ゲーム会社の売上・年収ランキングとゲーム業界の今後の動向を解説


2023年1月31日

このコラムでは、ゲーム会社への就職を目指す人に向けて、ゲーム会社の売上と平均年収が高い会社をランキングで紹介します。「より大きく売上を上げているゲーム会社に入りたい」、「やっぱり少しでも年収が高い会社を目指したい」という人に役立つ情報を多数掲載しています。また、ゲーム業界で就活をする際のポイントや、業界全体の動向や今後についても解説していますので、会社選びに迷っている方はぜひ最後まで読んで参考にしてください。

 

ゲーム会社売上ランキング

まずは、ゲーム業界の売上ランキングを知りたい人に向けて2021~2022年の上位10社を紹介します。また、各社の特徴や代表作なども紹介しますので、エントリーを目指す方はぜひ参考にしてください。

※なお、ランキング順位は、業界動向サーチのゲーム業界 売上高ランキング(2021-2022年)を参照しています。

 

1位:ソニーグループ

ソニーグループは、家電や半導体などの電気・電子機器のほか、エンタメ関係も幅広く取り扱う創業的な企業です。ゲームの分野では、1994年に発売したゲーム機「プレイステーション」シリーズが、現在も世界を代表するゲーム機として知られています。「プレイステーション」シリーズはどの機体も大きな売上を上げていますが、近年発売したPS5だけでも、2022年11月時点の販売台数が2500万台を超えたと報告されています。

 

2023年1月現在、PS5は新型コロナウイルス感染拡大に関連した部品の不足で、まだ世界に十分に普及しているとは言えませんから、今後もPS5の販売台数が伸びていくことは確実視されています。

 

なお、ソニーグループのこの年の売り上げは、2兆6743億円でした。

 

2位:任天堂

任天堂は1889年の設立以来、130年を超える実績を持つゲーム業界の老舗的な企業です。とはいえ、任天堂は単に長く続いていることだけでその名が世界に知られているわけではありません。1983年に発売した「ファミリーコンピューター」以来、家庭用ゲーム機というハードウェアの分野では、前述のソニーと並んでツートップと言えるポジションに君臨し続けています。

 

また、「スーパーマリオ」シリーズや「ポケットモンスター」シリーズ(現在は株式会社ポケモンが運営)などの往年の名作を生み出しただけでなく、「スプラトゥーン」シリーズなど、2022年にもソフトウェアの分野で大ヒットを飛ばしています。このように、ハードウェアとソフトウェアの両面で日本のゲーム業界を牽引し続けている点で、任天堂の存在は日本のゲーム業界を語るうえで欠かせないものとなっています。

 

なお、任天堂のこの年の売り上げは1兆6953億円でした。

 

3位:バンダイナムコホールディングス

バンダイナムコホールディングスは、ゲームの分野でも広く知られていますが、玩具やアニメ、音楽などエンタメの各ジャンルでその名を知られている企業です。

 

ゲームに関しては、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ドラゴンボール」シリーズなどの有名IPを利用したタイトルの開発に強みを持っています。また、「テイルズ オブ」シリーズのようにオリジナルタイトルの開発でも大きな業績を残しています。

 

なお、バンダイナムコホールディングスのこの年の売り上げは3735億円でした。

 

4位:スクウェア・エニックス・ホールディングス

スクウェア・エニックスは、日本のロールプレイングゲームの代表作としてその名を知らない人はいない「ドラゴンクエスト」シリーズと「ファイナルファンタジー」シリーズを有するゲーム会社です。

 

もちろん実力も実績も豊富なゲーム会社ですから、上記の2大タイトル以外にもヒット作は多数存在します。例えば「サガ」シリーズや「キングダムハーツ」シリーズ、「聖剣伝説」シリーズなど数えきれないほどの名作を残しています。

 

なお、スクウェア・エニックス・ホールディングスのこの年の売り上げは3652億円でした。

 

5位:ネクソン

ネクソンは日本に本社を置く企業ですが、設立されたのが韓国であることなどもあってか、以前からグローバルな市場を舞台としてゲーム事業を展開しています。また、「アラド戦記」や「メイプルストーリー」などの代表作が、長くヒットし続けていることも大きな特徴です。これらの強力な自社IPが存在することで、新しい取り組みを展開する起点となっています。

 

実際に、2022年には企業内のゲームブランドであるMINTROCKETから「デイブ・ザ・ダイバー」をリリースしていますし、さらに、「The First Descendant」、「Veiled Experts」という2作品をリリースするとの発表もされています。このように、ネクソンは今後も躍進が期待されるゲーム会社です。

 

なお、ネクソンのこの年の売り上げは2744億円でした。

 

6位:サイバーエージェント

サイバーエージェントは主軸とする事業をインターネット広告事業としていますが、テレビ放送やブログサービスなどのメディア事業の分野でも大きな功績を残しています。また、2011年にはCygamesを設立しており、グループ全体としてゲーム開発の分野にも力を入れています。

 

代表的なタイトルとしては、「グランブルーファンタジー」や「プリンセスコネクト!」シリーズのほか、「ウマ娘 プリティーダービー」などがあります。さらに、恋愛マッチングアプリや定額音楽配信サービスなども展開しており、幅広い事業を行う会社としても知られています。

 

なお、サイバーエージェントのこの年の売り上げは2623億円でした。

 

7位:セガサミーホールディングス

セガサミーホールディングスは、パチンコやパチスロなどの遊技機で知られたサミーが、ゲーム開発の実績を豊富に持つセガを経営統合して2004年に設立された会社です。遊技機関連事業とゲーム事業はどちらも健在ですが、アニメ制作会社などを傘下に持つ総合エンタメ企業としても知られています。

 

ゲームの代表作としては、「ぷよぷよ」シリーズや「ソニック」シリーズなど、誰もが楽しめる往年の有名タイトルを多数保持しています。また、「龍が如く」シリーズや、「女神転生」「ペルソナ」シリーズ(子会社のアトラス株式会社)などの非常に個性的なタイトルが多数存在する点もセガサミーホールディングスの大きな特徴です。

 

なお、セガサミーホールディングスのこの年の売り上げは2359億円でした。

 

8位:コナミグループ

コナミグループはゲームの分野において、ソフトウェア開発とアミューズメント機器の両面で活躍してきた歴史を持っています。また、スポーツクラブの運営のほか、カジノマネジメントシステムの開発など、幅広い事業も手掛けています。企業としては「価値ある時間」の創造という理念を掲げていて、さまざまな角度から楽しさを提供しています。

 

ゲーム事業においても、「桃太郎電鉄」シリーズや「遊戯王」シリーズなどの往年の名作から、「Beatmania」シリーズなどの音楽ゲーム、「パワフルプロ野球」シリーズや「プロ野球スピリッツA」などスポーツを主題としたタイトルまで多数提供しています。

 

なお、コナミグループのこの年の売り上げは2143億円でした。

 

9位:ガンホー・オンライン・エンターテイメント

ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、1998年に設立された会社で、初期にはネットオークションを手掛けていました。その後2002年に事業の主軸をオンラインゲームサービスに変更し、多数のゲームを生み出していきます。そんな中で、2012年にリリースした「パズル&ドラゴンズ」がヒットしたことで、日本の誰もがその企業名を知るゲーム会社として成長を遂げています。

 

また、近年も「ニンジャラ」や「ラグナロクオリジン」など、さまざまなヒットタイトルを生み出し続けている点で技術力の高さも広く実証されています。

 

なお、ガンホー・オンライン・エンターテイメントのこの年の売り上げは1046億円でした。

 

10位:ミクシィ

ミクシィは、1997年に求人情報サイトの運営を行う会社として創業されています。その後、2004年に立ち上げられたSNSサービス「mixi」のサービスが多くの人に利用されるようになって、世の中に広く認知されていきました。

 

ゲームの分野では、2013年にリリースした「モンスターストライク」が大ヒットしたことで頭角を現し、現在もゲーム関連の事業は継続されています。「モンスターストライク」シリーズ以外のゲームとしては、「共闘ことばRPG コトダマン」が知られています。また、オリジナル劇場アニメ「プロメア」や、タツノコプロとの共同プロジェクトを立ち上げて作り出したアニメ・「パンドラとアクビ」などがあります。ほかにも競馬情報メディアを運営する企業を子会社化するなど、近年も幅広いチャレンジを続けています。

 

なお、ミクシィのこの年の売り上げは912億円でした。

 

ゲーム会社年収ランキング

ここからは、ゲーム会社の2021~2022年の年収ランキング上位10位の企業を紹介します。さらに、各社の特徴や代表作なども紹介しますので、「平均年収が高いゲーム会社に入りたい」と思う人はぜひ参考にしてください。

※なお、ランキング順位は、業界動向サーチのゲーム業界 平均年収ランキング(2021-2022年)を参照しています。

 

1位:スクウェア・エニックス・ホールディングス

2021~2022年、業界内で最も平均年収が高かったのはスクウェア・エニックス・ホールディングスでした。この年の平均年収は1427万円で、2位以下に200万円以上の差をつけて独走しています。

 

スクウェア・エニックスと言えば、日本のロールプレイングゲームの代表作とも言える「ドラゴンクエスト」シリーズや「ファイナルファンタジー」シリーズが有名です。この2大シリーズはそれぞれMMOのオンラインタイトルも非常に好調で、収益の大きな柱となっています。2022年にも新作が発表されましたし、2023年にも「ファイナルファンタジー」のナンバリングタイトルのリリースが発表されているので、今後もスクウェア・エニックスの動向には注目が必要です。

 

2位:バンダイナムコホールディングス

バンダイナムコと言えば、「機動戦士ガンダム」や「ドラゴンボール」などの有名IPを利用したゲームが有名でしょう。しかしバンダイナムコが扱う作品の多様さには目を見張るものがあります。

 

例えば「ワンピース」や「ジョジョの奇妙な冒険」、「僕のヒーローアカデミア」などの週刊少年ジャンプ関連作品が多数存在しますし、「ドラえもん」や「ウルトラマン」、「仮面ライダー」などの日本のレジェンドとも言えるIPを扱う作品なども数えきれないほどあります。また、「太鼓の達人」や「パックマン」など、以前から存在するゲーム発祥のIPも埋もれさせることなく利用できている点も特徴的です。

 

なお、バンダイナムコホールディングスのこの年の平均年収は1205万円でした。

 

3位:ソニーグループ

ソニーに関してゲームの話をする場合、ハードウェアである「プレイステーション」シリーズが取り上げられることが一般的です。しかしその一方で、ソフトやアプリのリリースも多数行っています。例えば「みんなのGOLF」シリーズや「Marvel’s Spider-Man」、「ぼくのなつやすみ」や「Ghost of Tsushima」、「ワンダと巨像」や「グランツーリスモ」シリーズなど、IPのジャンルやテイストは多岐にわたります。

 

また、ソニーグループは2022年7月にアメリカのゲーム会社バンジーを買収しています。バンジーはハードウェアではなくソフトウェアを扱う企業ですから、今後、ソニーグループの元でゲームソフトの開発が進む可能性が期待されています。

 

なお、ソニーグループのこの年の平均年収は1084万円でした。

 

4位:任天堂

任天堂は、1980年代からハードとソフトの両面で日本のゲーム会社を牽引する存在として、世界中に知られ続けています。2022年末に発表されたTSUTAYA年間ゲームランキングでは、1位に「スプラトゥーン3」、4位に「星のカービィ ディスカバリー」、5位に「Nintendo Switch Sports」、10位に「マリオカート8 デラックス」と、任天堂がリリースした作品が4タイトルもランクインしています。これを見ると、歴史ある老舗でありながら、今なおユーザーを獲得し続けている驚異的な存在とも言えるでしょう。

 

なお、任天堂のこの年の平均年収は988万円でした。

 

5位:ディー・エヌ・エー

ディー・エヌ・エーは1999年に設立された会社です。ホームページを見ると「エンタメも、社会課題解決にも全力で」というメッセージが大きく書かれているだけあって、展開している事業は非常に幅広い領域にわたっています。

 

具体的にはゲーム事業のほかに、ライブストリーミングやヘルスケア・メディカル、スポーツや便利な暮らしづくり、新領域や新しいものづくり、ビジネス創出などが紹介されています。また、プロ野球チームやサッカーチームなどを運営していることも広く知られています。ディー・エヌ・エーの代表的なゲームとしては、「メギド72」や「逆転オセロニア」などがあります。

 

なお、ディー・エヌ・エーのこの年の平均年収は850万円でした。

 

6位:グリー

グリーは2004年に設立された会社です。事業を展開する範囲は非常に幅広く、ゲーム・アニメ事業やメタバース事業、コマース事業やDX事業、マンガ事業や投資・インキュベーション事業などが行われています。

 

ゲームの分野では、2007年にリリースした「釣り★スタ」が世界初のモバイルソーシャルゲームと公表されています。また、その後も「アサルト リリィ Last Bullet」や「アナザーエデン 時空を超える猫」、「ヘブンバーンズレッド」など多数のタイトルをリリースしてゲーム業界での立ち位置を確保しています。

 

なお、グリーのこの年の平均年収は819万円でした。

 

7位:セガサミーホールディングス

セガサミーホールディングスは、娯楽の分野で幅広い事業展開を行っています。例えば、家庭用ゲームやオンラインゲームを生み出すだけでなく、パチンコやパチスロなどの遊技機メーカーとしても知られています。さらに、ゲームセンター等に設置されるアミューズメント機器分野でもユーザーとの接点を確立しています。

 

このように多数の事業を展開することで、まず時代やトレンドの変化に対するリスクヘッジができます。また、それぞれの分野でヒットしたタイトルを自社IPとして活用できることも大きな強みとなっています。分野を超えて自社IPを利用した具体例としては、2022年に自社の強力IPである「ソニック」を扱ったアニメを配信で提供しています。単に事業を展開する範囲が広いだけでなく、それぞれの分野で相乗効果を上げる体制があることがセガサミーホールディングスの強みと言えるでしょう。

 

なお、セガサミーホールディングスのこの年の平均年収は805万円でした。

 

8位:アカツキ

アカツキは2010年に設立された会社です。その年のうちに「育てて☆マイガール」と「暴走堕天使」という2つのゲームをリリースして、ゲーム業界に知られる存在となっています。組織の価値観として、「信頼と自立」、「規律と創造」、「挑戦と学習」という3つの柱を掲げており、ゲーム事業とコミック事業を主として展開しています。

 

アカツキがリリースしているゲームの代表作としては、「シンデレラナイン」シリーズや、「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」、「ロマンシングサガ リ・ユニバース」などがあります。

 

なお、アカツキのこの年の平均年収は777万円でした。

 

9位:サイバーエージェント

サイバーエージェントのゲーム事業は、2014年のリリース以来、長くヒットを続けている「グランブルーファンタジー」や「プリンセスコネクト!」シリーズのように自社IPを活用した強さに支えられています。その一方で、「ドラゴンクエスト」や「アイドルマスター」、「バンドリ!」などの他社IPでもしっかりとヒットを残している点でも、会社として高い開発力を持っていることを証明しています。さらに、2021年2月にリリースした「ウマ娘 プリティーダービー」は、その年の9月には1600万ダウンロードを突破するという大きなヒットを記録しています。

 

「ウマ娘 プリティーダービー」のヒットは、サイバーエージェント1社のトピックスというだけでなく、この年の日本のゲームを代表する1作とも言われるほどの話題作として、各所で取り上げられています。

 

なお、サイバーエージェントのこの年の平均年収は771万円でした。

 

10位:コナミグループ

コナミのゲームと言えば、「パワフルプロ野球」シリーズや「ウイニングイレブン」シリーズなどのスポーツ関連タイトルが広く知られています。またその一方で、「桃太郎電鉄」シリーズのように子どもから大人まで楽しく遊ぶことができるゲームのイメージも強いことでしょう。

 

そんな中で、1994年にリリースされた「ときめきメモリアル」シリーズは、恋愛シミュレーションゲームとして2023年現在も多くのユーザーを獲得し続けています。また、2021年にリリースされた「ときめきメモリアル Girl's Side 4th Heart」はユーザーに愛されるだけでなく、「週間ファミ通」の新作ゲームクロスレビューでゴールド殿堂入りするほど、業界内でも高い評価を得ています。

 

なお、コナミグループのこの年の平均年収は744万円でした。

 

ゲーム会社に就職・転職する際のポイント

ゲーム業界は一般的な平均より年収が高いこともあって、就職・転職の競争率が高いことで知られています。そのためここからは、厳しい実情を踏まえたうえで、ゲーム会社に就職・転職する際に考えておくべきポイントを記載します。

 

職種の求められるスキルと自分の長所を関連付ける

多くのゲーム会社は、ホームページの採用情報などで職種ごとに求めるスキルや経験を記載しています。そのため、まず気になるゲーム会社の採用情報を熟読し、求められているスキルと、自分自身が持つスキルや得意なことを関連付けすることが重要です。

 

ゲーム開発に役立つスキルや、CGやシナリオを作成してきた経験など、マッチング度合いが高いスキルがあれば、その点はしっかりとアピールしましょう。また、マネジメント経験やプレゼンテーションスキルなど、人生の中で蓄えてきたものをうまく結びつけることで、「入社した場合その会社にどのような貢献ができるのか」を明確にしましょう。

 

志望動機を明確にする

ゲーム会社への志望動機としては、「ゲームが好き」を強調する傾向が見られます。「好き」は苦労を乗り越える原動力なので非常に重要ですが、それだけを強調されても採用担当者の関心を引くことは困難です。そのため、ゲーム業界を目指した理由や、その会社でなければならない理由を明確にするように注意しましょう。

 

例えば、「その会社のタイトルを楽しんだ」というエピソードだけでなく、そのタイトルの続編を作るプロジェクトにアサインされた場合、貢献できる内容を提示することは有効です。さらに、その未来を目指してスキルアップしてきたことを語れば、「好き」、「アピール」、「その会社でしかできないこと」が結び付いた明確な志望動機となるでしょう。

 

自分のアピールポイントを明確にする

エントリーの際や面接の際、無難に行き過ぎると採用担当者の記憶に残りません。また、自分を良く見せようとして「なんでもできる」という雰囲気を出してしまうと、むしろ信用されません。よほどのキャリアを持って転職する人ならともかく、新卒者が「なんでもできる」ことはあり得ないからです。

 

このような問題を回避するためにも、自分自身のアピールポイントはどこなのかを明確にすることが非常に重要です。「これだけは他者に負けない」というストロングポイントがあれば、まずそれを中心に話を進めましょう。また、目立った特色が無い場合でも得意分野はあるでしょうから、その分野と志望動機が絡むような構成を考えましょう。

 

必要なスキル・知識を身につける

目立った経験やスキルが無い場合、エントリーまでに何か勝負できるスキルや知識を身につけることをおすすめします。その際おすすめしたいのは、資格を取得する、あるいはプログラミングスクールに行くなどです。あるいは自作のゲームを作ってみるなどすれば、スキルや知識を身に付けるとともに、「御社への就職を目指してこのような取り組みをしました」と過程をアピールすることもできます。

 

ゲーム業界の動向と現状

ここからは、ゲーム業界の動向と現状を、世界と日本の両面から見ていきましょう。

 

『ファミ通ゲーム白書2020』、『ファミ通ゲーム白書2021』、『ファミ通ゲーム白書2022』(角川アスキー総合研究所発行)によれば、2018年以降、世界のゲーム市場は成長を続けています。数値としては、2018年は約13.2兆円、2019年は約15.7兆円、2020年が約20.6兆円、2021年は約21.9兆円だったそうです。

 

2020年に大きく伸びているのは、世界各国で新型コロナウイルス感染拡大が起こったことで巣ごもり需要が高まったことが要因だと分析されています。「このようにいちじるしい伸びが見られた翌年は、反動で市場が下降気味となるかもしれない」という懸念もありましたが、2020年から2021年も成長は続いています。これらを踏まえると、世界のゲーム市場はまだ頭打ちではなく、伸びしろがあるという見方が濃厚です。

 

一方、日本国内に目を向けると、2012年から続いていた市場規模の拡大は、2020年から2021年にかけての1年間で微減に転じました。低下の原因を見ると、オンラインプラットフォームと家庭用ハードの分野は横ばいを維持しているものの、家庭用ソフトの分野で低下が発生しています。

 

しかしこの数値は、単純にゲームソフトだけの問題とは言えない部分があります。2020年に発売されたソニーのPlayStation5が新型コロナウイルス拡大による半導体不足で、普及が今一歩進んでいないことも微減の要因となっていると思われるからです。

 

PlayStation5は2023年には現在よりも広く普及する動きが広がっているため、国内ゲーム市場の活性化が期待されています。

 

ゲーム業界の今後はどうなるのか?

前の項目では市場規模に着目しましたが、この項目ではゲーム業界全体の今後を検討していきます。

 

2020年から世界市場に影響を与えた新型コロナウイルスは、巣ごもり需要を生み出した一方、工場生産力の低下が起こってハードウェアの普及にマイナスの影響を与えました。また、コロナ禍の影響でゲーム関連のリアルイベントが激減した時期もありました。

 

2023年1月現在は、新型コロナウイルス感染拡大が完全に収まったとは言えませんが、eスポーツをはじめとするリアルイベントや東京ゲームショウなどは2022年には再開されています。

 

前の項目であるゲーム業界の動向と現状でも解説したように、ゲーム業界の市場については、日本国内では横ばい状態ではあるものの、世界レベルで見れば成長が続いています。そのため、業界の将来が暗いわけではありません。とはいえ、少子化も進む日本国内での極端な伸びは期待できないのも現実です。これらを総合すると、国内だけを視野に置くのではなく、世界の市場を見据えたゲーム開発が生き残りのカギとなっていくことでしょう。

 

さらに、ゲームの分野についての動向も解説しましょう。2021年の日本国内でのユーザーの分布を見ると、最も多いのはアプリユーザーで約4200万人、家庭用ゲームユーザーが2787万人、PCゲームユーザーが448万人と報告されています。この数値を見ると、アプリゲームが最も大きなシェアを獲得していることがわかります。

 

個別のタイトルを見ると、2022年には任天堂の『スプラトゥーン3』や『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』などの大ヒットタイトルが登場しました。また、フロム・ソフトウェアの『ELDEN RING』はクオリティの高さで大きく評価され、2022年を代表するタイトルとなっています。

 

このように、確かな業績を残すゲームが次々と生みだされている点を見れば、ゲーム業界の未来には明るい光がさしていると言えるでしょう。

 

まとめ

ゲーム業界への就職・転職を考えている人に向けて、売上と平均年収トップ10の会社を紹介し、各社の特徴や代表作などを解説しました。

 

ゲーム会社は一般企業に比べると平均年収が高いですし、ヒットタイトルを生み出せば収入アップもしやすい風土があるので、チャレンジングな精神を持つ人や、クリエイティブな業種で生きていきたい人にとって非常に人気があります。そのため、競争率が高いことから「狭き門」としての特徴も知られています。これらを踏まえて、ゲーム会社で就職・転職活動を行う際のポイントを記載しましたのでぜひ参考にしてください。

 

さらに、「業界全体がどうなっていくのかを見極めて就職・転職活動に活かしたい」と思う人に向けて、現在の状態や今後の予想も記載しています。ゲーム業界には競争率の高さや、世界と勝負していく必要が上がっていることなど、厳しい面もあります。

 

それでもなお、毎年話題となるゲームは多数誕生し、多くの人に楽しまれており、夢がある業界であることは間違いありません。そのため、ぜひ希望を持って前向きに就職・転職活動を進めてください。

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