ゲームキャラクターデザイナーに必要なスキルは?年収・将来性・求人情報を紹介


2023年5月25日

このコラムでは、「ゲームキャラクターデザイナー」という職業について、業務内容や似た名称の職種との違い、年収や将来性、必要なスキルや転職に有効な資格などを記載します。

 

ゲームキャラクターデザイナーを目指す人必見の内容が豊富です。漠然とでも「ゲームのキャラクターを作る人になりたい」と思っているなら、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

 

ゲームキャラクターデザイナーとは

ゲームキャラクターデザイナーとは名称の通り、ゲームに出てくるキャラクターをデザインする仕事です。とはいえ、「キャラクター」というとゲームの登場人物を想像する人も多いでしょうが、ゲームキャラクターデザイナーは、動物やモンスター、アイテムやメカなどのデザインも担当します。

 

中には「メカデザイン」など特定分野に特化したデザイナーはいますが、これからゲームキャラクターデザイナーを目指すなら守備範囲を広めに考えておいた方が良いでしょう。

 

ゲームのキャラクターは、リリース時やイベントの際に必ずと言ってもいいほど告知に使われます。そのため、キャラクターデザインはそのタイトルの人気や売上を大きく左右する要素です。人気が出ればデザイナー自身がクローズアップされることもありますから、非常にやりがいのある仕事と言えるでしょう。

 

キャラクターデザイナーと混同しやすい職業と違い

この項目では、ゲームキャラクターデザイナーと混同されやすい職業について、仕事内容の違いを説明します。

 

イラストレーター

イラストレーターは名称の通り、ゲーム内のイラストを書くことを仕事としています。会社によってはイラストレーターとキャラクターデザイナーの境界があいまいなこともあります。

 

分業が明確な職場であれば、キャラクターデザイナーは企画に沿ってキャラクターを生み出す人、イラストレーターはすでに生み出されたキャラクターが登場するイラストを描く人と分類されます。

 

ゲームデザイナー

ゲームデザイナーとは、ゲーム全体を企画する職業です。ゲーム開発においてどちらも重要な仕事ですが、ゲームデザイナーは企画職で仕事の上流から携わる人、ゲームキャラクターデザイナーは専門職で、企画書を受けてゲームの世界観に合うデザインをする人です。

 

ゲームキャラクターデザイナーの仕事内容

ここからは、ゲームキャラクターデザイナーの仕事内容を細かく説明します。

 

ラフデザイン制作

まずゲームの企画書に沿って、ゲームの雰囲気や世界観を踏まえたラフデザインを行います。メインキャラクターはゲームの顔となる重要な要素なので、ラフ段階でゲームディレクター等の企画を担当する人たちと打ち合わせを行います。

 

例えばスタイリッシュさを強調した案やコミカルな案などを出し、複数の意見を集約しながら具体化していく段階です。

 

デザインの清書

ラフデザインで方向性が決まったら、デザインを清書して最終稿を作ります。ゲーム開発は共同作業なので、デザイナーはキャラクターを複数の角度から描いて、作画を担当するスタッフの誰もが扱えるようにする必要があります。また、人物であれば喜怒哀楽の表情や個性を示すポーズなども書きます。

 

デジタルデザイン

ゲームによってはアナログデザインだけの場合もありますが、近年はデジタルデザイン化することがほとんどです。また、デジタルデータ化や3DCGとして扱えるようにモデリングする仕事もキャラクターデザイナーの仕事であることが多いです。

 

ゲームキャラクターデザイナーになるために必要なスキル・能力とは

この項目では、ゲームキャラクターデザイナーになるために要求されるスキルや能力を紹介します。

 

デッサン力

キャラクターデザインのプロになるにはデッサン力が必要です。ただし、「デッサンが狂っている」といった言葉から、「デッサン」は写実することやバランスを取ることと思われがちですが、「表現力」もデッサンに含まれています。

 

バランスが良いだけの単なる「上手い絵」ではユーザーの人気を獲得することはできません。ゲームキャラクターデザイナーとして活躍していくには、見る人にとって魅力がある表現豊かなデッサン力を身につける必要があるのです。

 

想像力・発想力

ゲームキャラクターデザイナーには、企画の文章からビジュアルを想像する能力が求められます。また、タイトルによっては見たことのない未来や異世界で活躍するキャラクターを発想しなければならない場合もあるでしょう。

 

そのため、「今回の企画ならこんな服装が合うだろう」、「このストーリーを盛り上げるにはこんなモンスターが必要だ」といったアイデアを出せるように、日頃から多くのことに興味を持っておくことをおすすめします。

 

3D表現スキル

近年のゲームキャラクターデザインには、3Dグラフィックでの表現スキルは欠かせないものになっています。3Dの要素であるモデリングやモーションデザイン、リギング(モデルとスケルトンを関連付ける工程)など、基本的なことはぜひ身につけておきましょう。

 

コミュニケーション能力

ゲーム開発はプロジェクトで行うものなので、コミュニケーション能力も欠かせません。ゲームキャラクターデザイナーは、まず企画を受けてデザインを開始するので、ゲームデザイナーなどの企画職の人が作った世界観を踏まえる必要があります。

 

また、主要キャラクターのデザインについては何度もすり合わせを行うことが一般的です。その際には、プレゼン能力が必須ですし、相手が望むことを汲み取る会話力も要求されます。

 

ゲームキャラクターデザイナーになるために持っているとよい資格

ゲームキャラクターデザイナーになるために、絶対に取得しなければならない資格はありません。とはいえ、持っていると有利な資格はいくつかあるので以下に紹介します。

 

なお、資格取得の参考になるように難易度や学習時間の目安を記載していますが、あくまでも目安です。そのため、ご自身の経験や知識を踏まえて調整してください。

 

Illustrator®クリエイター能力認定試験

Illustrator®はアドビ社が発売しているグラフィックデザインツールです。後述するPhotoshop®と混同されることもありますが、ビットマップデータを扱うPhotoshop®に対して、Illustrator®はベクターデータを扱います。

 

Illustrator®クリエイター能力認定試験は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が運営しています。スタンダードとエキスパートという2段階の試験が用意されており、どちらも受験資格は設定されていません。スタンダード、エキスパートともに合格率70%程度と発表されており、きちんと準備しておけば、高難易度というレベルではありません。

 

学習時間の目安は、スタンダードなら20時間程度、エキスパートなら60時間程度とお考え下さい。

 

Photoshop®クリエイター能力試験

Photoshop®は世界的なシェアを持つグラフィックアプリとして知られています。この試験は、Photoshop®を使用するための知識やスキルを認定する資格です。

 

ゲームクリエイターに関連する資格を複数扱っているサーティファイ情報処理能力認定委員会が運営しています。試験はスタンダードとエキスパートという2段階が用意されています。スタンダードは実技と実践の2分野、エキスパートは実技、実践、知識の3分野が問われます。

 

Photoshop®はゲームクリエイターにとって基本的ソフトとも言える位置づけなので、この資格を持っていれば就活時のプラスになるでしょう。試験には実技問題があるので、基本的にPhotoshop®をある程度使っていることが前提です。

 

合格率はスタンダード、エキスパート共に70%前後なので、難易度が高い試験ではありません。過去問の傾向を踏まえながら、20~30時間程度は学習しておくことをおすすめします。

 

CGクリエイター検定

CGクリエイター検定は、公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)という組織が運営しています。2D、または3DCGを扱うクリエイター用の資格で、ベーシックとエキスパートの2段階が設定されています。

 

ベーシックはCG全般の基礎知識や画像表現の方法、CGクリエイターに必要な技術的知識などから出題されます。エキスパートは、ベーシックの出題内容に加えて、プロダクションワークなどの実用性が高い内容も含まれます。また、知的財産権やファイルの規格などの知識面からの出題もあります。

 

ベーシックの場合、毎年6割以上の人が合格しているので、しっかり準備しておけば合格できるレベルです。過去問で傾向を見ながら30時間程度は学習しておきましょう。一方、エキスパートは合格者が2割程度とかなり高難易度な資格です。準備時間も100時間程度は必要と言われており、計画的な学習が欠かせない資格試験です。

 

高難易度の資格なだけに、持っていれば転職に有利ということもできます。

 

ゲームキャラクターデザイナーの年収・将来性

ここからは、ゲームキャラクターデザイナーの年収や将来性について記載します。

 

まず年収については、新卒入社初年度は300~400万円程度から始まることが一般的です。その後5~10年程度かけて実力をつけ、スペシャリスト的な位置に立てば年収1000万円も不可能ではありません。

 

キャリアプランとしては入社した会社で実績を積み、まずはメインキャラクターのデザインを任されることを目指す人が多いです。その後、同じ部署の管理職的な立場になるか、あるいは発想力を活かしてゲームデザイナーやゲームディレクターに転身する手もあります。

 

また、業界内でデザイナーとしての地位を確立したうえで、独立する道を選ぶ人もいるでしょう。「AIに仕事を奪われるかもしれない」という不安がある職業も多い昨今ですが、創造的な内容がメインであるゲームキャラクターデザイナーという仕事の将来は、決して暗いものではありません。

 

とはいえ、クリエイティブな仕事全般に言えることとして、しっかりと実力をつけることや、時代の流れに乗り続けること、自分なりの独自性を持つことなどは常に考えておくようおすすめします。

 

ゲームキャラクターデザイナーの求人情報

この項目では、ゲームキャラクターデザイナーの求人情報例を紹介します。

 

■株式会社カプコン

・業種:キャラクターデザイナー/3DCGキャラクターデザイナー

・年収:前職をベースに考慮

・雇用形態:正社員

・業務内容:ゲーム制作に関わる、キャラクターデザイン業務全般。ゲーム開発に関するキャラクター制作業務全般。キャラクターデザイン(モンスター・プレイヤー・武器等)や3DCGモデル制作(スカルプト・スキニング・セットアップ)のほかクオリティ管理。

・勤務地:大阪市中央区

 

詳しくは以下をご参照ください。

【G-JOBエージェント】「キャラクターデザイナー」の求人一覧

 

まとめ

「ゲームキャラクターデザイナー」という職業についてまとめました。ゲームキャラクターデザイナーは、ゲームに登場する人物やモンスター、メカニックなどをデザインする職業で、ゲームのセールスを大きく左右するポジションです。

 

マーケティングの際には必ずと言っていいほどメインキャラクターが表に出されますから、そのデザインは「ゲームの顔」とも言えるやりがいのある仕事です。それだけにプレッシャーもあるでしょうが、ヒットすればデザイナー自身の名前も売れることになりますし、高収入も期待できます。

 

ゲームキャラクターデザイナーを目指すのであれば、ぜひこのコラムを熟読して必要なスキルや資格の獲得に励みましょう。

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