ゲームクリエイターに必要な資格とは?転職に有利になる資格を紹介


2023年3月28日

ゲームクリエイターは人気が高い職種ですから、ライバルに差をつけるためにも関連資格の取得を考える人は多いでしょう。そこでこのコラムでは、ゲームクリエイターへの転職を目指す際に役立つ資格を紹介していきます。このコラムを読むことで、ゲームクリエイターとして転職活動をする際に有利に進めるヒントが見つかるかもしれません。ぜひ参考にしてください。

 

そもそもゲームクリエイターに資格は必要?

そもそも、「ゲームクリエイターになるために資格は必要か?」という問いには、「就職に向けたエントリー時に資格を必須としている会社はほとんどない」という答えが適切です。

 

では、「資格を取ることに意味がないのか?」というと、そんなことはありません。ゲームクリエイターは高い専門性を要求される仕事なので、知識やスキルの証明である資格を持っていれば、就職活動のプラスになります。

 

また、資格を持っていることは、「目標に向かって具体的な努力ができる」という証明になるので、この点も就職活動上のアピールポイントになります。さらに、苦労して資格を取った記憶は自己肯定感を上げてくれるので、就職してから自信をもって業務に取り組むための支えにもなるでしょう。

 

とはいえ、就きたい職種と無関係な資格を持っていても、就職活動時のプラスにはなりません。そのため、ここからの項目では、個別の職種で持っていると役立つ資格を紹介していきます。

 

ゲームクリエイターとして持っておくと役に立つ資格

「ゲームクリエイター」という名称は、デザイナーやプログラマー、シナリオライターやプランナーなど非常に多様な職種を含んでいます。そのため、ゲーム業界を目指す人が持っていて便利な資格は、ゲームクリエイター全般に役立つ資格と、デザイナーやプログラマーなど各専門職に役立つ資格に分類されます。

 

それを踏まえて、まずゲームクリエイター全般に役立つ資格を紹介したうえで、ゲームデザイナーやゲームプログラマー、ゲームサウンドクリエイターやゲームシナリオライターの順に記載します。全ての資格について概要や難易度を紹介し、運営元と公式ページへのリンクも挙げています。

 

なお、各資格試験の難易度や学習時間の参考値は、受験する人の知識や経験によって異なりますので、あくまでも参考と考えてください。

 

ゲームクリエイター全般で持っていると役立つ資格

ここでは、とくに分野にこだわらずゲームクリエイター全般として持っていると役立つ資格を紹介します。

 

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が運営している国家資格です。ITエンジニアとしての基礎的な知識を習得していることが求められますので、エンジニア系の人も多く受けますが、ゲーム業界ではプランナーやディレクター、プロデューサーにもおすすめします。

 

出題範囲としては情報処理関連全般にわたり、非常に広いので、過去問からしっかりと傾向を学んでおく必要があります。

 

例年の合格率は25%程度と難易度が高く、国家資格であることからも、転職時に大きくアピールできる資格です。学習時間の参考値としては、ITエンジニアとしてのスキルがすでにあれば50時間程度、知識が薄い人なら200時間程度を予定してください。

 

また、指定の講座を受講して修了試験に合格していれば、午前中の試験が免除されます。そのため、ステップを踏んで確実に資格取得したいと思う人には、指定講座の受講をおすすめします。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「基本情報技術者試験」

 

マルチメディア検定

マルチメディア検定は、公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が運営する検定です。ITやWebに関連する人に広く向けられた資格なので、専門職のクリエイターも多数受験しますが、ゲーム業界ではプランナーやディレクター、プロデューサー職の人にもおすすめです。

 

出題範囲としては、マルチメディアの基礎やPCおよびネットワークの仕組みのほか、マルチメディアを社会にどのように応用するか、など幅広く設定されています。

 

基礎的知識を問うベーシックと、専門的理解や応用力を問うエキスパートの2段階が設定されており、レベルに応じた受験が可能です。ベーシックの合格率は例年70%程度、エキスパートは20%前後です。

 

学習は過去問の理解を中心に進めることをおすすめします。学習時間の参考値としては、ある程度ITやWeb関連の知識を持つ人で、ベーシック受験前に50時間程度、エキスパートなら100時間程度は確保しましょう。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「マルチメディア検定」

 

ゲームデザイナーが持っていると役立つ資格

この項目では、ゲームデザイナーが持っていると役立つ資格を紹介します。

 

Photoshopクリエイター能力認定試験

世界的シェアも大きいAdobe社のグラフィックツール、「Photoshop」を使用するうえでの知識やスキルを認定する資格試験です。ビジネスで役立つ資格を多数扱っているサーティファイ情報処理能力認定委員会が運営しています。

 

スタンダードとエキスパートの2段階があり、スタンダードでは実技問題と実践問題が出題されます。一方、エキスパートは実技問題と実践問題に加えて、知識問題も出ます。

 

Photoshopはデザインに関連する仕事で幅広く使用されていますし、ゲームデザイナーにとっても基本的ソフトのひとつです。実践性が高いこの資格を持っていることは就活のプラスになるでしょう。

 

試験はPhotoshopの実技を含むので、使用経験を持つことを前提としています。合格率はスタンダード、エキスパート共に70%前後とされているので、高難易度の試験ではありません。これらを踏まえて、過去問の傾向を踏まえること、20~30時間程度は学習しておくことをおすすめします。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「Photoshopクリエイター能力認定試験」

 

Illustratorクリエイター能力認定試験

IllustratorはAdobe社がリリースしているグラフィックデザインツールです。画像を扱う点で前述のPhotoshopと似た側面もありますが、Photoshopがビットマップデータを扱うことに対して、Illustratorで扱うのはベクターデータです。

 

Illustratorクリエイター能力認定試験を運営しているのは、サーティファイ情報処理能力認定委員会です。試験にはスタンダードとエキスパートというランクがあり、どちらも受験資格はありません。運営会社の発表では、スタンダードもエキスパートも合格率70%程度です。

 

どちらのランクも準備は必要ですが、しっかり備えておけば決して難しい資格試験ではありません。スタンダードなら20時間程度、エキスパートなら60時間程度、過去問を踏まえて学習しておきましょう。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「Illustratorクリエイター能力認定試験」

 

CGクリエイター検定

CGクリエイター検定は、公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が運営する検定です。2Dおよび3Dを扱うクリエイターに向けた内容で、ベーシックとエキスパートという2つのランクが用意されています。

 

ベーシックではCG自体の基礎知識から画像表現の基礎、CGを扱う上での技術的な基礎知識が問われます。一方エキスパートでは、ベーシックで出題される基礎的な知識に加えてシーン構築やプロダクションワークなどの実践的な知識も要求されますし、知的財産権やファイルの規格など職業上持っていると便利な内容も含まれます。

 

ベーシックは例年60%を超える合格率で、準備は必要ですが高難易度というレベルではありません。過去の出題を踏まえた30時間程度の事前学習でクリア可能でしょう。一方、エキスパートは合格率20%程度と難易度が大きくアップします。合格に向けた準備時間も100時間程度とされており、しっかりした準備無くして合格はありません。それだけに取得する価値が高い資格であるとも言えます。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「CGクリエイター検定」

 

CGエンジニア検定

CGエンジニア検定は、ゲームやアニメ、映画などの分野でCG関連の仕事をするプログラマーやエンジニアを想定された資格検定です。公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が運営しています。

 

CGの歴史や理論、画像処理などの基礎知識を確認するベーシックと、基礎知識に加えて応用的な知識も盛り込んだエキスパートの2ランクが用意されています。

 

ベーシックは例年60%を超える合格率で、過去問を踏まえた準備をしっかりしていれば取れない資格ではありません。一方エキスパートは合格率35%前後と、かなり難易度が上がります。エキスパートを受験するのであれば、過去問を中心に50時間以上の学習が必要と考えてしっかり準備しなければなりません。難易度が高いということは、取っていれば転職時のアピール材料にもなるということですから、頑張り甲斐もあるでしょう。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「CGエンジニア検定」

 

画像処理検定

画像処理検定は、エンジニアやプログラマー、開発技術者に向けて、画像処理関係の資格を複数扱っている公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が運営しています。

 

ベーシックとエキスパートの2ランクがあり、ベーシックでは画像処理や画像関連プログラミングの基礎知識を身に着けているかが確認されます。ベーシックの合格率は60%程度、画像関連の情報処理に関わっている人なら30時間程度の学習が必要と考えられています。

 

一方、エキスパートの場合、基礎的な内容だけでなく、幾何学的変換や画像符号化なども含まれるなど専門性が上がります。合格率も30%程度とかなり厳しくなるので、学習時間を100時間程度確保できるように準備する必要があります。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「画像処理検定」

 

ゲームプログラマーがもっていると役立つ資格

この項目では、ゲームプログラマーが持っていると役立つ資格を紹介します。

 

応用情報技術者(AP)

応用情報技術者(AP)は、ITエンジニアの技術的知識や管理能力などの向上を目的として設立された国家資格です。運営しているのは独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)で、試験は春と秋、年2回開催されます。

 

プログラム開発の知識だけでなく、情報セキュリティやプロジェクトマネジメント、経営戦略など幅広い分野の問題が出されます。選択式の問題だけでなく記述式の問いもあり、合格率が20%程度と高難易度な資格として知られています。そのため、情報処理関連の基礎的な知識は十分に持っていることを前提とする上級者やプロとして数年活躍している人が対象となっています。

 

国家資格であり、高難易度ですから、取得していることで一定以上の知識を持ち、体系的に学ぶ素養があることを証明できます。準備学習時間は、独学であれば200~500時間程度必要なので、しっかりと用意をして試験に臨みましょう。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「応用情報技術者(AP)」

 

C言語プログラミング能力認定試験

C言語プログラミング能力認定試験は、C言語の基礎的な知識を習得していることを確認する試験です。サーティファイ情報処理能力認定委員会が運営しており、1~3級というレベルで選択して受験することができます。

 

3級はC言語の基礎的理解を問う試験で、初級者向けの内容です。2級は初級の知識に加えて、ある程度のプログラミングができる技能が要求されます。3級と2級はマークシートや穴埋めの記述式試験ですが、1級ではテーマプログラムを仕様に沿って変更するなどの実技試験が含まれるので、実際のプログラム能力やデバッグスキルが無ければ合格できません。

 

各級個別の合格率は発表されていませんが、1~3級の平均合格率は65%前後とされています。学習は参考書や過去問をこなしていく形で進め、100時間程度確保することをおすすめします。転職時に優位になることを考えるなら2級以上の取得を目指しましょう。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「C言語プログラミング能力認定試験」

 

Java™プログラミング能力認定試験

Java™プログラミング能力認定試験は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が運営している民間資格です。Java™プログラミングの基礎知識や専門性を認定する資格で、1~3級が設定されているので、知識や技術のレベルに応じた受験が可能です。

 

3級はJava™プログラミングの基礎知識があり、簡易なプログラムを作製できるレベル、2級は基礎知識に加えてある程度のプログラムができるレベルでオブジェクト指向の理解も必要です。1級は知識レベルの高さに加えて、コンパイラやエディタを用いた実技試験もあるのでJava™プログラミングを十分に理解し、使いこなしていることが試されます。

 

各級の合格率は公開されていませんが、2021年の平均合格率は52.2%と発表されています。3級がある程度合格しやすい内容であることを踏まえれば、1級の合格率は40%以下、あるいは30%以下であることも想像できます。その分、2級以上を取得すれば転職に役立ちますので、ぜひ計画的に学習して取得を目指してください。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「Java™プログラミング能力認定試験」

 

Unity 認定技術者

世界でも広く使用されているゲームエンジンUnityを扱うスキルを証明する試験です。Unityを開発したアメリカのユニティ・テクノロジーズが運営しており、ユーザー、アソシエイト、プロフェッショナル、エキスパートという4つのランクが用意されています。

 

ユーザーは初心者向けとされているので転職活動上のプラス効果は望めません。アソシエイト以上がプロ向けで、プロフェッショナルは2~4年の実務経験がある人、エキスパートは5年以上の職務経験がある人を対象としているので、経験値や理解度を踏まえて受験しましょう。

 

Unity 認定技術者に関しては合格率は不明ですが、プロフェッショナル以上の資格があれば転職活動にも役立つでしょう。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「Unity 認定技術者」

 

オラクルマスター

オラクルマスターは、オラクル社の「Oracle Database」を使ったデータベース管理スキルを証明する資格試験です。Oracle Databaseをリリースしているオラクル社が管理しており、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの4つのレベルが設定されています。

 

ブロンズはデータベースの基礎知識を問う内容で、シルバーはデータベース運用担当者向け、ゴールドはデータベース管理者向けに設定されています。プラチナはデータベースのエキスパートの資格とされていますが、2023年3月現在まだ運用されていないので、現時点ではゴールドが最高位です。

 

オラクルマスターの合格率は公開されていませんが、以下の公式サイトでブロンズ、シルバー、ゴールドの学習ガイドが公表されています。基本的には過去問の学習や、オラクルがリリースしている各ランクのラーニングサブスクリプションの学習が有効です。

「オラクルマスター」

 

ゲームサウンドクリエイター(デザイナー)が持っていると役立つ資格

この項目では、ゲームサウンドクリエイター(デザイナー)が持っていると役立つ資格を紹介します。

ゲームサウンドクリエイターとは?サウンドプログラマーとの違い・転職に役立つ資格を紹介

 

サウンドレコーディング技術認定

一般社団法人日本音楽スタジオ協会(JAPRS)が運営している資格試験です。試験問題はすべて選択記入式で、実技はありません。ただし内容としては、音響理論や録音の歴史、著作権の関連などの基礎知識と、レコーディング技術に関連する実践的な知識が問われます。

 

また、合否判定はなく、試験結果をAからEのランクで判定されるというスタイルを特徴としています。1000点満点中、901点以上はAランク、以下200点刻みでランク付けされ、200点以下がEランクといった要領です。

 

このようなスタイルの試験なので、合格率という概念はありません。より高得点を目指すためには過去問の学習が適しています

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「サウンドレコーディング技術認定」

 

Pro Tools技術認定

ゲームサウンドを作るうえで必須ソフトウェアであるDAWの一種:Pro Toolsに関連する内容のほか、ミキシングの基礎知識なども問う資格試験です。一般社団法人日本音楽スタジオ協会(JAPRS)が運営しており、合否判定ではなく、点数を踏まえたAからEのランクで判定されるので、合格率という概念もありません。

 

試験内容は「Pro Tools概要」、「録音・編集」、「ミキシング」、「シンク・MIDI・ファイル管理など」の4分野に分けられています。マークシートで四者択一方式なので、実技の試験はありません。

 

転職の際にPro Tools技術認定試験を必須としている会社はあまりありませんが、サウンド会計の求人であれば、業務内容にPro Toolsの使用を記載している会社は多数あります。そのため、この認定試験で高ランクを取っていれば、就職活動時のアピール材料になるでしょう。学習のスタイルとしては、過去問から学んで、自身の不足する部分を補うことが有効です。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「Pro Tools技術認定」

 

映像音響処理技術者資格認定

映像音響処理技術者資格認定は、映画やゲーム、テレビなどの映像作品に関連する音響の基礎知識を持っていることを証明する試験です。一般社団法人日本ポストプロダクション協会(JPPA)が運営しており、2023年現在は国内40か所の会場で試験を受けることができます。

 

60%以上の得点を取ると合格とされており、試験開催は毎年1回、出題はマークシートで四者択一方式です。合格率70%前後と言われていますから、それほど難易度が高い試験ではありません。とはいえ、3割程度は不合格となる人がいるわけですから、過去問を解いて傾向を理解するなど、しっかり準備して試験に臨みましょう。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「映像音響処理技術者資格認定」

 

ゲームシナリオライターが持っていると役立つ資格

この項目では、ゲームシナリオライターが持っていると役立つ資格を紹介します。

 

文章読解・作成能力検定

文章読解・作成能力検定は、公益財団日本漢字能力検定協会が運営している試験で、「文章検」と略されることもあります。2級、準2級、3級、4級が存在しており、それぞれ70%程度の正解率で合格できます。

 

各級で基礎力、読解力、作成力を問う問題が出ますが、転職活動でアピールするなら2級の取得をおすすめします。各級の合格率は公式発表されていませんが、50%程度と言われています。半数が不合格となるのですから、文章力に自信がない人にとっては高難易度かと思われます。

 

一方、もともと文章が得意な人であれば、決して難しい試験ではありません。学習方法としては、過去問題集を1~2冊取り組む必要があります。

 

くわしくは以下の公式サイトをご参照ください。

「文章読解・作成能力検定」

 

まとめ

ゲーム業界に転職する際に役立つ資格について、運営元の情報や試験概要、難易度や勉強方法について記載しました。

 

資格を持っていることは、知識や技能の証明であるとともに、目標に向かって努力できる資質を示すことにも役立ちますし、自己肯定感を高める材料にもなります。比較的取りやすい資格から高難易度の国家資格までさまざまですが、目指す職種に役立つ資格を探して、ぜひ計画的に取得を目指してください。

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