ソーシャルゲームとは?課金の仕組みや似た用語だけでなく、将来性も解説!


2023年10月2日

「ソーシャルゲーム」は2010年頃から登場した言葉で、今ではゲームをしない人でも「聞いたことがない」という人はほとんどいないでしょう。とはいえ、「ソーシャルゲームとは何か」と聞かれて正確に答えられる人も実は多いとは言えません。

 

そこでこのコラムでは「ソーシャルゲームについて詳しく知りたい」、「ゲームの関連知識をもっとつけたい」と思う人に向けて、ソーシャルゲームのさまざまな知識を解説します。

 

ソーシャルゲームとは?

「ソーシャルゲーム」とは、本来SNS(ソーシャル ネットワーキング サービス)をプラットフォームとしてプレイするゲームを指します。プレイするために、FacebookやLINE、mixiやGREEなど、ゲームを提供している側が指定するSNSに登録する必要がある場合があります。

 

しかし最近では、SNSをプラットフォームとしないオンライン用アプリゲームも「ソーシャルゲーム」と呼ばれることがあり、その線引きは曖昧になってきています。「ソーシャルゲーム」という名称自体は一般に広く知られており、「ソシャゲ」と略して呼ばれることもあります。

 

ソーシャルゲームの特徴

本来のソーシャルゲームはSNSに登録しているユーザー名やアバターなどが利用できるので、手軽にプレイできるメリットを持っています。また、同じSNSに登録している家族や友人と一緒にプレイしたり、知人を招待したりすることで、楽しみを共有しやすいこともソーシャルゲームならではの特徴です。

 

ソーシャルゲームと混同しやすい用語は?

「ソーシャルゲーム」や「ソシャゲ」という言葉は多くの人が使っていますが、スマートフォンでプレイするゲームはすべて「ソーシャルゲーム」と勘違いされている傾向も見られます。

 

そこで、「ソーシャルゲーム」と似た意味を持つ言葉や、混同されやすい言葉について、それぞれの意味や違いを解説します。

 

ブラウザゲーム

「ブラウザ」とは、Web上の情報を見るためのソフトウェアです。例えば、Google Chromeや、Microsoft Edgeなどもブラウザの一種です。

 

「ブラウザゲーム」は、ゲームをブラウザ上でプレイできるので、アプリケーションのダウンロードを要求しません。一方、ソーシャルゲームはインストールしてプレイするので、インストールの有無で見分ければわかりやすいでしょう。

 

オンラインゲーム

「オンラインゲーム」とは、インターネットに接続した状態でプレイする前提のゲームです。オンラインでサーバーとの接続ができますし、他のプレイヤーともリアルタイムでつながって一緒に楽しむことができます。

 

ソーシャルゲームもオンラインゲームに含まれるもので、SNSをプラットフォームとするかどうかが区別するポイントです。

 

アプリゲーム

「アプリゲーム」はダウンロードを必要とする点でソーシャルゲームと似ています。しかしSNSをプラットフォームとしませんし、ダウンロードした後はオンライン環境がなくてもプレイできます。これはアプリゲームが端末のOS上で動くゲームだからです。

 

「ネイティブアプリ」という言葉もしばしば登場するので、ここで解説します。ネイティブアプリは端末上で動くアプリケーションで、「App Store」や「Google Playストア」からダウンロードするアプリはネイティブアプリです。

 

【理由を解説】ソーシャルゲームは基本無料でプレイできる点

ソーシャルゲームは「基本無料」でプレイできるものがほとんどです。しかし、開発や運営に費用が掛かっているはずなのに、なぜ無料でプレイできるのでしょうか?

 

この項目では、ソーシャルゲームが基本無料である理由を解説し、ソーシャルゲームでゲーム会社が利益を上げる仕組みを紹介します。

 

なぜ無料でプレイできるのか

ソーシャルゲームが「基本無料」なのは、基本的にユーザーへのハードルを低くして、プレイする人を増やすためです。「購入してまでプレイするほどゲームに力を入れていない」という人でも、「無料で遊べるなら」という気持ちで気軽にプレイできます。また無料であれば、「SNS上の広告で気になった」、「知人の招待を受けた」といった理由で「とりあえずプレイしてみる」気持ちになりやすいでしょう。

 

そうして無料でプレイする人が増えれば、その中で「少しお金を使ってももっとプレイしたい」、「もっと強くなりたい」「魅力的なキャラクターを所有したい」といった気持ちから課金する人が出てきます。つまり、基本無料でプレイ開始のハードルを下げてプレイヤーを増やせば、その中で課金する人も増える、というのが無料でプレイできる理由です。

 

ソーシャルゲームの利益の仕組み

ソーシャルゲームの利益の仕組みを、簡単な計算式を使って解説します。ソーシャルゲームの売り上げは以下の式で計算できます。

 

【ソーシャルゲームの課金額 = プレイヤー数 × 課金率 × 課金ユーザーの平均課金額】

 

例えばプレイヤーが1日当たり5万人、課金率3%、平均課金額500円のゲームなら、

50,000 × 0.03 × 500 = 750,000

となり、1日75万円の課金が想定できます。

 

そのため、30日ある月なら2,250万円の課金があります。これが1年続けば、課金による売り上げは2億7,000万円です。つまり一人当たりの課金額は小さくても課金ユーザーが多ければ売り上げは上がるわけです。

 

ただしこれは売上なので、ここから運営や開発、広告費など必要経費を引いた金額が利益です。そのため、どの程度の開発費や運営費を使ったかで利益は変わります。

 

ちなみに売り切り型のコンシューマーゲームの場合、1本5,000円とすると上記の2億7,000万円を売り上げるためには54,000本売る必要があります。大ヒットタイトルが「100万本売れた」といったニュースを目にすることもあり、「数万本程度なら簡単に売れるだろう」と思う人も多いかもしれません。しかし、実際には1万本どころか、1,000本も売れないゲームも存在しますから、数万本売るのは容易ではありません。また、コンシューマーゲームは先に開発費を大きく使いますから、資金繰りも大変です。

 

もちろんソーシャルゲームの中でも、利益が出ずに短期間でサービス終了するゲームはあります。それでもソーシャルゲームはコンシューマーゲームより、構造上収益を上げやすいとは言えるでしょう。

 

ソーシャルゲームのマネタイズ手法

ここでは、ソーシャルゲームに存在する複数のマネタイズ手法を紹介します。

 

有料型

前述した「基本無料」のタイプではなく、ゲーム自体を有料販売するものです。過去の有名タイトルのリマスター版や、人気IPを使用したゲームなど、知名度による売り上げが想定できる場合に採用されます。

 

売り切りなのでリリース後の運営の負担はありませんが、ゲーム会社としてはイニシャルコストが大きいリスクがあります。

 

アプリ内課金付き無料型

「基本無料、アプリ内課金有り」のもっとも一般的なタイプです。無料なのでゲームを始めるハードルが低く、多くのユーザーの中から課金者を増やすことで収益を上げる形式です。細かい課金の方式については、当コラムの「ソーシャルゲームの課金システム」の項で詳しく解説します。

 

広告・アプリ内課金付き無料型

ユーザーからの課金と広告収入を得る形なので、ゲーム会社としては安定収入が期待できます。ただし、広告がゲームをプレイする上で、邪魔と感じられてはあまり意味がありません。そのため、ディスプレイ広告や動画広告などをゲーム画面上で流す方式だけでなく、ゲーム内のマップに広告主の社名入り看板を上げたり、広告したい商品をゲーム内に登場させたりするなどの工夫も行われています。

 

ソーシャルゲームの課金システム

この項目では、ソーシャルゲームに見られる課金システムの代表的なものを紹介します。

 

課金システム

ソーシャルゲームの代表的な課金システムを以下に記載します。

・キャラクターやアイテム獲得のためのガチャチケット購入

・キャラクターのスキンなどの購入

・ゲームをプレイするためのスタミナ購入

・複数の用途があるゲーム内の仮想コインやジェムの購入

 

ソーシャルゲームにおける課金は、「アイテムやキャラクターが欲しい」というプレイヤー独自の収集欲と、「SNSでつながった知人やチームメンバーに見せたい」、「対戦が多いライバルに勝ちたい」という外部とのつながりで助長される欲求で成り立っています。

 

そのため、課金を促進するためには、魅力的なキャラクターをデザインすること、季節イベントや周年イベントなどで、ユーザーが課金しやすい要素やタイミングを作ることが不可欠です。

 

国別課金システム

国や文化圏によって、主流となる課金システムは異なります。例えば、日本と韓国ではキャラクターの収集を目的とするガチャが主流です。

 

ところがアメリカでは勝敗や強さが優先で、勝利につながるアイテムへの課金が多い傾向があります。また、アメリカではガチャに対する批判的風潮が強いことから、課金方式はサブスクタイプが多いです。

 

一方中国では、課金額が多いほど有利になるVIPシステムを導入しているゲームが多く見られます。

 

代表的なソーシャルゲームは?

この項目では、代表的なソーシャルゲームを紹介します。

 

・『パズル&ドラゴンズ』…ガンホー・オンライン・エンターテインメント株式会社が運営しているゲームで、2012年のリリース以来多くのユーザーを獲得しています。

 

・『Fate/Grand Order』…2015年リリースでありながら、複数年にわたって国内モバイルゲームランキング売り上げの上位にランクインするなど長期的人気を得ています。2023年9月現在、株式会社ラセングルが運営しています。

 

・『ポケモンGO』…位置情報を使ったゲームとして世界的にヒットしています。10億ダウンロードを超えたことや、社会現象にもなったことでゲームをしない人でも知らない人はいないほどの知名度があります。

 

なお、有名ゲームを開発エンジンの視点から紹介したコラムがあるので、ぜひ以下も参照してください。

「【あの有名ゲームも?】Unityで作られたゲームを徹底解説します!」

 

ソーシャルゲームの将来性はどうなのか?

この項目では、ソーシャルゲームの将来性を、複数の角度から解説します。

 

新たなテクノロジーを活用できる可能性

ゲーム業界は常に最先端テクノロジーと関連しながら発展してきた歴史があります。そもそも「ソーシャルゲーム」というジャンルも「SNS」というテクノロジーが社会に浸透したことを背景に広がった経緯があります。そのため、今後も新たなテクノロジーがソーシャルゲームに影響を与えていくことでしょう。

 

直近で見えている可能性としては、メタバース環境やVRの発展によって、現在よりさらにリアルな体験が得られること、高い没入感が提供されるようになることなどが考えられます。

 

社会に与える影響をどうとらえるか

スマートフォンの普及率が96%を超えた現在、年齢性別に関わりなく、誰もがソーシャルゲームを楽しめる環境ができています。そんな中で、ゲームの楽しさが中毒性に繋がったり、過剰な課金に走ってしまったりと、社会的影響もあります。ゲームをプレイする側も、作る側も、このような点は無視できないポイントです。

 

収益モデル及びテクノロジーを考慮すると、働き手にとっては魅力的

当コラムの「ソーシャルゲームの利益の仕組み」の項目で解説したように、ソーシャルゲーム派には収益モデルとして優れた面があります。また、メタバース環境など新たなテクノロジーを取り入れながら発展していくことが期待できることを踏まえれば、ソーシャルゲーム業界は働き手に取って非常に魅力が高いと言えるでしょう。

 

それだけに競争率が高い業界でもありますから、ゲーム業界への転職を考えている人は、信頼できるエージェントを利用することが重要です。

 

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まとめ

「ソーシャルゲームとは?」という大きな問いに答えながら、類似する言葉との違いやソーシャルゲームの特徴のほか、収益を得るシステムなどを解説しました。

 

ソーシャルゲームは優れた収益性を持つことから、多数のタイトルが開発され続けています。そのため、ソーシャルゲームの開発や運営を行う会社で働きたいと思う人も多数存在します。ゲーム業界への転職を考えるのであれば、ぜひしっかりと情報収集を行って、エントリーに備えてください。

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