【保存版】コンシューマーゲームとは徹底解説!歴史や代表作までご紹介!
2023年9月1日
ゲームをする人なら「コンシューマーゲーム」という言葉は聞いたことがあると思います。とはいえ、言葉の意味や定義をはっきり言える人は少ないのではないでしょうか?そこでこのコラムでは、コンシューマーゲームの定義を解説し、コンシューマーゲーム機の歴史や代表的な機種、取り巻く環境などを解説します。
コンシューマーゲームとは何を指す?
まずは、「コンシューマーゲーム」という言葉の意味や、どんなゲームを指すのかを解説します。なお、ゲーム関連の記事でも「コンシューマーゲーム」という言葉を使う場合に、ハードとソフトを混同して書くものがあり、読み手に取ってわかりにくいと感じられる内容も見られます。
当コラムではその点を踏まえて、ハードに関して書くときは「コンシューマーゲーム機」、ソフトに関して書くときは「コンシューマーゲーム」と記載します。
定義
「コンシューマーゲーム機」は「家庭用のゲーム専用機器」と定義できます。そのため、アミューズメント施設のゲーム機はコンシューマーゲーム機ではありません。また、スマートフォンやパソコンは家庭でゲームをすることに使えますが、ゲーム”専用”機ではないので、やはりコンシューマーゲーム機ではありません。
また、「コンシューマーゲーム」は、「コンシューマーゲーム機でプレイするゲーム」と定義できます。とはいえ、近年は家庭用ゲーム機でプレイするタイトルが、パソコンやスマートフォンでプレイできることが多いので、ソフトである「コンシューマーゲーム」は「コンシューマーゲーム機」ほど明確に定義できません。
携帯電話やスマートフォンなどのモバイル機器が一般化する以前は、ゲームをプレイするためのハードウェアは、ゲームセンターなどにあるアーケード機か、任天堂やソニーが販売する家庭用ゲーム機のどちらかでした。そのため、この時代には「コンシューマーゲーム機」は「アーケードゲーム機」の対義語として存在したということができます。
その後、スマートフォンなどのモバイル機器が普及してもハードの区別は明確です。しかし、ソフトに関しては、クロスプレイ化が進んだことで境界があいまいになっている現状があります。
ちなみにコンシューマー(consumer)という英単語は「消費者」という意味で、コンシューマーゲームは和製英語です。そのため、英語圏で「コンシューマーゲーム」と言っても、家庭用ゲーム機でプレイするゲームとしては伝わりません(英語圏ではコンソールゲームと言います)。
ゲームの型による分類
ここからは、コンシューマーゲーム機の分類を解説します。
据え置き型
「据え置き型」と言っても、コンシューマーゲーム機は、どれも子どもでも持ち運べるサイズです。実際に多くの人がコンシューマーゲーム機を友人宅や旅行先に持って行ったことがあると思います。
そのため、移動が可能かどうかという観点ではなく、プレイするとき本体を手に持たず、床などに置くことや、テレビなどの別の画面に接続することを前提としたゲーム機と考えると分類しやすいでしょう。
携帯型
携帯型は本体自体を持ってプレイするゲーム機です。また、持ち運べるだけでなく屋外で遊ぶことも想定していることが多いです。そのため、据え置き型のように別途モニターを用意する必要がなく、本体自体に画面を有しています。
他のゲームジャンルと何が違う?
この項目では、コンシューマーゲーム(ソフト)に関して他の分類との違いを解説します。
スマホゲームとの違い
スマホゲームとは名称の通りスマートフォンでプレイするゲームを指します。スマホゲームはスマートフォンでプレイできるように、iOSやAndroidなどのOSに対応しています。このため、コンシューマーゲームとスマホゲームの違いは対応するハードウェアとOSの違いと言ってよいでしょう。
ソーシャルゲームとの違い
ソーシャルゲームはSNSを利用してプレイするゲームです。スマホを利用してプレイすることが多いので、スマホゲームとソーシャルゲームの区別はあいまいになりがちです。定義としては、ソーシャルゲームはスマホゲームに含まれると記憶するとわかりやすいでしょう。
コンシューマーゲーム機の代表的なものは?
ここでは、コンシューマーゲーム機の代表的なものを、携帯型と据え置き型に分けて紹介します。
携帯型
任天堂の「ニンテンドーDS(3DS)」や、ソニーの「PlayStation Portable」などがここに分類されます。(遊び方や捉え方によっては「Nintendo Switch」もこちらに分類)
2000年代頃までは、ほかのメーカーの機種が多数ありましたが、任天堂やソニーが強かったことや、スマートフォンなどのモバイル機器の普及によって淘汰されています。
据え置き型
任天堂の「ファミリーコンピュータ」から「Nintendo Switch」までの歴代機種や、ソニーの「PlayStation」シリーズ、Microsoftの「Xbox」シリーズなどが据え置き型に分類されます。
過去には多数の機種がありましたが、時代の流れとともに淘汰され、上記の機種が生き残っています。
Unityというゲーム開発エンジンで作られた有名ゲームを紹介したコラムがあるので、興味がある方はご参照ください。
→「【あの有名ゲームも?】Unityで作られたゲームを徹底解説します!」
コンシューマーゲーム機の歴史・潮流は?
この項目ではコンシューマーゲーム機をより詳しく知るために、世代による変化を解説します。コンシューマーゲーム機は以下のように9つの世代に分けることができます。(実際に発売された機体は下記に示すよりはるかに多いですが、いくつかを選んで記載しています)
・第1世代:1970年代
代表的据え置き型:オデッセイ(マグナボックス)/カラーテレビゲーム15(任天堂)
代表的携帯型:Mattel Auto Race(マテル)
・第2世代:1970年代後半~1980年代前半
代表的据え置き型:Atari 2600(アタリ)/インテレビジョン(マテル)/コレコビジョン(コレコ)
代表的携帯型:ゲーム&ウオッチ(任天堂)/ゲームポケコン(エポック社)
・第3世代:1980年代前半~1980年代中盤
代表的据え置き型:ファミリーコンピュータ(任天堂)/セガ・マークIII(セガ)
代表的携帯型:ゲームボーイ(任天堂)/ゲームギア(セガ)/PCエンジンGT(日本電気ホームエレクトロニクス)
・第4世代:1980年代後半~1990年代前半
代表的据え置き型:PCエンジン(日本電気ホームエレクトロニクス)/メガドライブ(セガ)/スーパーファミコン(任天堂)
代表的携帯型:ノーマッド(セガ)/ゲームボーイポケット(任天堂)/ネオジオポケット(SNK)/ワンダースワン(バンダイ)
・第5世代:1990年代中盤~1990年代後半
代表的据え置き型:Atari Jaguar(アタリ)/プレイディア(バンダイ)/セガサターン(セガ)/PlayStation(ソニー)/PC-FX(NECホームエレクトロニクス)/ピピンアットマーク(バンダイ)/NINTENDO64(任天堂)
代表的携帯型:ゲームボーイアドバンス(任天堂)//N-Gage(ノキア)
・第6世代:1990年代後半~2000年代前半
代表的据え置き型:ドリームキャスト(セガ)/PlayStation 2(ソニー)/ニンテンドーゲームキューブ(任天堂)/Xbox(Microsoft)
代表的携帯型:ニンテンドーDS(任天堂)/PlayStation Portable(ソニー)
・第7世代:2000年代中盤~2000年代後半
代表的据え置き型:Xbox 360(Microsoft)/PlayStation 3(ソニー)/Wii(任天堂)
代表的携帯型:ニンテンドー3DS(任天堂)/PlayStation Vita(ソニー)
・第8世代:2010年代前半~2010年代後半
代表的据え置き型:Wii U(任天堂)/PlayStation 4(ソニー)/Xbox One(Microsoft)
代表的携帯型:Nintendo Switch Lite(任天堂)/Playdate(Panic)
・第9世代:2010年代後半~
代表的据え置き型:Nintendo Switch(任天堂)/PlayStation 5(ソニー)/Xbox Series X(Microsoft)
代表的携帯型:なし
第1世代は1970代から80年代前半くらいで、世の中に家庭用ゲーム機が登場して少しずつ発展していきます。
第3世代になるとついに任天堂からファミリーコンピュータ(ファミコン)が登場しますし、携帯型のゲームボーイも生み出されています。
そして第4、第5世代と多数のメーカーから家庭用ゲーム機が生み出されていきます。ソニーのPlayStationが発売されたのもこの時期です。また、携帯型ゲーム機はカラーになり画像のレベルもどんどん向上します。
第7世代以降は機能こそ高まっていますが、商品数がすっかり減ります。これは携帯電話やスマートフォンが浸透してきた歴史と無縁ではないでしょう。
第8世代以降はほぼ任天堂、ソニー、Microsoftのみの市場となっています。また、携帯型そのものの発売はほぼなくなりましたが、任天堂のSwitchは据え置き型と携帯型の両方の良さを取り入れた商品として広く市場に出回っています。
最近コンシューマーゲームは減っている?
スマホゲームの浸透もあって、ゲームと言えばコンシューマーゲームだった時代は過去になりました。ここではコンシューマーゲームが減った理由を記載します。
売り上げ規模の問題
角川アスキー総合研究所が2023年1月に発表した「グローバルゲームマーケットレポート2022」によれば、2022年の世界のゲーム市場の収益の50%はモバイルゲームでした。一方コンシューマーゲームは28%、PCゲームが22%となっており、数字的にスマホゲームの市場が圧倒的に大きいことは明確です。
これはスマホゲームがいつでもどこでも手軽に遊べることや、コンシューマーゲームが専用機を必要とすることに対して、スマホはすでに誰もが持っていることも関係しているでしょう。また売り切り型のコンシューマーゲームより、追加課金していくスマホゲームの方が売り上げが上がりやすい特性もあります。
製作コストの問題
コンシューマーゲームは年々製作コストが増し、製作自体が難しくなっている実情があります。また、コンシューマーゲームは完成したものを販売するために、リリースまでの期間が長い特徴もマイナスに作用しがちです。
一方、スマホゲームはコンシューマーゲームに比べると期待値が小さいことや、運用しながら内容を付け足していけることなどで初期コストが小さい特徴を持っています。そのため、ゲーム会社としてはスマホゲームの方が着手しやすく、利益回収もしやすいのです。
ただし、近年はスマホゲームも大作志向が進んで製作コストが上がったこと、運用費も上昇していることなどで、コンシューマーゲームも見直されています。現状の市場バランスがどのように変化するかを予測するのは難しいですが、コンシューマーゲームとスマホゲームの動向には今後も注意が必要です。
ゲーム業界の会社ごとの売り上げに興味がある方は、ぜひ以下もご参照ください。
→「ゲーム会社の売上・年収ランキングとゲーム業界の今後の動向を解説」
まとめ
「コンシューマーゲーム」という言葉の定義をまとめ、コンシューマーゲーム機の歴史や、現状の市場動向などを解説しました。
スマホゲームの普及以前はコンシューマーゲームが世の中を席巻していたので、その時代に比べるとコンシューマーゲームの衰退を感じる人もいるかもしれません。しかし、コンシューマーゲームには実際に多くのファンがいますし、見直されている現実もありますから、今後の動向を注視していく必要があるでしょう。