ゲームプログラマー年収解説ガイド!年齢や雇用形態による収入の違いやキャリアプランを解説
2023年3月8日
「ゲームプログラマー」とは、名称の通り、ゲーム開発においてプログラムを担当する技術者です。このコラムは、ゲームプログラマーの年収を、雇用形態や年齢層別に解説します。また、有名大手企業がどの程度の年収を出しているのかという点や、ゲームプログラマーの年収を左右する要素のほか、年収を上げるための方法についても記載します。
これからゲームプログラマーを目指す人や、現在ゲームプログラマーとして働いていて今よりも年収を上げたい人は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
ゲームプログラマーの平均年収:400~565万円
ここではまず、ゲームプログラマーの平均的な年収や月収などを紹介します。厚生労働省が調査・公表している「令和5年度賃金構造基本統計調査」でゲームプログラマーを含む分類である「ソフトウェア作成者」の平均年収は約520万円です。
上記の統計は日本に存在する非常に多くの職業についてまとめているので、「ゲームプログラマー」という細かい職種にまでは言及されていません。しかし、厚生労働省の分類上では、ゲームプログラマーは「ソフトウェア作成者」に含まれていると想定されます。そのためこのコラムでは、公的機関が報告している情報として、「令和5年度賃金構造基本統計調査」の情報を何度か記載します。
ただし、この数値だけでは実際のゲームプログラマーの収入との乖離があるかもしれないので、民間企業の調査も交えて解説していきます。「求人ボックス 給料ナビ」という職業情報サイトが自社で扱った求人情報を平均した数値(2024年6月25日現在)によれば、ゲームプログラマーの平均年収は約425万円でした。同様に、「転職会議」というサイトでは約417万円、業種ごとの年収を調査報告している「給料BANK」によれば、430~565万円となっています。
ここまでの情報を総合すると、ゲームプログラマーの平均年収は、400~565万円の間に収まっていると考えて良いでしょう。
一般的な年収帯との比較
国税庁が2023年9月に発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によれば、日本の給与所得者の平均年収は458万円です。前の項目で解説したように、ゲームプログラマーの平均年収は400~565万円ですから、ゲームプログラマーは日本の平均値と同等か、それ以上の収入を得られる仕事と考えてよいでしょう。
平均月収
月収については、「求人ボックス 給料ナビ」が公表している平均年収を12で割ると約35万円、同様に、「転職会議」では約35万円、「給料BANK」では、35~40万円となっています。
初任給
「求人ボックス 給料ナビ」によれば、ゲームプログラマーの初任給は24万円程度が相場とされています。
なお、産労総合研究所が2023年7月に更新した「2023年度 決定初任給調査」によれば、大学卒の初任給の平均は21.8万円とされています。そのため、ゲームプログラマーの初任給は大学を卒業した人の平均的初任給より1割以上高いことがわかります。
なお、これらの数字は、年齢や雇用形態などのファクターを全く考慮していない全体の平均的な数値です。そのため、次の項目では雇用形態別の年収や年齢別の年収を紹介しましょう。
ゲームプログラマーの年収 - 雇用形態別
この項目では、ゲームプログラマーの平均年収を、正社員、フリーランス、派遣社員、アルバイトという4つの就業形態に分けて記載します。
正社員
求人紹介サイト「アトオシ」によると、正社員に限定した場合のゲームプログラマーの平均年収は、約471万円と発表されています。この数値を12で割ると、月収は約39.3万円と想定できます。
これ以降の項目で詳しく書きますが、雇用される形態として派遣社員やアルバイトに比較すると、正社員は明確に高収入です。
一方、フリーランスに比べると月収や年収は低めです。ただし、安定性の高さや福利厚生などを踏まえると一概にどちらが良いとは言えないので、ライフスタイルや人生観を踏まえた選択をすることが重要です。
フリーランス
求人紹介サイト「アトオシ」によると、フリーランスに限定したゲームプログラマーの平均年収は500~800万円と発表されており、かなり幅があることがわかります。
就業経験がまったく無いゲームプログラマーがフリーランスになることは少ないと思いますので、フリーランスという就業形態で働く人は、ある程度のスキルや経験を獲得していると想定できます。
つまり、フリーランスが高収入を得られるかどうかは、持っているスキルや経験をうまく活かせるかどうかにかかっています。雇用されている人とは異なり、頑張った分だけ収入が上がる点はフリーランスの大きなメリットです。また組織的な動きとは無縁に仕事ができることもフリーランスの利点と言えるでしょう。
一方、企業に雇用される状態に比べると、福利厚生や安定感などが弱いという特徴もあります。そのためフリーランスになるかどうかは、目先の収入だけでなく総合的なメリット・デメリットをしっかり考えて選択する必要があるでしょう。
派遣社員
求人紹介サイト「アトオシ」によると、派遣社員ゲームプログラマーの平均時給は2205円でした。これを月160時間稼働(週40時間×4)とすれば、月収は約35.3万円となります。30日または31日ある月なら170~180時間程度働ける可能性が高いですが、事前に収入を考える場合、2月のように短い日数の月で検討する方が無難です。
派遣社員として働く場合、時給と就労時間によって収入が大きく左右されるので、時給と休日の条件に注意しながら就業先を選びましょう。
アルバイト
「求人ボックス 給料ナビ」によれば、アルバイト・パートでゲームプログラマーの仕事をする人の時給は1,301円と報告されています。この時給で、前述の派遣社員と同様に月に160時間働いたとすると、月収は約20.8万円となります。
アルバイトなら比較的就労までのハードルが低く、競争率が激しいゲーム業界に入りやすいメリットがありますが、正社員と比較すると約53%、派遣社員と比較しても約59%にあたる収入にとどまる点は理解しておきましょう。
ゲームプログラマーの年収 - 年齢別
この項目では、年齢別のゲームプログラマーの年収について記載します。
なお、厚生労働省の「令和5年度賃金構造基本統計調査」を参照して、ゲームプログラマーを含む「ソフトウェア作成者」の年齢階層別平均年収を当コラムが独自に表にしたので以下に記載します。
「ソフトウェア作成者」の年齢階層別平均年収(単位 万円)
|
平均給与額 |
年間賞与その他特別給与額 |
平均年収 |
ソフトウェア作成者平均値 |
35.4 |
95.1 |
519.5 |
~19歳 |
20.2 |
7.6 |
249.4 |
20~24歳 |
24.2 |
30.9 |
321.4 |
25~29歳 |
28.6 |
73.4 |
416.4 |
30~34歳 |
32.2 |
84.7 |
470.8 |
35~39歳 |
37.5 |
103.7 |
553.8 |
40~44歳 |
40.9 |
107.3 |
597.5 |
45~49歳 |
41.7 |
129.8 |
630.0 |
50~54歳 |
43.0 |
130.9 |
647.3 |
55~59歳 |
45.2 |
154.1 |
697.0 |
60~64歳 |
36.2 |
79.2 |
514.0 |
65~69歳 |
31.6 |
50.2 |
428.8 |
20代の年収事情
求人サイト「転職会議」によれば、20代前半のゲームプログラマーの平均年収は322万円、20代後半であれば383万円とされています。一方、厚生労働省の「令和5年度賃金構造基本統計調査」では、ゲームプログラマーを含む「ソフトウェア作成者」の20~24歳の平均年収は321万円、25~29歳では416万円となっています。
これらを見ると、就業歴が浅い20代前半の人は年収300万円前後からスタートし、20代後半までの年収が50~100万円程度上がるのが平均的と考えられます。
30代の年収事情
求人サイト「転職会議」によれば、30代のゲームプログラマーの平均年収は469万円とされています。また、厚生労働省の「令和5年度賃金構造基本統計調査」では、ゲームプログラマーを含む「ソフトウェア作成者」の30~34歳の平均年収は471万円、35~39歳では554万円となっています。
なお、厚生労働省の「令和5年度賃金構造基本統計調査」では、ゲームプログラマーを含む「ソフトウェア作成者」の全年齢での平均年収は約520万円ですから、統計上は30歳代後半で平均値を上回ることが予想できます。
40代の年収事情
求人サイト「転職会議」によれば、40代以上のゲームプログラマーの平均年収は492万円とされています。また、厚生労働省の「令和5年度賃金構造基本統計調査」では、ゲームプログラマーを含む「ソフトウェア作成者」の40~44歳の平均年収は597万円、45~49歳では630万円です。
この年齢になると平均値を上回る人が多いことがわかります。しかし、ゲーム業界ではほかの業種より年功序列の傾向は低いので、年齢が上がれば必ず給料が上がると安易に考えることは危険です。年収を上げたい人は、しっかりとスキルアップして適正な評価を得ることで確実に収入を上げていきましょう。
50代の年収事情
厚生労働省の「令和5年度賃金構造基本統計調査」によれば、ゲームプログラマーを含む「ソフトウェア作成者」の50~54歳の平均年収は647万円、55~59歳では697万円です。なお、同じ統計で60歳以上を見ると平均年収が低下していることがわかります。
この点から、ゲームクリエイターの平均年収が最も高い年齢層は50歳代と予測できます。
ゲームプログラマーの年収その他情報
この項目では、ゲームプログラマーの平均年収を、企業規模や地域別に紹介します。
企業規模別の平均年収
厚生労働省の「令和5年度賃金構造基本統計調査」を参照して、ゲームプログラマーを含む「ソフトウェア作成者」の企業規模別平均年収を算出しましたので表を記載します。
「ソフトウェア作成者」の企業規模別平均年収(単位 万円)
|
平均給与額 |
年間賞与その他特別給与額 |
平均年収 |
10~99人の企業 |
36.2 |
57.3 |
491.7 |
100~999人の企業 |
35.0 |
99.9 |
519.9 |
1000人以上の企業 |
35.1 |
121.3 |
543.0 |
上記はあくまでも平均値ではありますが、企業規模が違っても、月収の差はほとんどないことがわかります。むしろ10~99人の小規模企業の方が月収の平均値は高いですが、企業規模が大きいほど賞与等の特別給与が大きく、この点が年収差として表れています。
地域による平均年収
「求人ボックス 給料ナビ」が2024年6月25日現在で発表している地域別のゲームプログラマーの平均年収について解説します。
地域別でゲームプログラマーの平均年収が最も高いのは、四国の495万円です。次いで九州・沖縄が491万円、さらに北海道・東北・甲信越・北陸・中国が同率で、平均年収490万円と報告されています。さらに、高い方から見ていくと東海が487万円、関西が473万円、関東が最も低く457万円でした。
ゲームプログラマーの年収と求人内容
ここでは、ゲーム業界に特化した転職エージェントである「G-JOBエージェント」のサイトからゲームプログラマーの求人例を紹介します。
求人例1
【職種】:ゲームプログラマー(リードプログラマー候補)
【募集年収】:前職をベースに考慮
【雇用形態】:正社員、契約社員
【勤務地】:東京都渋谷区
【業務内容】:
・ゲーム開発(自社開発および受託案件)のメインプログラミング業務およびエンジニアチームのリード
・プロフェッショナルとして大型プロジェクトにもジョイン
・配属先は経験やスキルを伺い、適性などと合わせて相談のうえ決定
【具体的な職務内容】
◆制作領域
・ゲームの企画・設計・開発・プログラミング
・3Dグラフィックをメインとするゲーム開発
・マルチプラットフォーム向けのゲーム開発
・エンジニアチームの運営 など
◆プログラミング内容
・ライブラリ、システム
・ツール
・メインプログラム
・ロットチェック、パフォーマンスチューニング、リファクタリング など
【必須スキル】:
・Unity 実務3年以上
・コンシューマーゲーム 実務3年以上
求人例2
【職種】:コンシューマーゲームエンジニア・プログラマー
【募集年収】:400~600万円
【雇用形態】:正社員
【勤務地】:大阪市浪速区
【業務内容】:
・面白いアイデアを幅広い知識と高い技術力で具現化
・コンシューマーゲームやスマートフォンゲームのプログラミング
・ゲームエンジンやツールなどの研究開発など
【必須スキル】:
・C++もしくはC#でのゲーム開発における実務経験やマネジメントの経験(5年以上)
・メインプログラマーや実装パートリードプログラマーとしてプロダクトをリリースしたことがある経験
・描画、AI、物理、数学、ネットワークなどの専門分野の知見
・UnityやUnrealEngineなどのゲームエンジン使用経験
ゲームプログラマーの年収を上げるためのアクションプラン
ここからは、ゲームプログラマーとして就業する中で、働きながら年収を上げるためのアクションプランを記載していきます。
エンジニアとして実務経験を積み技術を身につける
ゲームプログラマーは専門職ですから、プロフェッショナルとしての実務経験を積み上げて、スキルをアップしていけば、評価も上がって年収もアップしていくでしょう。
プログラマーという業種の性質上、スキルアップというとプログラミングなどの技術面に目が向きがちだと思います。しかし、ハードウェアやネットワークに関する知識や技術が上がることも、業務全体としては役に立つ場面もあるでしょう。
また、ゲーム開発は多くの人や部署が共同で進めていく仕事ですから、コミュニケーションスキルを上げることもチームに貢献する手段になります。情報伝達がスムーズになるほど、仕事の流れが効率的になりますし、伝達ミスなども減って業務効率のアップにつながるからです。さらに、コミュニケーションスキルが高い人は集団の中で、自然に中心的な位置に立つことになります。部署内で「絶対に必要な人」というポジションを獲得できれば、年収も上がっていくでしょう。
マネージャーなど責任者にキャリアアップする
プログラマーとしてスキルアップするとともに、マネジメント能力を高めていくことも収入アップにつながります。まずは部署内のチームリーダー的なポジションになり、いずれは管理職的な立場を目指すのも収入増加を目指すうえでの有効な道筋です。
また、ゲームプログラマーという枠を超えて、ゲームディレクターやゲームプロデューサーなどの企画職へと進む方法もあります。ディレクターやプロデューサーなどのポジションになれば、専門職の一人としてプロジェクトに参加しているよりゲームに与える影響が大きくなります。そのため、開発したタイトルがヒットし、多くの利益を獲得したときには、個人としての功績もより大きなものとなるでしょう。
さらに、雇用される側に居続けるのではなく、経営に参画していくことで年収アップを果たすという方法もあります。ゲームプログラマーという専門職であることにこだわる人もいるでしょうが、プログラマーの仕事をしながら経営に携わる人もいないわけではありません。ゲーム開発にどのように関わっていくかは会社の規模やスタイルにもよるでしょうが、経営者が先頭に立って開発を行っている企業も多数あります。
このように、ゲームプログラマーのキャリアアップはかなり幅広いですから、自分自身がどのような働き方を望んでいるか、どんな職種が向いているかを考えることも収入をアップするためには非常に重要です。
高年収の企業に転職する
現在就業している会社での年収アップが十分に望めない場合、転職することで収入をアップしていく方法もあります。
当コラムの「大手企業におけるゲームプログラマーの年収例紹介」の項目で詳しく解説しますが、誰もが社名を知っているような大手ゲーム会社に転職することができれば、全体平均の2倍以上の年収を獲得することもあり得るからです。もちろん、世界に名が知られるような有名企業に転職することは容易ではないでしょう。しかし、例えば「現状よりも20%収入を上げたい」といった目標なら、極端に有名な会社でなくても転職によって実現できる可能性は十分にあります。
そのためには、何と言っても転職先にアピールできる経験やスキルが必要です。まずは現在の職場でしっかりスキルアップし、目標とする収入を獲得できる企業に必要とされる状態を作ることが重要です。
また、自分自身の現状のスキルと、現在獲得している収入が見合っているのかも確認してみましょう。もし、現状の収入が、自分が持つスキルで得られる相場よりも低いのであれば、今の能力のままでも転職によって年収アップができるかもしれません。
つまり転職によって収入アップを目指すには、まずは自分自身のスキルや経験値を客観的に把握することと、現在の評価や年収が適切なのかを確認することが欠かせないのです。
資格取得を通じて技術力アップを図る
ゲームプログラマーに必須の資格はありませんが、資格取得のための学習で知識やスキルをアップすれば収入増の交渉もしやすくなります。
ゲームプログラマーにおすすめの資格としては、基本情報技術者試験やC言語プログラミング能力検定試験、Unity認定資格などがあります。
副業を通じて、実績と技術アップを図る
年収アップやスキルアップを目的として副業を行う手もあります。副業は本業に支障が出ないように注意する必要がありますが、勤めている会社以外の仕事をすることで、普段は関わらない仕事ができる可能性があります。するとスキルアップもしやすいですし、視野や人脈が広がることも期待できます。
ゲームプログラマーならではの年収を左右する要素
ここからは、ゲームプログラマーの年収に影響を与える要素について記載します。
作品の売り上げが給料に影響する
どんな業界でも、売上や利益の向上が従業員の収入アップにつながるのは同じでしょう。ゲームプログラマーも、ヒットタイトルの開発に関わった場合や、日常の業務の実績を認められれば、社内での評価が上昇して収入もアップしていくでしょう。そのため、まず目の前の仕事で成果を出すことだけでなく、ヒットにつながるようなアイデアを提供することはゲーム会社で働く中での収入アップの定石です。
また、ゲーム会社はプロジェクトチームを作ってゲーム開発をすることが多いので、既存の事業で実績を示すことでより大きなプロジェクトにアサインされる可能性が高まります。社運をかけるようなプロジェクトで会社に利益貢献し、その中で存在感を示せば、さらに評価は高まっていくでしょう。
さらに、ヒットタイトルを生み出した場合に、インセンティブ賞与などの形で特別ボーナスを出すゲーム会社もあります。
バージョンアップの有無や頻度も影響する
過去のゲーム業界では、売り切り型のソフトウェアが多かったので、いったんリリースしてしまうと後から挽回するチャンスがありませんでした。しかしソーシャルゲームであれば、ユーザーの意見を聞いたうえで、バージョンアップ時に改善することができます。そのため、バージョンアップの有無や頻度は、ゲーム会社で働く人の年収に大きな影響を与えます。
大手企業におけるゲームプログラマーの年収例紹介
ここからは、2023年の大手ゲーム会社の平均年収を紹介していきましょう。ここに挙げるのは、誰もがその名を知っているようなゲーム会社ですから、ここまで紹介してきた業界平均よりかなり高い年収を得ている企業ばかりです。
この項目で記載する年収を見ると、ゲーム会社への就職は非常に競争率が高い、という傾向に納得がいく結果となっています。
任天堂
任天堂株式会社の平均年収は985万円と発表されています。
任天堂といえば、1889年に創業していますので、すでに130年を超える歴史を持つ老舗です。しかし、任天堂がゲーム業界の先頭集団で走り続けている理由は歴史の長さではなく、実際に評価されるものを生み出し続けているからです。
1980年代、日本のゲームの黎明期に家庭用ゲーム機を発売して以来、任天堂はコンシューマー機の分野で常に業界をけん引してきました。さらに、ゲームソフトの分野でも多くの収益を重ねており、近年も多数のヒットタイトルを生み出しています。このように確かな実績を持つ企業ですから、業界でもトップクラスの年収を出していることもうなずけます。
スクウェア・エニックス・ホールディングス
スクウェア・エニックス・ホールディングスの平均年収は1259万円と発表されています。この金額は、公表されている2023年のゲーム業界平均年収の最高値でした。
スクウェア・エニックスといえば、「ドラゴンクエスト」シリーズや「ファイナルファンタジー」シリーズという2大RPGシリーズが世界中に知られており、この2大シリーズは数十年経った今でも、新たなタイトルがゲーム市場をにぎわせています。また、前記の2大シリーズの他にも多数のヒットタイトルを生み出し続けています。
コナミホールディングス
コナミホールディングスの2023年の平均年収は725万円でした。
コナミといえば、「パワフルプロ野球」シリーズや「プロ野球スピリッツA」などスポーツ関連のタイトルが強いイメージがあるかもしれません。しかし実際には、「桃太郎電鉄」シリーズなどの娯楽性が高いものや、「遊戯王」シリーズなども多くのユーザーを獲得しており、ジャンルの幅広さでも知られるゲーム会社と言えるでしょう。
カプコン
カプコンの2023年の平均年収は766万円でした。
カプコンは大阪に本社を持つゲーム会社で、「ストリートファイター」シリーズや「モンスターハンター」シリーズなどの超人気作品を世に送り出したことで世界に知られています。
また、カプコンは家庭用ゲーム機向けのソフトや、モバイル環境下でのアプリのほかに、アミューズメント市場でも一定のシェアを獲得しています。さらに、パチンコやパチスロなどの遊技機市場のほか、自社の人気キャラクターを活かしたライセンスビジネスなども展開しています。
ディー・エヌ・エー
ディー・エヌ・エーの2023年の平均年収は856万円でした。
プロ野球チームやサッカーチーム、バスケットボールチームなどの運営で有名なディー・エヌ・エーは、ライブストリーミングやヘルスケア・メディカルなど、多岐にわたる事業を手掛ける幅広い企業です。ゲームについても、「メギド72」や「逆転オセロニア」などの人気タイトルを生み出しています。
グリー
グリーの2023年の平均年収は810万円でした。
グリーは2000年代からSNS事業を手掛け、世界初のソーシャルモバイルゲームをリリースしたことでも知られています。また、ゲーム事業だけでなく、アニメやマンガなどの幅広いエンタテインメントを扱う、多様な企業でもあります。さらに、メタバース事業やDX事業のほかコマース事業など非常に広い分野への展開を続けている会社です。
まとめ
「ゲームプログラマーの年収」についてまとめました。日本のゲームプログラマーの平均年収は400~565万円の間に収まっていると考えられます。ただし、上記は全体平均なので、現在すでにゲームプログラマーとして働いている人は、雇用形態や年齢などを加味して、自分自身がもらっている給料が相場より上か下かを確認してみてください。
日本のゲーム業界には世界に名前が知られるような企業が多数あり、有名大手の年収は平均値よりかなり上位にあります。とはいえ、有名なゲーム会社に入るのは容易ではありません。
このコラムには、ゲームプログラマーとして収入を上げる方法も詳しく記載していますので、ぜひ自分のスキルやライフスタイルに合った方法で年収アップを目指してください。