での購入・ダウンロードができますが、月払い、または年払いで特定のコレクション内のゲームが楽しめるサブスクリプションサービスも展開しています。

 

Originの主なゲームタイトル

・『Apex Legends』…2019年のリリース以来、FPSの代表作として世界中でプレイされています。高額の賞金が出るeスポーツ大会があることでも知られています。

 

・『Battlefield』シリーズ…2002年の第1作リリース以来長く続いているFPSのシリーズです。リリースごとにさまざまな特徴を加味していますが、多人数のオンライン対戦を主とする点は一貫しています。

 

Battle.net(バトルドットネット)

カリフォルニアにあるブリザード・エンターテイメント社が運営するゲームプラットフォームです。Steamのようにタイトル数の多さを特徴とするプラットフォームではありませんが、『ハースストーン』や『ディアブロ』など、ブリザード社のタイトルをプレイしたい人におすすめです。

 

Battle.netの主なゲームタイトル

・『ハースストーン』…ブリザード・エンターテイメントがリリースしているデジタルトレーディングカードゲームで、PVP、PVC、協力プレイの3つの楽しみ方があります。

 

・『ディアブロ』…ジャンルとしてはアクションRPGですが、ハックアンドスラッシュをゲームジャンルとして認知させたシリーズとして知られています。

 

Epic Gamesストア

世界的シェアをもつゲームエンジン:Unreal Engineを開発したエピックゲームズ社が運営するゲームプラットフォームです。Steamよりもゲーム会社から徴収する手数料が安いことで知られています。

 

Epic Gamesストアの主なゲームタイトル

・『フォートナイト』…世界に広く知られるTPSで、バトルロイヤルのeスポーツタイトルとしても有名です。

 

・『ロケットリーグ』…ラジコンカーを操ってサッカーをするゲームで、バイオレンス描写がないことから高校生eスポーツ選手権の種目として採用されています。

 

まとめ

ゲーム業界で使う「プラットフォーム」という言葉について解説し、その種類や今後の動向などをまとめました。

 

プラットフォームという言葉は、OSで分類する場合やゲームをプレイするデバイスで分ける場合などがありますが、ゲーム業界ではデバイス(ゲーム機)で分けることが多いです。ただし、近年はSteamなどのPCゲームプラットフォームが台頭していることや、クロスプラットフォーム対応のゲームが増えていることで、デバイスを先に固定するゲーム開発は主流ではなくなっています。

 

「プラットフォーム」に関連する動向はゲーム業界の今後にも関わってくるので、ぜひ今後も注目してください。

 

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