ハクスラ(ハックアンドスラッシュ)完全ガイド:定義からおすすめゲームまで徹底解説


2025年5月8日

ゲームのレビューなどで「ハクスラ(ハックアンドスラッシュ)」という言葉はしばしば使われていますが、「正確な意味や定義はわからない」という人も多いでしょう。そこでこのコラムでは、「ハクスラってなんだっけ?」という人に向けて、ハクスラの定義や起源、特徴や魅力を解説し、代表的なタイトルも紹介します。

 

ハクスラの定義と起源

この項目では、まず「ハクスラ」という言葉の意味を明確にしたうえで、その起源や歴史にも言及します。

 

ハクスラとは何か

そもそも「ハクスラ」とは、「Hack and Slash」の略語です。「Hack」という英単語には、たたき切る、切りきざむ、めった切りにする、といった意味があり、「Slash」はナイフや剣でさっと切る、振り回すなどの意味をもっています。そのため「Hack and Slash」は刃物で切ることを意味しており、包丁で野菜を切るようなイメージではなく、剣による攻撃で敵を倒すといったニュアンスが強い言葉です。

 

つまり、ハクスラはそもそも動作を示す言葉であるとともに、剣での戦闘を特徴とするゲームを示しています。また、ストーリーや世界観よりも、敵を倒すこと自体を楽しむゲームのジャンル付けにもハクスラという言葉が使われます。(最近は銃器がメイン武器のゲームであっても、PvEであればハクスラと呼ばれることも多いです)

 

なお、戦闘がメインのゲームであっても、PvPメインのFPSやTPSはハクスラに分類されることは少ないですし、パンチやキックなどを多用する格闘ゲームはハクスラと呼びません。

 

また、ハクスラという単語はゲームのジャンルではなく特徴を示す言葉としても使用されます。たとえば、ホラーやサバイバルがメインのゲームでも、敵を倒す快感が強いタイトルに対して「ハクスラ要素が強い」といった使い方をすることもあります。

 

ハクスラの起源と歴史

翻訳アプリなどで「Hack and Slash」を日本語に訳そうとしても、カタカナで「ハックアンドスラッシュ」と表示されるだけであったり、「ゲームを分類する要素のひとつ」といった解説が表示されたりします。この点から、Hack and Slashという言葉は英語圏で一般的に使われているわけではなく、ゲームに関連して生み出された言葉であるとわかります。

 

実はハクスラという言葉の起源は、ビデオゲームではなくTRPG(テーブルトークRPG:卓上で会話を通じて楽しむアナログゲーム)の1タイトルである「ダンジョンズ&ドラゴンズ」であるとされています。TRPGはストーリーや推理を楽しむものが多いのですが、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」は戦闘によって敵を倒すことが重視されています。そのため「ダンジョンズ&ドラゴンズ」を愛好する人からハクスラという言葉が生まれ、その後ビデオゲームのジャンルや特長を示すようになった、というのが通説です。

 

「ダンジョンズ&ドラゴンズ」は1974年に発売され、社会現象にもなっているので、ハクスラという言葉が生まれたのも1970年代中盤であると想像できます。

 

その後ビデオゲーム全盛の時代が到来し、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」に影響を受けたタイトルも多数リリースされていきます。そんな中で1980年リリースの「ダンジョンマスター」や「ウィザードリィ」がビデオゲームにおけるハクスラの始祖であるという説がある一方、1996年リリースの「ディアブロ」が初のハクスラであると唱える人もいます。

 

上記の論争のどちらが正しいのかはわかりませんが、ハクスラという言葉がTRPGを含む「ゲーム」の世界でほぼ半世紀も前から使われているようです。

 

ハクスラの特徴と魅力

ここでは、ハクスラの特徴や魅力を3つの視点から解説します。

 

戦闘重視のゲームプレイ

ハクスラを好んでプレイする人が魅力を感じるのは、戦闘重視のゲームデザインや激しいバトル、勝利の快感です。そのため、ハクスラを強調するタイトルでは、ストーリーはシンプルなものが多く、戦闘以外の要素が重視されない傾向が見られます。

 

キャラクター育成とアイテム収集

敵と戦って勝つことがハクスラの最大要素なので、より強い敵に勝利するための育成システムも重視されます。また、キャラクター自体の育成に加えて、勝利報酬としてアイテムを獲得・収集することもハクスラの魅力です。

 

周回プレイの楽しさ

ハクスラ系のタイトルでは、キャラクター強化とレアアイテムの収集を周回プレイで叶えていく場合が多いです。ゲームのジャンルによっては周回プレイが退屈になることもあると思いますが、ハクスラでは敵を倒す楽しみを満喫しながら強化ができる周回プレイは楽しみとなるケースが多いです。

 

他のゲームジャンルとの比較

ここからは、ハクスラと混同されやすいゲームジャンルとの違いを解説します。

 

トレジャーハンティング(トレハン)との違い

「トレジャーハンティング(トレハン)」とは、名称の通り宝探しを目的とするゲームです。ハクスラもアイテム収集要素が強いのでトレハンと似た点がありますが、トレハンの場合戦闘やキャラクターの強化は必須ではありません。

 

ローグライクとの違い

「ローグライク」とは、1980年にリリースされた「Rogue」というゲームに似ているという意味で使われているジャンル名です。ローグライクゲームは、プレイするたびにマップやダンジョンがランダム生成されること、死ぬとレベルやアイテムをすべて失うこと、などを特徴としています。

 

ハクスラは周回プレイによるキャラクター強化やアイテム収集が基本なので、マップやダンジョンがランダム生成されることによって飽きがこないように工夫されたタイトルが多数あります。そのため、ランダム生成要素が共通していることで、ハクスラとローグライクは似たジャンルとして扱われることが多いようです。

 

ハクスラの代表的なタイトル紹介

ハクスラは1980年代から存在する要素でありジャンルなので、多くのタイトルが存在しています。その中からごく一部ではありますが、代表的タイトル3選を紹介します。

 

ウィザードリィシリーズ

「ウィザードリィ」は1981年にアメリカでリリースされたタイトルで、ビデオゲームにおけるハクスラの始祖的な位置づけとされています。また、第1作がリリースされてからすでに40年以上が経過した2025年現在にも新作がリリースされ続けているほどの人気シリーズでもあります。

 

3Dダンジョンでの探索、主観視点で没入度が高いことなどを特徴としており、パーティー編成やモンスターとの戦いなど、その後のRPGの発展にも貢献したシリーズです。

 

ディアブロシリーズ

「ディアブロ」がBlizzard Entertainmentからリリースされたのは1996年で、それ以来世界中で愛されるシリーズとなっています。また「ディアブロ」は長く続いているシリーズとして有名なだけでなく、ハクスラを語るうえで欠かせないタイトルとしても知られています。

 

多数の敵との戦闘がゲームの中心であることや、アイテム収集要素の重要さなどでハクスラの代表作としての立ち位置を確立しているからです。

 

ボーダーランズシリーズ

「ボーダーランズ」シリーズはシューティング要素を前面に出したRPGでありながら、ハクスラ要素が強いシリーズとしても有名です。

 

初代「ボーダーランズ」は2009年にアメリカのGearbox Software社からリリースされて以来、戦闘の面白さ、キャラクター育成などハクスラ的魅力もあって多くのユーザーを獲得し続けています。また、武器の豊富さや、近年リリースされたタイトルの協力プレイの楽しさなども人気の理由です。

 

ハクスラの最新トレンドと今後の展望

ここでは、ハクスラの最新トレンドや今後どのように進化していくのかを検討します。

 

現代のハクスラ要素を持つゲーム

以前からハクスラの代表的シリーズとして知られる「ディアブロ」や「ウィザードリィ」も2020年代に新作をリリースしているので、これらも十分に「現代のハクスラ」です。その一方で、ハクスラ要素をもつタイトルは最近もリリースされ続けているので、ここで紹介します。

 

「Path of Exile 2」は2024年12月にリリースされたアクションRPGですが、戦闘要素の強さ、アイテム収集、キャラクターの強化などハクスラ要素も強くもち合わせています。また、戦闘難易度が高いものの、じっくり育成に励めば攻略できるようにデザインされているので、育成や周回プレイも苦になりにくい特徴があります。

 

「The Riftbreaker」は2020年にプロローグ版がリリースされ、高い評価を得たことで約3年後の2023年にパッケージ版のリリースに漕ぎつけています。基地建設やサバイバルアクションがメインのリアルタイムストラテジーですが、多くの敵との戦闘や武器素材の収集などハクスラ要素も楽しめます。

 

ハクスラの進化と多様化

「ハクスラ」という言葉は、当コラムの「ハクスラの起源と歴史」で解説したように、1970年代にTRPGから生み出された歴史をもっています。1980年代、1990年代にはハクスラは「ウィザードリィ」や「ディアブロ」などのヒットによってビデオゲームのジャンルとして認知されていきます。さらに2000年代以降は「無双」シリーズなどもハクスラの一種と呼ばれたこともありました。

 

このように多様化が進んだことから、近年は「ハクスラ」はジャンルを示すだけでなく、戦闘やアイテム収集などの部分を指して「ハクスラ的」「ハクスラっぽい」といった要素を説明する言葉としても認識されています。

 

このような傾向を見ると、今後もジャンルとしてハクスラに分類されるタイトルが多数生み出されていくことでしょうし、多ジャンルに「ハクスラ要素」を取り入れたゲームも無限に生まれていくと予想できます。

 

ハクスラ開発に関わるゲーム会社の職種

ここでは、ゲーム会社でハクスラ開発に関わる代表的な職種を紹介します。

 

ゲームプランナー

ゲームプランナーは、ゲームの企画や制作管理、リリースの後の運営や分析、改善などを担当する職種です。ユーザーのニーズやトレンドを汲み取って面白いゲームを作るために欠かせない職種ですし、将来プロジェクトマネージャーやプロデューサーへのキャリアアップを目指す人も多数存在します。

 

ゲームデザイナー

「ゲームデザイナー」という名称は、キャラクターや背景、UIなど画像的なデザインをする仕事と、ゲーム全体のデザインをする仕事の両方に使われます。

 

上記のどちらもハクスラを開発するうえで欠かせない職種ですが、業務内容や専門性は異なるので、求人情報を見るときには仕事内容に注意してください。

 

ゲームエンジニア

ゲームエンジニアは、ゲームのシステム設計やサーバーやネットワークなどの環境構築、保守や運用などを行うエンジニアの総称です。求人に当たっては、「ゲームエンジニア」として広く募集される場合もありますが細分化した職種で募集されることもあるので、やりたいことや得意分野などを踏まえてエントリーすることが重要です。

 

まとめ

「ハクスラ(ハックアンドスラッシュ)」という言葉の意味や歴史、代表作などをまとめました。

 

TRPG由来の言葉であるハクスラは、半世紀近い歴史をもっていますが、現在はゲームのジャンルを示す一方、プレイ感を示す言葉としても広く活用されています。そのため、「ハクスラ」と形容されていてもタイトルによって異なる点は多いですが、好みのゲームを探すうえで知っておくと便利なので、ぜひこのコラムの知識を利用して楽しいゲームライフを送ってください。

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