有名な大手ゲーム会社は?ゲーム業界の現状と将来性についても解説!


2022年12月28日

「楽しさ」や「自由度の高さ」、「高収入」などをイメージしてゲーム会社への就職を目指す人は非常に多く存在します。そこでこのコラムでは、ゲーム業界の概要や歴史を解説したうえで、業界大手8社を紹介していきます。また、大手と中小の違いなどにも分かりやすく触れていきますので、ぜひ最後まで読んで就職先を検討する際の参考にしてください。

 

ゲーム業界とは?

ここではまずゲーム業界そのものの概要として、市場規模や平均年収などを記載していきます。

 

市場規模・売上高

KADOKAWAグループが発行している『ファミ通ゲーム白書2022』によれば、2021年の世界のゲーム市場は21兆8927億円でした。世界中で新型コロナウイルス感染が広まって巣ごもり需要が増した2020年に比べても約6%の増加を見せており、世界レベルでのゲーム市場は堅調に成長しています。

 

ちなみに、アジア全体で見ると2020~2021の一年で市場は0.9%の微減を記録していますが、欧米の需要が増えたことで全体では増加しています。

 

ここからは、日本のゲーム業界に目を向けていきましょう。日本国内の市場規模は約2兆円で、2020年からは0.8%の微減を記録しています。とはいえ、ここ10年を見れば全体として右肩上がりの成長を遂げていますし、2020年の成長がコロナ禍の影響を受けて大きかったことを踏まえれば、この1年の微減は大きな問題ではないでしょう。

 

ちなみに、かつて日本が世界のゲーム業界を席巻していた記憶を持つ人の中には、「日本のゲーム業界は衰退している」と嘆く人もいますので、この点にも言及していきましょう。

 

まず市場規模として、世界に200近い国家が存在する中で、世界の全需要の1割程度が日本に集中しているという点で、日本は「ゲーム大国」ということができます。人口費で見れば世界の総人口80億人に対して、日本の人口はわずか1.5%しかないのに、約1割の市場を持っているのです。これらを踏まえれば、日本のゲームが世界を席巻した時代は過ぎ去ったとしても、日本のゲーム市場はまだまだ大きいことがわかります。

 

日本は以前から人口減が叫ばれていますから、日本だけの市場を見れば減少していく可能性は確かにあります。一方、世界の人口は増えていますし、ゲーム市場も増大しています。つまり、日本だけにこだわれば「衰退」という印象も浮かぶでしょうが、世界で勝負すると思えば右肩上がりの産業であるということができますから、ぜひ広い視野を持って就職を検討してみてください。

 

平均年収

ゲーム業界の平均年収は約550万円とされています。一方、日本の平均的な年収は、国税庁が発表した「令和2年分民間給与実態統計調査結果」によれば約436万円なので、ゲーム業界では100万円程度収入が高いことがわかります。

 

上記は平均値なので、中堅的なゲーム会社の年収と大きく変わりないと考えて良いでしょう。一方、大手ゲーム会社に目を向けてみると、例えば日本を代表するゲーム会社である任天堂では、平均年収が988.6万円と、日本の平均年収の倍以上であることがわかります。

 

つまり、会社ごとの差はあっても、ゲーム会社に勤める人の平均年収は一般より高く、大手であれば平均の2倍程度の年収を得ることも可能ですから、「ゲーム会社に就職したい」と思う人が多いのは納得できることです。

 

ゲーム業界の年収について解説したコラムがありますので、合わせてご覧ください。

「【プロが語る】ゲーム業界年収徹底解説ガイド 年収は高い?低い?」

 

ゲーム業界の成り立ちを簡単に振り返る

ここからはゲーム業界の成長の概略を、時系列を踏まえながら解説します。

 

1980年代

1980年代はまさにゲームの黎明期です。1978年にタイトーが「スペースインベーダー」の稼働を開始して、「ゲーム」というものに触れる人が増えました。さらに、任天堂が、1980年に「ゲーム&ウォッチ」、1983年に「ファミリーコンピューター」を発売したことによって、「ゲーム」を家庭で楽しめる時代が到来したのです。

 

任天堂の後を追って、シャープやセガ、NECなどの会社が家庭用ゲーム機を発売し、専用ソフトも次々と開発されていきます。ソフトとしては1986年に「ドラゴンクエスト」がリリースされていますし、翌87年には「ファイナルファンタジー」が発売されました。

 

このような流れから、「ゲーム会社」という存在も世の中に認知されるようになっていきます。

 

1990年代

1990年代にも各社はゲーム機やゲームソフトを次々とリリースします。その中でも1994年にソニーが「PlayStation」を発売したことは、ゲームの歴史を語るうえで欠かすことができないトピックです。

 

その時点でいくつかのメーカーがゲーム機を発売していたとはいえ、全体としては任天堂が頂点に立つ時代が続いていました。しかし「PlayStation」の登場によって、ソニーが任天堂と並ぶ勢いでゲーム業界の最大手となっていくのです。

 

一方、90年代は携帯電話でゲームを楽しむ時代の始まりでもあります。特に1999年に開始された「iモード」のサービスで、ガラケーでゲームをプレイすることが着実に一般化しはじめました。

 

2000年代

1990年代までに多数発売されて群雄割拠の状態に合ったゲーム機は、2000年代に入るまでには淘汰され、国内ではほぼ任天堂とソニーの2強時代が形成されます。家庭用ゲーム機・携帯ゲーム機それぞれ進化を遂げていきました。

 

2000年には「iモード」がヒットし、携帯電話の普及数が固定電話を上回ります。携帯電話のハード的な技術向上とアプリの多様化は、並行して劇的な進化を見せました。初期には簡易なゲームが多数を占めていましたが、次第に3D画像なども扱えるようになっていきます。

 

「ソーシャルゲーム」という概念が定着したのも2000年代のことですし、2008年にスマートフォンが登場したことで、モバイル環境下でのゲームはさらに発展していきます。

 

2010年代~

スマホでゲームをプレイするスタイルが定着した2010年代以降も、任天堂とソニーはゲーム機を新規リリースして、日本の2大ゲーム会社の地位を確立しています。また、カプコンやセガ、バンダイナムコエンタテインメントやスクウェア・エニックスなどの2000年代以前から存在するゲーム会社も、それぞれに発展をとげています。さらに、モバイル環境を利用してソーシャルゲームに特化したゲーム会社も多数生まれ、新たな群雄割拠が形成されています。

 

2022年現在で、日本国内には約2000社ものゲーム会社があると言われていますから、今後もさまざまなコンテンツが生み出されていくことでしょう。

 

また、世界では2010年代にeスポーツが盛んになり、数十億円もの賞金をめぐって白熱したバトルが繰り広げられています。これらの状況を見れば、今後もゲーム業界はユーザーに多方面からの「楽しみ」を届けてくれることは疑いありません。

 

有名な大手ゲーム会社8社

ここからは日本を代表するゲーム会社8社について概要を記載します。

 

株式会社任天堂

日本を代表するゲーム会社の一角で、1889年創業なので、すでに130年以上の歴史を持つエンタテインメントの老舗です。創業当時は花札の製造をしていましたが、1983年にファミリーコンピューター(いわゆるファミコン)を発売して以来、「ゲームボーイ」や「Nintendo 64」、「ゲームキューブ」、「DS(3DS)」、「Wii(WiiU)」、「Nintendo Switch」などのゲーム機を次々とリリースして、世界のコンシューマーゲーム機をけん引し続けています。

 

また、ゲーム機だけでなくゲームソフトも数多くヒットさせており、「スーパーマリオ」シリーズや「どうぶつの森」シリーズなど、ゲームをしない人でも知らない人はいないと言われるようなタイトルを次々と生み出してきた実績があります。

 

任天堂に対する評価としては、「年齢性別を問わず安心してプレイできる」、「有名キャラクターが豊富なので親しみやすい」などの意見が見られます。

 

2021年度の売り上げは1兆6953億円、営業利益は5927億円と発表されています。

参考:任天堂 2022年3月期 決算説明資料

 

株式会社カプコン

大阪に本社を持つゲーム会社で、40年を超える歴史を持っています。「ストリートファイター」や「モンスターハンター」、「戦国BASARA」や「ロックマン」、「バイオハザード」など、シリーズ化されて長く愛されているタイトルを多数生み出してきました。また、ゲームソフトの開発・販売だけでなく、アーケードゲームの分野でも実績を持っていますし、ゲームから映画化された作品も少なくありません。

 

カプコンに対しては、「ストリートファイター」シリーズや「ロックマン」シリーズなどのアクション作品を評価する声が多数見られます。

 

2021年度の売り上げは1100億5400万円、営業利益は429億900万円と発表されています。

参考:カプコン 決算短信・説明会資料・動画

 

株式会社セガゲームス

セガゲームスは1960年に創立されているので、すでに60年を超える歴史を持っています。コンシューマーゲーム機やアーケードゲーム、ゲームソフトなど他分野で発展してきた実績があり、現在も根強いファンを獲得しています。代表作としては「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」シリーズ、「龍が如く」シリーズ、「ぷよぷよ」シリーズ、「真・女神転生」「ペルソナ」シリーズ(グループ会社の株式会社アトラス)などがあります。

 

セガゲームスに対しては、「パズルゲームと言えばセガ」、「ソニックなどのアクションゲームも優秀」といった評価が送られています。

 

セガサミーホールディングスとしての2021年度の売り上げは3209億4900万円、営業利益は320億4200万円と発表されています。

参考:セガサミー 有価証券報告書

 

株式会社バンダイナムコエンタテインメント

「機動戦士ガンダム」シリーズなどの有名IPを多数持っており、ゲーム業界だけでなくトイ業界でも大手として知られています。1955年に当初は株式会社ナムコとして設立されており、創立50周年である2005年にバンダイとの経営統合を行っています。

 

バンダイナムコエンタテインメントに対しては、ガンダムなどの王道ロボットゲームや、たまごっちなどのトイ商品を愛する声が多数上がっています。

 

2021年度の売り上げは8892億7000万円、営業利益は1254億9600万円と発表されています。

参考:バンダイナムコ 決算短信・説明会資料

 

株式会社スクウェア・エニックス

「ドラゴンクエスト」シリーズや「ファイナルファンタジー」シリーズという、日本を代表する2大RPGを持つゲーム会社です。そもそもはスクウェアとエニックスは別の会社でしたが、2003年に合併が行われました。

 

スクウェア・エニックスに対しては、やはりドラクエとFFのシリーズを評価する声が多いようです。開発・運営しているMMOタイトルも会社を牽引しています。

 

2021年度の売り上げは3652億円、営業利益は592億円と発表されています。

参考:スクウェア・エニックス IR情報

 

株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント

任天堂と並ぶ日本のゲーム会社の双璧で、1994年に発売開始した「PlayStation」シリーズは、2022年9月末時点で、総販売台数が5億6320万台を超えているという驚異的な売り上げを誇っています。

 

ソニーに対する評価としては、PlayStationが提供してくれるゲーム環境に賛辞の声が上がっています。

 

ソニーグループ全体での2021年度の売り上げは9兆9215億円、営業利益は1兆2471億円と発表されています。また、同年のゲーム&ネットワーク部門の売り上げは2兆7398億円だったそうです。

参考:ソニーグループ 決算短信・業績説明会資料

 

株式会社ハル研究所

1980年に設立された会社で、「星のカービィ」シリーズや「スマッシュブラザーズ」シリーズなどの人気タイトルを生み出しています。ハル研究所のプログラマーだった岩田 聡氏は任天堂の社長も務めており、両社には深い関係があります。

 

ハルに対しては、カービィやスマブラなど独自性の高いゲームを生み出したことへの評価が多く見られます。

 

なお、ハル研究所は売上高を公開していません。

 

株式会社コナミデジタルエンタテインメント

ゲームソフトだけでなくアーケードゲーム機も多数手がけていますし、アミューズメントやスポーツ事業にも力を入れている会社です。「ウイニングイレブン」シリーズや「実況パワフルプロ野球」シリーズなどのスポーツもののほかに、「Beatmania」などの音楽ゲーム各種、「遊☆戯☆王」シリーズなども手掛けています。

 

コナミの作品に対する評価としては、「みんなで遊べるゲームを提供してくれてありがたい」といった声が上がっています。

 

コナミホールディングスの2021年度連結売り上げは、2726億円、営業利益は365.5億円と発表されています。

参考:コナミ IR資料室

 

大手ゲーム会社と中小のゲーム会社で見られる違い

ここからは、大手ゲーム会社と中小のゲーム会社で見られる違いを解説します。

 

ひとりの業務や裁量

大手ゲーム会社は平均的に社員数や部署が多いので、分業化が進んでいる傾向が見られます。そのため、日常の業務はそれぞれのチームやメンバーが特定の分野に特化して進めていますし、裁量も分担されがちです。

 

メリットとしては、各メンバーは落ち着いて仕事ができることや、誰かがケガや病気で休んでも大きなダメージを受けにくい体制であることなどが挙げられるでしょう。

 

デメリットとしては、個人の能力が特定の部分でしか育たない傾向が見られます。とはいえ、この点も「専門性が高い人を育てられる」というメリットの裏返しとも言えるでしょう。

 

一方、中小企業であれば、メンバーを潤沢にそろえることが難しいですから、それぞれの従業員が複数の役割を担うことが増えます。これはマルチな対応ができる人を育てやすく、決定が早い傾向がある反面、裁量が集中しすぎてキーマンが不在の時に大きなダメージを受けやすい体制と言えるでしょう。

 

個人としては複数の動きをすることが大変ではありますが、幅広い業務に関わることは管理職になるときや独立起業するときなどの布石となるでしょう。

 

福利厚生

大手企業であれば、平均的に福利厚生が整っている傾向が強いと考えて良いでしょう。

 

ちなみに、福利厚生には法定福利と法定外福利があります。労災保険や雇用保険、健康保険や厚生年金保険などは法定福利として、雇用を行う際に必須とされているものです。そのため、従業員数人の小さな会社に入ったからと言って、健康保険が無い、労災が無いということはありません。

 

一方、住宅手当や社員食堂、寮や社宅などの住居の提供や社員旅行などは法定外福利の範囲で、法的取り決めはありません。中小企業でもクラブ活動補助や健康促進などの福利厚生を用意しているところはありますが、それぞれに費用が掛かるため、大きな会社であるほど法定外福利が整っているのです。

 

ゲーム会社ならではの福利厚生としては、ゲーム購入費の補助や、ゲームし放題・マンガ読み放題の休憩室を設置するなど、一般企業より柔らかい取り組みも見られます。

 

有名なゲーム会社に就職・転職する上で大切なポイント

ゲーム業界は就職先として人気がありますから、有名企業となればかなりの競争率が予想されます。そのため、ゲーム会社の側から見れば優秀な人が多数エントリーすることになり、学歴なども含めて非常に高いハードルがあると考えるべきでしょう。そのため、自身の学歴やスキル、経験値などが有名なゲーム会社の目に留まるかどうかをまず検討してみることをおすすめします。

 

なお、大手ゲーム会社の内定を勝ち取ることは容易ではありませんが、中小のゲーム会社で経験を積み、スキルを上げてから転職を目指すという方法はあります。

 

ゲーム会社は慢性的に戦力不足を訴えていますから、提示できるスキルや経験があれば、中小ゲーム会社への入社はかなり現実的な選択と言えます。

 

そのため問題となるのは、自身の経験やスキルでどの程度の会社に入ることができるかを冷静に分析・判断する力です。そんな時役立つのが、ゲーム業界に特化した就職・転職エージェントです。有能なエージェントは、各社の採用の傾向を踏まえていることが多いですし、エントリーに向けた適切なアドバイスもしてくれるでしょう。

 

ゲーム会社研究の為のおすすめ書籍の紹介!

この項目では、「ゲーム会社」という存在を知るための書籍を2選紹介します。

 

ゲームの今 ゲーム業界を見通す18のキーワード

多数の著書を出しているゲームジャーナリスト徳岡 正肇氏が、ビジネスやカルチャー、テクノロジーなどのさまざまな視点からゲーム業界を見通しています。2015年刊行なので、2022年現在の「今」ではありませんが、2015年にゲーム業界に関わった人たちがどのようなことを考えていたのかがわかります。

 

「現在」はもちろん過去の先人たちが築いてきたものですから、過去を見直すことで現在のゲーム業界を再考することができるでしょう。

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図解即戦力 ゲーム業界の仕組みと仕事がこれ1冊でしっかりわかる教科書

ゲーム事情に精通しており、昨今はeスポーツ関連の取材を精力的に行っているライター:岡安 学氏の著作です。ゲーム業界の全体像を解説したうえで、ゲーム会社をクリエイティブ面やマーケティング面などから、鋭くとらえ直しています。ゲーム業界が抱える問題点などにも切り込んでおり、幅広い考察も多数語られています。

 

文字情報だけでなく図も豊富なので、読みやすく仕上げられたゲーム関係者の必読書です。

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まとめ

ゲーム業界への就職や転職を目指す人に向けて、業界そのものの市場規模や歴史をまとめたうえで、ゲーム業界の大手8社を紹介しました。

 

「日本のゲーム業界の衰退」を唱える人は存在しますが、しっかりと数値を見れば十分な市場があり、成長を見込めることがわかります。そのため、業界自体に不安を持つ必要はありません。

 

とはいえ、誰もが知るような有名なゲーム会社は非常に競争率が高い存在です。もちろん、大手にエントリーして内定を勝ち取る人は存在しますが、自信が無い人にとって頼れるのは経験豊富な就職・転職エージェントです。ゲーム業界に特化したエージェントなら、希望とのミスマッチを避けられますし、的確なアドバイスも得られます。

 

ゲーム会社への就職を考えるなら、ぜひ信頼できる就職・転職エージェントを利用しましょう。

 

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