ゲームシナリオに使える!おすすめツールを紹介!
2023年12月27日
ゲームシナリオライターを目指している人の中には、「手軽にゲームシナリオ作成ができるツールが欲しい」、「無料アプリでゲームシナリオを作りたい」と思っている人は少なくないでしょう。
そこでこのコラムでは、ゲームシナリオ作成に使用できる代表的なツールを紹介します。ゲームシナリオライターを目指す人はぜひ参考にしてください。
そもそも、ゲームシナリオ作成の工程
ゲームのシナリオを作るには、以下のような工程が存在します。
- テーマ、内容を決定する…世界観や大枠のストーリー、起承転結を最初に大きく決めておく
- キャラクターを設定する…主要キャラクターのビジュアルや性格、背景を決める
- プロットを作る…テーマや内容に沿って、ある程度の展開を決める
- プロットに沿ってシナリオを書く…ユーザーが実際に見るセリフや状況説明の文章を書き、背景やSE(サウンドエフェクト)なども指定する
- テーマに沿っているか、内容にブレや無理がないか、ユーザーが楽しめるか、などをチェックする
なお、上記の工程は会社やプロジェクト、ゲームのジャンルなどによって異なることはご理解ください。
一般的なシナリオ作成との違い
ゲームシナリオがテレビドラマや映画のシナリオと大きく違うのは、複数の展開があることです。
テレビドラマや映画を見る場合、視聴者はでき上がった作品を見るだけで、展開を左右することはありません。一方、ゲームではプレイヤーの操作が介在するので、シナリオは一本道ではなく様々な分岐が生じます。この点は次項の「特徴①:シナリオの選択肢数の多さ」で詳しく解説します。
上記以外には、セリフとモノローグで構成することが多いこと、文字数やタップ数の指定があることなど、ゲームならではのシナリオの特徴があります。
また、画面上に出る文字が見やすいこと、テンポが良いこと、できるだけ簡潔なこと、などもゲームシナリオに求められる要素です。そのためセリフだけでなく、「地の分(セリフではない説明文)」をコンパクトにすることも重視されます。
特徴①:シナリオの選択肢数の多さ
ゲームはテレビドラマや映画と異なり、ユーザーが操作することによって画面上に変化が起こります。ユーザーの操作がストーリー全体にどの程度影響を与えるかはゲームによって異なり、ユーザーの選択次第で結末がハッピーエンドになったりバッドエンドになったりするゲームもあります。
また、ストーリーの骨子は変わらないとしても、ユーザーがゲーム内キャラクターの動作を選ぶだけでもシナリオ上の分岐が発生します。例えば主人公が敵に遭遇した際に、攻撃するか、防御するか、逃げるか、などの選択によって、そのあとのセリフや動作も変わるからです。
つまり、ゲームシナリオがテレビドラマや映画と異なるのは、シナリオが一本道ではなく、何らかの分岐が存在する点にあります。そのためゲームのシナリオライターは、ゲームの展開を左右する選択肢や、動作上の選択肢のすべてに対応しなければなりません。
特徴②:立ち絵を作成・指定する
「立ち絵」とはゲーム内に登場するキャラクターの画像です。シナリオライターは、立ち絵とセリフを合わせて指定する作業を行います。
テレビドラマや映画の場合、画面上に人物が見えていなくても音声が入る演出はごく普通に行われます。これは登場人物ごとに俳優が割り振られているので、視聴者は声質や話し方から誰のセリフなのかを容易に判別できるからです。
一方ゲームの場合、立ち絵とセリフをセットにする演出が圧倒的に多いです。画面上に立ち絵が出ていないキャラクターのセリフが入る展開がないわけではありませんが、テレビドラマや映画に比べると多くはありません。
ゲームによってはすべてのセリフに声が当てられない場合がありますし、1人の声優が何十人ものキャラクターを演じることもあります。そのため、立ち絵と一致しないセリフがあると、プレイしているユーザーに混乱が生じやすいのです。
特徴③:SE(サウンドエフェクト)の指定
テレビドラマや映画のシナリオでは、SE(サウンドエフェクト)の指定を細かくすることはあまりないと思います。一方ゲーム制作においては、シナリオの段階でSEをすべて指定することが一般的です。ちなみにSEや背景を指定する際には「//」という記号の後にSEや背景の名称を書き込みます。
また、音声をオフにしてゲームをプレイするユーザーも多いことから、展開上重要なSEは画面上で文字表記する点もゲームならではの特徴です。ドアが開く音で誰かが部屋に入ってきたことを知らせる場合、音を消しているプレイヤーはその演出が文字表示されなければ展開が理解できません。そのため、「ドアが開く音がした」などの表記が必要なのです。
ゲームシナリオライターになるための要素について詳しく書いたコラムがありますので、ぜひ合わせてご参照ください。
→「ゲームシナリオライターになるには?必要な資格・スキル・キャリアパスを紹介」
ゲームシナリオ作成に使える!おすすめツールを紹介!
この項目では、ゲームシナリオを作る際に便利なツールを用途ごとに紹介します。
※なお、紹介しているツールの機能や料金は2023年12月現在の情報です。
ゲームシナリオのアウトライン作成におすすめのツール
まずシナリオの構成やアウトラインを考える際におすすめしたいツールを紹介します。
Cacoo
『Cacoo』はシナリオ専用のツールではなく、フローチャートやマインドマップ、組織図やワイヤーフレームなどの作成に広く使用されているオンライン作図ツールです。
非常に多くのフォーマットが用意されていますし、図の作成が直感的にできるので、ゲームの企画やプロットなどを作ることにも向いています。
『Cacoo』は個人利用のプロプランなら月額660円ですが、初めて使用する際は14日間の無料利用が可能です。
スマートフォンで利用可能なおすすめのツール
ここからは、スマートフォンでも利用できるシナリオ作成ツールを紹介します。
Writer
『Writer』は自動保存機能や文書作成アシスタント機能を持つ文書作成ツールです。Focusモードにすると、執筆中の行だけの表示が強調されるので、書いている部分に集中できます。また、クラウド上での共同作業や、完成後のロック機能なども充実しています。
『Writer』は全機能が無料で利用できますし、PC、スマートフォンのどちらでも利用できて便利です。
Nola
『Nola』は物語を書くためのエディタツールとして開発されており、小説やゲームシナリオなどに利用できます。
プロット機能があるので、構想段階から使用できますし、登場人物や世界観の情報を保存できることや相関図が作成できることなど、物語を作る人に便利な機能が豊富です。PCとスマートフォンのどちらでも使用可能で、基本無料で使用できます。
無料版ではプロットの構成が起承転結のみに限定されています。一方、月額300円の課金をしてプレミアム会員になるとプロットが自由に構成できるようになりますし、原稿のフォルダ分け機能が利用できます。
SS Writer
『SS Writer』は「会話創作に特化したメモ」と開発者が公言しているアプリです。キャラクターの名前を入力しておくと、リストから選んで誰が言葉を発するのかを指定できます。入力した会話がチャット状に表示されるので、シナリオのチェックがしやすいですし、何度もキャラクターの名前を入力する必要がありません。
OSはiOSとAndroidに対応しており、どちらも無料で使用可能です。
ゲームシナリオ作成に使える、エディタツール
この項目では、ゲームシナリオの作成に使えるエディタツール2点を紹介します。
Word/Googleドキュメント
『Word』はMicrosoft社が開発したワードプロセッサーです。1983年のリリース以来40年もの歴史をもっているので、ワードプロセッサーのスタンダード的な位置づけとなっています。
また、近年は『Googleドキュメント』も代表的な文書作成エディタとして広く活用されています。Googleアカウントを作っていれば誰でも利用できますし、多人数による同時編集や自動保存も可能です。
Pages
『Pages』は、Apple社の多くのデバイスに標準的に搭載されているワードプロセッサーアプリです。直感的な操作がしやすい点や、テンプレートが豊富にある点などが大きな特徴です。代表的なワードプロセッサーである『Word』と比較されることが多いですが、有料である『Word』に対して、無料で使用できる点が『Pages』の強みのひとつです。
ノベルゲーム作成に使えるツール
以下では、ノベルゲームに特化したツールを紹介します。
ティラノビルダー
『ティラノビルダー』はノベルゲームに特化したツールです。『ティラノビルダー』があれば、イラストとシナリオを用意するだけで、プログラムのスキルがなくてもノベルゲームを作ることができます。
『ティラノビルダー』はスタンダード版なら無料で利用できますし、商業的な利用も可能です。また、1,480円課金してPro版にすると、登場キャラクター数が無制限になりますし、キャラクターを振動させたり左右反転ができたりします。
まとめ
ゲームシナリオライターを目指す人に向けて、ゲームシナリオ制作の流れや、ゲームシナリオ作成に便利なツールを紹介しました。ゲームシナリオの作成に便利なツールは多数存在しているので、ぜひこの機会に自分に合うツールを探してみてください。
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