ゲームグラフィックデザイナーとは?なるためのステップや仕事内容、気になる年収までご紹介!


2024年1月26日

このコラムは、ゲームグラフィックデザイナーを目指す人に向けて、業務の概要や必要なスキル、転職に有利な資格や期待できる年収などを解説します。

 

これからゲームグラフィックデザイナーを目指す人が、具体的な将来像を描けるようになるだけでなく、就職活動に役立つ情報も満載なので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

 

ゲームグラフィックデザイナーとは

「ゲームグラフィックデザイナー」とは、ゲームに必要なグラフィックデザインを行う仕事の総称です。ゲーム開発においては、キャラクターや背景、小物やメカなどさまざまなデザインが必要となります。また、形が決まったものばかりでなく、モーションデザイナーやエフェクトデザイナーもグラフィックデザイナーに含まれます。

 

ほかにも、タイトルロゴやメニュー画面のデザインも業務範囲に入るなど、ゲームグラフィックデザイナーの仕事は多岐にわたります。

 

ゲームグラフィックデザイナーの仕事内容

「ゲームグラフィックデザイナー」の仕事は、その名称の通りゲームに使用されるグラフィックのデザインを行うことです。

 

大まかに分類すると、登場人物やモンスター、アイテムなどを扱う「キャラクターデザイン」、ゲームの世界観を盛り上げる「背景デザイン」、演出上必要な動きを担当する「モーションデザイン」、特殊効果によって臨場感を高める「エフェクトデザイン」、世界観にあったメニュー画面などを作る「UIデザイン」等があげられます。また、ゲームの仕様に応じて、2Dデザインと3Dデザインの使い分けもあります。

 

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このようにゲームグラフィックデザイナーの業務は非常に幅広いので、それぞれの専門性を持つ人が分担して行うことが一般的です。

 

ゲームグラフィックデザイナーになるには

この項目では、ゲームグラフィックデザイナーになるために必要なスキルや、持っていると便利な資格などを紹介します。

 

ゲームグラフィックデザイナーに必要なスキル

ゲームグラフィックデザイナーになるために必要なスキルを4つの角度から紹介します。

 

グラフィックに関する知識

グラフィックによって何かを表現する場合、線の種類や太さの使い分け方、色合いが与える影響、素材感の出し方や強調の仕方、コントラストの効果などを知っておくと非常に便利です。

 

特にゲームグラフィックデザイナーの場合、仕様書に沿ってデザインを行いますから、自分が好む絵柄や手法だけでは他者のイメージを満たすことはできません。そんな時グラフィックの理論を身につけていれば、相手のイメージを具現化できます。

 

クライアントやプランナーが「もっと〇〇」とぼんやりした指示を出したときに素早くデザイン変更して相手の望みに答えれば、”できるデザイナー”として評価されやすいでしょう。

 

デッサン力

「デッサンが狂っている」という表現がしばしば用いられることから、デッサン力は絵のバランスを取る力と思われがちです。しかし実際には、描く対象物を把握する力、適切に表現する力、想像力の3つの要素をあわせた力が「デッサン力」です。

 

そのため、現実には見たことがないモンスターや魔界都市を描くことも、デッサン力を磨くことによってサポートできます。

 

CG表現のスキル

CGはアナログの絵とは異なり、レイヤーや色相の重ね合わせなどの概念がありますから、CGならではの表現を身につけることはゲームグラフィックデザイナーになるために欠かせない要素です。

 

また、CGでも2Dと3Dでは必要なスキルが異なりますから、これからゲームグラフィックデザイナーを目指す人は両方に習熟しておくことをおすすめします。

 

コミュニケーション能力

ゲーム開発は分業で行われるので、コミュニケーション能力は欠かすことができません。特にゲームグラフィックデザイナーであれば、クライアントやプランナーから文字や言葉で受けた指示を映像化することが多いので、相手の要望を理解し、要望の精度を高めるための会話が重要です。

 

また、グラフィックデザイナー間での分業も多いので、進捗確認や統一すべき点のすり合わせなどもあり、人と接するスキルが少ないと仕事も進めにくいでしょう。

 

ゲームグラフィックデザイナーを目指すステップ

ゲームグラフィックデザイナーを目指すうえでは、業務を遂行するためのデザインスキルに加えて、ソフトウェアやツールの操作スキルも必要となります。それらを習得するステップとしては、専門学校や大学などに行って学ぶ方法と、独学で力をつけていく方法があります。

 

専門学校や大学などの教育機関で学習すると、体系的な知識が得られますし、同じ分野を目指す仲間と巡り合えるメリットもあります。とはいえ、ひとくちに「教育機関」と言ってもそれぞれ異なる点があるので以下で解説します。

 

大学であれば一般教養を含めて広い範囲の学習ができますし、専攻やゼミの選択によっては高い専門性を得る機会もあります。また、講師がゲーム会社に勤めていたり、ゲーム業界に勤める先輩がいたりする可能性が高いので、就職後に役立つ人脈ができたり、就職を斡旋してもらえたりする可能性もあります。その一方で、ゲーム開発の実践機会は専門学校より少ない可能性があります。

 

ゲーム関係の専門学校を選べば、多くの時間をゲームに関連した授業に使用しますし、実践・実習の機会も多いでしょう。

 

また、掛かる費用や卒業までの期間は大学と専門学校では異なりますが、学校に行く以上まとまった金額と期間を使うことになります。さらに大学であれば入試の壁もありますし、専門学校も入学時期があるので、思い立ってすぐ学べるわけではありません。そのため、教育機関を利用する場合、準備期間も必要となることなどを考慮しましょう。

 

独学の場合、思い立てばその日からでも始められますし、教育機関を利用するより費用は掛かりません。また、通学の必要がなく時間にも縛られませんし、総合的な知識は得にくいものの、興味がある部分だけに特化できるなど、複数のメリットがあります。ただし、教育機関に通うよりモチベーションの維持が難しい点や、困難にぶつかったときに自力で乗り越えなければならないデメリットと常に背中合わせです。

 

教育機関を利用する方法と独学では、得られるものや向き不向きが大きく異なるので、状況や個性、目指す方向性などを含めて検討しましょう。

 

ゲームグラフィックデザイナーに役立つ資格

ゲームグラフィックデザイナーになるための必須の資格はありませんが、持っておくと便利な資格は多数あります。以下に代表的な資格を紹介しますので、ぜひ前向きに学習してみてください。

 

Illustratorクリエイター能力認定試験

Illustratorクリエイター能力認定試験は、株式会社サーティファイが運営している資格試験です。

 

Adobe社が販売しているIllustratorは、ベクターデータを扱うイラストツールとして、世界的にも高いシェアを持っています。そのため、Illustratorクリエイター能力認定試験を受けることは、ゲームグラフィックデザイナーになるうえでの大きな助けになります。

 

Illustratorクリエイター能力認定試験には、「スタンダード」と「エキスパート」の2段階があり、現在持っている知識やスキルを踏まえた選択が可能です。

 

Photoshopクリエイター能力認定試験

Photoshopクリエイター能力認定試験は、株式会社サーティファイが運営しています。ビットマップデータを扱うPhotoshopは、画像の一部加工やぼかしなどに向いています。そのため、ゲームグラフィックデザイナーを目指す人にはIllustratorとPhotoshopを使い分けられるようになっておくことをおすすめします。

 

Photoshopクリエイター能力認定試験には「スタンダード」と「エキスパート」の2段階があり、スキルに応じて選択することができます。

 

CGクリエイター検定

CGクリエイター検定は、公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が運営しており、「ベーシック」と「エキスパート」の2段階が用意されています。

 

「ベーシック」で要求されるのは、CGの基礎的な知識や画像表現の方法、CGを扱う上で必要な知識などが出題されます。一方「エキスパート」は、「ベーシック」の出題内容に加えて、知的財産権やファイルの規格などの知識問題も多数出ます。

 

「ベーシック」は例年60~70%程度の人が合格していますから、過去問などでしっかり学習すれば合格可能なレベルです。一方、「エキスパート」は、毎年20%程度しか合格しない高難易度の試験です。難関ですが、それだけに持っていることで転職活動を有利にしてくれます。

 

色彩検定

色彩検定は公益社団法人色彩検定協会が運営しています。色彩検定の内容を学習することで、色彩理論を体系的に知ることができるので、ゲームグラフィックデザイナーを目指す人におすすめです。

 

1~3級、UC級の4カテゴリがあり、3級は初心者向け、2級は実務者向け、1級はより高度なプロ向けとして構成されています。また、UC級は色のユニバーサルデザインを含むので、ゲームデザイナーにも有効です。

 

2022年度は、1級は約40%、2級と3級は約77%、UC級は約86%が合格しているので、それぞれの難易度を踏まえて計画的に学習してください。

 

ゲームグラフィックデザイナーの年収

「ゲームグラフィックデザイナー」という名称での年収統計は見つかりませんでしたから、ゲーム業界の求人に特化した「G-JOBエージェント」で「グラフィックデザイナー」で検索したところ、年収は400万円~1,400万円とかなりの幅がありました。

 

1,400万円はかなりの破格ですが、上限を800万円や1,000万円とする企業は複数存在しました。そのためゲームグラフィックデザイナーは、スキルや経験値によって高収入が期待できる仕事と考えて良いでしょう。

 

※年収の数値は2024年1月7日現在の情報です。

※一般の求人サイトで「グラフィックデザイナー」として検索すると広告業界などの案件もヒットしますが、「G-JOBエージェント」ならゲーム業界だけの情報を確認することができるので非常に便利です。

 

ゲームグラフィックデザイナーに向いている人

ゲームグラフィックデザイナーに向いている人の特徴としては、そもそもゲームを作る意欲と、自分なりのデザインを生み出すことに前向きなことが大前提です。そのうえで、デッサン力や色彩の知識があること、CGツールを使いこなす素養があることなどが重視されます。

 

さらに、ゲーム業界全般に必要なコミュニケーションスキルも求められますが、以下では発想力と忍耐力について特に解説します。

 

発想力がある

Steamを代表とする海外のゲームプラットフォームが一般化した昨今、誰もが世界各国でリリースされるゲームに触れることができるようになりました。そして日本で開発されたゲームも同様に、世界中でプレーされる環境が形成されています。

 

そのように比較対象が多い時代ですから、ゲームに対する斬新さへの要求は今まで以上に高くなっています。そのためグラフィックデザイナーには、格好良さや美しさをデザインするスキルに加えて、発想力の強さが求められます。

 

忍耐力がある

ゲームに要求されるクオリティは高まる一方ですが、開発費や広告費を回収して利益を上げるにはスピードも求められます。そのため、ゲーム開発に関わる人は納期と戦い続けなければなりません。もちろん速いだけでは意味がなく、ユーザーに愛されるデザイン性の高さを守ることも必須です。

 

そのような状態から、クリエイターの多くはプレッシャーや緊張感にも耐えなければなりません。これらの観点から、グラフィックデザイナーにはストレスに耐えるスキルも要求されます。

 

ゲームグラフィックデザイナーの求人例

この項目では、ゲーム業界に特化した転職エージェント「G-JOBエージェント」のサイトから、ゲームグラフィックデザイナーの求人をいくつかピックアップして紹介します。

 

なお、ここで紹介するのは2024年11月時点に掲載されている求人例ですので、リアルタイムの求人情報ではありません。あくまでも例としてご覧ください。

 

求人例1

・職種:【フルリモート可/中堅】スマホ向けソシャゲグラフィックデザイナー

・募集年収:400万円~550万円

・雇用形態:正社員

・勤務地:東京都豊島区

・業務内容:スマートフォン向けゲームを中心とした、ゲームグラフィックの2D/3Dデザイン業務/世界観を構築するコンセプトアートの制作/ブロックチェーンゲームやNFTゲーム(フロントエンド・バックエンド両面での開発が可能)/配信アプリ内ゲーム(配信内でのコミュニケーションを生み出すゲームを開発中)/既存ジャンルのみにとらわれずアイデアを活かしたゲーム開発を実施中

・必須スキル:2D/3Dアート制作の経験3年以上/Adobe Photoshop、Illustrator、After Effects、Maya等のソフトウェア操作スキル

 

中堅デザイナーの募集ということもあって、募集年収は一般的な範囲です。必須スキルで2D/3Dアート制作3年以上の業務経験や複数のソフトウェア操作スキルが求められていますが、決して高いハードルではないので応募しやすい求人と言えるでしょう。

 

求人例2

・職種:グラフィックデザイナー:カットシーン(その他2DCGデザイン関連職、3DCGデザイン関連職)

・募集年収:500万円~1,000万円

・雇用形態:正社員

・勤務地:東京都区

・業務内容:コンシューマゲーム開発における、カットシーンの制作業務全般/カットシーンの仕様設計、制作パイプラインおよび制作フロー整備/カットシーンのテイストの決定/クオリティ管理等/使用ツール
Maya、Photoshop、AfterEffects

・必須スキル:カットシーンの制作経験(プリレンダー、リアルタイム問わず)/DCCツールを用いたカットシーンまたは映像制作の経験(ライティング含む)/ストーリー性のある、アニメ、ゲーム、CGムービーの絵コンテ制作や演出経験のある方/他職種と連携したカットシーン制作環境設計の実務経験

・望ましい経験:クリプト、シェーダーの知識がある方/ライティングやポストエフェクトの知識

 

年収の最小値が500万円、最大値が1,000万円であることから中堅以上を想定し、極力高いスキルをもつデザイナーの応募を望んでいることが伺えます。必須スキルの要求も細かく具体的なので、求める人物像が非常に明確です。

 

まとめ

「ゲームグラフィックデザイナー」という職業について、概要や仕事内容、年収や必要なスキルなどを解説しました。

 

ゲームグラフィックデザイナーの仕事はかなり業務の幅が広いので、実際の現場ではキャラクターデザイナーや背景デザイナー、エフェクトデザイナーやモーションデザイナーなどに分類されています。年収は経験やスキルの高さによって変わりますが、実績を築き上げてしっかりキャリアアップしていけば年収1,000万円超えも夢ではありません。

 

そのためこれからゲームグラフィックデザイナーを目指す人は、ぜひ「G-JOBエージェント」のサイトを参照して、好待遇の企業を目指してください。

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