3DCGデザイナーとは?仕事内容や気になる年収、求人例まで紹介


2023年10月25日

ゲームの3DCGに魅力を感じて、「3DCGデザイナーになりたい」と思う人は少なくないでしょう。とはいえ、3DCGデザイナーの実際の業務や年収などはあまり知られていません。そこでこのコラムでは、3DCGデザイナーの具体的な業務内容や年収、キャリアパスや将来性などをわかりやすく解説します。

 

実際の求人例も記載しますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

 

3DCGデザイナーとは

3DCGデザイナーは、CG(コンピューターグラフィックス)で立体的なデザインを行う職種です。映画やアニメ、CMなどのほか、工業など幅広い分野で活躍する職種として知られていますが、このコラムではゲーム業界の3DCGデザイナーに特定した内容を記載します。

 

3DCGデザイナーの仕事内容

この項目では、3DCGデザイナーの一般的な仕事内容を紹介します。

 

モデリング

モデリングとは、ゲームに登場するキャラクターやアイテム、街並みなどを、2Dのデザインから3D化する作業です。手法として、ポリゴンモデリングや自由曲面モデリング、スカルプトモデリングなどがあります。

 

魅力的なモデリングを行うには、造形力や想像力が求められます。また、日頃から人や動物、身の回りの小物や建物などを見て学習する観察眼も欠かせません。

 

テクスチャー

モデリングしたキャラクターやアイテムなどの質感や風合いを考えて、テクスチャーを張り付けていく工程です。例えばキャラクターの服装を仕上げる際にも、皮の上着とニットでは風合いが異なりますし、体毛を持つ犬などの動物とウロコを持つヘビでは張り付けるテクスチャーが違います。また、車や戦闘機であれば金属的な仕上がりを付与していくなど、物質の構成要素を踏まえた作業が必要です。

 

ライティング

空間に光を当てる工程です。例えば晴れた日に屋外にいる場合と、室内にいる場合では光の当たり方が異なるので、適切なライティングを行うことで違和感の無い仕上がりにできます。

 

また、ライティングは単に明るくする作業ではなく、キャラクターの心情や場面の臨場感を左右するので、ゲームの内容や展開を踏まえながら作業を行う必要があります。

 

レンダリング

レンダリングは、ここまでの工程で作ってきたキャラクターやアイテム、街並みなどをコンピュータ上の演算を用いて画像として表示する作業です。

 

映画などであればレンダリングして作成した結果を作品として見せますが、ゲームの場合、ユーザーの操作に合わせてその都度映像を生成しなければなりません。このため、リアルタイムレンダリングという手法を用います。つまり、単にリアルさを追求すれば良いというわけではなく、演算処理の負荷を踏まえて作業を進めることが要求されます。

 

3DCGデザイナーになるには

この項目では、3DCGデザイナーになるために必要なスキルや、持っていると役立つ資格などを紹介していきます。

 

3DCGデザイナーになるために必要なスキル

以下で3DCGデザイナーに求められるスキルを紹介します。

 

デザインソフトに関するスキル

3DCGデザイナーは業務を遂行する上で、さまざまなソフトウェアを使用しなければなりません。使用するソフトは会社や案件によって異なりますが、IllustratorやPhotoshop、3Ds MAXやSoftimage、MODOやMaya、Cinema 4Dなどが代表的です。

 

3DCGデザイナーの求人では頻繁に使用するソフトウェアの名称が記載されていることが多いので、これからゲーム会社への就職や転職を目指している人は、目標としている会社がどんなソフトウェアを使っているかはチェックしておくとよいでしょう。

 

デッサンスキル

「デッサンが狂っている」という言葉がよくつかわれることから、デッサン力は対象を忠実に描写する力と思われがちです。しかし、正しいデッサンスキルは、描こうとするものを把握する力とそれを表現する技術、イメージ通りに創造する力の3つの要素で構成されます。

 

そのため、単に模写がうまいとか、バランスが取れた3DCGを作るスキルとは異なります。

 

コミュニケーションスキル

ゲーム開発はプロジェクトを組んで行います。そのため、上司や同僚などの同じ部署の人たちとの連携が欠かせません。また、ディレクターやプランナー、プログラマーなどの部署外の人とのコミュニケーションも必要です。

 

3DCGデザイナーに役立つ資格

多くの場合、ゲーム会社の求人に必須の資格はありませんが、持っていることで就職や転職に有利な資格は多数あります。ここでは3DCGデザイナーの仕事に役立つ代表的な資格を記載します。

 

なお、以下に示す難易度や学習時間はあくまでも目安なので、受験にあたってはご自身の知識や経験値を踏まえた対策を行うようおすすめします。

 

Illustratorクリエイター能力認定試験

Illustratorクリエイター能力認定試験は、株式会社サーティファイが運営している資格試験です。IllustratorはAdobe社が販売しており、デザイン関係の仕事では非常に使用頻度が高いソフトウェアです。そのため、Illustratorの使用スキルや知識を持っていることは、3DCGデザイナーになるうえでプラスになります。

 

Illustratorクリエイター能力認定試験は、「スタンダード」と「エキスパート」という2つのレベルが用意されており、自身の知識やスキルを踏まえて選択することができます。「スタンダード」では、Illustratorの基本的操作ができることや、出題に応じた合理的な扱いができることが要求されます。一方「エキスパート」では、スタンダードより高い操作スキルが必要ですし、知識問題も出ます。

 

Photoshopクリエイター能力認定試験

Illustratorクリエイター能力認定試験と同様に、株式会社サーティファイが運営しています。イラスト(方程式で示されるベクターデータ)を扱うIllustratorに対して、Photoshopは点によって描写されるビットマップデータを扱います。3DCGデザイナーとしては、IllustratorとPhotoshopを使い分けられるようになっておくと何かと便利です。

 

Photoshopクリエイター能力認定試験も「スタンダード」と「エキスパート」の2つのレベルが用意されています。「スタンダード」はPhotoshopの基本操作を習得していること、出題に沿って合理的な操作ができることが合格の要件とされています。「エキスパート」では、スタンダード以上の操作スキルが要求されますし、知識問題も出るので、操作スキルのみでは合格できません。

 

CGクリエイター検定

CGクリエイター検定は、公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が運営しています。2D、または3DCGを扱うクリエイターに向けた資格で、「ベーシック」と「エキスパート」の2つのレベルが存在します。

 

「ベーシック」で要求されるのは、CGの基礎的な知識や画像表現の方法、CGを扱う上で必要な知識などが出題されます。一方「エキスパート」は、「ベーシック」の出題内容に加えて、プロダクションワークなども試験内容に含まれていますし、知的財産権やファイルの規格などの知識も求められます。

 

「ベーシック」は毎年6割以上の人が合格しており、しっかり準備すれば合格できるレベルです。過去問で出題傾向を確認し、30時間程度は学習しておくことをおすすめします。一方、「エキスパート」は、合格者が例年2割程度しかいないので、難易度が高い資格試験として知られています。準備時間100時間程度という情報もあり、計画的に学習する姿勢が欠かせません。高難易度ではありますが、それだけに取得しておけば就職や転職に有利です。

 

色彩検定

色彩検定は文部科学省が後援する公的な資格で、公益社団法人色彩検定協会が運営しています。色彩検定合格に向けた学習をすると、色について理論的かつ体系的な学びを得られるので、CGデザイナーとして働く人にとってプラスになります。

 

1~3級とUC級という4つのカテゴリがあります。具体的には、3級は比較的初心者向け、2級は実務への応用を考える人に向けた内容、1級は2級3級の内容に加えて色彩調和論やビジネスへの応用なども含むプロ向けの構成となっています。また、UC級では色のユニバーサルデザインを意識した問題が出題されます。

 

2022年度の合格率は、1級:39.6%、2級:77.4%、3級:76.9%、UC級85.8%と公式発表されています。1級は高難易度の試験ですが、それだけに持っていることで就職や転職に有利になるでしょう。

 

画像処理エンジニア検定

画像処理エンジニア検定は、画像処理の分野で開発や設計に有効な知識を持つことを判定する資格試験です。公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が運営しており、「ベーシック」と「エキスパート」の2段階が用意されています。

 

「ベーシック」は画像処理の基礎的理解とプログラミング知識を問う試験内容です。一方、「エキスパート」では、専門的な理解ができていることや、ソフト・ハードの両面に加えてシステム開発の知識の有無も問われます。

 

2023年度前期の合格率は「ベーシック」が69.4%、「エキスパート」が42.7%と公式発表されています。

 

3DCGデザイナーの年収

3DCGデザイナーの平均年収は、マイナビクリエイターの2022年2月時点の調査では、約404万円と報告されています。また、インディードは2023年10月6日現在で、3DCGデザイナーの平均年収を約601万円と報告しています。

 

上記のように調査する企業によって平均年収にもばらつきがありますが、3DCGデザイナーの平均年収は400~600万円くらいと想定できます。

 

3DCGデザイナーのキャリアパスと将来性

ここからは、3DCGデザイナーのキャリアパスや将来性について、具体的に解説します。

 

キャリアパス

3DCGデザイナーのキャリアパスは、以下の2タイプが想定できます。

 

スペシャリスト型

「技術をとことん追求したい」、「管理的な仕事よりもゲームの開発そのものをずっと続けていたい」という人は、スペシャリストとして生きていくことに向いています。

 

特に3DCGの分野では、新しい技術や知識が次々と生み出されています。そのため、その分野の第一人者を目指して、常に新しい技術にアンテナを張り、自発的に新しいものに触れ、「今よりもっとすごいものを作りたい」という生き方を貫けば、会社や業界の中で一目置かれる存在になることができるでしょう。「3DCGなら〇〇さん」と言われるようになれば、もちろん年収も上がっていくはずです。

 

ゼネラリスト型

一点を深く追求するスペシャリストとは異なり、ゼネラリストは幅広い知識を持ち、全体を把握する力を持つ人です。

 

技術的に優れている人ももちろん重要ですが、予算やスケジュール、クオリティのバランスや人員配置などに配慮してくれる人がいると、プロジェクトは円滑に進みます。

 

そのため、ゼネラリスト型の人は、プレーイングマネージャーや管理職にキャリアアップしやすい特徴を持っています。また、3DCGの分野だけにこだわらないのであれば、ゲームプロデューサーやゲームディレクターなど、ゲーム開発全体を統括するポジションを目指していくこともできるでしょう。

 

将来性はどうなのか

角川アスキー総合研究所が2023年8月29日に出した「ファミ通ゲーム白書2023」によれば、日本のゲーム業界は2019年の新型コロナウイルス感染拡大に関連する巣ごもり需要で一気に上昇し、その後2022年まで高い水準を維持しています。

 

そもそも日本のゲーム業界は2013年から2019年まで右肩上がりで成長していますし、ゲーム業界だけでも3DCGクリエイターは多数の需要があります。そのためゲーム業界での3DCGデザイナーの将来性は非常に明るいと考えて良いでしょう。

 

また、ゲーム業界にとどまらず視野を広くしてみましょう。株式会社グローバルインフォメーションという企業の「3Dマッピングとモデリングの世界市場2023-2027」という報告によれば、3Dモデリングやマッピングの市場規模は、2022年から2027年まで年平均成長率15%以上の成長をとげるとされています。

 

このため、3DCGデザイナーのスキルを積んでいれば、将来的にも活躍できることが予想できます。

 

3DCGデザイナーの求人例

この項目では、ゲーム業界に特化した転職エージェント:G-JOBエージェントのサイトから、3DCGデザイナーの求人をいくつかピックアップして紹介します。なお、ここで紹介するのは2023年10月時点に掲載されている求人例ですので、リアルタイムの求人情報ではありません。あくまでも例としてご覧ください。

 

  • 求人例1

・職種:3DCGデザイナー(Unity)(3Dモデラー(ゲーム))

・募集年収:要相談

・雇用形態:正社員

・勤務地:東京都千代田区

・業務内容:ゲームタイトルのPR活動において、Unityを使用して3DCGキャラクターを活用した映像のデザイン業務をご担当いただきます。

※ゲームの開発ではなく、ゲームの関連動画や配信用のコンテンツ制作となります。

 

主たる業務は、クロスや揺れ物のアニメーション設定、表情アニメーションの設定、録画作業など。

スキルや適性などに応じてお任せする可能性がある業務は、エフェクト制作やライティング設定のほか、モデリングやリギングなど。

・必須スキル: Unityの使用経験(年数不問)
※Timeline機能の使用経験があるとなお良いです。
※MMD制作やVRChat用など、経験があれば、商業・個人を問いません。

https://game-matching.jp/g-job-agent/find_jobs/15094

 

  • 求人例2

・職種:3DCGデザイナー(3Dモデラー、3Dモーションデザイナー、3Dエフェクトデザイナー、その他3DCG関連職ですべてゲーム関連)

・年収:要相談

・雇用形態:正社員、契約社員

・勤務地:東京都品川区

・業務内容:モデリング、アニメーション、ライティング、質感設定、エフェクト、シミュレーション作業など。

・必須スキル:上記業務内容に該当する経験があること。

・望ましい経験:Maya、3dsMax、AfterEffects、Premiereなどのツールを使用した実務経験者。

https://game-matching.jp/g-job-agent/find_jobs/11988

 

  • 求人例3

・職種:3DCGデザイナー(ゲームのキャラクター)

・年収:前職をベースに考慮

・雇用形態:正社員

・勤務地:大阪府

・業務内容:キャラクターのモデリングとテクスチャー制作を担当していただきます。
他セクションと連携しながら、ユーザーが愛着を抱く魅力的なキャラクター制作をお願いします。

具体的な業務として、キャラクターのモデリングやテクスチャー制作(関連するオブジェクトも含む)、ボーン入れやウェイトなどのセットアップなどがあります。

・必須スキル:キャラクターモデル制作の実務経験とMaya、Photoshopの使用経験。

※日本語能力試験N2またはそれと同等以上の日本語能力をお持ちの方

https://game-matching.jp/g-job-agent/find_jobs/12708

 

まとめ

3DCGデザイナーの業務内容や年収、キャリアパスや将来性などを具体的に解説しました。ゲーム業界内で3DCGデザイナーの需要は非常に多く存在しますから、3DCGデザイナーは非常におすすめ度が高い職種です。

 

ゲーム業界への転職をお考えであれば、ゲーム業界求人情報をわかりやすく一覧で紹介しているG-JOBエージェントをぜひご利用ください。G-JOBエージェントはゲーム業界に特化しており、求人数の多さや実績の豊富さ、サポートの丁寧さなどで多くの利用者から高く評価されています。

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