プロジェクトマネージャー年収ガイド!ゲーム業界での例まで説明!


2023年7月24日

今回は、IT業界の中でも平均年収が高いとされるプロジェクトマネージャーについて解説します。まずプロジェクトマネージャーの平均年収を記載したうえで、この職種がどんなものなのか、なぜほかの職種より収入が高いのか、などをわかりやすく説明していきます。

 

また、プロジェクトマネージャーとしてさらに年収をアップするために必要なスキルや資格なども記載しますので、現在プロジェクトマネージャーとして働いている人もぜひ最後までご覧ください。

 

プロジェクトマネージャーの平均年収は?

この項目では、まずIT系のプロジェクトマネージャーの平均年収について具体的な数値を記載したうえで、日本全体の平均値やほかの職種との比較も行います。

 

平均年収

2017年に経済産業省が出した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によれば、IT系のプロジェクトマネージャーの平均年収は891.5万円と報告されています。

 

期間工合同会社が2023年7月に発表した情報では、日本の業種を問わない平均年収は約445万円とされていますから、IT関連のプロジェクトマネージャーは日本の平均のほぼ2倍程度の収入を得ていることになります。

 

IT系その他職種との比較

前述の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」の情報から、プロジェクトマネージャーとIT業界のほかの職種の年収を比較してみましょう。

 

例えば、高度SE・ITエンジニアの平均年収は778.2万円、IT技術スペシャリストが758.2万円となっています。ほかにもプログラマー系の職種が複数上げられていますが、どれも平均年収は500万円代から600万円代です。

 

そのため、IT系の職種において、プロジェクトマネージャーの平均年収は技術職よりも高いということができるでしょう。なぜプロジェクトマネージャーの年収はこのように高いのか、という点を理解するために、次の項目では具体的な業務内容を記載していきます。

 

プロジェクトマネージャーの仕事とは?

ここからは、プロジェクトマネージャーがどんな仕事をしているのかを紹介していきます。

 

プロジェクトマネージャーの仕事内容

以下にプロジェクトマネージャーの詳細の仕事内容を記載します。

 

要件定義

「要件定義」とは、IT系のプロジェクトにおいて最初に行う工程で、仕様の整理やシステムの開発計画立案を目的とします。

 

受注して行う業務であれば、この段階でクライアントの要望を把握して、開発計画に盛り込んでいく必要があります。また、これから編成する開発チームが遅滞なく実働できるように、開発の目的や方向性、予算やスケジュールなどをまとめるのもプロジェクトマネージャーの仕事です。

 

要件定義を取りまとめたあとには、クライアントや上長などの発注者と打ち合わせを行い、了解を得てから実際の開発業務を開始します。

 

この工程でしっかりと仕様が整理されていないと、開発が進む途中で発注者の意思とは異なるプランで動いていることが明らかになって、業務が振出しに戻ってしまうこともあります。また、プロジェクト内が混乱して不要な修正が出ることもあるでしょう。そのため要件定義は、プロジェクトの成否を決定づける重要な工程であり、プロジェクトマネージャーはこの時点から大きな責任を負っているのです。

 

プロジェクトチーム編成

要件定義ができてクライアントや社内発注者の了解が得られたら、プロジェクトチームが編成され、実際の開発業務が始まります。

 

プロジェクトマネージャーはチーム編成の責任者として、業務の遂行に必要な人材をアサインしていきます。チーム編成が適切に行われなければ、必要な仕様を満たせなかったり、スケジュールや予算管理に狂いが生じたりしますから、どのような人員を何人選ぶかはプロジェクトマネージャーの腕の見せ所と言えるでしょう。

 

また、開発が始まったあとには、プロジェクトマネージャーは業務の進捗や予算、品質を守るためのフォローなどを続けます。

 

さらに、プロジェクトマネージャーは業務上の細かい疑問に答えなければなりませんし、工程や品質に問題があれば何らかの改善を行う必要があります。また、チーム内やクライアントと中間的なミーティングを行ってプロジェクトを正しく導いていくことも欠かせません。

 

そのため、プロジェクトマネージャーには、社内・社外の各所に目を配るスキルや、問題を把握・分析する力のほか、迅速に問題を解決していく決断力などが求められます。

 

リリース・レビュー

プロジェクトによって生み出した成果物のリリースやレビューも、プロジェクトマネージャーの責任下で行われていきます。

 

各工程で発生した成果物(要件定義書や設計書、プログラムやテスト結果報告など)に問題があれば、プロジェクトマネージャーはメンバーに修正を指示する必要があります。

 

また、プロジェクトが終了した後にも全体や各工程の評価を行い、クライアントや経営陣に報告する場合もあります。

 

プロジェクトリーダーとの違い

どちらの職種もプロジェクトを進行する上で、品質や予算、スケジュールなどを管理しますから、共通する部分は多数あります。

 

とはいえ、プロジェクトマネージャーは常にプロジェクト全体の責任者として行動しますから、クライアントや経営陣に対しても責任を負っています。

 

一方、プロジェクトリーダーは業務を実施する上で開発メンバー寄りの業務を担当します。そのため、プロジェクトマネージャーはプロジェクトリーダーよりも上位に位置づけられる存在です。

 

また、プロジェクトマネージャーは企画・管理的な立ち位置であることに対して、プロジェクトリーダーは技術職、専門職としての技能が求められますし、プロジェクトメンバーの細かい管理も行います。

 

プロダクトマネージャーとの違い

「プロダクト」とは製品や成果を示す言葉です。そのためプロダクトマネージャーは製品管理者と誤訳されがちで、製造工程や物品の管理という狭い意味でとらえられてしまうことがあります。しかし実際はコンセプトや企画、製造やマーケティングまでの全工程を管理して品質や利益を追求するのがプロダクトマネジメントです。

 

一方、プロジェクトマネジメントは、まず特定の目的が設定され、その目的を達成するまでの工程を管理します。そのため、プロジェクトマネジメントは、プロダクトマネジメントよりも狭い範囲で行われることが一般的です。

 

同じ社内にプロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーがいる場合、業務の流れとしてはプロダクトマネージャーの方が先行することが多いでしょう。

 

【徹底解説】プロジェクトマネージャーが高年収な理由

この項目では、プロジェクトマネージャーがなぜほかの職種よりも年収が高いのかを具体的に記載していきます。

 

理由①:広範なスキルセットが必要となるため

プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体を管理する立場として、プロジェクトの中で扱う技術を理解し、その効果やそれぞれの技術の限界などを知っている必要があります。

 

また、技術面だけでなく、プロジェクト全体を成功に導くためのスキルも必要とします。そのため、予算やスケジュールを管理する能力も要求されます。また、社内外で交渉をする対人スキルや、問題が発生したときの課題解決能力なども要求されます。

 

つまり、さまざまなスキルをバランスよく持ち合わせた稀有な人材でなければプロジェクトマネージャーを務めることは困難なのです。

 

理由②:会社へのインパクト・責任が大きい仕事のため

プロジェクトマネージャーはその業務の始まりから終わりまでの責任を負います。そのため、予算や納期、人員配置や品質などを総合的に判断しなければならないような厳しい事態に直面することも少なくありません。

 

また、プロジェクトマネージャーの働きが良ければ会社には利益がもたらされますが、プロジェクトマネージャーが大きなミスをすれば、会社は大きな損益を抱えてしまうこともあり得ます。

 

このように大きな責任を背負うポジションなのに、収入が低くては誰もプロジェクトマネージャーの職に就きたがりません。このような背景から、プロジェクトマネージャーの給料は多くの会社で高めに設定されているのです。

 

理由③:デジタル化(DX化)への世の中の流れのため

日本社会全体がデジタル化の波の中にあるため、DX化はさまざまな企業で進んでいます。そのため、プロジェクトを立ち上げて業務を押し進めていくプロジェクトマネージャーの存在が不足している実情があります。希少価値な人材であれば市場原理として給料が上がりますから、結果としてプロジェクトマネージャーは年収が高めで募集されるのです。

 

プロジェクトマネージャーを目指すステップは?

ここからは、IT関係などでエンジニアやプログラマーをしている人が、プロジェクトマネージャーを目指すためのステップを解説していきます。

 

エンジニア・プログラマーとしてキャリアを積む

まず現在就いている職種で十分な経験を積み、スキルを上げることがキャリアアップにつながります。プロジェクトマネージャーにはさまざまなスキルが要求されますが、技術的理解が高いほどプロジェクトを適切に運用できることも多いでしょう。

 

また、プロジェクトマネージャーになるには、一定以上の信頼を得る必要があります。技術的地位が高まればチーム内での評価も上がるでしょうから、ステップアップするには現状の業務で成果を出すことが重要です。その際、予算やスケジュールなどの管理能力向上や、対人スキルのアップを意識していればプロジェクトマネージャーへの距離は少しずつ縮まっていくでしょう。

 

プロジェクトリーダーとしての経験を積む

プロジェクトリーダーを務めることはプロジェクトマネージャーになるためのステップとして非常に有効です。プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーの間には、予算やスケジュール管理などの共通するポイントが多いからです。

 

また、プロジェクトリーダーとしての経験を積んでいく中では、先輩プロジェクトマネージャーと接することも増えますから、直接的にどんなことがポイントなのかを学びやすくなるでしょう。

 

プロジェクトマネージャーで活躍する為の必要スキルは?

ここからは、プロジェクトマネージャーとして活躍するために必要なスキルを紹介していきます。

 

コミュニケーション能力・交渉力

プロジェクトマネージャーは、会社の内外を問わず多くの人とコミュニケーションを取ることが求められます。

 

例えば初期打ち合わせでクライアントと面会するときには、まず仕様を確認するために聞く力が必要です。しかし、クライアントから無理な注文を押し付けられそうになった時に黙って聞いていては利益を上げることはできません。そのため、時には自社の立場を守るための交渉力が要求されるときもあります。

 

また、社内のプロジェクトメンバーに対しては、信頼を得るように振舞う必要がありますし、場合によっては厳しいことを言わなければならないこともあるでしょう。

 

このようにプロジェクトマネージャーには、状況にあったコミュニケーションスキルが必要とされるのです。

 

専門技術・スキル

プロジェクトマネージャーは直接的にプログラミングをしたりすることはないかもしれませんが、技術的なことがわからなければ業務を進めることはできません。そのため、少なくとも自身が関わるプロジェクトに関連する専門技術を理解しておく必要があります。

 

リーダーシップ

プロジェクトマネージャーはアサインしたメンバーを率いて目的を完遂することが主たる仕事です。そのため、メンバーを統率できるリーダーシップが要求されます。

 

特にプロジェクトに何らかの問題が起こったときに、リーダーシップは問われます。メンバーが業務上で困っているときや苦しんでいるときに自分の保身だけを考えるような人は、長くプロジェクトマネージャーを務めることは難しいでしょう。

 

マネジメントスキル・経験

プロジェクトの品質や予算、スケジュールを守るためには、マネジメントスキルを欠かすことができません。

 

大きなプロジェクトほど工程や介在する人員が多く、スケジュールも長くなりますから積極的に大きなプロジェクトに挑んでいくことも必要です。また案件の種類も経験を積むほど知識が増えて、スムーズに管理できるようになっていくでしょう。

 

プロジェクトマネージャーが持っておくと良い資格

この項目では、プロジェクトマネージャーとして就業する人が持っていると便利な資格を記載します。

 

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、独立行政法人 情報処理推進機構が管理運営している国家資格です。

 

ITエンジニアとしての知識や技能を有していることを認定する国家資格なので、持っていることでクライアントへの説得力が上がりますし、取得のための知識は日常業務に役立ちます。出題範囲が技術的な面だけでなく、マネジメントや経営戦略、法務などにも及ぶ点でも、多様な知識を要求されるプロジェクトマネージャーに適した資格と言えるでしょう。

 

合格率は毎回20%前後と非常に低めなだけに、持っているとさまざまな局面で役立ちます。

 

学習時間はそれぞれのレベルにもよりますが、情報技術者としての基礎的な知識があれば200時間、ゼロベースであれば500時間程度とされています。難易度が高い資格試験なので、ぜひ計画的に学習して取得を目指してください。実施は毎年2回、春と秋に行われています。

 

PMP試験

アメリカに本部を持つNPO法人、プロジェクトマネジメント協会が運営している国際資格です。プロジェクトマネジメントのグローバルスタンダードな資格として世界中で知られています。また、受験資格にプロジェクトマネジメントの実務経験が上げられているので、完全にプロ向けの資格としての価値を有しています。

 

内容的にはプロジェクトの発足から計画や実施、制御や終了など、プロジェクトマネジメントの実務に即したものです。合格率は公表されていませんが、過去に60%程度と言われていた時期があり、近年は難易度が上がっているので、合格率は低下していると考えるべきでしょう。

 

難易度の上昇は、暗記問題が減って考える問題が増えたことに起因しているようなので、その点でもプロフェッショナル度が高まっていると言えるでしょう。

 

プロジェクトマネージャー試験(PM)

プロジェクトマネージャー試験は、独立行政法人 情報処理推進機構が管理運営している国家資格です。

 

試験内容としては、コンピューターシステムや基礎理論などの技術面に加えて、プロジェクトマネジメントやシステム戦略、経営戦略や法務などから出題されるので、プロ向けの資格として認識されています。合格を目指して学習する過程で、マネジメントスキルや問題解決スキルなども身に付くというメリットがあります。

 

年に1回試験が実施されていますが、合格率がほぼ15%以下という高難易度な資格試験です。それだけに持っていると転職などに優位ですから、プロジェクトマネージャーとして年収を上げていきたい人はぜひ受験を検討してみてください。

 

【ゲーム業界例】プロジェクトマネージャー求人例の紹介

IT業界だけでなく、ゲーム業界でもプロジェクトマネージャーの存在は重要視されており、ゲーム会社からの求人も多数出ています。この項目ではゲーム開発会社のプロジェクトマネージャーの求人例を紹介します。なお、求人情報はコラム掲載時点でのものなので、参考事例としてご覧ください。

 

・求人例

■職業名

プロジェクトマネージャー(ゲーム)

 

■業務内容

プロジェクトを運営するにあたって、プロデューサーのサポート業務を行っていただきます。
最も主たる業務はスケジュール管理となります。昨今のゲーム開発は工程が複雑化しており、さまざまなタスクが依存関係にありますが、それらの状態を整理し正しいプロジェクトの状態を可視化するための業務全般を担当していただきます。

・プロジェクトの目的理解、作業範囲の明確化
・スケジュールの組立て、進捗管理
・リスク検討、把握、解決
・社内の他部署との連携、調整業務
・プロジェクト管理手法の検討
・顧客企業・発注先企業との折衝

 

■必須スキル

【必要なスキルや経験】
・エンターテインメント業界での制作進行管理/アシスタントプロデューサー業務の経験者
・ゲーム開発経験がある方で、マネジメント業務にチャレンジしたい方
・日常会話が出来る程度の日本語レベル
・エクセル、ワード、パワーポイントを用いた資料作成

 

【応募資格】
・上記【必要なスキル・経験】を有する方。
・ゲーム業界未経験者可。

 

■想定年収

前職をベースに考慮

https://game-matching.jp/g-job-agent/find_jobs/14987

 

まとめ

IT業界の多くの業種の中でも平均年収が高いとされるプロジェクトマネージャーについてまとめました。

 

プロジェクトマネージャーの平均年収は891.5万円で、IT業界のプログラマーなどの技術職よりも高収入を得ています。また、この金額は日本の平均年収のほぼ2倍にもあたることから、なぜプロジェクトマネージャーという仕事がそれほど高給を得られるのかなどを解説しています。さらに、プロジェクトマネージャーとして収入を上げるためのポイントなども記載しました。

 

ゲーム業界でもプロジェクトマネージャーは歓迎されており、収入を伸ばすためのひとつの手段として有効です。ぜひこの機会に、ゲーム業界への転職を考えてみてはいかがでしょうか。

G-JOBエージェントの求人は、約70%が非公開求人
  • サイト上に掲載されている求人は全体の約30%です。
  • 無料転職サポートにお申込みいただくと、非公開求人を含めてエージェントがあなたの希望に合った求人を探します。