Pythonでゲーム開発をする方法とは?Pythonでゲーム開発をするメリットを解説


2023年4月28日

ゲーム開発をするために、Pythonを習得すべきなのかと悩んでいる人も多いでしょう。Pythonは汎用性が高い言語で、主に機械学習やデータ分析、Webアプリ開発などの開発現場で採用されています。ゲーム開発でも用いられることが多いので、ゲームエンジニアになりたい人におすすめの言語です。

 

この記事では、Pythonでゲーム開発をする方法やゲーム開発に役立つライブラリ・ゲームエンジンの紹介、ゲーム開発にPythonを採用するメリットなどについて解説します。Pythonをゲーム開発のために習得すべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

Pythonとは

Pythonは、汎用性が高く、機械学習やデータ分析、Webアプリ開発、ゲーム開発などができるプログラミング言語です。

 

Pythonは人間が理解しやすくわかりやすい言語と言われています。日常的な会話に近い構成なので、プログラミング初心者でも理解しやすく習得しやすい言語です。学習難易度が低い割に、ゲーム開発に必要な機能はしっかりとそろっています。

 

Pythonを習得すれば自分でゲームを開発でき、Web上で開発したゲームを公開することも可能です。しかも、学習難易度が低いため、開発環境さえ整えば手軽に開発を始められるでしょう。

 

ただし、PlayStationやNintendo Switchなどのコンシューマー機向けのゲーム開発を行う場合は、別の特殊な開発環境が必要です。

 

Pythonでゲーム開発をする方法

Pythonでゲーム開発を行う方法はいくつかあります。ここでは、ゲーム用ライブラリを用いる方法、ゲームエンジンを用いる方法、コードから開発する方法の3つの方法についてご説明します。

 

開発効率や品質を求めるなら、ライブラリやゲームエンジンを利用することをおすすめします。そして、ライブラリやゲームエンジンでは実現できない細かいカスタマイズや独自の機能を作り込みたい場合に、コードで開発するのが良いでしょう。

 

ゲームエンジンについては、以下の記事も併せてご覧ください。

ゲームエンジンとは?種類・特徴・メリット・ゲーム開発に必要なスキルを解説

 

そこまで大掛かりなゲームを開発するわけではないのなら、コードから直接作成しても良いでしょう。また、Pythonを一から学びたいという場合は、コードを用いて簡単なゲームを開発していくのがおすすめです。

 

このように目的によってゲーム開発の方法は異なるので、自分に合った方法を選んでください。

 

ゲーム用ライブラリを使用

ゲーム用ライブラリとは、ゲームを開発する際によく使う機能や部品をまとめたものです。

 

コントローラーからの入力制御やキャラクターの動きなど、ゲーム開発に使う機能を一から開発しても、開発効率が悪いです。そこでゲーム用ライブラリを活用すれば、すでに出来上がっておりテストも終わっている部品をそのまま活用できるため、開発効率がアップします。

 

ゲーム用ライブラリをうまく活用するためには、どのようなライブラリがあるのか、ライブラリのなかにどのような機能があるのかを把握することが重要です。

 

Pythonでよく使われるゲーム用ライブラリには、「PyGame」や「tkinter」などがあります。これらのゲーム用ライブラリについての詳細については、後述する『Pythonでゲーム開発ができるライブラリ・ゲームエンジンとは』をご覧ください。

 

ゲームエンジンで作成

ゲームエンジンとは、ゲーム開発を行う際に役立つ機能や素材、開発環境などが集まった統合開発環境のことです。

 

たとえば、ゲーム内に登場するキャラクターやその動き、背景の山や海、岩などの素材を一から作成するのは困難です。そこでゲームエンジンを活用すれば、あらかじめ用意されたこれらの素材をカスタマイズしてゲームを開発できます。また、ゲーム開発のプログラミングがしやすいエディタや実行環境なども用意されています。

 

ゲームを開発するためには、グラフィックや音楽、コマンド入力、当たり判定などさまざまな要素を開発しなければなりません。ゲームエンジンにはこれらの素材や要素がすでにインストールされているので、効率的にゲーム開発を進められます。

 

ゲームエンジンとしては「Unity」や「Unreal Engine 4」などが有名ですが、Pythonには「Pyxel」や「Panda3D」などがあります。

 

コードで作成

ゲーム用ライブラリやゲームエンジンを使わなくても、Pythonで一からプログラミングをしてゲーム開発を行うことも可能です。ただ、上記で説明したようなすでに出来上がった部品や快適にゲーム開発ができる開発環境などのメリットは得られません。簡単なゲームを開発したい、ゲームを開発しながらPythonを学びたいなどの場合に、コードを一から作成していくのが良いでしょう。

 

ネット上にはPythonで開発したゲームのサンプルコードや、ゲーム開発者によるPythonのゲーム開発に関するコミュニティなどもあります。これらの情報を参考にしながらコードを作成していくことで、Pythonについて学ぶことが可能です。

 

Pythonでゲーム開発ができるライブラリ・ゲームエンジンとは

Pythonでゲーム開発を行う際に役立つライブラリについてご説明していきます。

 

PyGame

PyGameは、Pythonでよく使われるゲーム用ライブラリのひとつです。クロスプラットフォーム対応なので、Windows、Mac OS、Linuxなど対応したゲーム開発ができます。

 

ゲームを開発する際に必要なグラフィック、音声などの操作モジュールなどがそろっており、Pythonによるゲーム開発を効率良く進められるでしょう。ゲーム開発だけでなく、GUIアプリの開発にも用いられることがあります。

 

PyGameは長くPythonゲームエンジニアの間で使われてきたライブラリなので、情報が多く使いやすいでしょう。ネットなどで簡単に必要な情報を得られるため、プログラミングノウハウを学びやすいです。Pythonでゲーム開発を行うなら、ぜひ活用してください。

 

tkinter

tkinterはPythonのクロスプラットフォーム対応のGUIライブラリです。Windows、Mac OS、Linuxなど対応したゲーム開発ができます。「ティーキンター」、「ティーケーインター」などと呼ばれます。

 

tkinterはPythonの標準装備ライブラリなので、開発環境にPythonをインストールすれば自動的についています。他のライブラリはインストールしなければ利用できず、開発環境によってはうまく対応しない場合もあります。しかし、tkinterは最初から付属しているため、インストールに手間取ることもないでしょう。

 

ただ、標準装備のライブラリなので、他のGUIライブラリに比べると機能面が乏しいというデメリットもあります。そのため、Pythonによるゲーム開発を始める際には、まずはtkinterを使って2Dゲームなどを作成してゲーム開発スキルを磨きましょう。慣れてきたら必要な機能を求めて他のライブラリに手を出してみてください。

 

cocos2D

cocos2DはPythonの2Dゲーム開発のためのフレームワークです。

 

フレームワークとは、システム開発を行う際の枠組み、のことです。cocos2DはPythonで2Dゲームを開発するための枠組みで、そこにゲームのシナリオやキャラクター、世界観などを決めていくことで2Dゲームを開発できます。ゲームの仕組みそのものを一から開発するのは大変ですが、フレームワークがあればゲームの枠組みができているので、あとは細かい部分を開発していくだけです。Pythonで2Dゲームを作成する際には、cocos2Dを活用すれば効率良く開発を進められます。

 

ただ、cocos2Dの公式サイトはもう何年も更新されていない状態です。cocos2Dから派生したcocos2D-xは活発に更新されており、そちらの開発に注力しているようです。cocos2D-xはC++で開発されているゲームエンジンで、iOSやAndroidにも対応しています。

 

cocos2Dはほとんど更新が止まっているフレームワークですが、Pythonでゲームを開発したいなら十分使えるでしょう。

 

Pythonでゲーム開発をするメリット

Pythonでゲーム開発を行うメリットについてご説明します。

 

文法がシンプルで初心者でも開発しやすい

Pythonは文法がシンプルでわかりやすく、初心者でも開発しやすいというメリットがあります。そのため、プログラム初心者が最初に習得する言語として、おすすめです。

 

プログラミング言語を勉強する際に覚えるべきことが多く難解だと、なかなかゲームを制作するところまでたどり着けません。それだとプログラミングの楽しさを感じる前に、挫折してしまうケースも多いです。

 

しかし、Pythonなら習得しやすいので、ある程度勉強すれば簡単なゲームを開発できるようになります。何か動くものを作れるとプログラミングの学習ははかどり、さらに勉強しようという気になるでしょう。

 

また、これからゲーム開発をしていくなかで、Python以外の言語を習得しなければならない場合もあります。その際に、一つの言語を習得しておけば基本的なプログラミングスキルが身についているので、次の言語を習得しやすくなるというメリットもあります。

 

そのため、ゲーム開発者になりたいなら、比較的習得しやすいPythonから始めるのは非常におすすめです。

 

今後ゲーム開発以外でも知識を活用できる

Pythonは、ゲーム開発以外にも、機械学習、データ分析の分野の開発やWebアプリの開発が得意です。そのため、Pythonを習得しておけば今後ゲーム開発以外の分野に進むことも可能です。

 

機械学習やデータ分析の分野は今後ますます需要が高まっていくことが予想されますし、Webアプリ開発の需要も高いです。そのため、Pythonを習得すれば幅広い分野で活躍できるエンジニアになれるでしょう。

 

Pythonで作られたゲーム事例をご紹介

Pythonで開発されたゲームについてご紹介します。

 

トゥーンタウン・オンライン

トゥーンタウン・オンラインはディズニーキャラクターたちが暮らすトゥーンタウンを舞台にした、MMORPGです。インターネットを通じてさまざまなプレイヤーと協力プレイができ、トゥーンタウンを悪者から守るストーリーを楽しめます。

 

このトゥーンタウン・オンラインはPythonで開発されています。ディズニーの世界のマップ上に可愛いディズニーキャラたちが登場し、自分のキャラクターを自由に操作することが可能です。ディズニーワールドのかわいらしい世界観のなかで、他プレイヤーとの協力プレイやガーデニングなどさまざまな要素を楽しめるゲームです。

 

バトルフィールド2

バトルフィールド2は2005年にリリースされたアクションシューティングゲームで、Pythonによって開発されました。

 

前作の「バトルフィールド1942」はチーム戦を楽しめるコンバットアクションの傑作と言われており、PCゲームプレイヤーの間で人気が高いゲームです。その続編であるバトルフィールド2は、近未来のアジアを舞台にした他国との架空の戦争をモチーフにしています。

 

全世界で100万本も売れた大ヒットゲームですが、このような人気タイトルもPythonで開発が可能です。

 

Pythonを用いたゲーム開発スキルを習得する方法

Pythonによるゲーム開発スキルを習得するためには、いくつかの方法があります。

 

書籍で勉強する方法、プログラミングスクールに通う方法、実際にゲーム開発をしてみる方法、ゲーム会社に就職して実務から学ぶ方法などです。どの方法にもメリットやデメリットがあるので、自分に合った方法を選び組み合わせることをおすすめします。

 

Pythonの書籍

Pythonはメジャーな言語なので、書籍は数多く出版されています。基本知識や文法を体系的に学ぶためには、書籍で勉強するのがおすすめです。

 

おすすめ書籍①:プログラミング超初心者が初心者になるためのPython入門(1)

超初心者向けということで、Pythonをまったく知らない、プログラミングをしたことがないという人におすすめです。3部構成の書籍の1冊目で、Pythonに関する基礎の基礎を学べます。

 

Pythonのインストール方法から始まり、Pythonを使えるようにするまでのプロセスがしっかりと書かれています。その後、第2部、第3部と読み進めることで、Pythonの文法や関数、クラスなどについて順を追って学べます。

 

Pythonの開発環境構築を含めて、一から学びたいという人におすすめです。

 

おすすめ書籍②:「独習Python」

Pythonの環境構築ができたなど基礎の基礎を習得できたら、次におすすめなのが「独習Python」です。Pythonの文法や記述方法をひととおり勉強できます。

 

プログラミングの勉強方法として、プログラムを作り始めてしまい後から必要な関数や機能を調べるという方法もあります。この方法だとなんとなく動くプログラムは作れますが、適切なプログラミングスキルを得られません。これはPythonの学習に限らず、プログラミングの学習全般に言えることです。

 

そのような弊害を防ぐためには、本書のようにPythonの文法を網羅的に学べる書籍をひととおり学ぶことをおすすめします。

 

おすすめ書籍③:「Python[完全]入門」

「Python[完全]入門」はPythonでアプリ開発をするために必要な知識を一冊で学べる書籍です。

 

Pythonを始める準備から始まり、基本的な文法、データ構造、制御構造、オブジェクト指向プログラミングなどを順番に学べます。1冊で必要な情報が網羅されており、読了すれば最新のアプリ開発にすぐ取り掛かれるでしょう。また、実践的なサンプルも掲載されているので、実際にプログラミングの手を動かしながら学ぶことも可能です。

 

プログラミングスクール

プログラミングスクールでPythonを学ぶことも可能です。スクールなら効率良く短期間で学べるカリキュラムが組まれており、わかりやすいテキストや適切な演習などもあります。独学では勉強することが難しい人、プログラミング初心者の人などにおすすめです。

 

しかし、スクールは費用が高額になることが多く、自分に合わないと無駄なお金を使ってしまうことになります。また、仕事帰りなどにスクールに通わなければならず、続かないなどという人もいます。

 

校舎に通うタイプのスクールと自宅で学べる通信スクールがあるので、続けやすい方を選ぶと良いでしょう。

 

実際に自身でゲーム開発をしながら学ぶ

Pythonで実際にゲーム開発をしながら学ぶという方法もあります。実際にプログラミングをすればPythonの仕組みや文法を学べますし、プログラミングの実践力も身につきます。

 

ただ、それだけだと体系的な知識が身につかないので、書籍など他の方法で学びながらゲーム開発をすることをおすすめします。

 

ゲーム会社に就職して実務から学ぶ

書籍やスクールを利用して学習を行い、ある程度自分でゲーム開発ができるようになったら、ゲーム会社に就職してしまって実務で実践力を身につけるという方法もあります。上司や先輩社員などの仕事ぶりを参考にすることもできるので、おすすめです。

 

ただ、まったく知識がない状態で就職するのはおすすめできません。ある程度基礎知識を身につけてからが良いでしょう。

 

【参考】Pythonを使った求人例

Pythonが使えるエンジニアのゲーム関連求人にはどのようなものがあるのか、実際の求人をいくつかご紹介します。

 

・テクニカルアーティスト

https://game-matching.jp/g-job-agent/find_jobs/4762

 

ゲーム開発環境の改善やカスタマイズツール作成などを担当します。UnityやMayaでのゲーム開発やPythonの使用経験などが求められます。

 

・背景モデラー

https://game-matching.jp/g-job-agent/find_jobs/2926

 

ゲームの背景モデリングやデータ作成業務を行います。ゲーム開発に必要なMayaやPhotoshopなどのツールの使用経験やMEL、Python、Unreal Engineなどの経験が求められます。

 

・キャラモデルのグラフィックデザイナー

https://game-matching.jp/g-job-agent/find_jobs/14745

 

ゲーム開発における人物キャラモデルに関する開発を担当します。MEL、Pythonなどによるツール開発経験が求められます。

 

まとめ

この記事では、Pythonでゲーム開発をする方法やゲーム開発に役立つライブラリ・ゲームエンジンの紹介、ゲーム開発にPythonを採用するメリットなどについて解説しました。

 

Pythonは機械学習やデータ分析、Webアプリ開発、ゲーム開発が可能なプログラミング言語です。わかりやすく初心者でも習得しやすい言語なので、ゲーム開発をしたい人が最初に習得する言語としておすすめですよ。Pythonを習得すれば、ゲームエンジニアになるために役立つでしょう。

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