カナダのゲーム会社を徹底解剖!有名な会社から今後の展望まで紹介


2025年1月27日

日本ではあまり知られていませんが、実はカナダはゲーム産業が非常に盛んです。カナダの主要都市であるバンクーバーやモントリオールには世界的に有名なゲーム会社が拠点を置いていますし、モントリオールはアメリカを含む「北米のゲーム開発首都」と呼ばれるほどの位置を占めています。

 

そこでこのコラムでは、カナダのゲーム市場の規模や動向、特長などを解説したうえで、カナダのゲーム会社を紹介します。

 

カナダのゲーム業界の現状と特徴

この項目では、カナダゲーム業界の現状や特長を解説します。

 

カナダのゲーム市場規模と成長率

Research Nester(ニューヨークを本社とする市場調査企業)が2024年12月に出した「ゲーム市場調査―デバイス別 (コンソール、モバイル、コンピューター)ー世界の需要と供給の分析、成長予測、統計レポート 2025ー2037 年」によれば、カナダではデジタルゲームの売上が年間46.8億米ドルとされており、世界のゲーム市場2,736億米ドルの約1.7%を占めています。日本のゲーム市場は2023年に237億3,000万米ドルなので、カナダのゲーム市場は日本のほぼ5分の1です。

 

また、Mordor Intelligence(インドの市場調査会社)が提出した「北米ゲーミング市場規模・シェア分析-成長動向・予測(2025年〜2030年)」によれば、カナダとアメリカをあわせた北米エリアでは、2025年から2030年まで年平均成長率8.65%でゲーム市場が伸びていくと予想されています。

 

カナダ単体の数値ではありませんが、2025年現在、ゲームに関して開発と消費の両面で盛んなカナダですから、今後もアメリカとともに成長していくことは明白です。

 

カナダゲーム業界の強みと注目ポイント

日本ではあまり知られていませんが、カナダはビデオゲームの開発が盛んな国です。カナダの大都市のひとつであるモントリオールには、マイクロソフトやワーナーゲーム、EAやUbisoftなどの世界的大手ゲーム会社が集中していることから、「北米ゲームの首都」と言われるほど反映しています(日本のゲーム会社も多数カナダに進出していますが、それについては次の項目で解説します)。

 

実はモントリオールは1990年代には産業が低迷して窮地に立っていましたが、ゲーム産業に力を入れるために大規模な税制優遇策を導入し、海外のゲーム会社を呼び込みました。もともと移民を受け入れる土壌があるカナダですから、海外企業の受け入れに抵抗は少なかったようです。

 

また、仕事以外では家族との時間を大切にするカナダの気風も生産性向上に貢献していますし、ゲーム関連の教育に力を入れたことで優秀な学生がゲーム開発に参加しやすいことも、カナダのゲーム開発の繁栄を後押ししています。

 

カナダと日本のゲーム業界の関係

カナダには日本のゲーム会社の拠点が多数存在しています。

 

バンダイナムコホールディングスは2020年にカナダのゲーム開発会社Reflector Entertainmentの株式を100%取得して子会社化していますし、セガもバンクーバーにRelic Entertainment, Inc.を設置しています。

 

ちなみにRelic Entertainment, Inc.は2021年にカナダで最も働きやすい会社として賞を取っており、就労する人たちにも好評を得ている模様です。

 

このように複数の日本のゲーム会社がカナダに拠点を置いているのは、税制優遇や産学連携など、カナダの政策が功を奏しているからです。

 

カナダを代表する大手ゲーム会社一覧

ここからは、カナダの大手ゲーム会社4社を紹介します。

 

BioWare(バイオウェア)

BioWare(バイオウェア)は1995年に設立されており、主たる拠点をアルバータ州エドモントンに置いています。従業員数は2019年時点で約320名だったそうですが、2023年に約50人のレイオフが行われています。

 

代表作には『バルダーズ・ゲート』シリーズ、『ネバーウィンター・ナイツ』などがあります。

 

BioWare(バイオウェア)はアクション要素をもつRPGやTPS型のSFRPGなど、多様なRPGの開発に定評があります。しかしその一方でMMORPGでも確かな実績をもっています。

 

Behaviour Interactive(ビヘイビア・インタラクティブ)

Behaviour Interactive(ビヘイビア・インタラクティブ)は1992年に設立されており、カナダではモントリオールとトロントに拠点を置いています。従業員数は全拠点あわせて1,200名超です。

 

代表作には『デッドバイデイライト』、『アサシン クリード リベリオン』などがあります。

 

Behaviour Interactive(ビヘイビア・インタラクティブ)の代表作である『デッドバイデイライト』は、2022年時点で6,000万人を超えるプレイヤーを獲得するほどの世界的人気タイトルです。

 

Klei Entertainment(クレイ・エンターテイメント)

Klei Entertainment(クレイ・エンターテイメント)は2005年にバンクーバーで設立されています。

 

代表作には『Mark of the Ninja』シリーズ、『Don’t Starve』シリーズなどがあります。

 

Klei Entertainment(クレイ・エンターテイメント)は独特の風合いをもつ2Dグラフィックで有名なゲーム会社です。2021年には中国のテンセントが主要株主となっています。

 

Hothead Games(ホットヘッド・ゲームス)

Hothead Games(ホットヘッド・ゲームス)は2006年に設立されており、バンクーバーに拠点を置いています。

 

代表作には『キルショットブラボー』、『ヒーロー・ハンター』などがあります。

 

Hothead Games(ホットヘッド・ゲームス)はコンソール、PC、モバイルなど幅広い環境に対応していますし、モバイルゲーム開発者トップ100に選出された実績ももっています。

 

カナダゲーム業界の求人・キャリア情報

この項目では、カナダゲーム業界の求人・キャリア情報を記載します。

 

カナダのゲーム会社で働く魅力とは?

カナダは移民就労者の受け入れに積極的で実際に移民の割合も高いので、日本人にとっても働きやすいと言われています。

 

また、カナダでは平均的収入が日本より高いので、たくさん稼ぎたい人にもおすすめです。特にエンジニアなどの専門性がある職種なら、収入が日本の2倍ももらえることが珍しくないようです。

 

さらにカナダでは日本に比べると残業が少ないので、ワークライフバランスの良さでも優れています。

 

求められるスキルとキャリアパス

カナダでは採用を行う際に年齢や性別を聞かず、何ができるのかを問題にします。つまり日本の転職活動より圧倒的に経験やスキルが重視されるため、何をしてきたか、どんなスキルをもっているかを明確に示さなければなりません。また、ゲーム開発に必要な英語スキルも必須です。

 

上記のように厳しい面はありますが、カナダでは転職しながらキャリアアップしていくのはごく普通なので、何度も転職している人が少なくありません。日本では転職回数が多いことをネガティブに見る傾向がありますが、目指すキャリアがある人にとってカナダは有利な場所です。

 

カナダのゲーム業界における今後の展望と課題

ここでは、カナダのゲーム業界の展望や課題を解説します。

 

市場拡大に向けた動向

カナダには多数のゲーム会社があり、ゲーム開発に貢献できる技術をもつ学生が豊富なうえに、ゲームをプレイする市場も十分にあります。また、市場調査会社がカナダを含む市場拡大を明確に予想していることもあり、カナダのゲーム産業は今後も成長していくと考えてよいでしょう(詳細は当コラムの「カナダのゲーム市場規模と成長率」をご参照ください)。

 

政府支援と業界の成長戦略

カナダでは政府をはじめとする行政機関が、ゲーム開発に対する支援を長く行ってきました。これは、過去に起こった経済的な落ち込みに積極的に対策してきた結果です。ゲーム開発企業に税の優遇措置などを行ったことにより、海外の大手ゲーム会社を呼び込むことに成功しただけでなく、国内での開発人口も育っています。

 

この点をみると、カナダが数十年にわたって行ってきたゲーム産業への投資や優遇措置は、しっかりと成長につながっていることがわかります。

 

まとめ

カナダのゲーム市場や動向を解説し、カナダのゲーム会社を紹介しました。カナダでは行政が積極的にゲーム産業への支援を行ったことで、ゲーム市場は活性化を続けています。

 

日本からカナダのゲーム会社に入るには言語的に不利な面はありますが、経験やスキルをしっかりアピールすれば転職は不可能ではありません。カナダでは専門的スキルをもっていれば日本より高い収入を得るチャンスがありますから、この機会にカナダのゲーム会社への転職を考えてみてはいかがでしょうか。

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