【決定版】ゲーム制作におすすめなプログラミング言語徹底解説!


2022年11月29日

ゲーム制作を行う際に最初に考えるべきなのは、「どのプログラミング言語を選ぶべきか」ということです。選ぶ言語によってゲームの出来はもちろん、学習難易度や用意すべき環境、既存のシステムへの影響などが大きく変わります。

 

特に学習難易度については、これから言語を学ぶ人にとってもっとも重要なポイントです。プログラミング初心者の場合は、学習難易度の低い言語を選ぶのがおすすめです。また、どの言語を選んで習得するかによって、その後のプログラマーとしての活躍の場や年収アップの度合いが大きく変わってきます。

 

この記事では、ゲームを制作する際に用いるプログラミング言語の選び方やおすすめの言語の特徴、適したゲームの種類などについて詳しく解説します。これからゲーム制作をしていきたいとお考えの方がこの記事を読めば、どのプログラミング言語を選ぶべきかがわかるでしょう。

 

ゲーム制作・開発で活用されるプログラミング言語とは?

プログラミング言語はいくつもあるので、制作したいゲームの種類やプラットフォームにもっとも適した言語を選ぶことが大事です。

 

そこで、ゲーム制作でプログラミング言語を選ぶ際に知っておくべきポイントや考え方について、詳しくご説明します。これからゲーム制作に用いるプログラミング言語を選ぶ際に参考にしてみてください。

 

前提抑えておくべき考え方:「絶対的な汎用言語は存在しない」

ゲーム制作に限らず、プログラミング言語を選ぶ際に知っておいてほしいのは、「絶対的な汎用言語は存在しない」ということです。ひとつの言語を習得していればどのような場面にでも対応できる、などということはあり得ません。場面に応じたプログラミング言語を習得していく必要があるのです。

 

長い時間と労力をかけてプログラミング言語を習得するなら、どんなゲーム制作の場面にも適した汎用的な言語ひとつに絞りたい、と考える人も多いでしょう。一つの言語でどんなゲームも作れてどんな環境にもプラットフォームにも適応するなら、いくつもの言語を習得せずに済みます。

 

残念ながら、どんな場面にも適したプログラミング言語、などというものは存在しません。なぜなら、プログラミング言語にはそれぞれ特徴があり、得意分野や不得意分野、適応しやすいプラットフォームなどがまったく異なるからです。そのため、制作するゲームや環境に応じて、その都度もっとも適した言語を選ばなければなりません。

 

たとえば、スマホアプリゲームを制作する場合、AndroidとiOSの両方に対応する必要があります。Android向けのアプリを制作するならJavaなどの言語が適していますが、iOS向けアプリ制作に適しているのはObjective-CやSwiftです。そのため、Javaだけ、または、Swiftだけを習得しても、スマホアプリ向けのゲーム制作をすべてカバーできないのです。このように、スマホアプリの例をひとつとっても、いくつかのプログラミング言語を習得しなければ対応しきれないことがわかります。

 

ここまでご説明したとおり、ゲーム制作に限らずどのような場面にも適している汎用的なプログラミング言語などはありません。そのため、制作するゲームの内容や種類、プラットフォームなどを十分考慮して、場面に応じて適したプログラミング言語を選ぶ必要があるのです。

 

【G-JOBエージェント厳選!】ゲーム開発・制作おすすめプログラミング厳選10言語

ゲーム制作をするためには、どのようなプログラミング言語を習得すべきなのでしょうか?それぞれのプログラミング言語には得意分野や不得意分野があり、作りたいゲームや活躍したい分野によって適した言語が異なります。

 

以下にゲーム開発・制作おすすめプログラミング厳選10言語のメリット・デメリットと制作できるゲームを表で紹介します。

 

 

プログラム言語

メリット

デメリット

制作できるゲーム

C++

・適用ジャンルが多くゲーム制作にも向く

・処理速度が速い

・動作がなめらか

・習得すれば他言語に進みやすい

・学習難易度が高い

・C言語を習得してから学習した方がよい

・コンシューマーゲーム

・ソーシャルゲーム

・PCゲーム

・スマホアプリゲーム

C#

・学習難易度が比較的低い

・Unityなどの開発環境が充実

・わかりやすく開発しやすい

C言語、C++との互換性はない

・コンシューマーゲーム

・ソーシャルゲーム

・PCゲーム

・スマホアプリゲーム

Java

・OSに依存せず開発可能

・処理速度が速い

・安定しており大規模システムの開発が可能

・Android向け開発が得意

iOS向けのスマホアプリ開発には不向き

・ソーシャルゲーム

・PCゲーム

・Androidスマホアプリゲーム

JavaScript

・Web画面の動的機能開発が可能

・利用者・情報が多く学習しやすい

ブラウザに依存するためブラウザテストが必要

・ブラウザゲーム(画面部分)

・スマホアプリゲーム

Python

・バグが混入しにくい

・初心者向け

・フレームワークやライブラリが豊富

ゲーム分野での利用は少なめ

・ソーシャルゲーム

・PCゲーム

・Androidスマホアプリゲーム

PHP

・フレームワークが豊富

・利用者が多く学習しやすい

・初心者でも学習しやすい

・ホットデプロイが可能

動作速度が遅い場合がある

ブラウザゲーム(サーバーサイド)

Ruby

・国産言語なので日本語情報が多い

・初心者向けで習得しやすい

バージョンが変わると標準関数が違うためエラーが発生する可能性がある

・スマホアプリゲーム(サーバーサイド)

・ブラウザゲーム(サーバーサイド)

・ソーシャルゲーム(サーバーサイド)

Go

・シンプルでコーディングしやすい

・処理速度が速い

・技術者が少ないので市場価値が高め

現時点で活躍できる場はあまり多くない

・スマホアプリゲーム

・ブラウザゲーム

・ソーシャルゲーム

Swift

・MacOS上のPCゲームやiOSアプリ開発に適している

・iOSのスマホアプリ開発に特化している

・Android向けの移植は難しい

・学習難易度は高め

・PCゲーム(Mac)

・スマホアプリゲーム(iOS)

Objective-C

・MacOS上のPCゲームやiOSアプリ開発に適している

・C言語を習得していれば学習しやすい

iOSスマホアプリを開発するならSwiftの方がよい

・PCゲーム(Mac)

・スマホアプリゲーム(iOS)

 

上記の表で紹介した言語の特徴とメリット、デメリット、制作に適したゲームの種類や構築環境などについて、以下で詳しく説明します。これからゲーム制作をしたい人がどの言語を選ぶべきか迷っている場合は、このおすすめのプログラミング言語完全ガイドを参考にしてみてください。

 

C++

C++は、C言語から派生した言語です。ほかのプログラミング言語のベースとなっているので、最初に習得しておくとほかの言語を習得しやすいでしょう。

 

C++の特徴として、コンピューター向けの言語に近い記述の仕方をするということがあります。そのため、人間が理解しにくい部分があり学習難易度は高いです。そのため、まずはC言語を習得してからC++に進むと学習しやすいです。

 

コンピューターが理解しやすい言語なので、処理速度が速いというメリットもあります。その特性を生かして大規模なゲームやなめらかに動作するゲームの制作に適しています。

 

C++は処理速度が速くあらゆることに対応できる万能な言語なので、もちろんゲーム制作にも適しています。PlayStation 2の時代からコンシューマーゲーム機の開発に採用されており、Unreal EngineやCocos2d-xなどにも使われており実績も十分です。

 

ここまでご説明したとおりC++はゲーム制作に適しており、他言語にも応用がきくため最初に習得することをおすすめします。学習難易度が高いですがあらゆる分野で使えるため、プログラマーとして活躍したいなら習得すべき言語と言えるでしょう。

 

<メリット>

  • あらゆるジャンルに適しており、ゲーム制作にもぴったり
  • 処理速度が速い
  • なめらかな動作を実現できる
  • 他言語のベースになっているので習得すれば他言語に進みやすい

 

<デメリット>

  • 学習難易度が高い
  • C言語を習得してから学習した方がよい

 

<制作できるゲーム>

  • コンシューマーゲーム
  • ソーシャルゲーム
  • PCゲーム
  • スマホアプリゲーム

 

開発言語としてのC++の特徴やC言語との違いを詳しく解説したうえで、ゲーム開発にC++を用いるメリットやゲーム開発でC++が活用されるシーンなども説明しているコラムがありますので、C++に興味がある人はぜひ以下もご確認ください。C++を学ぶ上でおすすめの参考書も紹介しているので、これからC++を学ぶ人にもおすすめです。

「ゲーム開発におけるC++とは?言語の概要・ゲーム開発手法などをご紹介!」

 

C#

C#はMicrosoft社が開発したプログラミング言語で、Javaなどをベースにしています。C言語やC++の後継言語なので、C言語、C++の後に続けて習得すると学習効率が上がるでしょう。C++は学習難易度が高いですが、C#の難易度はそこまで高くなく比較的学習しやすいというメリットがあります。

 

C#はUnityというゲームエンジンが世界的にシェアを伸ばしたことで一気に普及しました。Unityは多くのプラットフォームに対応できるので、使いやすく利用者が非常に多い開発環境です。そのため、ゲーム制作者なら使いこなしておきたい開発環境です。

 

なお、世界的シェアを持つゲームエンジンUnityやUnreal Engineについて、概要や必要性、選択の基準などを説明したうえで、代表的なゲームエンジンの特徴やかかる費用なども解説したコラムがあるので以下にご紹介します。ゲームエンジンについて詳しく知りたい人はぜひお目通しください。

「ゲームエンジンとは?種類・特徴・メリット・ゲーム開発に必要なスキルを解説」

 

C++はコンピューターが理解しやすいコードなので人間にはわかりづらく学習難易度が高いというデメリットがありました。しかし、C#はコンピューターが理解しやすい言語ではあるものの、人間が読みやすいコードになっています。そのため、C#はC++と比べると習得しやすく、しかもコードを読みやすいためバグが入り込みにくいというメリットもあります。

 

万能なプログラミング言語なので、PCゲーム、ソーシャルゲーム、スマホアプリゲームなどの幅広いゲーム制作が可能です。そのため、これからゲーム業界で活躍したい人には非常におすすめの言語のひとつです。ただし、C言語やC++との互換性はないためご注意ください。

 

このように、C#はC言語やC++の良い点だけを採用しながらデメリットを克服した優れた言語と言えるでしょう。ゲーム業界で活躍の場を広げたい、年収アップをしたいという人は、ぜひ勉強してみてください。

 

<メリット>

  • 学習難易度は比較的低い
  • Unityなどの優れた開発環境がそろっている
  • 人間がわかりやすいコードなので開発しやすい

 

<デメリット>

  • C言語、C++との互換性はない

 

<制作できるゲーム>

  • コンシューマーゲーム
  • ソーシャルゲーム
  • PCゲーム
  • スマホアプリゲーム

 

Java

Javaは技術者が多く歴史もあり、機能も充実しているので非常に人気の高い言語です。すべてのOSとAndroidに対する開発が可能な万能言語です。主に、サーバーサイドの開発に用いられます。

 

処理能力が高く安定性も抜群なので、ゲーム制作はもちろんあらゆるシステム開発に用いられています。大規模システムの開発も可能で、銀行システムなどの大企業のシステム開発の現場でも活躍中です。特に、スマホゲームを開発するならAndroid版の開発が可能なので習得しておくべきでしょう。

 

上記でご説明したC#やC++と同様に、コンピューターが理解しやすいコードなので、処理速度が速いです。また、利用者が多いため豊富なライブラリを利用でき、ネット上などに有用な情報があるので学習しやすいというメリットもあります。

 

何より、世界中で利用されており安定性や機能性、処理速度などが優れている、ほとんどすべてのOSに対応しているというのは大きなメリットです。特に、OSに依存せずに開発ができるのは大きいでしょう。そのため、ゲーム業界で活躍して年収アップしたいなら、習得しておきたい言語です。

 

唯一のデメリットとしては、iOSのアプリ開発はほかの言語の方が適しているという点です。日本国内でリリースするゲームを開発するならiOS対応が必須です。そのため、スマホアプリゲームの技術者として年収アップを目指すなら、Java以外にもSwiftなどのiOSが得意な言語を習得することをおすすめします。

 

<メリット>

  • OSに依存せず開発できる
  • 処理速度が速い
  • 安定しており大規模システムの開発が可能
  • Android向け開発が得意

 

<デメリット>

  • iOS向けのスマホアプリ開発をするなら他の言語の方がよい

 

<制作できるゲーム>

  • ソーシャルゲーム
  • PCゲーム
  • Androidスマホアプリゲーム

 

JavaScript

よく間違えられるのですが、JavaScriptはJavaとはまったく違う言語です。その違いは、インドとインドネシアほど違う、メロンとメロンパンほど違うなどと、よくたとえられます。つまり、まったくの別物です。

 

JavaScriptは主にWebページの開発を行う際に使われます。一方、Javaはサーバーサイドのプログラム開発に使う言語なので、まったく違うことがわかります。

 

HTMLやCSSなどもWebページの開発に使われますが、画面の装飾やテキストの配置、画像の挿入など静的な機能の作り込みしかできません。これに対し、JavaScriptは動的なWeb画面の機能の開発が可能です。

 

動的な画面とは、プログラムは不要で画面上だけで高機能な動作を実現した画面のことです。たとえば、画像をクリックするとぱっと拡大表示される、画像がスライダーのように切り替わるなどのサイトはよく見かけます。このような動きは画面上だけで実現されており、サーバーとやり取りがないので、タイムラグが発生することなくユーザーがすぐに楽しめるのです。このように、サーバーサイドにプログラムを必要とせず画面上で動的な動きを実現できるので、手軽に高機能なWebページ開発ができます。

 

さらに、コードが完成したらブラウザ上ですぐに実行できるので、テストしながら実行して試せるというメリットもあります。ただし、ブラウザに依存する部分が大きく、ブラウザごとに実行してエラーが発生しないかテストする必要があるのはデメリットです。

 

JavaScriptは手軽に高機能なWeb画面開発ができるので、非常に人気が高いです。汎用性が高く幅広い分野で利用されるので、習得しておけばゲーム制作者として活躍の場が広がるでしょう。また、HTMLとCSSと一緒に使われることが多いので、一緒に習得すると技術の幅がさらに広がります。

 

また、JavaScriptは利用者が多く人気が高いため、情報が豊富で学習しやすいのも大きなメリットです。スマホアプリゲームやブラウザゲームを開発するなら習得を強くおすすめします。

 

<メリット>

  • Web画面の動的な機能を開発できる
  • 利用者が多く情報が多いので学習しやすい

 

<デメリット>

  • ブラウザに依存するためブラウザテストが必要

 

<制作できるゲーム>

  • ブラウザゲーム(画面部分)
  • スマホアプリゲーム

 

ゲーム開発でJavaScriptが使用される場面やゲーム開発にJavaScriptを使用するメリットのほか、JavaScriptでゲーム開発を行う手順などを記載したコラムがありますので以下にご紹介します。JavaScriptの活用方法を詳しく知りたい人や、これからJavaScriptを学ぼうと考えている人必見のコラムですので、ぜひご覧ください。

「JavaScriptで初心者でもゲームを作れる?メリット・デメリットやゲーム例・作り方を紹介」

 

Python

Pythonはスマホアプリやソーシャルゲーム開発によく用いられるプログラミング言語です。また、フロント部分の開発以外にも、一括処理を行うバッチファイルに用いられることもあります。

 

Pythonのもっとも大きな特徴として、コーディング規約が厳密、ということがあります。規約を守って正しくコーディングすれば、シンプルで見やすくバグが混入しにくいコーディングができるのがメリットです。

 

フレームワークやライブラリも豊富で、これらを用いれば高品質なコードを効率良く作成できます。そのため、技術者に人気の高い言語です。ライブラリのなかでも「Pygame」というゲーム開発に特化したライブラリがありゲーム開発に最適です。

 

Pythonには厳しいコーディング規約があり、規約を守れば正しいコードを書けるため、初心者向けです。自由度が高すぎる言語は熟練者向けですが、Pythonは規約が厳密なため初心者が学びやすい言語と言えるでしょう。

 

近年注目を浴びているAI開発やデータ解析にもよく使われます。ただ、ゲーム開発向けのフレームワークはあるものの、ゲーム開発の現場でそこまで頻繁に使われる言語ではありません。習得する前に、本当に現場で必要とされているかを確認しましょう。

 

ゲーム開発者としてはもちろん、AI開発やデータ解析などの分野でも活躍できるので、プログラマーとして仕事の幅を広げたいなら習得をおすすめします。

 

<メリット>

・規約が厳密なのでコードがシンプルでバグが混入しにくい

・初心者向け

・フレームワークやライブラリが豊富

 

<デメリット>

・ゲーム分野ではそこまでメジャーな言語ではない

 

<制作できるゲーム>

・ソーシャルゲーム

・PCゲーム

・Androidスマホアプリゲーム

 

PHP

PHPは、スマホアプリゲームやブラウザ上で動作するソーシャルゲームのサーバーサイドの開発によく使われます。フレームワークが豊富なので、適したフレームワークを選んで活用すれば開発効率を上げることも可能です。

 

サーバー開発の環境ではLinux、Apache、MySQL、PHPのLAMPを用いるのが主流となっています。LAMPを利用する技術者が多くネット上の情報やテキストなどが豊富なため、学習しやすいでしょう。学習難易度もそれほど高くありません。

 

PHPで構築した環境はサーバーの運用環境に反映させるデプロイを行うと、すぐに反映されて動作できることもメリットです。リアルタイムに更新が必要な、ホットデプロイを求められる場面で有用です。スマホアプリゲームやソーシャルゲームなどは、頻繁な更新やバグ改修が発生しスピーディーな反映が必要なので、そういった点でもゲーム開発に適していると言えます。

 

デメリットとして、動作速度が遅い場合があるということが挙げられます。開発するゲームの機能追加が進んだりユーザー数が増えたりなど規模が大きくなってきた場合は、注意が必要です。

 

PHPは利用者が多く活躍できる場面が幅広いため、習得しておけばゲーム制作者としての仕事の幅が広がります。ゲーム制作者として仕事を増やして年収アップを目指すなら、習得することをおすすめします。

 

<メリット>

  • フレームワークが豊富
  • 利用者が多く学習しやすい
  • 学習難易度は比較的低く初心者向け
  • ホットデプロイが可能

 

<デメリット>

  • 動作速度が遅い場合がある

 

<制作できるゲーム>

  • ブラウザゲーム(サーバーサイド)

 

Ruby

Rubyは、日本人のまつもとゆきひろ氏が開発した国産のプログラミング言語です。そのため、日本語の情報が多く学習しやすいでしょう。スマホアプリやソーシャルゲームのサーバーサイドの開発に用いられることが多いです。

 

言語としての難易度は高くないので、初心者でも学習しやすい言語です。日本語の情報の多さと合わせて、習得しやすい言語と言えるでしょう。

 

問題点として、バージョンによって標準関数が違うということがあります。開発時のバージョンとゲームを動作させる部分のバージョンが食い違うと、エラーが発生することもあるのでバージョンをそろえておきましょう。

 

ゲーム開発の現場でRubyを使うところはそこまで多くありません。ただ、ずっと使っているという現場もあるので、転職時などは現場でどの言語を使っているかを必ずリサーチしておきましょう。

 

Rubyによる開発が必須なゲーム会社などに転職する場合は、習得すべきです。必要に応じて習得を検討しましょう。

 

<メリット>

  • 国産のプログラミング言語なので日本語の情報が多い
  • 初心者向けで習得しやすい

 

<デメリット>

  • バージョンが変わると標準関数が違うためエラーが発生する可能性がある

 

<制作できるゲーム>

  • スマホアプリゲーム(サーバーサイド)
  • ブラウザゲーム(サーバーサイド)
  • ソーシャルゲーム(サーバーサイド)

 

Go

GoはGoogleが開発したオープンソースのプログラミング言語です。シンプルな言語を追及して開発されているので、コーディングしやすく処理速度が速いという特徴があります。

 

プログラムを一度コンパイルして実行オブジェクトを生成するタイプのコンパイル言語です。そのため、実行速度が速くなっています。

 

Googleが開発した言語で、YouTubeのサーバー開発に用いられていることも知られています。新しい言語なのでそこまで普及してはいませんが、YouTubeのような巨大システムの開発も可能なので安定した言語であることがわかります。

 

ゲーム業界でも徐々に利用する企業が増えていますが、まだまだGo言語の技術者は不足しています。そのため、習得すれば市場価値の高いプログラマーになれる可能性もあるでしょう。

 

<メリット>

  • シンプルでコーディングしやすい
  • 処理速度が速い
  • 技術者が少ないので習得すれば自分の市場価値を上げられる

 

<デメリット>

  • 現時点で活躍できる場はあまり多くない

 

<制作できるゲーム>

  • スマホアプリゲーム
  • ブラウザゲーム
  • ソーシャルゲーム

 

なお、Go言語の特徴や他言語と大きく異なる点、活用されているシーンや勉強方法について詳しく書いたコラムがあるので以下に紹介します。Goに興味がある方や、特徴を知りたい方はぜひご一読ください。

「Golang(Go言語)でゲーム開発する方法とは?勉強方法を解説」

 

Swift

SwiftはObjective-Cの後継言語で、iOSスマホやタブレットのアプリ開発に特化しています。iPhoneの利用者が多い日本国内向けのスマホアプリを開発するなら習得すべき言語です。

 

開発環境はMacのみで、開発したアプリが動くのはiOS上だけです。世界的に見るとスマホのOSはAndroidのシェアが圧倒的ですが、日本国内ではAndroidとiOSがシェアを二分しています。そのため、日本国内向けのスマホアプリ開発を行うなら、必要となる言語です。

 

ただし、AndroidとiOSの両方に対応するアプリを開発する場合、Swiftで開発したコードをAndroid向けに移植するのは難しいという問題点があります。また、言語としての学習難易度は若干高めです。

 

スマホアプリゲームの開発者として年収をアップしたいなら、習得をおすすめします。Android向けの開発とiOS向けの開発をどちらもできる技術をもっていれば、開発者としての価値を高めることができるでしょう。

 

<メリット>

・MacOS上のPCゲームやiOSアプリ開発に適している

・iOSのスマホアプリ開発に特化している

 

<デメリット>

  • Android向けの移植は難しい
  • 学習難易度は高め

 

<制作できるゲーム>

  • PCゲーム(Mac)
  • スマホアプリゲーム(iOS)

 

なお、Swiftの言語としての特徴やメリット、Objective-Cとの相違点などを解説したうえで、ゲーム開発でしばしば用いられるフレームワークや、Swiftの学習方法にも言及したコラムがあるので、以下でご紹介します。Swiftの活用方法を知りたい人や、これから学ぶ言語を検討している人はぜひご参照ください。

「ゲーム開発言語におけるSwiftとは?基本から学習方法までご紹介!」

 

Objective-C

Objective-Cは、C言語をベースにしたApple製品のアプリ開発向けのプログラミング言語です。Mac上で動作するパソコンゲームやiOSアプリゲームなどの開発に適しています。

 

C言語をベースにしているので、C言語を習得しているならすんなりと習得できるでしょう。ただ、スマホアプリ向けの開発を行うなら、後継言語のSwiftの方が優れています。

 

開発環境はMacのみで、Appleの統合開発環境の「Xcode」上で開発を行います。そのため、Objective-Cで開発するならMacとXcodeは必須です。

 

日本国内向けのスマホアプリゲームを開発するなら、iOS向けの対応が必須です。そのため、Android向けの言語だけでなく、Objective-CやSwiftでiOS対応を行う必要があるでしょう。

 

スマホアプリゲームの需要の高さはまだまだ続くと考えられるため、Android向けとiOS向けの言語をどちらも習得しているプログラマーの市場価値は高いです。どちらもこなせるプログラマーになれば転職が有利になりますし、転職後の年収アップも期待できるでしょう。

 

<メリット>

  • MacOS上のPCゲームやiOSアプリ開発に適している
  • C言語を習得していれば学習しやすい

 

<デメリット>

  • iOSスマホアプリを開発するならSwiftの方がよい

 

<制作できるゲーム>

  • PCゲーム(Mac)
  • スマホアプリゲーム(iOS)

 

ゲーム制作におけるプログラミング言語選びに関連する要素

ゲーム制作においてプログラミング言語を選ぶ際に考慮すべき要素は、以下のとおりです。

・プログラマーの熟練度

・構築環境

・既存システム有無

・学習難易度

 

ここでは、これらの要素がどのようにプログラミング言語の選択に関わってくるのかを詳しくご説明しましょう。

 

プログラマーの熟練度

ゲーム制作のプロジェクトメンバーの熟練度によって、選ぶべきプログラミング言語が変わります。メンバーの熟練度が低い言語を選んでしまうと品質の高いプログラミングはできず、納期までに完成させられない可能性もあります。プログラムにバグが入り込むと納期はさらに遅れ、最悪の場合、大きな手戻りが発生して人件費が膨らみ赤字になってしまうかもしれません。

 

逆にメンバーの熟練度が高い言語を選べば、プロジェクトをスムーズに進められます。過去の経験を活かしてコードを再利用することも可能なので、バグの発生を抑えて高品質なプログラムのコーディングができます。その結果、工数を抑えて効率良く利益をあげられるでしょう。

 

このように、プロジェクトメンバーが言語を習得しているということだけでなく、熟練度がどうかを確認しなければなりません。プロジェクトメンバーの熟練度が高いプログラミング言語を選ぶことは非常に重要なのです。

 

構築環境

プログラミング言語によって用意する環境が異なります。選ぶ言語によって適したコンパイラ、デバッガ、エディタなどの構築環境や動作環境が必要です。

 

たとえば、Javaを使ってAndroidアプリを開発する場合の開発環境はAndroid Studioが適していますが、それ以外の場合はEclipseの方が適しています。適した環境を用意すれば作業効率が向上し、プログラムの品質にも大きく関わるので重要なポイントです。

 

新しいプログラミング言語を習得する場合、言語を勉強するだけでなく構築環境や動作環境を整える必要があります。プロジェクトメンバーが多い場合は人数分のライセンス料を用意しなければならないので、予算を積んでおく必要もあるでしょう。

 

このように、プログラミング言語に適した構築環境や動作環境を選ぶことはプログラムの品質や効率に大きくかかわるので、とても重要です。

 

既存システム有無

制作するゲームの既存システムが何の言語で作られているかも重要です。すでに採用しているプログラミング言語を継続して使うのがもっとも効率的です。

 

既存の言語を利用すれば、すでに高い品質のプログラムを開発した実績がありプロジェクトメンバーもその言語に慣れています。そのため、次の開発でも同じ言語を採用するのは自然の流れと言えるでしょう。

 

ただ、機能追加や改修を重ねているゲームの場合、性能や規模、メンテナンス性などの面で採用していた言語が合わなくなっていく可能性もあります。開発を重ねていくなかで不具合が発生しだしたら、既存システムを更改してプログラミング言語を適したものに変更した方がよいでしょう。

 

たとえば、スマホアプリの開発時に習得が簡単で、しかもフレームワークが豊富なため効率的に開発できるPHPを採用していたとします。しかし、PHPには動作速度が遅いというデメリットもあり、機能追加を重ねてゲームの規模が大きくなるにつれ動作が遅くなってしまいます。その場合、習得が難しくハードルが高いものの、処理速度が速く優れた言語であるJavaへの乗り換えを検討すべきかもしれません。

 

このように、既存システムの有無や影響を考慮して、もっとも適した言語を選ぶべきでしょう。

 

学習難易度

プログラミング言語を習得するなら、学習難易度が低く習得しやすい言語を選ぶ方が早く習得できます。たとえば、PHPやSwiftなどは学習難易度が低いため、初心者でも習得がしやすい言語です。逆に、C言語系やJavaは習得が難しいと言われています。このように、習得すべき言語を選ぶ際には、学習難易度も重要なポイントです。

 

また、難易度だけではなく学習のしやすさも考慮すべきです。C++やJavaなどの利用者が多いメジャーな言語はネットや動画などで必要な情報を入手しやすいので、学習しやすい言語です。一方、Goなどはまだ日本の技術者が少ないため、他のメジャーな言語ほど日本語の情報がありません。

 

日本語の文献が少ない場合、英語で情報収集する必要があります。習得する言語を選ぶ際には、情報が得やすいかどうかも確認しておくとよいでしょう。

 

もちろん、学習難易度だけで採用する言語を決めるべきではありません。ただ、ある程度習得したい言語を絞れたら、まずはそのなかで難易度が低い言語を選ぶことをおすすめします。難易度が低ければ早く習得できます。そして、言語をひとつ習得すれば、次の言語を習得する際に応用が効くのでより早く習得できます。そうやってどんどん使える言語を増やしていけば、プログラマーとしての価値を高められるでしょう。

 

まとめ

この記事では、ゲームを制作する際に用いるプログラミング言語の選び方やおすすめの言語の特徴、適したゲームの種類などについて詳しく解説しました。

 

ゲーム制作を行う際には、開発するゲームの種類や開発環境、熟練度に応じてもっとも適したプログラミング言語を選ぶべきです。また、言語によって学習難易度が違うので、プログラミング初心者は学習難易度が低い言語を選べば効率良く習得できるでしょう。ひとつ言語を習得すれば、その経験を活かして他の言語を習得しやすくなります。そのため、最初は難易度が低い言語を選ぶことをおすすめします。

 

この記事でご説明したとおり、プログラミング言語によって特徴や学習難易度、得意分野や不得意分野が大きく異なります。これからどのようなゲームを開発したいのか、どのような分野で活躍したいのかによって、自分に合ったプログラミング言語を選んでみてくださいね。

 

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