セキュリティエンジニアの年収を徹底解説!ゲーム業界の場合も含めて解説!


2023年7月24日

サイバー犯罪や情報漏えいなどのニュースが多く、データ管理上のセキュリティの重要性が叫ばれる昨今、「セキュリティエンジニア」という職種について語られることが増えています。

 

そこでこのコラムでは、セキュリティエンジニアの業務内容や平均年収を紹介したうえで、日本の平均年収と比べて高いのかどうかを比較します。この職業の需要予測も解説しているので、これからセキュリティエンジニアを目指す人にとって参考になるでしょう。

 

また、年収1000万円を目指す方法や、あると有利な資格なども詳しく書いていますので、現在すでにセキュリティエンジニアとして就業している人も、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

 

セキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアは、名称が示す通り情報セキュリティを専門とするエンジニア職です。

 

近年、悪質なサイバー攻撃や、ハッキングなどがニュースなどで取り上げられる例も増えており、企業のセキュリティ意識は高まっています。また、実際にサイバー攻撃を受けたり、情報漏えいなどのトラブルが起きたりすれば、企業としては大きな金額的な実害が出たり、信用を失墜するなどさまざまな点でダメージを受けます。そのため、セキュリティエンジニアという職種への期待は高まっていますし、業務上も非常に重要な役割を担っています。

 

この項目では、セキュリティエンジニアがどのような業務を行って情報を守っているのかを、工程ごとに分けて具体的に紹介します。

 

設計業務

セキュリティエンジニアは業務開始にあたって、まず案件の概要や構築するシステムのリスクを把握して、どの程度のセキュリティが必要なのかを検討します。

 

具体的には、情報セキュリティポリシーをどのように設定するか、アクセスをどのように制限・認証するか、負荷の分散をどうするか、サイバー攻撃をどのように防ぐか、など多数の検討項目があります。

 

また、セキュリティだけを重視して運用しにくいシステムを設計したり、過剰な予算を請求したりするわけにもいきません。そのため、セキュリティエンジニアは予算や日常の運用にも配慮しながら設計を行う必要があります。

 

これらの点を踏まえて、初期設計の部分は特に熟練度が高いセキュリティエンジニアが担当することが一般的です。

 

実装業務

設計業務が終了したあとには行った検討に基づいて、サーバーやネットワーク、OSやアプリなど各段階でセキュリティを実装していきます。

 

また、アクセス時の認証設定などもこの段階で実施します。そのため、実装工程の重要性も非常に高く、セキュリティに対する知識や技術が求められます。

 

テスト業務

実装が終了したら、設計に沿ったシステムができていること、想定したセキュリティが機能していることなどをチェックするために、システムの脆弱性診断を行います。

 

脆弱性診断とは、過去に実際に行われたサイバー攻撃の手法などをシステムにくわえてみることで、設計したセキュリティが機能しているかを確認するテストです。仮に問題が発生すれば、想定したセキュリティが機能していないことになります。そのため、設計や実装のどの段階に問題があるのかを検討・確認し、適切に改善していく必要があります。

 

運用・保守業務

システムが実際に運用され始めて以降は、セキュリティエンジニアは保守管理の仕事を行います。運用開始時には万全なシステムでも、ある程度の期間が経過するとともに、OSやアプリケーションをアップデートする必要があります。また世の中で、新たな手法のサイバー攻撃が発生していれば、それを踏まえた対処を行うこともあります。

 

また運用段階あるシステムにトラブルが発生したときには早急な対応が求められることも多いので、セキュリティエンジニアには迅速さも必要です。

 

【徹底解説】セキュリティエンジニアの年収事情

この項目では、セキュリティエンジニアの年収について、雇用形態などを踏まえて記載し、日本の平均年収とも比較します。セキュリティエンジニアになればほかの職種よりどの程度稼げるのかを知りたい人はぜひ注目してください。

 

日本の平均年収

セキュリティエンジニアの年収が高いのかどうかを判断するために、まず職業を問わない日本の平均年収について解説します。

 

期間工合同会社が2023年7月に発表した情報では、日本の業種を問わない平均年収は約445万円とされています。これに対して、セキュリティエンジニアの平均年収は、正規雇用であれば平均が約589万円と報告されています(「求人ボックス 給料ナビ」2023年7月5日発表値より)。そのため、セキュリティエンジニアの平均年収は日本全体の平均値よりも144万円も高いことがわかります。

 

さらに、派遣社員やアルバイトなどの雇用形態でセキュリティエンジニアとして働く場合の年収にも着目していきましょう。「求人ボックス 給料ナビ」2023年7月5日発表値によれば、セキュリティエンジニアの中でも派遣社員の平均時給は2583円とされています。

 

上記は時給換算なので、以下の方法で年収を算出して比較しましょう。年間の休日を120日と仮定すれば、就労する日数は365–120=245日と算出されます。また、稼働日の就労時間はすべて8時間と仮定します。これらの数値を乗算して年収を求めると、セキュリティエンジニアの派遣社員の年収は約506万円となります。

 

一方、アルバイトに関しては、「求人ボックス 給料ナビ」では平均値が算出されていませんでした。実際に検索してみても、セキュリティエンジニアは正社員や派遣社員での雇用はあっても、アルバイトの募集は非常に少ないことが実感できました。企業の重要セキュリティを扱う職種に対して、アルバイトという雇用形態が馴染みにくいということもあるのでしょう。

 

上記を整理すると、セキュリティエンジニアは正社員として雇用されれば日本の平均を明確に上回る収入を獲得できる職種と言うことができます。また、派遣社員として働く場合でも、日本の平均的な年収より少し高い収入が見込めます。これらのことからセキュリティエンジニアという職種は、非常に市場価値が高いことがわかります。

 

一方、セキュリティエンジニアはアルバイトでの募集が少ないので、この職種に就く場合、派遣社員か正社員を目指すことが現実的なようです。

 

セキュリティエンジニアの需要予測

最初に明言しますが、2023年7月現在、セキュリティエンジニアの需要は増加傾向にあります。警察庁が発表した「令和4年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」という報告によれば、企業を狙うサイバー攻撃は年々増えています。また悪意がある攻撃を受けたことで、数千万円規模の被害を受けた企業も実際に存在しています。

 

現代社会において、Webやサーバーの情報管理に無縁な会社はほぼ存在しません。そのため、各企業は情報セキュリティに費用や人的リソースを投入することは必須事項となっています。

 

これらを踏まえれば、今後もセキュリティエンジニアの需要が減ることはあまり考えられません。

 

セキュリティエンジニアは年収1000万を目指せるのか?

ここからは、セキュリティエンジニアとして働きながら、年収1000万円以上を実現することはできるのかを解説していきます。

 

結論:目指すことは可能

まず結論から言えば、セキュリティエンジニアとして年収1000万円を目指すことは十分に可能です。

 

そもそもセキュリティエンジニアはITエンジニアの中でも比較的高収入な職種です。とはいえ、年収1000万年は、単にセキュリティエンジニアになって普通の努力をしていれば、誰もが得られるという数字でもありません。そのため、年収1000万円を実現するための具体的なポイントを以下に記載します。

 

年収1000万円をめざす為のポイント

年収1000万円を超えるために最もわかりやすい方法は、大手企業や外資系企業など、そもそもの平均年収が高い企業に就職することです。ITやWeb系のエンジニアの中で、セキュリティエンジニアはまだまだ貴重な存在ですから、平均値が高い企業には入れば、それだけ高い年収を獲得することができます。

 

一般的に従業員が1000人を超える大手企業と、100人未満の小企業の間には、平均年収で100万円を超える差があると言われています。もちろん好待遇の大企業はそれだけ競争率が激しいですから、入社することは容易ではありません。しかし、セキュリティエンジニアという存在自体はまだまだ希少なので、ほかのエンジニア職よりチャンスが多いという考え方もあります。

 

さらに、2023年4月現在で日本に約2万人程度しか存在しない情報処理安全確保支援士の資格を取るなどすれば、セキュリティエンジニアとしての存在価値は大きく上がります。情報処理安全確保支援士は初心者向けの資格ではないのでかなりの努力も伴いますが、高年収を目指す人にとっては、取得が難しい資格を得ることはマイナスにはならないでしょう。

 

また、フリーランスのセキュリティエンジニアとして、利益が高い仕事を積極的に取りに行くという方法もあります。フリーランスには就活の苦労がないという大きなメリットがあります。しかしその一方、フリーランスは安定性を欠くことや、雇用されるより福利厚生が弱いことなどのデメリットもあるので、人生設計をしっかり行ってから決断することをおすすめします。

 

セキュリティエンジニアが活躍を期待できる分野

情報セキュリティの重要度が増す昨今、セキュリティエンジニアの活躍の場所はどんどん広がっています。

 

例えば一般的な企業の多くで、顧客情報や商品の製造情報など守らなければならないデータは多数あります。また、役所や政府機関など公的な場所もサイバー攻撃の被害に遭う可能性があります。さらに、病院や空港、金融機関や交通機関などもシステムがダウンしてしまったら世の中に甚大な被害が出ます。そのため、セキュリティエンジニアは、活躍できる場所が多いことでも優れた職種であると言えるでしょう。

 

セキュリティエンジニアで年収を上げるために必要なスキル

ここからは、セキュリティエンジニアとして年収を上げていくために役立つスキルを記載します。

 

セキュリティ関連知識・スキル

セキュリティエンジニアとして活躍するためには、世の中に情報管理上のどのような脅威があるか、それぞれの脅威にどのようにして立ち向かえるかを知っておく必要があります。

 

そのため、不正プログラムの種類やサイバー攻撃の手法にアンテナを張っておくことが重要です。また脅威や不正アクセスからデータを守るために、ファイアウォールやアンチウィルス、OSのセキュリティや暗号関連の知識などを持っていることも必須です。

 

さらに、高収入を目指すには知識があるだけではなく、状況や予算に合わせて対策を使い分けるスキルが欠かせません。

 

サーバー関連知識・スキル

情報を格納するサーバーに関連する知識やスキルも、セキュリティエンジニアにとって欠かせない分野です。各種サーバーには専用のOSがあり、それぞれの構築手法が異なります。そのため、多くの事例を扱うことで、セキュリティエンジニアとして対応できるケースも増えていきます。つまり、地道な努力や知識の蓄積も欠かせない職種であることも忘れてはならないでしょう。

 

ネットワーク関連知識・スキル

ネットワーク上には不正アクセスやデータ改ざんなどのリスクが溢れています。そのため、セキュリティエンジニアとして活躍するには、情報にアクセスできる制限を扱うことや、不正アクセスへの対策、情報漏えいを防ぐためのセキュリティなど、多数の配慮が必要です。

 

セキュリティエンジニアとして持っておくと良い資格例

この項目では、セキュリティエンジニアとして活躍する上で、取得しておくと便利な資格を紹介します。

 

情報処理安全確保支援士試験(SC)

情報処理安全確保支援士試験は、独立行政法人 情報処理推進機構が運営する国家資格です。この資格試験に合格すると、サイバーセキュリティに関する専門職である情報処理安全確保支援士を名乗ることができます。

 

近年サイバー攻撃や情報漏えいなどで被害を受ける企業も多く、セキュリティの重要度が上がっています。情報処理安全確保支援士試験はそのような背景があって、2017年に新設された資格です。

 

合格率が毎年20%以下と非常に難易度が高いこともあり、2023年4月現在で、日本全体でもまだ21,633名しか保有者が存在しません。さらに、2023年現在、情報処理系の資格で「士業」に当たるのはこの資格だけなので、かなりレアな資格と言うこともできるでしょう。

 

このように希少な資格を持っていれば転職にも便利です。そのためセキュリティエンジニアとして高収入を目指す人にはおすすめ度が高い資格試験です。

 

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験は、国家資格のひとつで、独立行政法人 情報処理推進機構が運営しています。合格率は50~70%程度とされているので、前述の情報処理安全確保支援士試験(SC)に比べるとかなり取得しやすい特徴を持っています。

 

出題範囲は情報セキュリティの基礎的考え方や関連法案などの基礎知識から、情報資産管理やリスクアセスメントなど具体的な問題を含みます。

 

ゼロベースからの取得を目指す場合、200時間程度の学習を要するとされていますので、受ければ誰でも取れる資格とは言えません。そのため、過去問の出題傾向を踏まえて、事前にしっかりと勉強しておくことをおすすめします。

 

CompTIA Security+

CompTIA Security+は、国家や企業に依存しないベンダーニュートラル資格のひとつです。アメリカで発足した非営利団体が運営しており、ワールドワイドな資格として海外で働く人や海外のクライアントを相手にする人にも有効です。

 

情報セキュリティを扱う人が比較的早い段階で取得する認定資格で、受験資格も特に定められていません。ただし推奨経験として、セキュリティに軸愛を置いたシステム管理の業務経験を2年以上持っていることとされているので、初心者向けの資格とは考えない方が良いでしょう。

 

難易度としてはそれほど高くありませんが、その一方で主題される範囲が広いですから事前にしっかりと勉強しておく必要があります。学習時間は受験者のレベルによって異なりますが、参考書を中心に100時間程度は確保するように準備することをおすすめします。

 

【ゲーム業界例】セキュリティエンジニアの求人例を紹介

ゲーム業界でも顧客の個人情報管理などは非常に重要ですから、セキュリティエンジニアの需要は高まっています。そこでこの項目では、ゲーム業界のセキュリティエンジニアの求人例を紹介します。

※なお、この情報は当コラム掲載時点での情報ですので、参考例としてご覧ください。

 

・例1

■職種名

セキュリティエンジニア(開発業務支援)

 

■業務内容

ゲーム開発部門における開発支援SEとして、ゲーム開発部門とIT部門の橋渡しを行い、セキュリティレベルの維持支援、構築コンサルティング的業務を行っていただきます。

以下の業務に関わっていただきます。
・セキュリティ施策の企画立案
・セキュリティシステムの選定、導入企画/設計/構築/運用

社内のゲーム開発部門を主要顧客とし、IT部門とも協業を行っていただき、社内のセキュリティコンサルタントとして就業いただく予定です。

 

■必須スキル・経験

以下いずれかの経験必須

・セキュリティエンジニアとしての実務経験が5年以上
・システムセキュリティの企画、導入、更改に関する案件において、リーダーとして立ち上げからリリースに至る全工程の経験

 

■想定年収

前職をベースに考慮

https://game-matching.jp/g-job-agent/find_jobs/14633

 

・例2

■職種名

セキュリティエンジニア

 

■業務内容

・セキュリティ課題の発見、対策、情報収集
・セキュリティ対策の開発、運用、サポート
・不正行為の調査、研究、対策案の検討
・セキュリティ啓蒙、教育
・社内セキュリティ環境の向上

 

■必須スキル・経験

・Windows/Linuxの基礎知識
・ネットワーク・プロトコル全般の知識
・企業ネットワークの設計・構築および運用において、セキュリティに関わる業務経験
・セキュリティ製品/装置の運用経験
・セキュリティ事案(事件/事故)対応の経験

 

■想定年収

前職をベースに考慮

https://game-matching.jp/g-job-agent/find_jobs/3871

 

まとめ

「セキュリティエンジニア」という職業について、まず業務内容を解説したうえで、平均年収がどの程度なのか、日本のほかの職種よりも収入は高いのか、といった点をまとめました。また、インフラエンジアで年収1000万円を実現できるかどうかや、セキュリティエンジニアとして活躍するための方法や、あると便利な資格なども記載しています。

 

セキュリティエンジニアはIT業界全般でもゲーム業界でも、ほかの業種の平均値より高い給料を得ることができます。また、働き方の工夫やスキルアップによって、年収1000万円以上を目指せる職種でもあります。

 

ゲーム業界でも日本全体の平均値より高い年収を得ることができますし、大手企業に入ることができれば、年収1000万円以上は十分視野に入ります。そのため、セキュリティエンジニアとして働いている人のなかで「もっと年収を上げたい」と思っている人は、この機会にゲーム業界への転職を検討してみてはいかがでしょうか。

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