ゲームディベロッパーとは?パブリッシャーとの違いや業務内容を解説


2023年11月27日

ゲーム会社の特徴や業務形態を示す言葉として、「ゲームディベロッパー」という言葉がありますが、「意味はよくわからない」という人も多いと思います。

 

そこでこのコラムでは、「ゲームディベロッパー」という言葉の意味や、「ゲームパブリッシャー」との違いを解説します。また、ゲームディベロッパーの将来性なども詳しく書いていますので、ゲーム業界に入りたいと思う人はぜひ最後まで読んで参考にしてください。

 

ゲームディベロッパーとは

「ゲームディベロッパー」とは、ゲームを開発する会社や開発者を指す言葉です。英単語の「developer」には開発者という意味があるので、和製英語ではありません。

 

「ゲームディベロッパー」という言葉と対になって使われるのは「ゲームパブリッシャー」です。ディベロッパーとパブリッシャーの違いについては、次の項目で詳しく解説します。

 

ディベロッパーとパブリッシャーの違い

ゲームパブリッシャーはゲームの企画や販売を行う会社です。そのため、ゲームディベロッパーとゲームパブリッシャーの違いを問われたときは、開発を行うのがディベロッパー、販売を担当するのがパブリッシャーと答えれば間違いありません。

 

社名を上げるとすれば、任天堂やソニー、スクウェア・エニックスやバンダイナムコ、サイバーエージェントやコナミなどが日本を代表するゲームパブリッシャーとして知られています。

 

ゲームパブリッシャーは、自社で企画したゲームをディベロッパーに開発依頼し、それを受け取って販売を行うという仕事の仕方をしています。また、ディベロッパーがパブリッシャーに企画を持ち込んで、承認を得たうえで開発を行い、販売をパブリッシャーが担当するときもあります。

 

とはいえ、会社としてディベロッパーとパブリッシャーは完全に分類できるわけではありません。例えば任天堂のように誰もが知るクラスの大手ゲーム会社は、社内にも開発チームを持っていることが一般的です。そのため、ディベロッパーの手を借りずに企画・開発・販売のすべてを自社内で行うこともあります。

 

また、比率としてはディベロッパーとしての活動が多いとしても、自社でパブリッシングしたタイトルを持っているゲーム会社もあります。このような場合、ディベロッパーとパブリッシャーのどちらを名乗るかはその会社次第です。

 

さらに、現時点でディベロッパーとして認識されている会社が、将来的にパブリッシャー事業に移行することもあり得るので、この点でもディベロッパーとパブリッシャーという存在は決して固定的ではないことがわかります。

 

ゲームディベロッパー会社の例

ゲーム業界には多数のゲームディベロッパーが存在します。この項目では、有名なゲームディベロッパーの社名や概要、代表作などを紹介します。

 

ノーティドッグ

アメリカのカリフォルニア州にあるゲーム会社です。代表作として『アンチャーテッド』シリーズや『The Last of Us』シリーズ、『クラッシュ・バンディクー』シリーズ、『ジャック×ダクスター』シリーズなどがあります。

 

ヘキサドライブ

大阪市浪速区に位置する会社です。代表作として、スクウェア・エニックスをパブリッシャーとする『ファイナルファンタジーXV』や、カプコンから発売された『バイオハザード7 NOT A HERO』(DLC)、イマジニアがリリースしている『Fit Boxing feat.初音ミク -ミクといっしょにエクササイズ-』などがあります。また、『【週末包装】世界を救う枠』や『魔法パスワード1111』などの自社タイトルも生み出しています。

 

フロム・ソフトウェア

東京都新宿区に位置する会社です。高難易度で、キャラクターが容易に死に至ることが多いゲームを多数開発していることから、「死にゲーのフロム・ソフトウェア」と言われることもあります。

 

代表作としてソニー・インタラクティブエンタテインメントからリリースされた『Demon’s Souls』や、バンダイナムコエンターテインメントをパブリッシャーとする『DARK SOULS』シリーズなどがあります。また、世界的大ヒット作である『ELDEN RING』は、バンダイナムコエンターテインメントとの共同開発で、国内販売は自社が行い、海外販売はバンダイナムコエンターテインメントが行うという形を取っています。

 

インテリジェントシステムズ

京都市南区にあるゲーム会社です。任天堂をパブリッシャーとするゲームの開発実績が多く、代表作には『ファイアーエムブレム』シリーズ、『ペーパーマリオ』シリーズ、『メイドイン』シリーズなどがあります。

 

モノリスソフト

東京都目黒区に本社を置くゲーム会社です。過去にはナムコ(2023年現在はバンダイナムコエンターテインメント)をパブリッシャーとする『バデン・カイトス ~終わらない翼と失われた海~』や、『ゼノサーガ』シリーズを開発した実績があります。その後は任天堂を筆頭株主としていることもあり、『あつまれ どうぶつの森』や『スプラトゥーン』シリーズなどの開発を行っています。

 

プラチナゲームズ

大阪市北区に位置する会社です。代表作に『ベヨネッタ』シリーズがありますが、『ベヨネッタ』シリーズのパブリッシングは1社ではありません。シリーズ第1作である『ベヨネッタ』はセガから発売されていますし、次作の『ベヨネッタ2』のパブリッシングは任天堂が行っています。

 

また、ほかにもコナミデジタルエンタテインメントから発売された『メタルギア ライジング リベンジェンス』や、任天堂がリリースした『ASTRAL CHAIN』などの代表作があります。

 

サイバーコネクトツー

福岡市博多区に本社を置く会社です。ディベロッパーとしての代表作に、バンダイナムコエンターテインメントがリリースしている『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトルR』や『ナルティメット』シリーズなどがあります。また、自社で開発・販売を行っている最近のタイトルに、『戦場のフーガ』シリーズが存在しています。

 

ゲームディベロッパーの業務内容

ここからは、ゲームディベロッパーの業務内容を具体的に紹介していきます。

 

ゲームの開発

ゲームディベロッパーの主たる業務は、名称が示す通りゲームの開発です。とはいえその範囲は、企画や発注内容、会社としての得意分野によって異なります。

 

企画からシナリオ作成、キャラクターや背景などのデザインやCG作成、プログラミングやサウンドなどを含めてトータル的に請け負う場合もあれば、デザインやプログラミングなど得意な分野に限定して仕事を請け負うこともあるからです。

 

つまりディベロッパーとしての生存戦略には、特定の技術に特化して業界内での立ち位置を強化していくケースもありますし、開発全般を遂行できる体制の強固さを売りとする会社もあります。

 

自社タイトルの開発

ゲームディベロッパーは多くの場合ゲームの開発部分を担当し、ゲームパブリッシャーが販売を行います。このとき、業務の流れとしてはパブリッシャーが発注側、ディベロッパーは受注側であるため、開発したゲームはパブリッシャーのタイトルとして販売されます。

 

そんな中で、「自社タイトルを開発・販売しよう」と考えるゲームディベロッパーも存在します。ゲームディベロッパーが自社タイトルの開発を目指すのは、利益の向上や企業としての成長が理由となっていることが多いでしょう。また、「自分たちなりのアイデアやノウハウを活かして、他のゲーム会社にはできないゲームを作ろう」というチャレンジングな精神が自社タイトル開発の動機となることもあります。

 

ゲームディベロッパーの将来性

この項目では、ゲームディベロッパーとして活動する企業にどのような将来像が描けるのかを解説します。

 

認知度が高まる可能性

仮に小規模、あるいは知名度が低いゲームディベロッパーであっても、受注した仕事をていねいにこなし、パブリッシャーの要求に答えながら自社の独自技術を構築していけば、業界内での地位が高まっていくでしょう。すると、より多くの仕事が取れるようになりますし、大きなプロジェクトに関わる機会も増えていきます。

 

そんな中で関わったゲームがヒットすれば、パブリッシャーがクローズアップされるだけでなく、ヒットに貢献したディベロッパーに注目が集まることも少なくありません。この点は、実際にディベロッパーとして名が知れているゲーム会社が多数あることを考えれば理解しやすいと思います。

 

開発したゲームが評価されてディベロッパーとして認知度が上がれば、ユーザーは「このディベロッパーが開発したゲームならプレイしたい」と思うようになるでしょう。また、ディベロッパーとしての技術力や処理能力が認知され、企業としての信頼度が高まれば、多くのパブリッシャーから開発のオファーが増えることが見込まれます。

 

さらにこのコラムの「ゲームディベロッパー会社の例」で記載した「フロム・ソフトウェア」のように、大手パブリッシャーと共同開発を行う例もあります。このとき、国内の販売はフロム・ソフトウェアが行い、海外販売はバンダイナムコエンターテインメントが担当しています。これはフロム・ソフトウェアが生み出すゲームに世界的な価値があると認められたからこそ実現した企業連携と言えるでしょう。

 

ここまでは企業中心に書いてきましたが、ヒットタイトルの開発に参加できれば、ゲーム開発者個人への注目が集まることもあります。そうなると社内での重要性が高まり、役職や年収のアップが実現できます。そしてその先には、現場のスペシャリストとして生きる道や、経営に参加するなど、キャリアアップの道も開けていきます。

 

また、有名タイトルの開発に関わったという事実は、大手ゲーム会社への転職や独立開業などを考える人にとって大きな足掛かりとなるでしょう。

 

このように、プラスのスパイラルを生み出し、その流れに乗り続けるのは、簡単なことではありません。とはいえ、ゲーム業界では上記のようなサクセスストーリーが実際にいくつもありますから、ぜひ夢を持って開発に取り組んでください。

 

パブリッシャー事業への参加

ゲームディベロッパーとして活動する会社が、パブリッシャー事業を始めることは珍しくありません。パブリッシャーの発注を受けて仕事をするディベロッパーより、パブリッシャーの方が大きな金額を扱うことは疑いない事実です。そのため、ゲームディベロッパーとして技術力や認知度が上がった時点で、パブリッシャー事業に参入することがあるのです。

 

とはいえ、パブリッシャーになれば必ず儲かるというわけではありません。実際にパブリッシャーより利益を上げているディベロッパーも多数存在します。そのため、どちらの道を選ぶかは、経営者目線の判断となります。

 

会社としてどのような道を選ぶかはゲーム業界の将来象も見据える必要がありますので、ゲーム業界の今後について詳しく書いたコラムを以下に紹介します。

「【2023年版】今後のゲーム業界はどうなるのか?3つの現状と課題、求められる人材まで解説」

 

まとめ

「ゲームディベロッパー」がどんなものかを紹介したうえで、ゲームディベロッパーの業務内容や、「ゲームパブリッシャー」との違いなども解説しました。さらに、代表的なゲームディベロッパーや、ゲームディベロッパーの将来性などにも言及しています。

 

ゲームディベロッパーはゲーム開発に特化した会社で、ゲームパブリッシャーからの発注を受けてゲーム開発業務を行います。また、ゲームの企画を考えてパブリッシャーに持ち込み、承認を得たうえでゲーム開発を始める場合もあります。

 

ゲームパブリッシャーにも開発能力を有する会社はありますが、多くのゲームはパブリッシャーがディベロッパーに発注して作られています。そのため、ゲームディベロッパーはゲーム業界を支える重要な存在です。

 

これからゲーム業界への就職や転職を考える人は、ぜひパブリッシャーとディベロッパーの違いを理解して、どちらの業態を取る会社を選ぶのかを考えてください。また、エントリーするゲーム会社がどのようなスタンスでゲーム開発に関わっているのかもしっかりと確認して、自分自身の将来像にマッチする会社を選ぶことをおすすめします。

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