ゲーム会社の売上ランキングを紹介。年収ランキングや業界概要まで解説!【2024年】
2024年8月5日
このコラムでは、ゲーム会社への就職を目指す人に向けて、ゲーム会社の売上と平均年収が高い会社をランキングで紹介し、「より大きく売上を上げているゲーム会社に入りたい」、「やっぱり少しでも年収が高い会社を目指したい」という人に役立つ情報を多数掲載しています。
また、ゲーム業界で就活をする際のポイントや、業界全体の動向や今後についても解説していますので、会社選びに迷っている方はぜひ最後まで読んで参考にしてください。
ゲーム会社売上ランキング
まずは、ゲーム業界の売上ランキングを知りたい人に向けて2022~2023年の上位10社を紹介します。また、各社の特徴や代表作なども紹介しますので、エントリーを目指す方はぜひ参考にしてください。
※なお、ランキング順位は、業界動向サーチの「ゲーム業界 売上高ランキング(2022-2023年)」を参照しています。
1位:ソニーグループ
ソニーグループは、家電や半導体などの電気・電子機器のほか、エンタメ関係も幅広く取り扱う総合的な企業です。ゲームの分野では、1994年に発売したゲーム機「プレイステーション」シリーズが、現在も世界を代表するゲーム機として知られています。
「プレイステーション」シリーズはどの機体も大きな売上を上げていますが、2020年11月に発売したPS5は、新型コロナウイルス感染拡大に関連した部品の不足で発売直後の最も売れるべき時期にセールスが伸び悩み、発売前の売上台数見込みにはおよびませんでした。
その一方で、2024年2月にリリースしたソフトウェア「HELLDIVERS 2」は、ソニーのPC向けタイトルで過去最高の売上数を記録しています。
ソニーグループとしては、ハードに依存するビジネスモデルから、プラットフォーム上で長期的にユーザーを確保する戦略に移行しているといった趣旨の発表をしており、今後どのような事業を展開するのかが注目されています。
なお、ソニーグループのこの年の売り上げは、3兆5385億円でした。
2位:任天堂
任天堂は1889年の設立以来、130年を超える実績を持つゲーム業界の老舗的な企業です。とはいえ、任天堂は単に長く続いていることだけでその名が世界に知られているわけではありません。1983年に発売した「ファミリーコンピューター」以来、家庭用ゲーム機というハードウェアの分野では、前述のソニーと並んでツートップと言えるポジションに君臨し続けています。
また、「スーパーマリオ」シリーズや「ポケットモンスター」シリーズ(現在は株式会社ポケモンが運営)などの往年の名作を生み出しただけでなく、「スプラトゥーン」シリーズなど、近年もソフトウェアの分野で大ヒットを飛ばしています。このように、ハードウェアとソフトウェアの両面で日本のゲーム業界を牽引し続けている点で、任天堂の存在は日本のゲーム業界を語るうえで欠かせないものとなっています。
なお、任天堂のこの年の売り上げは1兆6016億円でした。
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3位:バンダイナムコホールディングス
バンダイナムコホールディングスは、ゲームの分野でも広く知られていますが、玩具やアニメ、音楽などエンタメの各ジャンルでその名を知られている企業です。
ゲームに関しては、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ドラゴンボール」シリーズなどの有名IPを利用したタイトルの開発に強みを持っています。また、「テイルズ オブ」シリーズのようにオリジナルタイトルの開発でも大きな業績を残しています。
なお、バンダイナムコホールディングスのこの年の売り上げは3811億円でした。
https://www.bandainamco.co.jp/
4位:ネクソン
ネクソンは日本に本社を置く企業ですが、設立されたのが韓国であることなどもあってか、以前からグローバルな市場を舞台としてゲーム事業を展開しています。また、「アラド戦記」や「メイプルストーリー」などの代表作が、長くヒットし続けていることも大きな特徴です。これらの強力な自社IPが存在することで、新しい取り組みを展開する起点となっています。
実際に、2023年には「メイプルストーリー」の20周年を迎えるとともに、「カートライダー ドリフト」や「デイブ・ザ・ダイバー」をはじめとする4タイトルをリリースしています。このように、ネクソンは新旧織り交ぜたタイトルの売上によって今後も躍進が期待されるゲーム会社です。
なお、ネクソンのこの年の売り上げは3537億円でした。
5位:スクウェア・エニックス・ホールディングス
スクウェア・エニックスは、日本のロールプレイングゲームの代表作としてその名を知らない人はいない「ドラゴンクエスト」シリーズと「ファイナルファンタジー」シリーズを有するゲーム会社です。
もちろん実力も実績も豊富なゲーム会社ですから、上記の2大タイトル以外にもヒット作は多数存在します。例えば「サガ」シリーズや「キングダムハーツ」シリーズ、「聖剣伝説」シリーズなど数えきれないほどの名作を残しています。
なお、スクウェア・エニックス・ホールディングスのこの年の売り上げは3432億円でした。
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6位:セガサミーホールディングス
セガサミーホールディングスは、パチンコやパチスロなどの遊技機で知られたサミーが、ゲーム開発の実績を豊富に持つセガを経営統合して2004年に設立された会社です。遊技機関連事業とゲーム事業はどちらも健在ですが、アニメ制作会社などを傘下に持つ総合エンタメ企業としても知られています。
ゲームの代表作としては、「ぷよぷよ」シリーズや「ソニック」シリーズなど、誰もが楽しめる往年の有名タイトルを多数保持しています。また、「龍が如く」シリーズや、「女神転生」「ペルソナ」シリーズ(子会社のアトラス株式会社)などの非常に個性的なタイトルが多数存在する点もセガサミーホールディングスの大きな特徴です。
なお、セガサミーホールディングスのこの年の売り上げは2828億円でした。
https://www.segasammy.co.jp/ja/
7位:サイバーエージェント
サイバーエージェントは主軸とする事業をインターネット広告事業としていますが、テレビ放送やブログサービスなどのメディア事業の分野でも大きな功績を残しています。また、2011年にはCygamesを設立しており、グループ全体としてゲーム開発の分野にも力を入れています。
代表的なタイトルとしては、「グランブルーファンタジー」や「プリンセスコネクト!」シリーズのほか、「ウマ娘 プリティーダービー」などがあります。さらに、恋愛マッチングアプリや定額音楽配信サービスなども展開しており、幅広い事業を行う会社としても知られています。
なお、サイバーエージェントのこの年の売り上げは2279億円でした。
8位:コナミグループ
コナミグループはゲームの分野において、ソフトウェア開発とアミューズメント機器の両面で活躍してきた歴史を持っています。また、スポーツクラブの運営のほか、カジノマネジメントシステムの開発など、幅広い事業も手掛けています。企業としては「価値ある時間」の創造という理念を掲げていて、さまざまな角度から楽しさを提供しています。
ゲーム事業においても、「桃太郎電鉄」シリーズや「遊戯王」シリーズなどの往年の名作から、「Beatmania」シリーズなどの音楽ゲーム、「パワフルプロ野球」シリーズや「プロ野球スピリッツA」などスポーツを主題としたタイトルまで多数提供しています。
なお、コナミグループのこの年の売り上げは2127億円でした。
9位:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、1998年に設立された会社で、初期にはネットオークションを手掛けていました。その後2002年に事業の主軸をオンラインゲームサービスに変更し、多数のゲームを生み出していきます。そんな中で、2012年にリリースした「パズル&ドラゴンズ」がヒットしたことで、日本の誰もがその企業名を知るゲーム会社として成長を遂げています。
また、近年も「ニンジャラ」や「ラグナロクオリジン」など、さまざまなヒットタイトルを生み出し続けている点で技術力の高さも広く実証されています。
なお、ガンホー・オンライン・エンターテイメントのこの年の売り上げは1055億円でした。
10位:MIXI
MIXIは、1997年に求人情報サイトの運営を行う会社として創業されています。その後、2004年に立ち上げられたSNSサービス「mixi」のサービスが多くの人に利用されるようになって、世の中に広く認知されていきました。
ゲームの分野では、2013年にリリースした「モンスターストライク」が大ヒットしたことで頭角を現し、現在もゲーム関連の事業は継続されています。「モンスターストライク」シリーズ以外のゲームとしては、「共闘ことばRPG コトダマン」が知られています。また、オリジナル劇場アニメ「プロメア」や、タツノコプロとの共同プロジェクトを立ち上げて作り出したアニメ・「パンドラとアクビ」などがあります。ほかにも競馬情報メディアを運営する企業を子会社化するなど、近年も幅広いチャレンジを続けています。
なお、MIXIのこの年の売り上げは1043億円でした。
オンライン(ソーシャル)ゲーム会社 売上ランキング
この項目では、バフェットコード株式会社が個人投資家向けに提供しているツール「バフェットコード」に記載されている直近の年間売上額による「オンラインゲーム(ソーシャルゲーム)業界 売上高ランキング」から、上位10社を紹介します。
なお、前の項目である「ゲーム会社売上ランキング」でも紹介した会社については情報が重複してしまうので、オンラインゲームの代表作だけを記載します。
1位:サイバーエージェント
サイバーエージェント(Cygames)のオンラインゲームには、「ウマ娘 プリティーダービー」や「グランブルーファンタジー」などがあります。
なお、サイバーエージェントが2023年9月期に発表した年間売上は7202億円でした。
2位:ネクソン
ネクソンのオンラインゲームには、「メイプルストーリーM」や「真・三國無双M」があります。
なお、ネクソンが2023年12月期に発表した年間売上は4233億円でした。
3位:MIXI
MIXIのオンラインゲームには、「モンスターストライク」シリーズがあります。
なお、MIXIが2024年3月期決算で発表した年間売上は1468億円でした。
4位:ディー・エヌ・エー
ディー・エヌ・エーは2005年にはすでに携帯ゲームサイトを運営していたので、モバイル環境下でのゲーム事業展開では約20年の歴史をもっています。ディー・エヌ・エーのオンラインゲームには、「ポケモンマスターズEX」や「逆転オセロニア」があります。
なお、ディー・エヌ・エーが2024年3月期の決算で発表した年間売上は1367億円でした。
5位:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
ガンホー・オンライン・エンターテイメントのオンラインゲームには、「パズル&ドラゴンズ」や「ラグナロクオリジン」があります。
なお、ガンホー・オンライン・エンターテイメントが2023年12月期の決算で発表した年間売上は1253億円でした。
6位:コロプラ
コロプラは2003年に現代表取締役である馬場功淳氏が「コロニーな生活」を立ち上げたことから始まった会社です。コロプラのオンラインゲームには、「白猫プロジェクト」や「アリス・ギア・アイギス」などがあります。
なお、コロプラが2023年9月期決算で発表した年間売上は309億円でした。
7位:マーベラス
マーベラスは1997年に設立されているので、すでに四半世紀以上の歴史をもっています。マーベラスのオンラインゲームには、「ドルフィンウェーブ」や「剣と魔法のログレス いにしえの女神」などがあります。
なお、マーベラスが2024年3月期決算で発表した年間売上は295億円でした。
8位:エイチーム
エイチームは2000年に設立された会社で、ゲームなどのエンターテインメント事業のほかに、ライフスタイルサポート事業やEC事業を行っています。エイチームのオンラインゲームには、「ダービーインパクト」や「ヴァルキリーコネクト」などがあります。
なお、エイチームが2024年7月期決算で発表した年間売上は275億円でした。
9位:アエリア
アエリアは2003年からゲームコンテンツの配信を行っているので、20年以上もオンラインゲームに関連する事業を続けています。アエリアのオンラインゲームには、「イケメンヴァンパイア」や「A3!」などがあります。
なお、アエリアが2023年12月期の決算で発表した年間売上は226億円でした。
10位:バンク・オブ・イノベーション
バンク・オブ・イノベーションは2006年に設立された会社ですが、2012年以来スマートフォンゲーム事業を展開しています。バンク・オブ・イノベーションのオンラインゲームには、「メメントモリ」や「ポケットナイツ」があります。
なお、バンク・オブ・イノベーションは2023年9月期決算で年間売上額を213億円と発表しています。
ゲーム会社年収ランキング
ここからは、ゲーム会社の2022~2023年の年収ランキング上位10位の企業を紹介します。さらに、各社の特徴や代表作なども紹介しますので、「平均年収が高いゲーム会社に入りたい」と思う人はぜひ参考にしてください。
※なお、ランキング順位は、業界動向サーチの「ゲーム業界 平均年収ランキング(2022-2023年)」を参照しています。
1位:スクウェア・エニックス・ホールディングス
2022~2023年、業界内で最も平均年収が高かったのはスクウェア・エニックス・ホールディングスでした。この年の平均年収は1259万円で、2位以下に100万円以上の差をつけて独走しています。
スクウェア・エニックスと言えば、日本のロールプレイングゲームの代表作とも言える「ドラゴンクエスト」シリーズや「ファイナルファンタジー」シリーズが有名です。この2大シリーズはそれぞれMMOのオンラインタイトルも非常に好調で、収益の大きな柱となっています。2023年にも「ファイナルファンタジー」のナンバリングタイトルがリリースされているなど、今後もスクウェア・エニックスの動向には注目が必要です。
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2位:ソニーグループ
ソニーに関してゲームの話をする場合、ハードウェアである「プレイステーション」シリーズが取り上げられることが一般的です。しかしその一方で、ソフトやアプリのリリースも多数行っています。例えば「みんなのGOLF」シリーズや「Marvel’s Spider-Man」、「ぼくのなつやすみ」や「Ghost of Tsushima」、「ワンダと巨像」や「グランツーリスモ」シリーズなど、IPのジャンルやテイストは多岐にわたります。
また、ソニーグループは2022年7月にアメリカのゲーム会社バンジーを買収しています。バンジーはハードウェアではなくソフトウェアを扱う企業ですから、今後、ソニーグループの元でゲームソフトの開発が進む可能性が期待されています。
なお、ソニーグループのこの年の平均年収は1101万円でした。
3位:バンダイナムコホールディングス
バンダイナムコと言えば、「機動戦士ガンダム」や「ドラゴンボール」などの有名IPを利用したゲームが有名でしょう。しかしバンダイナムコが扱う作品の多様さには目を見張るものがあります。
例えば「ワンピース」や「ジョジョの奇妙な冒険」、「僕のヒーローアカデミア」などの週刊少年ジャンプ関連作品が多数存在しますし、「ドラえもん」や「ウルトラマン」、「仮面ライダー」などの日本のレジェンドとも言えるIPを扱う作品なども数えきれないほどあります。また、「太鼓の達人」や「パックマン」など、以前から存在するゲーム発祥のIPも埋もれさせることなく利用できている点も特徴的です。
なお、バンダイナムコホールディングスのこの年の平均年収は1057万円でした。
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4位:任天堂
任天堂は、1980年代からハードとソフトの両面で日本のゲーム会社を牽引する存在として、世界中に知られ続けています。2022年末に発表されたTSUTAYA年間ゲームランキングでは、1位に「スプラトゥーン3」、4位に「星のカービィ ディスカバリー」、5位に「Nintendo Switch Sports」、10位に「マリオカート8 デラックス」と、任天堂がリリースした作品が4タイトルもランクインしています。これを見ると、歴史ある老舗でありながら、今なおユーザーを獲得し続けている驚異的な存在とも言えるでしょう。
なお、任天堂のこの年の平均年収は985万円でした。
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5位:ディー・エヌ・エー
ディー・エヌ・エーは1999年に設立された会社です。ホームページを見ると「エンタメも、社会課題解決にも全力で」というメッセージが大きく書かれているだけあって、展開している事業は非常に幅広い領域にわたっています。
具体的にはゲーム事業のほかに、ライブストリーミングやヘルスケア・メディカル、スポーツや便利な暮らしづくり、新領域や新しいものづくり、ビジネス創出などが紹介されています。また、プロ野球チームやサッカーチームなどを運営していることも広く知られています。ディー・エヌ・エーの代表的なゲームとしては、「メギド72」や「逆転オセロニア」などがあります。
なお、ディー・エヌ・エーのこの年の平均年収は856万円でした。
6位:セガサミーホールディングス
セガサミーホールディングスは、娯楽の分野で幅広い事業展開を行っています。例えば、家庭用ゲームやオンラインゲームを生み出すだけでなく、パチンコやパチスロなどの遊技機メーカーとしても知られています。さらに、ゲームセンター等に設置されるアミューズメント機器分野でもユーザーとの接点を確立しています。
このように多数の事業を展開することで、まず時代やトレンドの変化に対するリスクヘッジができます。また、それぞれの分野でヒットしたタイトルを自社IPとして活用できることも大きな強みとなっています。分野を超えて自社IPを利用した具体例としては、2022年に自社の強力IPである「ソニック」を扱ったアニメを配信で提供しています。単に事業を展開する範囲が広いだけでなく、それぞれの分野で相乗効果を上げる体制があることがセガサミーホールディングスの強みと言えるでしょう。
なお、セガサミーホールディングスのこの年の平均年収は831万円でした。
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7位:アカツキ
アカツキは2010年に設立された会社です。その年のうちに「育てて☆マイガール」と「暴走堕天使」という2つのゲームをリリースして、ゲーム業界に知られる存在となっています。組織の価値観として、「信頼と自立」、「規律と創造」、「挑戦と学習」という3つの柱を掲げており、ゲーム事業とコミック事業を主として展開しています。
アカツキがリリースしているゲームの代表作としては、「シンデレラナイン」シリーズや、「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」、「ロマンシングサガ リ・ユニバース」などがあります。
なお、アカツキのこの年の平均年収は825万円でした。
8位:サイバーエージェント
サイバーエージェントのゲーム事業は、2014年のリリース以来、長くヒットを続けている「グランブルーファンタジー」や「プリンセスコネクト!」シリーズのように自社IPを活用した強さに支えられています。その一方で、「ドラゴンクエスト」や「アイドルマスター」、「バンドリ!」などの他社IPでもしっかりとヒットを残している点でも、会社として高い開発力を持っていることを証明しています。さらに、2021年2月にリリースした「ウマ娘 プリティーダービー」は、その年の9月には1600万ダウンロードを突破するという大きなヒットを記録しています。
「ウマ娘 プリティーダービー」のヒットは、サイバーエージェント1社のトピックスというだけでなく、この年の日本のゲームを代表する1作とも言われるほどの話題作として、各所で取り上げられました。
なお、サイバーエージェントのこの年の平均年収は817万円でした。
9位:グリー
グリーは2004年に設立された会社です。事業を展開する範囲は非常に幅広く、ゲーム・アニメ事業やメタバース事業、コマース事業やDX事業、マンガ事業や投資・インキュベーション事業などが行われています。
ゲームの分野では、2007年にリリースした「釣り★スタ」が世界初のモバイルソーシャルゲームと公表されています。また、その後も「アサルト リリィ Last Bullet」や「アナザーエデン 時空を超える猫」、「ヘブンバーンズレッド」など多数のタイトルをリリースしてゲーム業界での立ち位置を確保しています。
なお、グリーのこの年の平均年収は810万円でした。
10位:カプコン
カプコンは1979年の会社設立以来、ゲーム開発に関わり続けているゲーム業界老舗企業のひとつです。1980年代に初めてリリースした「ストリートファイター」シリーズは2024年現在も格ゲーの世界的タイトルとして知られていますし、「バイオハザード」シリーズや「モンスターハンター」シリーズなど、ゲームでも映画でも世界に知られるタイトルを多数生み出し続けています。
なお、カプコンのこの年の平均年収は766万円でした。
日本だけでなく世界のゲーム会社を紹介するコラムもあるので、ぜひ以下もあわせて読んでください。
また、大阪に拠点を置いて活躍するゲーム会社を紹介するコラムも興味深いので、ぜひご一読ください。
ゲーム業界の市場動向を解説
この項目では、ゲーム業界の市場動向を解説します。
家庭用ゲーム/アプリゲームの違い
ゲーム業界の市場動向は、少し前までハードの発売とソフトの発売の両方に左右されてきました。近年はスマートフォンでプレイするアプリゲームが増えたことや、家庭用ゲーム機向けのタイトルがPCやスマートフォンでプレイできるようになっていることもあり、事情は大きく変わってきています。とはいえ、ゲーム業界の市場動向を考える上で、家庭用ゲームとアプリゲームの違いを再確認しておきます。
携帯電話やスマートフォンの登場以前はゲームと言えばアーケードゲームか家庭用ゲームでした。しかし2010年代にスマートフォンが普及すると、手軽に遊べるアプリゲームの成長が始まって、家庭用ゲームは押されていきます。その後、新型コロナウイルス感染拡大時の巣ごもり需要もあって家庭用ゲーム機の需要は再度高まりました。
とはいえ、角川アスキー総合研究所の『ファミ通ゲーム白書2023』によれば、家庭用ゲームのシェアは13.5%、PCゲームが11.4%、ゲームアプリが75.0%と、数値的には歴然とした差があります。
これを整理すると、家庭用ゲームはいまだに根強い人気を誇っているものの、国内ゲーム市場の動向を大きく左右するのはアプリゲームであることがわかります。
それぞれに有名な会社
家庭用ゲームソフトで有名な会社と言えば、ソニーや任天堂、スクウェア・エニックスやカプコンなど大手パブリッシャーが思い当たりますが、フロム・ソフトウェアやモノリスソフト、プラチナゲームズなどのデベロッパーも忘れてはならないでしょう。
一方家庭用ゲーム機の分野では、任天堂、ソニー、Microsoftが有名で、日本が世界のゲーム機市場をリードしてきたことは誰の目にも明らかな事実です。
アプリゲームに関しては、当コラムの「オンライン(ソーシャル)ゲーム会社 売上ランキング」の項目で紹介したように、サイバーエージェントやネクソン、MIXIなどが上位を占めています。
なお、大手ゲーム会社について詳しく解説したコラムがあるので、ぜひ以下もご確認ください。
→「有名な大手ゲーム会社は?ゲーム業界の現状と将来性についても解説!」
ゲーム会社の市場動向
角川アスキー総合研究所の『ファミ通ゲーム白書2023』によれば、世界のゲーム市場は拡大を続けていること、ゲームアプリが市場のけん引役であること、アジア圏のゲーム市場が拡大していることなどがわかります。
また、eスポーツやVR、サブスクリプションやNFTなどの比較的新しい要素が今後のゲーム業界に影響を与えることは必至です。
そんな中で、日本では働き手の不足や海外市場の拡大などを見据えた戦略を練ることが重要視されています。
これらの動向をまとめたコラムがありますので、ぜひ以下もご一読ください。
→「【2023年版】今後のゲーム業界はどうなるのか?3つの現状と課題、求められる人材まで解説」
ゲーム会社に就職・転職する際のポイント
ゲーム業界は一般的な平均より年収が高いこともあって、就職・転職の競争率が高いことで知られています。そのためここからは、厳しい実情を踏まえたうえで、ゲーム会社に就職・転職する際に考えておくべきポイントを記載します。
職種の求められるスキルと自分の長所を関連付ける
多くのゲーム会社は、ホームページの採用情報などで職種ごとに求めるスキルや経験を記載しています。そのため、まず気になるゲーム会社の採用情報を熟読し、求められているスキルと、自分自身が持つスキルや得意なことを関連付けすることが重要です。
ゲーム開発に役立つスキルや、CGやシナリオを作成してきた経験など、マッチング度合いが高いスキルがあれば、その点はしっかりとアピールしましょう。また、マネジメント経験やプレゼンテーションスキルなど、人生の中で蓄えてきたものをうまく結びつけることで、「入社した場合その会社にどのような貢献ができるのか」を明確にしましょう。
志望動機を明確にする
ゲーム会社への志望動機としては、「ゲームが好き」を強調する傾向が見られます。「好き」は苦労を乗り越える原動力なので非常に重要ですが、それだけを強調されても採用担当者の関心を引くことは困難です。そのため、ゲーム業界を目指した理由や、その会社でなければならない理由を明確にするように注意しましょう。
例えば、「その会社のタイトルを楽しんだ」というエピソードだけでなく、そのタイトルの続編を作るプロジェクトにアサインされた場合、貢献できる内容を提示することは有効です。さらに、その未来を目指してスキルアップしてきたことを語れば、「好き」、「アピール」、「その会社でしかできないこと」が結び付いた明確な志望動機となるでしょう。
自分のアピールポイントを明確にする
エントリーの際や面接の際、無難に行き過ぎると採用担当者の記憶に残りません。また、自分を良く見せようとして「なんでもできる」という雰囲気を出してしまうと、むしろ信用されません。よほどのキャリアを持って転職する人ならともかく、新卒者が「なんでもできる」ことはあり得ないからです。
このような問題を回避するためにも、自分自身のアピールポイントはどこなのかを明確にすることが非常に重要です。「これだけは他者に負けない」というストロングポイントがあれば、まずそれを中心に話を進めましょう。また、目立った特色が無い場合でも得意分野はあるでしょうから、その分野と志望動機が絡むような構成を考えましょう。
必要なスキル・知識を身につける
目立った経験やスキルが無い場合、エントリーまでに何か勝負できるスキルや知識を身につけることをおすすめします。その際におすすめしたいのは、資格を取得する、プログラミングスクールに行くなどです。あるいは自作のゲームを作ってみるなどすれば、スキルや知識を身に付けるとともに、「御社への就職を目指してこのような取り組みをしました」と過程をアピールすることもできます。
ゲーム業界の動向と現状
ここからは、ゲーム業界の動向と現状を、世界と日本の両面から見ていきましょう。
『ファミ通ゲーム白書2020』、『ファミ通ゲーム白書2021』、『ファミ通ゲーム白書2022』、『ファミ通ゲーム白書2023』(角川アスキー総合研究所発行)によれば、2018年以降、世界のゲーム市場は成長を続けています。
数値としては、2018年は約13.2兆円、2019年は約15.7兆円、2020年が約20.6兆円、2021年は約21.9兆円、2022年は約26.8兆円、2023年は約28.8兆円だったそうです。
2020年に大きく伸びているのは、世界各国で新型コロナウイルス感染拡大が起こったことで巣ごもり需要が高まったことが要因だと分析されています。「このようにいちじるしい伸びが見られた翌年は、反動で市場が下降気味となるかもしれない」という懸念もありましたが、2020年以降も市場の成長は続いています。これらを踏まえると、世界のゲーム市場はまだ頭打ちではなく、伸びしろがあるという見方が濃厚です。
一方、日本ではコロナ禍以後もゲーム産業が堅調であることは2023年10月の経済産業省のコラム「ゲーム産業は依然高水準!」でも報告されています。また、オンラインプラットフォーム上のコンテンツが市場をけん引していること、世界のゲーム市場は圧倒的に海外勢が占めていることなども明確化されています。
ゲーム業界の今後はどうなるのか?
前の項目では市場規模に着目しましたが、この項目ではゲーム業界全体の今後を検討していきます。
2020年から世界市場に影響を与えた新型コロナウイルスは、巣ごもり需要を生み出した一方、工場生産力の低下が起こってハードウェアの普及にマイナスの影響を与えました。また、コロナ禍の影響でゲーム関連のリアルイベントが激減した時期もありました。
2024年現在はリアルイベントの開催は以前と同様に行われるようになり、eスポーツの大会やゲームカンファレンスなどは各地で開催されています。
前の項目である「ゲーム業界の動向と現状」でも解説したように、ゲーム業界の市場については、日本国内でも堅調ではあるものの、世界レベルではさらに成長が続いています。そのため、業界の将来が暗いわけではありません。とはいえ、少子化も進む日本国内での極端な伸びは期待できないのも現実です。これらを総合すると、国内だけを視野に置くのではなく、世界の市場を見据えたゲーム開発が生き残りのカギとなっていくことでしょう。
国内の個別のタイトルを見ると、2023年には任天堂の「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ キングダム」や「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXVI」、Aladdin Xの「スイカゲーム」などが好調でした。
このように、確かな業績を残すゲームが次々と生みだされている点を見れば、ゲーム業界の未来には明るい光がさしていると言えるでしょう。
まとめ
ゲーム業界への就職・転職を考えている人に向けて、売上と平均年収トップ10の会社を紹介し、各社の特徴や代表作などを解説しました。
ゲーム会社は一般企業に比べると平均年収が高いですし、ヒットタイトルを生み出せば収入アップもしやすい風土があるので、チャレンジングな精神を持つ人や、クリエイティブな業種で生きていきたい人にとって非常に人気があります。そのため、競争率が高いことから「狭き門」としての特徴も知られています。これらを踏まえて、ゲーム会社で就職・転職活動を行う際のポイントを記載しましたのでぜひ参考にしてください。
さらに、「業界全体がどうなっていくのかを見極めて就職・転職活動に活かしたい」と思う人に向けて、現在の状態や今後の予想も記載しています。ゲーム業界には競争率の高さや、世界と勝負していく必要が上がっていることなど、厳しい面もあります。
それでもなお、毎年話題となるゲームは多数誕生し、多くの人に楽しまれており、夢がある業界であることは間違いありません。そのため、ぜひ希望を持って前向きに就職・転職活動を進めてください。