ゲーム会社はブラック?やめとけ?正しい考え方を知ろう!


2025年1月27日

ゲーム業界には「面白いゲームを作りたい」、「ヒットタイトルを生み出して有名になりたい(高収入を得たい)」といったポジティブな理由で就職や転職を目指す人が多く、有名大手ゲーム会社であれば競争率もかなり高めです。

 

しかしその一方で、「長時間残業やサービス残業が多いブラックな業界」というマイナスイメージも存在しています。そこでこのコラムでは、ゲーム業界にブラックなイメージがある理由を解説し、ブラック企業に就職しないためのアドバイスも提供します。

 

ゲーム会社がブラックと言われる事もある理由

最初に伝えておくべきこととして、「ゲーム業界にはブラック企業ばかり」という認識は誤りです。

 

求人情報を提供するdodaが2024年1月に出した「残業が少ない仕事・多い仕事は?平均残業時間ランキング【91職種別】」によると、ゲームクリエイターの平均残業時間は24.4時間と報告されています。

 

一方厚生労働省が2024年5月に出した「毎月勤労統計調査 令和5年度分結果確報」では、所定外労働時間(いわゆる残業)の平均時間は10時間とされているため、ゲーム業界の残業が日本の平均より多いのは確かです。

 

しかし、月当たりの平均労働日数を23日と仮定すると、ゲーム業界の残業は毎日1時間程度です。その捉え方には個人差があるでしょうが、日に1時間残業する会社を「ブラック」と呼ぶのは過剰であり、ゲーム業界にブラック企業が多いという認識も誤りと言えるでしょう。

 

とはいえ、どの業界にもブラックな会社はあり、やはりゲーム業界にも過剰な残業が慢性化している会社はあるでしょう。これを踏まえて、ゲーム業界全体はブラックではないものの、ブラック企業も存在している、という認識で以下を読み進めてもらえると認識の乖離が少ないでしょう。

 

長時間労働になる可能性がある

ゲーム開発においては常に新しさを要求されますし、新しい技術が登場しやすいフィールドであることから、予定通り仕事が進まないことは珍しくありません。また、ゲーム開発はプロジェクトで動いており、どこかのセクションで遅れが出るとそのあとの工程が苦しくなって、残業しなければならない場面は起こり得ます。

 

また、近年はオンラインゲームのシェアが増えており、24時間いつでもプレイできる環境が要求されます。そのため、サーバーなどで何らかのトラブルが発生した時に緊急対応することもあります。

 

給与面への問題

大手ゲーム会社への就職に成功したり、ヒットタイトルに関わることができたり、クリエイターとして知名度が上がったりすれば高収入が得られるのがゲーム業界の良い点ですが、そうでない場合必ずしも収入が高いわけではありません。

 

求人ボックス給料ナビによると、2024年10月末時点のゲームクリエイターの平均年収は525万円とされており、国税庁が発表している日本の就労者の平均年収461万円より60万円ほど高いので、ゲーム業界の平均収入は低いわけではありません。

 

とはいえ、入社直後には年収300万円程度からスタートすることが多く、また利益が出ていないゲーム会社に入った場合、数年勤めてもそれほど収入があがらないことはあり得ます。そのため、高収入を求めてゲーム業界に入ったのに、思ったほど高くないと感じる人もいるようです。

参考:【2024年最新版】ゲーム会社の年収完全解説ガイド!年収ランキングや職種別までご紹介!

 

 

納期が迫ると忙しくなることがある

ゲーム開発には必ず納期があり、その実現が厳しくなって残業せざるを得ない場面はあります。開発を始める時点ではバッファを含めた実現可能なスケジュールが組まれているはずですが、人間が介在する以上、思うように進まないことはありますし、体調を崩す人も出るでしょう。

 

また、納期がある仕事には、実際に時間に追われる厳しさに加えて精神的なプレッシャーもあります。ストレス耐性には個人差がありますから、納期が近いと認知するだけで圧迫感を感じる人もいるでしょう。

 

人材不足

日本は現在少子高齢化が進み、就労人口が減っているため、どの業界も人材不足であえいでいます。特にゲーム業界は日常では使用しないスキルを必要とするため、人数さえ確保できれば良い業界ではありませんし、人材の育成に時間がかかる分野でもあります。

 

そのため、誰かが辞めてしまうとその穴が埋めにくく、結果的に残った人が多くの仕事を負担せざるを得ない事態が起きがちです。

 

ブラックな企業を避けるためのポイント

この項目では、ブラック企業を避けるために事前に知っておくべきポイントを解説します。

 

結論:「ブラック」の判断は人の価値観で大きく左右される

そもそも「ブラック企業」という言葉に明確な定義はありません。一般的には、長時間残業やサービス残業、パワハラやセクハラ、過剰なノルマや隠ぺい体質などが横行する企業が「ブラック」と言われがちですが、その判断は人によって異なります。

 

この点を踏まえて、自分にとっての「ブラック」がどの程度なのかをまず考え、そのラインを明確にすることが重要です。例えばネット上の口コミを見る場合でも、「ブラック」という言葉だけに反応するのではなく、その根拠を見て企業選びを進めましょう。

 

面接の際にクリアな回答が来ない時

業界を問わず、就職する際には面接があります。その際に就労時間や待遇について質問しても、クリアな回答がない場合は注意すべきです。

 

例えば面接官が笑顔で感じが良いとしても、残業時間などの質問にぼんやりした答えしかない場合、実情をごまかしていたり、開発現場を把握していなかったりすることがあり得ます。そんな時は、角が立たないように注意しつつ、その場でわからないのであれば後日連絡をもらうなどの提案をして、しっかり確認しましょう。

 

過去の作品・実績が不明瞭な時

過去の実績が不明瞭な場合、実際にはほとんどゲーム関連の仕事をしていなかったり、提示していない仕事をさせられたりする可能性もあります。

 

中にはクライアントとの守秘義務の関係上、自社サイトに開発に関わったゲームのタイトルを明示していない会社は存在します。とはいえ、タイトルや顧客の公表は不可能でも、就職希望者に自社が担当した業務の概要を言えないということは基本ありません。この点を踏まえて、実績が不明瞭な場合はまず確認し、満足できる回答がない場合、要注意企業と考えるべきでしょう。

 

収入の提示が不明瞭、または相場と極端に異なる

収入の提示が不明瞭な場合、就職してから思ったより少ないといった事態が起きがちなので要注意です。また、希望する職種の相場と極端に異なる場合も注意が必要です。相場より安い場合は、自分が望む暮らしぶりや収入が低くてもその会社に入る価値があるのかを考えましょう。

 

相場より提示額が高い場合は歓迎すべき案件かもしれませんが、例えば相場の売の金額が提示されている場合、何らかの理不尽な理由があることも考えられます。また、上限1,000万円といった書き方がされている場合、その金額は見せかけだけであって実際には500万円しか出ないかもしれません。

 

実際に求人情報には「前職の収入を考慮」、「応相談」といった記述はしばしば見られますし、その書き方自体が悪いわけではありません。ただ、収入は生活するうえでの大きな要素ですから、不明点があればしっかり確認してください。そして確認した上でぼんやりした答えしかもらえない場合、その企業には注意すべきです。

 

ゲーム会社で働くメリット

ここまではネガティブな記述が多く見られましたが、ゲーム業界には良い側面が多数あります。そのため、ゲーム業界で働くメリットをここで再確認しましょう。

 

「好き」を仕事にできる

ゲーム業界への就職を目指す人に多くみられるのは、ゲームが「好き」という気持ちであり、その分野に自分も関わりたいという憧れです。

 

もちろん、ゲーム業界の仕事は楽ではありませんし、働く中で苦労したり悩んだりすることもあるでしょう。そのため、「ゲームが好き」という気持ちだけですべてが解決するわけではありません。

 

しかし、それでもなお「好き」を仕事にしているからこそ、厳しい納期に立ち向かい品質を追求し続けることができます。また、自分が愛したタイトルに関わったり、リスペクトするクリエイターと仕事ができたりするのも、ゲーム業界ならではの喜びです。

 

多くのユーザーを喜ばせる経験ができる

ゲーム開発は大変ですが、苦労してリリースした先にはユーザーがいますし、近年はSNSなどでダイレクトに反応を得られる環境もあります。

 

もちろん多くの人に向けて提供するものですから、好ましくない反応もあるでしょう。とはいえ、「面白い」、「すごい」と言われることはゲーム開発に関わる人にとって何ものにも代えがたい大きな喜びです。

 

最新の技術に触れることができる

世の中には新しい技術や手法を仕事に取り入れなければならないとき、「大変」「面倒」と感じる人もいるでしょう。しかし、クリエイターやエンジニアであれば、新しい技術に触れるときに大きなワクワク感をもつ人が少なからず存在します。

 

そして、ゲーム開発に関わっていれば、最新の技術に触れる機会がしばしば得られます。さらに、ゲーム業界の最新技術は自分が興奮した後に、ユーザーに「こんなの見たことない!」といった喜びを提供する機会でもありますから、二度おいしいと言っても良いでしょう。

 

ゲーム会社へ転職するには?

この項目では、ゲーム会社に転職するために必要なことを列挙していきます。いくつかの項目がありますが、人によって必要な項目に着目して、前向きに取り組んでください。

 

前職の経験を生かした求人へ応募する

ゲーム業界では人材不足が慢性化していますから、経験やスキルは大きな武器になります。そのため、前職で従事していた内容を生かして転職活動をすることをおすすめします。

 

例えば異業種からゲーム業界に転職する場合でも、プログラミングに関わっていたことや、デザイナーの仕事をしていたことなどはアピールポイントになります。また、直接開発を進める仕事以外でも、営業経験や管理職の経験があればそれを生かすのもおすすめです。もちろん総務や経理、法務などバックオフィス系の経験やスキルもゲーム業界に転職する武器になります。

 

とはいえ、ゲーム業界でアピールできる材料がない人もいるかもしれません。そんな場合は次の2項目を実践してください。

 

アピールできる実績を作る

ゲーム業界の転職ではスキルが重視されるため、アピールできる材料がない場合、厳しいと言わざるを得ません。これを克服するには、まずアルバイトや派遣など、比較的入りやすい形でゲーム業界に入ることを優先する手があります。

 

ゲーム業界でもデバッガーやプランナーであれば比較的未経験者の採用が多いので、希望する雇用形態や職種とは異なっても、まず経験を積むことはプラスになるでしょう。

 

例えば最終的にデザイナーを目指している場合、「デバッガーやプランナーの経験を積んでも遠回り過ぎる」と思う人もいるでしょう。そんな人は次項を見て転職への道を切り開いてください。

 

スキルを身に着ける

ゲーム業界でアピールできるスキルや経験がないのであれば、それを補うことで不利を埋めることができます。例えば、ゲーム開発に関する専門学校や、講座を利用するとゲーム開発に必要なスキルが身につきますし、実践的な経験ができる場合もあります。また、本やネットの動画、アプリなどを使って独学で学ぶ人もいます。

 

専門学校はある程度の費用と時間を必要としますが、体系的な学びを得られますし実習もできるでしょう。講座は内容によってさまざまですが、専門学校よりは短期で費用も少ない場合が多いです。本やネットで独学する方法は比較的費用がかかりませんし、自分のペースで進めることができますが、モチベーションが維持できないと中途半端な学びで終わってしまうリスクもあります。

 

どの方法にもメリット・デメリットがあるので、状況や予算、適性など考慮して、自分にあった方法を選んでください。

 

まとめ

ゲーム業界には長時間残業ばかりしているブラックなイメージがあるようですが、それは大きな誤解です。もちろんブラック企業はどの業界にも存在しており、ゲーム業界にも存在はしています。そのため、ゲーム業界への転職を考えるのであれば、ぜひこのコラムを参考にして、ブラック企業を避けてください。

 

また、転職を効率的に進めたいのであれば、一人で活動するより転職エージェントの利用をおすすめします。「G-JOBエージェント」はゲーム業界に特化しているので、転職を希望する人のスキルや経験を踏まえて、適切なマッチングができます。また、多数のゲーム会社に太いパイプをもっているので非公開求人も多数扱っていますし、面接や提出書類対策も得意としています。

 

ゲーム業界への転職を目指すのであれば、経験の有無にかかわらず、ぜひG-JOBエージェントにご相談ください。

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